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声優相撲の「決まり手」とは、相撲の勝負が決まった際の技のことである。
相手の胸や顔を掌で突っ張り、土俵の外に出す技。最も基本的な技のひとつ。
明治から大正にかけての横綱太刀山峯右エ門の突きは強烈で、
“一突き半で相手を突き出す”ということから「四十五日(一突き半→一か月半)」の異名をとった。
現役力士では、戸松遥、佐倉綾音、上坂すみれ、東山奈央、竹達彩奈などが得意とする。
声優相撲では、「突き押し相撲」の中でも、押し相撲以上に前に出る意欲が強い、
向こう見ず、無鉄砲なキャラクターを演じる声優が用いることが多い。(悪く言えば、「バカ」キャラ)
相手との力の差が歴然としている場合に、決まり手が「突き出し」となる場合もある。
重心が高くなってしまい相手の突きに土俵を割る場合が多いが、
突きを食らう相手が小柄で体重が軽い方が決まりやすいのは言うまでもない。
相手の胸や顔を掌で突っ張り、土俵上や土俵の外に向けて倒す技。
突っ張りの強力な力士の場合、ノックアウトしてしまう場合もあり、その場合もこれが当てられる。
声優相撲では、「突き押し相撲」の突き出しと同様、力の差が大きい場合に出やすい技である。
土俵際での「浴びせ倒し」に近いのしかかりや、ノックアウトに近い張り手などでも登場する。
1970初06 ◯前03・福の花 突き倒し ●大関・北の富士
相手の胸や喉、腋を押し、土俵の外に出す技。最も基本的な技のひとつ。
声優相撲力士の「タイプ」の一つである「突き押し相撲」の最も基本的な技であり、
相撲そのものの理想的な相撲運びの一つでもあるため出現回数は多い。
また、寄り切りなど廻しを取る相撲で、土俵際の詰めの段階で、
廻しから手を離して勝敗が付いた場合も「押し出し」となる。
「明るい」「ヒロイン」キャラクター全般、また主人公を好きであることを、
「全面に出す」キャラクターなど、前向きで元気なキャラクターを演じる声優が好んで用いる。
また、基本的に声の高い、軽さを持った声優が得意とする傾向にある。
一方で、経験者が有利である「四つ相撲」を苦手とするような、
経験の浅い力士などが結果的に「押し相撲」に徹する場合もある。
「棒読み」ならぬ、「棒立ち」で腰高なまま強引に押す相撲が、
幕下以下では特に多く見受けられ、そのままある程度番付を駆け上がる例もある。
しかし本質的な「押し相撲」は押す位置や重心の低さなどで、
「四つ相撲」にも負けない技を要するものである。
「押し相撲」の弱点としては、「廻しを取られると弱い」ことがあげられる。
押し相撲一辺倒では、四つ相撲がうまい上位陣に通用しなくなり頭打ちとなる。
「演技力」を兼ね備えた上で「押し相撲」のパワーを出せるようになれば、
上位でも安定した勝ち星をあげられるようになり、上位に定着するようになる。
押し相撲を得意とする力士は、廻しを取られた場合の「対処法」の有無が大事である。
三役経験者は廻しをとっても相撲を取れる力士が揃っている印象がある。
逆に四つ相撲を得意とする力士でも、実は押し相撲のパワーが強いことがあり、
横綱大関陣などでは特にその傾向が強い。
現役力士では、戸松遥、佐倉綾音、東山奈央、伊藤かな恵などが得意としている。
2012.01.08 大相撲初場所初日
千代栄 ○(押し出し)● 肥後ノ龍
2012.01.08 大相撲初場所初日 千代丸
○(押し出し)● 前田
相手の胸や喉、腋を押し、土俵上や土俵の外に倒す技。
四つに組んだ体勢になって自分の体を対戦相手に密着させ、
前か横に進みながら相手を土俵外に出す技。もっとも良く見掛ける決まり手の一つである。
大相撲では幕内で最も多く出る「決まり手」で、声優相撲でも出現頻度はトップクラスである。
廻しを取った相撲においては、投げで決着を付けるよりも、
寄り切って決着を付ける方が理想的と見る向きが多い。
声優相撲では、バランスの良い「王道ヒロイン」「正妻」なキャラクターを
演じる声優が多く用いる決まり手である。
安定して勝ち星を挙げる三役力士、特に横綱大関陣は、
