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「第二十五話『四足で踊る夜』」(2008/03/23 (日) 00:01:03) の最新版変更点
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夜の森の中からやかましい音が聞こえる。
彩女は近寄ってきた敵を両断しながらそう思った。
「マスター! もう弾がありません!!」
『補給ポイントまで後退しろ! 彩女、先行してポイントまで急げ!!』
「承知」
都の言葉に彩女は露払いをしつつ、ハウは急いで補給ポイントまで走る。
やっとの思いで辿り着いたそこには、新品のガトリングとハンドガンが二挺置いてあった。
「ハウ様、お早く!!」
近くまで寄ってきたネイキッドに斬りつけ彩女は叫んだ。
多対一の戦闘方法は一通り学んでいる彼女ではあるが如何せん数が多い。ここは火力の高い銃器で無いと乗り切れない。
『彩女! 後ろだ!!』
「―――――――――ッ!?」
記四季の言葉に即座に反応した彩女は右に構えた刀で後ろに向かって斬りつける。しかし無茶な体性で切りつけたためか刀は根元から折れてしまった。
斬りつけられてもまだ動くネイキッドの手を取り、そのまま背負い投げを決める。そしてようやくネイキッドは動かなくなった。
「幾らなんでもこの数は・・・多すぎる・・・・!」
彩女は補給ポイントに出現した新しい刀を手に苦々しく呟く。
その呟きは突如として鳴り響いたガトリングの爆音によって遮られた。
「・・・ごめん! 遅くなった!!」
ハウはそういいながらガトリングでネイキッドを薙ぎ払う。
毎分7200発の機銃掃射から逃れられる術など無く、彼女らはただ蹂躙されるだけだ。
「・・・・・ふぅ」
敵の攻撃の波が緩んだことで彩女は溜息をついた。無理も無い。この補給ポイントに辿り着くまで休む暇なんて無かったのだ。
『大丈夫か?』
「・・・少々きついものがあります。バトルロワイヤルならまだしも、これだけの数を相手取るのは初めてなれば」
そういいながらも彩女はハウの後ろについて背中を守り続ける。
ガルガンテュアを構えたネイキッドが振りかぶってきたが振り下ろされる前に胴を断つ。
「マスター! 次の補給ポイントまではどのくらいですか!?」
『・・・・・南東に二キロだ!』
今ここにある補給ポイントは三つ目。つまりあと二つ補給ポイントを通り抜ければそこがゴールとなる。
「・・・道はまだ遠いですねぇ」
「ふふ、彩女さん疲れちゃった?」
背中合わせになったハウが薄く微笑む。
その頬を汗が伝う。
「いえ全然?」
話しながらも彩女は襲い来るネイキッドを切り払う。
「そう? だったら行ってみようよ。二人でいけるところまで、さ」
ハウはただひたすらに、重いガトリングを構え掃射し続ける。
「・・・そうですね。それも悪くない」
彩女はそういうといきなり敵陣の只中に飛び出し、そこにいたネイキッドを一瞬で薙ぎ払う。
遅れることなくハウはピッタリとついてきていた。
*ホワイトファング・ハウリングソウル
*第二十五話
*『四足で踊る夜』
「え、普通に対戦じゃないの?」
「違う。今回は新しいルールで対戦してもらうよ」
都と合流し筐体についた三人を前に都はきっぱりとそういった。
・・・白衣姿であると言う事は、バイト中ということであろう。
「なんか知らんが最近出来た新しいルールでね。私達は『無双神姫』なんて呼んでるけど」
「・・・上手く狙おうとして外しまくってねぇか。それ」
筐体に肘をつきながら記四季は言う。
全く持ってその通りだ。
「・・・ん、まぁ名前はどうでもいいんですよ。どうせ製品版になったら気取った名前が付くんでしょうし。とりあえず大まかなルールとしては・・・五つあるポイントを経由して、ゴールに先に辿り着いたチームの勝ち、と」
「・・・ミヤコ、それは単なる競争では?」
説明にサラがつっこみを入れる。
「まぁそうなるな。でもただの競争じゃない。邪魔が入るんだ」
「邪魔、ですか」
「そう。訓練用のネイキッドがわんさか出てくるぞ。今はまだ連中、射撃系武器は使えないが多分そのうち使えるようになるだろう。まぁそんなわけでうじゃうじゃわいて来るネイキッドを蹴散らしながらどっちが先に着くかを競うわけだ。ルールはそれだけ」
都はそういってみんなの反応を窺う。
八谷は楽しそうに感心し春奈はさっそく勝ち方を考えていた。記四季は普段どおり。
