20xx年(架空の話)、電子街の個人市で私は奇妙な代物を買った。 見た目はただの輪っかで家電用電源ケーブルくらいの細さで周長は1メートルほどである。 店主が言うには針金を曲げるように自由に折り曲げて形を作って遊ぶらしい。 ただ単に輪っかをまげて形を作って遊ぶだけなら子供のおもちゃだ。 これは大人でも遊べるらしい。 この輪っかはパソコンと接続可能な電子機器で、パソコンとつなげると認証番号が輪っかから取得できて、ネットからあるソフトがダウンロードできるようになる。 輪っかをパソコンに接続した状態でそのソフトを起動すると、輪っかの折れ曲がり方をパソコンのほうでデータとして受け取れるようになるのだと。 ソフトは輪っかの形をレースゲームの周回コースとして認識しデータコンバートする。 後は、そのコースを3Dレースゲームとして遊べるとのことだ。 もちろん後からコースをソフトのほうで微調整したり風景を整えたり、作ったコースを人と交換することができるらしい。 店主が言うには誰にでもレースゲームのコースを気楽に作れるようにと考えを突き詰めていったらこの形になったのだとか。 以上趣味は放送大学radikoで聞くこと、4流シナリオライター堀江伸一のアイディアでした。 続き 私はその装置を使ったレースゲーム制作愛好家の小さなコミュニティ(数十人しかいない)を楽しんでいた。 半年後、個人市の店主より掲示板に面白い書き込みがあった。 輪を紐形にしてみましたということらしい。 紐の片方の端がコースのスタート。 反対の端がゴールになる。 スタートとなる端にはPC接続用コネクタとゴールとつなげるようのコネクタの2つが開いている。 ゴールとなる端にはスタートとなる端と接続できるコネクタがついている。 スタートとゴールをつなげた場合は周回コースとなり、つなげなかった場合はゴールからスタートへ車がワープする。 ゴールに別のひものスタートをつなげるとコースを伸ばすことができる。 短い紐を何本もつなげて長い紐を作るのと同じ要領でコースを伸ばすことができるそうである。 もちろん紐は針金のように折り曲げて形を保持できる。 パソコンとつなげた部分がレースのスタート地点として認識され、水平面はそのパソコンとつなげたコネクタの角度を基準に決まる。 私はネット通販でこれを買うことに決めた。 終わり 蛇足 放送大学2014年科目著作権法の講義ですがTPPで著作権法が大幅改正される予定の今の時代にこれを学んでも大丈夫なのでしょうか?