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    <title>share-world @ ウィキ</title>
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    <description>share-world @ ウィキ</description>

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    <title>水森思信の人間観察　＜花崎澪に損する狡猾＞</title>
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      　野球は一人では出来ない。九人いたとしても、やっぱり出来ない。正直、十八人いたって審判いないと試合にならないんだけどね。スポーツというにはルールという縛りが欠かせない。まあ限られた環境があるから人間の闘争本能とやらは高まる事になると言う。掃除ロッカーに閉じ込められた時にやってくる攻撃的思考はそういう訳だ。比喩は極端な方がいい、嘘と言い換える事が容易いから。
　でも、サッカーは十一人いなくても実は出来る。十人で充分試合になるし、八人でも出来るルールがある。これはそんな、五対五の男達による熱き戦いのお話。を見たければご帰宅願いたい。そんな期待なら、損となるだけだから。
「あがれあがれー！」
　グラウンドでは、砂を蹴る音に混じってそんな、人を噴気させようとする声が響く、それに合わせるように視線の先の集団は一気に方向を変えて速度を上げる。色違いの縦縞ユニフォームより、大分熱を帯びていそうな、むき出しの足をつい見てしまう。個々の速度によって違う動きを見せていて、中々飽きない光景なのだ。あ、あの９番力ぬいてる。
　そんな場にあって混じらず存在を強調している、モノクロの五角形が表面に敷き詰められた球体は、さっきから誰かさんの足の動きに合わせて地面を転がり続けている。大きな跳躍、まあシュートってやつは今気配を殺している最中だ。
「暑い暑い」
　そう言って思わず顔を上げ、眩しさにやっぱり下を向いてしまう。太陽光線が目に痛いとある週末の昼、大学のグラウンドでサッカーの試合が行われている。どうやら大学内カップの決勝戦らしい(ちなみに教育学部生中心のチーム対医学系学生が中心のチーム)。けれど人数を見た限り、正確にはサッカーではなくてフットサルというのか。4V4にゴールキーパーがついたバージョン。4V4の説明は、こした先生辺りに聞けばわかるよ。
「ミツル好きだったんだけどな……加納に持ってかれたよな」
　感慨にふけたところで、またグラウンドの方へ視線を戻す。いるいる、見慣れた顔がちらほらと。
　試合をよく見るため、または応援をするためか、ギャラリーのほとんどはグラウンド内と外を区切るネットの周囲、若草色の芝生上に集まっている。公のイベントでは無いとはいえ人数はなかなかのもので、特に黄色い(主にキャピキャピした女子の……って言えば通じるかな)喚声なんか耳に痛いくらいだ。
　    </description>
    <dc:date>2011-08-04T10:34:55+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/116.html">
    <title>甘くて静かにこどもたち</title>
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    <description>
      　　　　時計の針さんご相談。ちょっくら右に回りんさい。
　　　　地球の土さんご案内。もうちょい緑に成りんさい。
　　　　そんで干支さん悪いけど。みんなとも一度会いたいな。
　　　　そんなこんなな過去話。はなまるみたいで、いぬ○みたいな。
　　　　とにかく元気なこどもたち。
　　　　元気だったよ、こどもたち。
　　　　それじゃあ始めといたしましょう・・・