王道ヒロインを毎クール複数演じることが現在では必須条件となっている。
特に優勝争いを競う上では、「取りこぼし」を減らす意味でも、
正ヒロイン・主人公の座を射止めることが鍵となる場所が多い。
現役力士では大横綱・花澤香菜を筆頭に、歴代横綱陣は押し並べて得意とする。
他に、内田真礼、金元寿子、雨宮天、内山夕実などが得意とする。
四つに組んだ体勢になって自分の体を対戦相手に密着させ、前か横に進みながら相手を土俵外へ倒す技。
四つに組んだ体勢で、自分の体重を相手にかけ、のしかかるように倒す技。
目安として倒して土俵外に出せば寄り倒し、土俵内で倒せば浴びせ倒しとなる。
上手から相手の褌を引き、その上手から相手を投げる技。
四つ相撲の王道を行く技といわれることがままあり、四つに組む相撲での強豪力士の多くは、上手投げを得意としている。
一般に、上手投げと下手投げで投げの打ち合いをした場合、上手投げの方が有利といわれる。
声優相撲では「クール」「消極的」なキャラクターを演じる声優が投げを用いる傾向が強い。
現役力士の中では横綱・茅野愛衣、沢城みゆきが異なる四つであるが「上手投げ」を得意としている。
若手技巧派・早見沙織などがあげられる。
差手で褌を引き、相手が寄ってくる際に差した方の足を基点として、
他の足を差手の方に大きく開きながら、差手をかえすようにして投げる。
相手の前に出る力を利用して投げるため上手投げと比して熟達した技量を必要とし、
また後ろに下がりながら投げを打つケースが多いことから、「下手投げ主体の力士は大成しない」との決まり文句がある。
相手の片方の差手を上手から抱えるように取り、その組んだ腕に重心を預けるようにして投げる。
体勢によっては上手出し投げに似るが、小手投げは投げる際に廻しを取らない。
たびたび強引な小手投げによる負傷者が出ることから、数ある決まり手の中でも危険な技のひとつに数えられている。
全勝白鵬に稀勢の里
意地の小手投げ
旭天鵬 豪快に小手投げ 富士東
大相撲【照ノ富士-豪栄道】春場所
千秋楽-小手投げ-1503
差し手で褌を取らず、相手をすくうようにして投げる技。
技の性質上比較的差し手を容易に取ることができる上に相手の差し手を封じる効果も兼ねるため、
手堅い守りの相撲を取る際に重宝される。
反面廻しを取っての投げより威力が低いため、決め手となりづらい場合も少なくない。
これを十分な武器として扱うためには強い回転が利く上体の柔軟性、或いは高い筋力が必要となる。
上手で相手の廻しを取り、廻しを取らないほうの足を引いて、相手を引きずるように自分の前方に投げる技。
いずれにせよ、技能を兼ね備えた力士が多用する奥の深い技である。
差手で相手の褌を取り、褌を取らないほうの足を引いて、相手を引きずるように自分の前方に投げる技。
相撲の流れのなかでとっさに出るという印象のある技である。
四つ相撲から相手の体を自分の腰に乗せて投げる技。
相手を腰に乗せる為には、自分の体勢を低くしなければならず、なおかつ膝を地面につくことはできない。
柔道(大腰)やレスリングでは基本的な技であるが、相撲での頻度は低い。
この技は自分の腕を相手の首に巻きつけてねじるようにして相手を投げ倒す技。
攻め込まれた際の窮地の策として用いる場合が多い。
手の首に腕が回るということは、相手の頭が肩のあたりにある、つまり相手に潜り込まれている、
あるいは押し込まれた状態で、これは相撲では相手が有利な体勢である場合が多い。
そこから逃れつつ勝負を決めようとしてかける技である。失敗するとすっぽ抜けて押し倒される。
相手の懐に入って相手の片腕を両手で抱え、肩に担いで自分の前方に投げ倒す大技であるが、
相撲においては相手に背を見せることは送り出しでの負けの可能性が高く、そうでなくても失敗すると、
つまり足の裏以外の部分が土俵に接触すると即負けとなるため、滅多に成功することはない。
また、力士は体重が重く簡単には自分の背中に相手を乗せることができないため、この技を掛けようとすること自体ほとんどない。
自分の右(左)足を相手の右(左)足の外側に当て、払うように投げる技。二丁とは二本の足のことである。
相手を吊り上げながら膝で相手の内股を跳ね上げて投げる技。
