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+無頼13「ヂェリー・パニック」 + + +ヂェリーとは「神姫用添加剤」の通称である。 +出力上昇・冷却・メンテナンス用と用途はそれぞれ。 +自製品用のヂェリーもあるくらいである。 + +今回は、そんなヂェリーのお話。 + + +---- + + + +今日学校につれていってもらったのだが、零牙さんが居なかった。 +聖憐さんは理由を話してくれない。 + +あ、どうも。ジーナスです。 + +…で、今話の事ですが…。 +隊長の家に一深さんとリックさんが来ている。それ自体は普通ですけど… +今回ボク達は、普段は使われていない隊長のお兄さんの部屋に居ました。 + +なぜか、リックさんが"二人っきりにしてやれ"と言ったからなのですが……非常に臭います。 +なにか"あれでこれな事"を企んでるのでしょうか?、一深さんは…。 + +…… + +「これがニトロヂェリーの味かぁ」 +「見てみろ、色々持って来たんだぞ」 +ボクの不安を無視し、ヒカル先輩はリックさんとドンチャン騒ぎをしている。 + +今回、リックさんは神姫用添加剤"ヂェリー"を持ってきたんです。 +消耗品ですし、ニトロなんて普段使わないのでヒカル先輩は好奇心からそれを一気飲みしたのだ。 +ところで、ニトロヂェリーを摂取すると出力上昇と共に"酔っぱらう"と書いていたのですが…。 + +「むー…(顔真っ赤)」 +「どうした? もう酔ったか?」 +「酔ってないもん! もっとないかな…」 +どう考えたって、先輩はすでに"酔っています"。案外酒(ニトロ)に弱いのでしょうか。 +ちなみに、ボクはクーラントを飲んでいます。 +冷却剤ですので、飲みすぎに注意です。 + +「もっとー…」 +「んー…と、じゃあこれいってみるか?」 +「う゛ー…、"ウォッカヂェリー"?」 + +ウォッカヂェリー? +たしか、動力停止寸前の神姫に"強心剤"として飲ませるものだとカタログに書いてあったはずですが…。 +だからニトロより強力…って!? + +「先輩飲んじゃ駄目ですっ!!」 +「(ぐびっ)」 + +遅かった…。 +「(ぐびっぐびっぐびっ)」 +しかも容器の約三分の二ぐらいまで飲んでしまいました…! + +「うはぁー…」 +「だ、大丈夫か?」 +リックさんも、さすがに心配しています。 +酒グセは人それぞれですから、それを危惧しているのでしょう。 + +今のうちに、距離を取っときましょう…(汗) + + +---- + + +「おい待て!? どういうつもりだ!?」 +「どういうつもりって…?」 +どういうつもりかなんてカッコを見れば分かるが、念のため聞き返した。 + +「いいじゃないの…」 +今の一深のカッコとは。 + +1.いままで気付かなかったが、かなりいいプロポーションをしている。 +2.着てる筈の服は、足もとに散らばっている。 +3.ついでに下着も落っこちている。 +&bold(){4.それなんて裸?} + +「何考えてる!? 貞操は本当に好きな相手にやるもんだろ!?」 +「……だから、あなたに…」 +「いや、待て! だと言っても手順を省きすぎだ!! ついでに男口調じゃなくなってるし!!」 +言っとくが僕はとても保守的だ、いきなり肉体関係を迫られてもすごく困る。 + +とは言っても、股間のストーンヘンジは素直に発射態勢だ(セクハラ発言) +「大丈夫、しっかりゴム買って来たから」「そういう問題じゃねーッ!!」 + +お母さんは…無駄か、大らか過ぎるから今頃ドアにコップを当てて聞いてるのかもしれない。 +ヒカルでもジーナスでもいいから、誰か止めてくれーッ!!! + + + +---- + + + +なんだか隊長の悲鳴が聞こえるが、こっちもそれどころじゃなくなっていた。 +「む゛ーっ…リックぅ…」 +「な、何だその目は!? 何故こっちを見る!?」 +完全に酔いが回った先輩が、リックさんに絡んでいるのだ。 + +ちなみに、ボクは&bold(){とっくに物陰に隠れていた。} + +「なんかわたしより大きくない?」 +「な、何が…?」 +「このムネよっ!!」 +「ひゃあっ!?」 +言った途端、先輩はリックさんの胸を鷲づかみにしました。 +そう言われてみれば…アークの方が大きいですよね、胸。 +「や…やめ…止めろって…ッ」 +胸を揉む手を払いのけようとしてますが、力が入ってないみたいです。 +「む゛ーっ…、揉めば揉むほどハラ立ってきた」 +そう言いつつ、先輩は背中のファスナーに手を伸ばしました。 +「やめッ…何する気だ!?」 +「脱がす」 +即座にファスナーを全開にし、スーツの首をつかみました。 + +「それっ…!」 +「きゃぁっ!?」 +可愛らしい悲鳴と共に、剥かれるリックさん。 +健康的なピンクの肌は、男の人には目の毒でしょう。 + +「み…見るなぁ…!?」 +「嫌だ」 +そう言って、先輩も脱ぎ始めた!? +デザイナーの絵柄を大いに反映した、お姉さん系のボディ。 +スマートな体に適度な大きさの胸は、見る者を惹きつけるものだと思います。 + +「可愛らしければいいのかってぇ…? 苛めたくなるよねぇ、そういうのって」 +「あッ!?」 +遂にレズプレイが始まってしまった。 + +抵抗するも、なすすべなくその体をむしゃぶられるリックさん。 +自らの秘所も刺激し、なお且つリックさんにも同等の快感を与える先輩。 + + +だ…だめだ。このままではこちらもヤラれる…っ!? +そう思った瞬間、ボクは脱兎のようにドアに向かって走り出していた。 +「た…たすけ……&bold(){アッァァァァァァッ……!!}」 +悲鳴が聞こえるが、無視する。 +この際、自分の安全を第一としよう。 + + +そんなこんなで、ボクは百合色で埋め尽くされた部屋を脱出した。 +とりあえず、リックさんが調教されないかどうかを心配しておこう。 + + +~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ + + + +危機を脱し一息吐いた時、隊長の部屋の方を見ると。 + +「あの…? 何をされてるのですか?」 +「あら、ジーナスちゃん」 +なぜかコップをドアに当て、底に耳を当てて中の音を聞くお母様がそこに居ました。 +「うふっ、息子の筆下ろしの様子を聞いてるのよ。ジーナスちゃんも聞く?」 +「いえ、遠慮します…」 +やっぱり、予想が的中したみたいです。 +これで隊長は後戻りできなくなりましたね。 + + + +…それより、どうしようかな…。この状況。 + + +終われ + + +---- + +[[流れ流れて神姫無頼]]に戻る + +[[トップページ]]