　それは六月後半の頃、一昨日までは雨だったけど、すっかり晴れた梅雨の中休みの日の事で。
　ここはねとある国立大学、その門近くのひとつの建物。
　中にはおとなとたくさんのこどもたち。大体３から６才くらいの。
　まあつまり、ここは幼稚園なんです。
　みんなみんなの制服水色、胸には黄色いチューリップ形の名札。今は朝の登園時間、来た子は帽子とカバンを身につけ、靴の履き替え頑張ってるよ。
　ぞろぞろみんなは自分の組へ、その中この二人は立ち止まったままで。
「ねえねえタカくん、きのうのはなし！」
「ちゃんとみてたってば、みおちゃん」
　一人は元気な女の子、一人は活気な男の子。
　男の子は天志、だからタカくん。女の子は澪、だから澪ちゃん。
　二人はとっても仲良しで、いつも一緒に遊んでる。さてさて今日は、何して遊ぶの？
　それとももうさ、始まってるの？
「よかった！　ちゃんとみてたのね」
「あったりまえだろ、ちょーかっこよかったぜ」
　お部屋に行かずこの二人、どうやら立ってのお話のようで。
「ゴマータやっぱりほーこーおんちね」
「ブルーのかいりきいいよなぁ」
「え……？」
「……え？」
　これは一体どうしたことか。話し始めたと思ったら、二人はそこまでお口を閉じる。
「……なんでみていないのよぉ！」
「みおちゃん、またねぼうしたのー」
　またもや口を開いた時には、何やら二人はゴキゲンナナメ、ぷんすかぷんすかそんな音も聞こえます。
「なんでさっかーいっちゃうの、みんなのたびをちゃんとみなくちゃ！」
「そっちだって、ちゃんといつもねてられるのは、ギンガリラがうでふってるからなんだよ」
「うそよ、あのこあしになっちゃうじゃない！　どうやってふるっているのよ！」
「シルバーひめだって１２こもわるいとこあるんだぜ、よっぽどかっこわるいって」
「おうまさんの、ブルーホライズン    </description>
    <dc:date>2011-03-28T22:45:42+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/115.html">
    <title>Time Limit</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/115.html</link>
    <description>
      　走る。
　電車を降り、階段を二段とばしで降りていく。革靴で走るのは辛い。必死の形相で改札を抜け大学側の階段をのぼる羽住を、道行く人々が奇妙な物を見る目で見ていた。仕方ないよなあと心の中で苦笑する。信号がちょうど青になり、止まることなくスーツ姿の羽住は走った。
　ちらりと腕時計を見ると、四時半を少し過ぎた頃だった。あと十分もない。焦りが足の運びに絡みつき転びそうになった。あげそうになった悲鳴を飲み込み代わりに二酸化炭素の増えた息を吐く。法経学部棟まであと数分で到着するのか不安がよぎったが無視した。ここまで走っておいて間に合わなかったらとんだ笑い物だという自覚はある。
　少し考えて、法経学部棟入り口からではなく文学部棟入り口からはいることにした。工学部の数字を横目に見ながら図書館の後ろを通って文学部棟へ走る。赤ぶちめがねの青年がドアを閉めようとするのを後ろから手を差し込んで止めた。青年が驚いたように声を上げたが気にするほどの余裕はない。休講掲示板を無視して連絡通路を抜け、ようやく左手に106講義室のドアが見えた。
　ビジネスバッグを持っていない右手で重いドアを開けた。想像以上に大きく響いたドアの開閉音に壇上の教授が不快そうに羽住を見、講義室の右側で井筒がほっとしたような笑いたそうな目で羽住を見た。
　時刻、四時三十九分。仕方なさそうに教授が席に着けと促してくる。差し出された問題用紙と解答用紙を手にとった。
　テストは無事受けられそうだ。



　青いネクタイをゆるめると、横で井筒が笑った。
「なんだい井筒君」
「いや、スーツ似合ってますよ先輩」
「そうかいありがとう」
　暗い窓に映った青年は、暗色のスーツを着込んで髪をオールバックにしていた。どこのサラリーマンかという風貌で自分のことながら笑いそうになる。暖色のカフェテリアには似合いそうにない、まじめ一辺倒のサラリーマン風羽住は中華丼を食べることに全神経を集中させていた。井筒はイチゴソースのかかったケーキとお茶を目の前に、全力で食事にありつく羽住を面白そうに見ていた。
「昼飯抜きだったんですか」
「そうそう、午前の面接から午後の説明会までシームレス」
「そしてテストまでって忙しいですね。さすが就活生」
「君も来年なったらこうなるんだよ」
「うげ」
「就活始まったらテスト抜きとか、    </description>
    <dc:date>2011-03-28T23:23:36+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/114.html">
    <title>キャラクターの過去、未来を書こう企画</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/114.html</link>
    <description>
      *『キャラクターの過去、未来を書こう企画』

