長い大航海の末に辿り着いた新大陸。
開拓者たちは僅かずつながらも森を切り開き、開墾を続けたが、いずこまで果てるとも知れぬ暗い森は、常に人々の周囲にあり、開拓者の村はあたかも森に囲われた牢獄のようであった。
いつしか彼らはその場所をフォレストジェイルと呼ぶようになった。
開拓が進むうちに、人々は森の中心に聳える一本の大樹に気がつく。
その不気味な黒い影は、晴れる事のない深い霧の奥に、息を潜めるように屹立していた。
ある新月の夜、漆黒の夜の闇が黒い大樹を飲み込んだ。
・・・闇は開かれた
夜明けになると、村人の姿は無かった。
血痕ひとつのこさず、まったく完全に消えうせた。
数ヵ月後。
調査団が編成され、本国から、冒険者達がフォレストジェイルの拠点、ジェイルロックを訪れた。
ある者は真相を突き止めようと。
ある者は富と名誉を求めて。
そして、またある者は戦いを求めて。
最終更新:2008年06月15日 00:19