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「回顧録・二」 - (2006/11/02 (木) 13:55:12) のソース
*そのなな「回顧録・二」 今日も今日とて僕は、自分の神姫マオチャオのティキに対して疑問を感じ(この場合思い出し)、僕はティキが寝てからコッソリと元父の書斎に忍び込む。 数日前、僕とティキは初めてバトルを経験した。父の秘蔵品を流用した例のアレの恩恵なのもわかるんだけど、ウチのティキって、あまりにも反応速度が速すぎない? さすがにティキに亡父の事を語らせるのは酷だろう、と常々そう感じてる僕が答えを見つける為には父の残した記録に頼るしかなく。 そして例によって例のごとく、僕は亡父の日記を開く。 ○月×日 今日はティキについて色々と調べて見た。年甲斐も無く、いずれはバトルに参加、と野望を抱いている俺にとって、自身のパートナーを知る事は必要不可欠なはずなのだ。そうだと信じたい。……そうであってくれ。 くすぐったがるティキを色々と調べて――と言うか、神姫にこんなプログラムしたヤツは変態だ。何で嬌声出してるんだ! 変な気分になるだろう!! ――わかったんだが、製品として見たティキは、不良品だという事実である。 無論、ソフト面ではない。問題なのはそのボディにある。 組み立て時に問題があったのか、まず首が据わらない。赤ん坊のようにカクカクしている。次に腕。左右逆に備え付けられたのか、手首のジョイントの径があっていない。これが原因で左手が時々空転するのだ。それだけではない。両脚大腿部のパーツがずれ込んでいる。これでは普段の歩行にも負担がかかるに違いない。胸部にも問題あり。他パーツが組み込めない。 明日から、時間に余裕が出来ればこの娘の大改修を行う必要がある。 ○月△日 大改修を決意してから日にちが少したってしまった。会社の方が忙しく、家に帰る時間が遅くなったのが要因の一つ。 とにかく今日から気合を入れなおし、少しずつでもこなして行こう。 ○月□日 問題発生。擬似神経パルスに異常を認める。……よく今までまかりなりにもまともに動けていたものだ。 ×月◇日 擬似神経系に干渉する不純物を除去。異常を発見してから十日以上たってしまった。ティキには申し訳無い事をしたと反省。 ×月⊿日 全ての擬似神経系の洗い直し。現状効率悪し。 ×月〒日 全神経系及び人口筋肉に対する効率化完了。とはいっても違法改造には足を踏み入れていない。あくまでレギュレーションにこだわる。公式戦に参加できないと言う事態は避けたい。 この程度の事であれば、気がつけば誰でも出来そうな事だ。ティキにも規定の確認したし問題は無いと認識。 ×月¥日 脚の外装パーツの改善に取り掛かる。干渉部分、削り込み。 ×月※日 胸部、首パーツに手を加える。ティキしばらく生首状態。スマン。 ×月◎日 ある意味難関の腕パーツ。ただ左右交換するだけでいいならどれだけ楽な事か…… □月▽日 ついに改修完了。ついでにスペックを調べなおす。 ……数値をみて驚愕。これくらいの工作で反応値が異常に良好に。それに伴い敏捷性も上昇。共に公称値を激しく逸脱。……個体差と言うことで誤魔化せるのか? ま、大丈夫だろう。規定範囲内だ。 追記 前髪の一部、作業中色落ち。リペイント。 …………………… ちょっとショック。まさかティキが不良品だったなんて。あんなに天真爛漫だから、そんなこと想像もしてなかった。 あー……でも、なんて言うか、昔からマメと言うか、偏執的というか、そんな癖は感じていたけど、まさかここまでだったとはなぁ、親父…… でも、 でも親父が返品なんてしたりしないで、きちんと修理してくれた事に素直に感謝しよう。 そうじゃなければ、僕はティキと出会う事が出来なかったんだから。 でも、 でも! 親父がダメ大人だという認識はやっぱり変らない!! [[終える>せつなの武装神姫~僕とティキ~]] / [[もどる>「類は共を呼び友になるのか?」]] / [[つづく!>「そうだ、有名ショップに行こう♪」]]