決まり手70手制定以前は上手櫓と下手櫓で区別した。投げられる相手が宙に浮き、高く上がるため、豪快に決まる。
内掛けの状態から、そのまま跳ね上げるように投げる技。
相手が片足立ちでこらえると、跳ねることからけんけんとも呼ばれる。
上手から褌を取り、その上手で自分の後方に相手を投げ捨てる技。
かける側とかけられる側に圧倒的な体格差がないと難しいとされている。
自分の右足を相手左足の内股に(または自分の左足を相手右足の内股に)掛けることでバランスを崩し、仰向けに倒す技。
増位山によると、「内掛けは後ろへ反ろうとする力士が食いやすい。
外掛けは足腰のいい人には効かない事が多いが、内掛けは完璧に掛ければ足腰のいい力士でも決まる。
足を相手の足の足首に内側から絡ませてはね上げる。
掛けられた側は、ひざの関節が外へ向かって開きながら後ろへ体重が傾くため、
残そうとしても踏ん張りが利きにくい。」という理由によるもの。
掛ける足は相手の足の高い位置に掛けた方が見た目は派手であるが、できるだけ低い位置に踵を払う様に掛けるのが肝要である。
片足を相手の足の外側から掛け、重心を崩して倒す。
体を開かずに腕だけで投げに行く強引な投げ技に対しての非常に有効な逆転技の一つであり、
上位力士が強引な投げで下位力士にこの技で負けてしまう波乱が起こる事もしばしばある。
自分の右(左)足の踵を相手の右(左)足の踵に掛け、後方に捻って倒す技。
手斧(ちょうな)をかける仕草に似ていることから、ちょうなが訛ってちょん掛けとなったといわれる。
自身の左(右)足を相手の右(左)の外側から出すようにして相手の膝の裏側に自身の膝を当て、相手を後方に倒す技。
河津とはカエル(かわず)に由来するといわれる。
「河津」と表記するのは、『曽我物語』にある河津祐泰と俣野景久が相撲を取った話で、
祐泰が今でいう河津掛けを繰り出したことに由来するという。
相手が外掛けや切り返しで攻めてきたところを逆に相手の内股に足を掛け、腕を相手の首に巻いて自分の後方に倒す。
土俵上の攻防の中で相手の足を蹴り(払い)、相手を倒す技。立合いの際に足を蹴り、相手を倒せば蹴手繰りとなる。
立合いの際に相手の足を蹴り、相手を倒す技。土俵上の攻防の中で相手の足を蹴り、相手を倒せば蹴返しとなる。
元来横綱など、上位と対戦する小兵力士が奇襲として利用する技というイメージが強い。
相手の片足を外掛けまたは内掛けで攻め、もう片方の足を手ですくい、相手の胸を頭で押して倒す技。
相手の身体の三箇所を同時に攻めることからその名がついた。
相手の片足を外側から片腕で抱え、もう片方の手で相手を押し倒す技。
相手を吊りながら、足の裏で相手の足の外側を蹴り、蹴った足のほうに倒す技。
二枚とは、膝から足首までの外側のことである。
出し投げを打った後、相手の踏み込んだ足(自分に近いほうの足)を内側から掬って倒す技。
出し投げを打った後、相手の踏み出した足(自分に近いほうの足)を外側から手で掬い、相手を倒す技。
出し投げを打った後、相手の踏み出した足(自分から遠いほうの足)を手で掬い、相手を倒す技。
出し投げを打った後、後ろに流れた相手の足の足首かつま先を掬い上げ、
前に這わせる技。ちなみに「褄」とは和服の裾の端のこと。
相手の重心を崩して体を泳がせ、流れた足首を掴み、引き上げて倒す技。
相手の懐に潜り込み、相手の片足を両腕で抱え、体重をかけて仰向けに倒す技。
幕内:10年0.9回、全1.97回
相撲の実戦的な心得の一つに「足が取れたら、相手の太ももを枕に寝ろ」というのがあり、これを実行すれば足取りになる。
体重の軽いスラッとした体型の力士が用いることが多く、
得意とする力士は複数回に渡りこの技を披露する。
廻しを狙い相手が嫌って引いた所で流れの中で足を取ることが多い。
朝青龍、安美錦、幡瀬川、旭鷲山、旭道山、舞の海、若葉山、九州山、吉の谷、常陸嶋
相手に投げを打たれた際、片方の手で相手の足首を外側から取って倒す技。
出し投げを打った際、相手が踏み出した右(左)足の足首を左(右)足で払って後ろ向きに倒す技。
上からのしかかってきた相手の懐に潜り込み、両手で相手の膝を押し上げ、後ろに反って倒す技。