・発案者：[[加藤瑞樹]]
・タイトル通り、キャラクターの過去や未来を書こうというものです。何年前/後でも構いません。
・文字数：自由。ただし、最後に何年前/後なのかの表記があると嬉しいです。
・内容：自由。
・締切：2011/6/4。

・[[Time Limit]]
著：加藤瑞樹　　[[羽住蓮]]の一年後。

・[[甘くて静かにこどもたち]]
著：[[土佐玉癒人]]　有志キャラの十数年前(？)    </description>
    <dc:date>2011-03-28T22:43:26+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/113.html">
    <title>断章　～本当のプロローグ～</title>
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    <description>
      　佐々木の事件の翌日の朝、井筒は電話の応答に追われていた。
「久賀さん。だから勘弁してくださいよ。もう八千代さんの怪我も治ったんですから、ここは穏便に。え！？　探し出して殺す？　いやそれは久賀さんがまずいでしょ。ぶっちゃけますとね、指示した人間がいるんですよ。そいつが一番悪いんです。ええ、だからここは抑えてください。はいはい。コーヒーでも何でもおごりますから。はい。本当ですよ。ところで椿屋の電話使って俺に電話すんのやめてくれますか」
「綾瀬先輩。ええ昨日はスイマセンでした。突然便意に襲われて、はい。汚いですね。スイマセン。ええ埋め合わせはしますよ。え？　ぽーちゃん？　ああそんなこともありましたね。いえいえ忘れているわけないじゃないですか。はい、でもそれはまた今度で。それでは」
「綾坂。悪いね昨日は助かったよ。ああ、久賀さんなだめるのお前も協力してくれない？　え？　いや？　そんなこと言わずにさ」
　ふう、と井筒は一息ついた。正直にいって疲れていた。事件に関わった人たちに謝罪を言ってまわることにこんなに苦労するとは、と人知れず呟く。でもしょうがない、これもまた滅殺炎を使った代償なのだから。
　ズキリと頭が痛む。あの佐々木の記憶の中で出会った真っ白なスーツ姿の男は、自らを[[井筒隆幸]]と名乗っていた。言うまでもなくあれは俺じゃない。俺は色んな意味で有名人だから名前くらいは知っているだろうが、なぜそう名乗ったんだ？　まるで、まるで俺が佐々木を助けようとするのを見越した上で、最後の最後に妨害しようとしたみたいじゃないか。
　考えすぎか。あの魔術師のことは到底許せそうになかったが、ひとまずその考えを振り払い、最大の功労者である人に井筒は電話を掛けた。
「昨日はナイスでしたね。羽住先輩」
『そうでしょ。まさか俺がその彼と知り合いだったなんて。まあ偶然だけどね』
「いえ助かりましたよ。本当に」	
『それであの後彼には、彼女の様子が不安定だからいつもの場所に行った方がいい、とだけ言ったんだけど大丈夫だったかな』
「それについては問題ないと思いますよ。だって」
　と、井筒は目の前を通り過ぎていくカップルに目を移した。女性の表情は昨日見たものとはまるで別人だ。色っぽくて、見てるこっちもドキッとしてしまう。恋をしている女性って美しく見えるというけど本当なんだなあ、    </description>
    <dc:date>2011-03-06T09:07:24+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/112.html">
    <title>第一話　～私と彼とのborderline～　後編③</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/112.html</link>
    <description>
      　間に合った、井筒は心の底から安堵した。階段を3段とばしで駆け上がったせいで膝が悲鳴を上げているが不幸中の幸いか、月が出ていたおかげで相手の姿を目に映すことができた。聞き込みの情報と一致している風貌であることをまず確認する。
確認したらまた安心して倒れ込みそうになったが、気を引き締めようと深呼吸して息を整えて目の前の相手に問う。
「[[佐々木紘華]]だな」
　ところが相手は微動だにしない。内心の焦りを隠した上で井筒はさらに言葉を浴びせる。
「話してもらうぞ。何もかも。お前の意思とは無関係に、な」
　そう井筒がいうと相手はおもむろに方向を180度変換して走り出した。屋上の柵の方へと。だが井筒には動揺する様子は見られない。いや見せないようにしているといった方が正確か。声を張り上げて相手の背中に投げかける。
「逃げるのか？　好きな彼氏を置いて。自分で勝手に問題抱えて、納得して、諦めて、それで逃げ出すのか」
「あんたに何が分かる!!!!!!!!!　知った風な口をきくな!!　何も知らないくせに」
　ようやく佐々木が足を止めて振り返った。柵のすぐそばで。柵と隣り合わせ、つまり死と隣り合わせの状態で叫ぶ。
　くしゃくしゃに顔を歪めて獣のように慟哭する佐々木に対して、井筒は冷淡に受け流す。
「何も知らないくせに、だと？　知るわけないだろうが。俺たちはテレパシーなんか使えねえんだよ。自分から悩みを暴露しねえ奴を気にかけてやるほど暇じゃないんだ。あんたには友達がいただろう。みんな気にかけていたよ、ここ数日様子がおかしかったからどうしたんだろうってな」
「うるさいうるさいうるさい!!!!!　あいつらもどうせあたしのことを陰で悪口言ってるんだ!!」
「…………」
「あたしは感情が不安定だからみんなに迷惑をかけてるし。みんなあたしのことを良く思ってないに決まってる!!!!」
　どうするか、井筒は考えを巡らせていた。大体一般の大学生は自殺をしようとしている人を説得することに慣れていない。それは古今東西あらゆる人の問題を解決してきている[[井筒隆幸]]にとっても同様であった。売り言葉に買い言葉で今まで会話してきたが、さすがにこれ以上不用意な発言をすると佐々木が飛び降りる可能性がある、そう危惧した井筒は慎重に言葉を選ぶことにした。
「……付き合っていた人はどうなんだ。    </description>
    <dc:date>2011-03-06T21:01:03+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/111.html">
    <title>第一話　～私と彼とのborderline～　後編②</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/111.html</link>
    <description>
      　サークル会館にいる人たちに片っ端から話を聞いたが大して情報が増えなかった井筒は、思いで手芸部を訪れようとしていたが、部室前で立ち往生していた。さっきから何度もドアノブに手をかけては引っ込めるを繰り返している。
(倉田がいるんだよなあ。さっきも部室に上がっていくのが見えたし、ていうか話したし。別に俺は嫌いじゃないのにあっちが妙に毛嫌いしているからなあ。でもさっき黒曜先輩に言われた通り女性の気持ちをくみ取れるようにしなければなあ)
　でもなあ、とうだうだしているうちにドアが勢い良く開いた。外向きに開くので必然的に井筒の顔面をドアが強打した。
　井筒が痛みに悶え苦しみ声も出せない状態でいると、加害者の倉田薫は「え、あ、ごめんなさい」と素直に謝った。しっかりと誠意もこもっている。そんな悪気のない態度に井筒も毒気を抜かれ「うう、くく、でぃじょうぶ」と精一杯の見栄を張った。男として張るしかなかった。

