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 ｛プロローグ｝
 
 
 「あっ姉貴、もう…飲めねーよ」
 「だひゃひゃひゃ！もう飲ねーのか？ほらもっと飲もうよ～」
 
-とある酒場で俺と姉貴は酒をガッポガッポ飲んでいた。
-見てのとうり、俺は酒に呑まれ泥酔状態。
+都会の夜。
+とある酒場で俺と姉貴は酒をガッポガッポと飲んでいた。
+みての通り、俺は酒に呑まれ泥酔状態。
 姉貴は酒豪なので一見酔っ払ってるように見えるが実は酔っ払っていないのだ。
 まったく、姉弟なのにこの差はなんだ？
 俺も酒に強い体が欲しかったぜ。
 カウンターに顔を突っ伏し、眠気が俺を襲ってきた。
-いいや、このまま寝てしまおう。
+もうどうでもいいや、このまま寝よぅ。
 そう思った瞬間、姉貴の眼光が俺を捕らえる。
 
 「ねぇー、タッちゃん。ちょっと頼み事があるんだけどー」
 「た、頼み事…？」
 
-カラン、とウィスキーが入ったグラスが鳴る。
+カラン、氷とウィスキーが入ったグラスが鳴る。
 その音で更に俺の眠気が倍増した。
-もう、まともに姉貴の顔を見る事が出来ない程に瞼が閉じそうになっていた。
+もう…まともに姉貴の顔を見る事が出来ない程に瞼が閉じそうになっていた。
 
 「あたしの会社の事なんだけど、タッちゃんに協力して欲しいだー」
 「内容は？」
 「視聴者みたいな？リスナーとかリサーチみたい事をやってくれればいいのよ」
 「…収入は？金は？？タダ働きは勘弁だからな」
 
 そう、金は欲しい。
-俺は所謂…苦学生なのだ。
-大学の金や生活費の金とかで俺のバイトだけの収入では到底自分の家や車を維持できないからなぁ。
+俺は所謂…苦学生というやつなのだ。
+当たり前の事だが俺のバイトだけの収入では到底自分の家や車、大学や生活費の維持できないからなぁ。
 金に執着する奴はあまり好かれないと聞くが、俺の場合しょうがない。
 
-「お金の方は大丈夫よ。うちの会社から、六桁ぐらいまでの金は用意してくれるから」
-「その条件。…乗った」
-「交渉成立ね。じゃあ明日からタッちゃんの家に届けておくね」
+「お金の方は大丈夫よ。うちの会社から、六桁ぐらいまでの金を用意してくれるから。しかも月額で」
+「その条件。…ノッた」
+「交渉成立ね。じゃあ明日にもタッちゃんの家に仕事のモノを届けておくね」
 
 姉貴が言い終わった頃には俺はもう寝ていた。
-姉貴はグビッとウィスキーが入ったグラスを一気飲みする。
-本来はそんな呑み方はしないが姉貴には関係ない。
+姉貴はグビッとグラスに入ってるウィスキーを一気飲みする。
+本来はそんな呑み方をしないが酒豪の姉貴には関係ない。
 グラスをカウンターに置き、交渉を承諾してくれた弟の耳元でこう言った。
 
 「あの子達を可愛がってあげてね」
 
 勿論、彼には聞こえてない。
 けどいいのだ。
 明日になってれば解る事なのだから。
 
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