レスリングのリバース・スープレックスやフィッシャーマンズ・スープレックスに近い。
相手の懐に潜り込み、相手を横向きに肩に担ぎ上げるようにして後ろに反って倒す技。
近年では、2011年11月、関西学院大学1年の宇良和輝が、撞木反りを決めたことがある。
相手の腋に頭を入れ、切り返しのように足を掛け、後ろに反って倒す技。
片手で相手の差手の肘を掴み、もう一方の手で相手の腕の下を通して相手の足を内側から掬い上げ、後ろに反り倒す技。
1951年5月場所3日目栃錦が身長213cmの不動岩をこの技で破ったことがあり、
そのときの写真はこの技を解説する際に今日でも用いられている。
1960年1月に決まり手が制定されて以来、幕内、十両の取り組みで使われたことはない。
幕下以下でも非常に珍しい技であるが、平成以降では聡ノ富士が5回決めている。
片手で相手の差手の肘を掴み、もう一方の手で相手の手の上を通し、相手の足を内側から掬い上げて後ろに反り倒す技。
相手の脇の下を潜り抜け、相手を後ろに反り倒す技。
トリノオリンピックで金メダルを獲得したフィギュアスケート選手の荒川静香の得意技に掛けて、「イナバウアー」ともてはやされた。
片手を相手の腋に当て、背部などを突いて斜め下に落とす技。引き落としと聞き間違えやすい。
動きの最中に決まることが多く、2つとも体を開かず正面から払い落とすように打つ技であるため
聞き間違いでなくても引き落としと判別しにくいことがある。
実際の判定としては片方の手で差さずにただ単に上から背部を突いて落としただけでも突き落とし扱いとなる場合も少なくない。
差手で相手の体を抱え、巻き込むように横に捻って倒す技。
相手の腕を両手で抱え、体を開いて相手をねじり倒す技。腕捻りとは体を開く方向が逆となる。
抱えられた腕の肘関節(場合によっては肩関節も)を極めた状態で、
やや下方向に向けてかけるのが最も効果的であるが、その場合は小手投げにも劣らぬ危険な技となる。
相手がとったりで攻めてきた際の対策として用いられることが多く、
抱えられた腕を抜きながら腰を捻ったり、逆に突き付けて脇の下に入った相手の腕を捻りながら相手を倒す技。
差手を相手の腋に引っ掛け、体を開きながら前に引き、もう一方の手で相手の肩を叩き、相手を倒す技。
また、相手の力も利用する為、かなり高度な技術を要する難度の高い決まり手である。
なお、この技を仕掛ける場合は「肩透かしを引く」という表現を用いる。
自分の右(左)手で相手の右(左)足の膝の外側を払いながら相手の差手を抱えて捻り倒す技。
10年に一度出るか出ないかといわれるが、近年では旭鷲山がたまに決めていた。古くは二子岳が使っていた。
自分の上手で相手の足の膝の内側を掬い上げ、体を捻って相手を倒す技。
外無双と比較すると力強さで劣るが、失敗時のリスクが少ない技である、
そのために牽制技として内無双を使い、体勢を崩してから他の技につなげることもある。
相手の胸に頭をつけ、相手の差手か肘を掴み、頭を軸に相手を捻り倒す技。
蘇もこの決まり手を得意とし、毎場所のように決めている。
弓取りでも馴染み深い聡ノ富士もこの技を得意とし、1場所で2度決めたことがある。
上手から褌を引き、その上手の方から相手を捻って倒す技。
技の性質上投げよりも力が掛かり難く不利ではあるが反対側の投げと併用する等の方法で克服可能である。
また投げとは逆の動きであるため上手投げが強い力士はこれを警戒させて捻りで決めることもある。
差手で褌を取り、その下手の方から相手を捻って倒す技。
両手で相手の差し手を抱え、体を開くと同時に相手を自分の後方へねじり倒す技。
漁師が投網を打つような格好に似ている事から名付けられたと言われている。
廻しを取って強く引き付け、上からのしかかるようにして相手の膝を土俵に付かせる技。
相手が両差しで低く攻めてきたところを頭越しに上手から褌を両手で取り、自分の後方にうっちゃりのように投げ捨てる技。
かなりの身長差と力の差が必要である。普通は土俵際の捨て身の技だが、土俵中央で決まる場合もある。
相手の肩越しに上手から褌を取り、その取ったほうの手から相手を投げる技。このとき自分の体は反らさない。