　そんないざこざがあって今は手芸部の部室において井筒と倉田は向かい合って座っている。至極当然、そこは気まずい空気が流れている。元より性格が全く正反対と言ってもいい二人。井筒は交友関係が広くアウトドアでアクティブな方だが、倉田は交友関係が狭く部屋で一人でいる方が楽なタイプである。部活に入った当初から何かと意見がぶつかることが多かったが、さらに井筒が何かと人の助けをかってでていたため、手芸部の部室に依頼する人が来るようになってからは、より一層倉田の機嫌が悪くなっていったのだ。ただ井筒も何もしなかった訳ではない。自分のパーソナルスペースが太平洋並みに広い倉田を慮って依頼人が直接部室に来る事の無いよう、部室の前に依頼ボックスを設置したりもしている。
　それはさておき今現在、その水と油の二人の火蓋が切って落とされた。
「お前の知っている事を話してくれないか」
「意味がわからないから口を閉じて」
「この一週間のうちに起ったことなんだが」
「意味がわからないから呼吸しないで」
「多分猫除けのペットボトルの事件と関係があると思うんだよ」
「意味がわからないから首を吊って」
「何でもいいんだ。小さなことでもいいから」
「意味がわからないから目の前からジェノサイドして」
　全くもって成り立たない会話。恐らく傍目からみれば、あれ日本語が通じてないのかなと疑問に思うほどだ    </description>
    <dc:date>2011-03-04T11:59:15+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/110.html">
    <title>第一話　～私と彼とのborderline～　後編①</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/110.html</link>
    <description>
      彼のことを考えると、とても胸が熱くなる。これが恋ということはわかっているんだけど、どこかそれを認めたくない自分がいる。そんなことを考えていると、いつも彼は私の顔を覗きながら「どうしたの？」と疑問半分、心配半分といった気持ちで聞いてくる。そしてそれに対して、私はいつも「別に」とそっぽを向きながら、赤く染まった顔を見せたくなくてそう答える。
だけれど、その日は違った。なぜだろうか？　考えてみてもわからない。なぜか、その時私は、彼の困った顔を見てみたいと、どうしてか思ってしまった。
ボーダーラインを自分から踏み越えてみたいと、そう思ったのだ。