「・・・ふむ。まぁアレだ。やってみようじゃないか。ポイントは補給ポイントも兼ねてるから弾切れの心配は無いよ」
都は皆に神姫を筐体に入れるよう進め、そして『無双神姫』は始まったというわけだ。
----
「にゃーははははははー! 人がまるでゴミのようだー!!」
「もう少し静かに出来ませんかね」
彩女とハウが戦っている少し後方、森のちょうど真ん中辺りでマイとサラは戦っていた。
マイはドリルだらけのシンキオーを操りひたすらに走る。走りつつ大量にいるネイキッドを踏んづけたり蹴っ飛ばしたりしていた。強引なことこの上ない。
「・・・・・・」
その大暴走しているシンキオーのちょうど肩の部分にサラは座っていた。
彼女は一人、冷静にマイに飛び掛ってくるネイキッドを狙撃する。
その狙撃に狂いは無く、暗闇に包まれた森の中にも拘らず撃ち損じは無い。
「さすがサーマルスコープ。ネイキッドとはいえ発熱はしていますからくっきり見えますね」
『このまま行くと三つ目の補給ポイントがあるはずよ。そこでマガジンを補給しといて』
「イエスマム」
『マイはシンキオーの充電だね』
「らにゃー!!」
それぞれのオーナーの言葉に彼女達は肯く。
そのまま補給ポイントまで驀進するかと思われたが・・・・
「っ!?」
「にゃんと!?」
彼女達の視界は、黒い“何か”で埋った。
その黒い“何か”は蝙蝠のような翼をはためかせ二人に襲い掛かる。
マイはシンキオーの右腕で辛うじてそれを防ぐ。
「この・・・!」
サラはライフルをフルオートに切り替え弾丸の嵐を食らわせる。が黒い何かは全ての弾丸を翼で弾いた。
「・・・マイ!」
「おうさ!!」
マイの掛け声と共にシンキオーの両腕は一瞬でドリルへと変形し、黒い何かへと襲い掛かる。
高速で風を切り裂き回転するドリルを、黒い何かは後ろへ大きく跳ぶことで回避した。あろうことかそのまま暗い森の中へと消えてしまう。
「サラやん!」
「判ってます!!」
サラのその言葉と共にゴーグルが下ろされる。
彼女は即座に音波、熱源、暗視を含めたもてる限りの索敵能力を駆使して黒い何かを探すが
「見つからない・・・!? これは一体・・・・?」
音波は愚か熱源反応すらない。
その事実にサラが驚愕したその瞬間
「―――――――え?」
巨大な死神の鎌が
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夜の森の中からやかましい音が聞こえる。
彩女は近寄ってきた敵を両断しながらそう思った。
「マスター! もう弾がありません!!」
『補給ポイントまで後退しろ! 彩女、先行してポイントまで急げ!!』
「承知」
都の言葉に彩女は露払いをしつつ、ハウは急いで補給ポイントまで走る。
やっとの思いで辿り着いたそこには、新品のガトリングとハンドガンが二挺置いてあった。
「ハウ様、お早く!!」
近くまで寄ってきたネイキッドに斬りつけ彩女は叫んだ。
多対一の戦闘方法は一通り学んでいる彼女ではあるが如何せん数が多い。ここは火力の高い銃器で無いと乗り切れない。
『彩女! 後ろだ!!』
「―――――――――ッ!?」
記四季の言葉に即座に反応した彩女は右に構えた刀で後ろに向かって斬りつける。しかし無茶な体性で切りつけたためか刀は根元から折れてしまった。
斬りつけられてもまだ動くネイキッドの手を取り、そのまま背負い投げを決める。そしてようやくネイキッドは動かなくなった。
「幾らなんでもこの数は・・・多すぎる・・・・!」
彩女は補給ポイントに出現した新しい刀を手に苦々しく呟く。
その呟きは突如として鳴り響いたガトリングの爆音によって遮られた。
「・・・ごめん! 遅くなった!!」
ハウはそういいながらガトリングでネイキッドを薙ぎ払う。
毎分7200発の機銃掃射から逃れられる術など無く、彼女らはただ蹂躙されるだけだ。
「・・・・・ふぅ」
敵の攻撃の波が緩んだことで彩女は溜息をついた。無理も無い。この補給ポイントに辿り着くまで休む暇なんて無かったのだ。
『大丈夫か?』
「・・・少々きついものがあります。バトルロワイヤルならまだしも、これだけの数を相手取るのは初めてなれば」
そういいながらも彩女はハウの後ろについて背中を守り続ける。
ガルガンテュアを構えたネイキッドが振りかぶってきたが振り下ろされる前に胴を断つ。
「マスター! 次の補給ポイントまではどのくらいですか!?」
『・・・・・南東に二キロだ!』