相手の片腕を両腕で抱え、その抱えた腕の方から相手を捻り倒す技。とったりとは体を開く方向が逆である。
名前の由来は掛け手が両手を組む様子が手を合わせている(合掌している)ように見えることから。
徳利投げが合掌捻りの一部として扱われていた時期は比較的長かったため、
現在でも徳利投げを合掌捻りの名で呼んでいることがある。
相手の頭を両手で挟みつけ、右か左に捻り倒す技。
日本酒を入れる徳利を持つ際に頭(実際には首)の部分をつまむことが由来。
右(左)腕で相手の首を抱えて左(右)手で相手の差手を抱え、首を抱えた手の方に相手を捻り倒す技。
これに対して首を抱えた腕から差し手の方に向かって倒せば首投げとなる。
滅多に出ず、「幻の技」の一つに数えられていた。
相手の片腕を抱え、抱えた腕の方へ相手を捻り倒す技。小手投げとは逆の方向へ倒す技である。
相手が低い体勢で攻めているとき、または自分が突っ張りや押し相撲で攻めているときに、
相手の前に行こうとする力を利用して相手の腕や肩を正面から手前に引き、相手を倒す技。前褌を引いて倒すこともある。
この技をかけた際に失敗すると相手を呼び込むかたちになってあっけなく土俵を割ってしまうため、あまり誉められた技ではない。
解説者からも「楽をして勝とうとしてはいけない」と批判されることが多い
(つい引きたくなる誘惑に惑わされず前に出て勝つのが本道、ということ)。
低い体勢で攻める型の力士はどうしても引き技を仕掛けられやすいため、
安芸乃島のように「引かれても絶対前に落ちない」というのがそういう力士への褒め言葉としてよく用いられる。
突き押しの攻防の中で、相手の腕を両手で抱え、体を開いて相手を前に倒すか土俵の外に出す技。
小手投げやとったりと違って腕を極めずに手繰りの要領で引き落とすように打つ技である。
突きや押しの攻防の中で、体を開き、相手の肩や背中をはたいて倒す技。引き落としは体を開かない点でこの技とは異なる。
立合いの際の変化 で叩き込みを決めるケースが多くあり、注文相撲と称されるが、
上位力士に奇襲を仕掛けるような場合でもない限り、あまり誉められた技とは言えない。
相手の首または後頭部を上から手ではたき、相手を前方へと倒す技。
類似する技に叩き込みがあるが、素首落としは仕掛ける際はたく部位が頭部に限定されている点が異なる。
相手の背中などに少しでも手が触れていれば叩き込み、あるいは引き落としと判定されるため、
比較的成立させることが難しい珍しい技ともいえる。
両廻しを引きつけながら掴み、腰に力を入れ踏ん張って相手を吊り上げ、浮かせたまま土俵の外へ出す。
相手の胴を直接掴む場合もある。太めの力士の場合、腹の上に乗せてしまうと、相手は反撃が難しくなる。
吊り上げて土俵内で落として倒すのは吊り落としと呼ばれる。
この技で相手に勝利すると「豪快な決まり手」と評価されることが多い。
相手の体重が全て自分にかかる技であるため足腰が強くないと成立しない。またその性質上体格が劣る力士はこの技を掛けられやすい。
平成に入ってからは、力士の大型化・重量化が進み、それに伴い足腰に負担のかかるこの技が見られることは次第に減った。
クレーンの愛称で知られた元関脇・明武谷や、和製ヘラクレスの異名を持つ元大関・霧島が得意とした。
相手の後ろにまわり、相手の褌を取って引き付け、相手を吊り上げて土俵の外に出す技。
正面から相手の体を吊り上げ、その場に落として倒す技。
相手の背後に回り込み、相手を後方から吊り上げ、その場に落として倒す技。
相手の背後に回り込み、後方から相手を押し、土俵の外に出す技。
相手の背後に回り込み、土俵上か土俵の外へ相手を前方に這わせるように倒す技。
相手の後方に回り込み、相手を投げ倒す技。この時の投げの種類は問わない。
相手の背後に回り込み、自分の足を相手の足に掛けて相手を倒す技。この時、内掛け、外掛けは問わない。
相手の後方に回り込み、相手を自分の前方に引き倒す技。
四つに組んだ体勢から、片方の手で相手の二の腕を掴むか筈に当て、
もう片方の手で上手か下手を取るか小手に巻いて寄り切ること。
ちょうど割り込むような体勢になることからこの名がついた。