「……先輩。私と付き合ってくれませんか？」

＊


　井筒と綾坂があれから、猫の殺害現場に行ってみると、近くのベンチでうずくまった[[綾瀬結]]先輩を発見した。するとすぐに、井筒が彼女の傍に駆け寄り、呼びかけた。
「先輩！　大丈夫ですか！　怪我はありませんでしたか！？」
「わた、わたし、私は、何ともないの。でも、でもね、猫ちゃんが。猫ちゃんがね」
　話しかけられた綾瀬はゆっくりと涙でぐちゃぐちゃになってしまっている顔をあげた。その必死な様子は、誰しも見てて胸が痛む光景だろう。もう見ていられなくなったのか井筒は、
「落ち着いてください。先輩。もう大丈夫ですから」
　そういって、両腕でやさしく綾瀬を抱き寄せた。その腕の中で綾瀬は安心した所為もあるのだろう、うっぐ、うっぐ、とすすり泣き始めてしまった。どれくらいの時間がたったのだろうか。いつしか綾瀬はスースーと井筒の腕の中で心地良さそうに寝息を立てていた。
当然ながら、通りかかる人々がその二人の光景を訝しんでいたが、井筒は決して構うことをせず、綾瀬を抱き上げて綾坂に抱き渡しながら、ゆっくりだがしっかりした口調で綾坂に頼み込んだ。
「すまん。綾坂。綾瀬先輩を頼めるか？」
「それは別に構わねえけど、実際どうするんだ？　これから。これはお前がさっき言ったようにもう刑事事件のたぐいだ。一介の学生が突っ込んでいい領域を超えちまってるぜ」
「安心しろ。その事件といま俺が追ってる事件は無関係だ。だから俺は関わらない」
　それは普段とは違ったぞっとするような冷たい声音。その様子に綾瀬は思わずたじろぎながら、井筒に再度問いかけた。
「ど、どういうことだ？　何で無関    </description>
    <dc:date>2011-03-03T12:21:56+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/109.html">
    <title>十二月</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/109.html</link>
    <description>
      　高校生なのに、あたしは今キャンパスにいる。迷い込んだわけではなく、大学の授業を受けに来た。高校は、一番近いこの大学の教育学部と手を組んで「高大連携講座」なんてのをやっている。授業を通じて大学について理解を深めるのが目的のようだ。つまり、高校生が大学の授業を受けるということ。あたしは教育学部に入りたいとか微塵も思っていなかったけれど、担任がやけに勧めるから根負けした。「成績に加点されるし、いい機会だから」なんて言っても実際のところ、受講生が少ないと来年の受入数に影響が出るからだろうに。高校も頭数揃えるのに大変なんだ。とは言え、お兄ちゃんの通っているのがどんなところか、少し興味もあった。毎週学校終わりに急いで大学へ来るのが面倒ではあったし、少なからず緊張しているのに90分授業というのは慣れるまで辛かったけれど、今日で今年の授業は終わる。この年の瀬に忙しく歩く大学生の中、制服姿は人目を引く。視線を感じるこのアウェイ感、嫌いじゃない。高校より遥かに広い敷地を、ゆっくりと歩いて帰るのは楽しかった。
　肝心の授業は先週小論文を出し、来年2月のテストも何だかんだでクリアすることが予想される。
  