今ここにある補給ポイントは三つ目。つまりあと二つ補給ポイントを通り抜ければそこがゴールとなる。
「・・・道はまだ遠いですねぇ」
「ふふ、彩女さん疲れちゃった?」
背中合わせになったハウが薄く微笑む。
その頬を汗が伝う。
「いえ全然?」
話しながらも彩女は襲い来るネイキッドを切り払う。
「そう? だったら行ってみようよ。二人でいけるところまで、さ」
ハウはただひたすらに、重いガトリングを構え掃射し続ける。
「・・・そうですね。それも悪くない」
彩女はそういうといきなり敵陣の只中に飛び出し、そこにいたネイキッドを一瞬で薙ぎ払う。
遅れることなくハウはピッタリとついてきていた。
*ホワイトファング・ハウリングソウル
*第二十五話
*『四足で踊る夜』
「え、普通に対戦じゃないの?」
「違う。今回は新しいルールで対戦してもらうよ」
都と合流し筐体についた三人を前に都はきっぱりとそういった。
・・・白衣姿であると言う事は、バイト中ということであろう。
「なんか知らんが最近出来た新しいルールでね。私達は『無双神姫』なんて呼んでるけど」
「・・・上手く狙おうとして外しまくってねぇか。それ」
筐体に肘をつきながら記四季は言う。
全く持ってその通りだ。
「・・・ん、まぁ名前はどうでもいいんですよ。どうせ製品版になったら気取った名前が付くんでしょうし。とりあえず大まかなルールとしては・・・五つあるポイントを経由して、ゴールに先に辿り着いたチームの勝ち、と」
「・・・ミヤコ、それは単なる競争では?」
説明にサラがつっこみを入れる。
「まぁそうなるな。でもただの競争じゃない。邪魔が入るんだ」
「邪魔、ですか」
「そう。訓練用のネイキッドがわんさか出てくるぞ。今はまだ連中、射撃系武器は使えないが多分そのうち使えるようになるだろう。まぁそんなわけでうじゃうじゃわいて来るネイキッドを蹴散らしながらどっちが先に着くかを競うわけだ。ルールはそれだけ」
都はそういってみんなの反応を窺う。
八谷は楽しそうに感心し春奈はさっそく勝ち方を考えていた。記四季は普段どおり。
「・・・ふむ。まぁアレだ。やってみようじゃないか。ポイントは補給ポイントも兼ねてるから弾切れの心配は無いよ」
都は皆に神姫を筐体に入れるよう進め、そして『無双神姫』は始まったというわけだ。
----
「にゃーははははははー! 人がまるでゴミのようだー!!」
「もう少し静かに出来ませんかね」
彩女とハウが戦っている少し後方、森のちょうど真ん中辺りでマイとサラは戦っていた。
マイはドリルだらけのシンキオーを操りひたすらに走る。走りつつ大量にいるネイキッドを踏んづけたり蹴っ飛ばしたりしていた。強引なことこの上ない。
「・・・・・・」
その大暴走しているシンキオーのちょうど肩の部分にサラは座っていた。
彼女は一人、冷静にマイに飛び掛ってくるネイキッドを狙撃する。
その狙撃に狂いは無く、暗闇に包まれた森の中にも拘らず撃ち損じは無い。
「さすがサーマルスコープ。ネイキッドとはいえ発熱はしていますからくっきり見えますね」
『このまま行くと三つ目の補給ポイントがあるはずよ。そこでマガジンを補給しといて』
「イエスマム」
『マイはシンキオーの充電だね』
「らにゃー!!」
それぞれのオーナーの言葉に彼女達は肯く。
そのまま補給ポイントまで驀進するかと思われたが・・・・
「っ!?」
「にゃんと!?」
彼女達の視界は、黒い“何か”で埋った。
その黒い“何か”は蝙蝠のような翼をはためかせ二人に襲い掛かる。
マイはシンキオーの右腕で辛うじてそれを防ぐ。
「この・・・!」
サラはライフルをフルオートに切り替え弾丸の嵐を食らわせる。が黒い何かは全ての弾丸を翼で弾いた。
「・・・マイ!」
「おうさ!!」
マイの掛け声と共にシンキオーの両腕は一瞬でドリルへと変形し、黒い何かへと襲い掛かる。
高速で風を切り裂き回転するドリルを、黒い何かは後ろへ大きく跳ぶことで回避した。あろうことかそのまま暗い森の中へと消えてしまう。
「サラやん!」
「判ってます!!」
サラのその言葉と共にゴーグルが下ろされる。
彼女は即座に音波、熱源、暗視を含めたもてる限りの索敵能力を駆使して黒い何かを探すが
「見つからない・・・!? これは一体・・・・?」
音波は愚か熱源反応すらない。
その事実にサラが驚愕したその瞬間
「―――――――え?」
巨大な死神の鎌が
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