土俵際まで寄せられた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が腰を落とし体を捻って、相手力士を土俵の外へ投げるもの。
うっちゃりを決めるためには相当の瞬発力と勝負強さ、そして強靱な足腰が必要である。
一部の例外を除きほとんど見ることが無くなった。
その理由としては力士の大型化と共に、足腰の弱体化等の懸念がこれに関して言われることがある。
「『うっちゃり』はなぜ消えたのか」というタイトルの相撲分析書まで出版された。
相手の差手や首、肩の関節を腕で挟み込み(極めるという)、相手を土俵の外へ出す技。
大型で懐の深い力士が小型やそっぷ型力士に対して使うことが多い。
この技をかけられた場合、肘の関節等を故障する可能性がある。
相撲の格言の中に「極めたら相手の顔を見ろ」という格言がある。
なお、相手の片方の差手を両腕で極める場合は、
特に江戸時代のその技を得意とした力士にちなんで泉川と呼び、
その形で勝負をつけることを撓め出し(ためだし)と呼んだ時期もあった。
相手の腕や肩、首の関節を腕で挟み込み、土俵上か土俵の外へ相手を倒す技。大型で懐が深い力士が多用する。
相手が自分の背後に回り込んだ際、もたれこむように相手を土俵の外に出す、または倒す。
相手に送り倒しや送り投げを決められやすいので積極的にこの決まり手を狙う力士はほとんどおらず、
ほぼ流れの中で偶然発生する決まり手といってよい。
四つ身に組んだとき、強引に相手の差し手を引っ張り込み、いったん呼び込んで反動をつけ、
相手の体が浮き上がったところを素早く差し手を返して、
突き出しながら引っ張り込んだ方へひねり倒すことがこの技の特徴となっている。
大相撲の中でも最も豪快な技の一つで、力も技も相当なものを必要とし、滅多に決まらないため幻の決まり手とも呼ばれている。
「仏壇返し」「揺り戻し」「寄り戻し」などの別名もある。
押し、寄りなどで土俵際まで相手を攻め込んだ側が、相手より先に足を土俵外に踏み越してしまうことを差す。
例外として、相手を吊り出した場合には自分の足が先に出ても「送り足」として負けにならない。
また、相手力士が死に体である時、多少早く足を踏み越してもこれを「かばい足」として負けにならない場合もある。
相手が技を仕掛けていないのに、体勢を崩して倒れてしまった時に用いられる。
相手の力が加わらぬままバランスを崩し、土俵上に手をついてしまうことを言う。
同じ「つき手」と表現されるものに、かばい手と対になる概念がある。
これには、かばい手かつき手かが紛らわしい場合がありよく論争の種となる。
相手の力が加わらぬまま膝をついた場合に適用される。
勇み足とは違い戦意が無く、土俵外に出た場合や相手とぶつかってもいないのに後ろに下がって出てしまう場合がある。
右(左)上手を引いて両足を踏ん張り、左(右)方向へ猛烈に振り回して投げ倒す技である。
きれいに決まると相手の両足が上がり、体が土俵と平行になって矢柄のように見えることからこの名がある。
豪快な技で、相当の怪力を持つ力士でないと出せないといわれる。
下手から相手の体を腰に乗せて打つ腰投げが大きく決まり、
相手の両足が自分の腰から背中に逆立ちになった場合、下手投げや腰投げ(大腰)と区別してこう呼ぶ。
矢を入れる道具を空穂といい、技が決まった姿が背中に空穂をつけた格好に見えることからこの名がある。
豪快な技だが、最近はあまり見ることがない。
相手の腕を両手で挟みつけ、片方の肘を前方に出しながら極める形である。
このまま相手を土俵外に出せば撓め出し(ためだし)となる。
相手と向かい合った状態で前屈みになった相手の両腕を相手の背中の上でクラッチして絞め上げる。
頚椎を損傷する危険性があるため、かつてはこの体勢になった時点で技を掛けた側の勝ちとなっていた。
相撲の取組中に廻しの前袋が外れて局部が露になること。
通常、廻しは何重にも硬く締めているため、実際に起きることはほとんどない。
また、廻しが緩んでいることが確認でき、勝負を止められる場合は、
いわゆる「廻し待った」をかけ、土俵上で組み合ったまま行司が締め直すことになっている。