　「今日は『学ぶ』ということについて、グループ内で話し合おう」
　最後なのに厄介なの出してきたなあ。
　近くの席の人と４人グループになった。こういう時高校生は色々策をめぐらせたりするのがめんどくさい。大学生はすんなり決めるけど。メンバーは高校生はあたし含め２人、女子大生２人。簡単な自己紹介の後、一人ずつ意見出したりした。「与えられた事を覚える勉強は高校までであり、積み重ねを元に大学から、自発的に問題を自ら決めて取り組む学びが始まる」という結果にまとまった。もう一人の高校生は知り合いだったけど話したのは今日が初めてだ。色々考えているみたいで熱く語っていた。そういう姿勢って凄いと思う。同じ年なのに、あたしはそういう対象もなく何となくここにいる。なんか申し訳無い。
　話し合いのせいか、今日は時間が早く感じられた。使いもしない電子辞書やらを広げた机を片していると、先ほどの女子大生が一人、話しかけてきた。確か……綾瀬さん(年上を「さん」づけするのはぎこちない)。小柄ですごく可愛い。愛されキャラっていう感じ。
　ほっぺちょっと赤いし。
　頬染めし彼女は可憐なれ。
「あの、下の名    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/share-world/pages/108.html">
    <title>悪気はない</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/share-world/pages/108.html</link>
    <description>
      　うっわぁ。
　それがその光景を見た崇永成汰の率直な感想だった。なんというかもうこれ以上言い様がないというくらいに、素直な感想だ。語彙力がないのも申し訳ないが、心の底からそう思ったのだ。
　成汰は講義を終えて、食べ損ねていた昼食を買いに行こうとしていた。普段は弁当を自作して持ってきているのだが、今日は放課後にいろいろと用事があり、鞄の中に弁当箱を入れるのが邪魔だったので珍しく外食することにしたのだ。成汰の場合、コンビニ弁当でも気分的には外食扱いになる。
　教育学部の校舎を出て、ふと周囲に視線を動かすと、見覚えのある人がいた。
　ベンチに腰かけるグレイのジャケット姿の男、久賀だ。八千代さんという黒のラブラドールレトリバーを常に連れた職業不明の男で、よく大学キャンパス内を二人で散歩している。成汰はちょっとしたきっかけで会えば軽い会話を交わすくらいの仲なのだが、友人を表現するにはちょっと気が引けてしまう感じの人だ。もう少し仲良くなりたいなぁと思ったりもしているのだが。
　久賀は学生とおぼしき成汰と同い年くらいの男と話していた。ぎょろっとした目が蛙のようである。一度見かければ忘れられなそうな顔だったが、見覚えはなかった。
　声をかけるべきか迷った瞬間、矢継ぎ早に言葉を連ねる久賀の声が聞こえてきたのだ。
　成汰は一瞬耳を疑った。
　それは舌鋒と言うに相応しい、相手の心を完膚なきまでにへし折りそうな言葉攻めであった。
　問いかけという形式をとりながら、相手に一切回答の機会を与えない言葉の羅列。会話の隙がないというだけではない、言葉を発するのを躊躇わせる威圧感のようなものがその時の久賀にはあった。フラットに抑えられた声音で重ねられる問いには恐怖すら感じられた。
　うっわぁ。
　そして、成汰の感想に至るわけである。
　八千代さんの制止ではっとした久賀は言葉を収め、気まずそうに謝罪していた。相手へのフォローもそぞろに八千代さんの連れて立ち去る久賀に、あの人も人間だったんだなぁといささか場違いに感心した。
　一方、一人取り残された学生のほうは蒼白な顔で突っ立ったまま、地面を見つめて口元を震わせている。
　成汰が聞く前にどんな会話が繰り広げられていたのかは知らないが、久賀は悪意を持って誰かを傷つけることはまずない男だ。そもそも他人に対する悪意や害意がないのでは    </description>
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