LPガス式陶芸窯

「LPガス式陶芸窯」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

LPガス式陶芸窯 - (2018/01/15 (月) 22:22:55) のソース

作成者:稠

*部品構造

-大部品: LPガス式陶芸窯 RD:12 評価値:6
--部品: ガス式陶芸窯とは
--部品: LPガス式とは
--部品: 窯の種類
--部品: 窯の特徴と構造
--部品: 焼成の温度差バランス
--部品: 焼成雰囲気
--部品: 焼成コスト
--部品: 設置スペース
--部品: ボンベの設置基準
--部品: 操作性
--部品: 安全性
--部品: 使用可能年数



*部品定義

**部品: ガス式陶芸窯とは
陶磁器の作成に便利なガス窯は大型のものは工業生産、芸術としての陶芸によく使われ、中・小型のものは個人教室や趣味用として使われている。燃料としては天然ガス、プロパンといったコスト効率の良いものが使われている。

**部品: LPガス式とは
LPガス式の陶芸窯の場合、小型のものでも意外にたくさんの量を使うので、住宅地などで使用している都市ガスは向いてなく、リットル単位での量り売りに適しているLPガスボンベの方が向いている。

**部品: 窯の種類
LPガス式の窯には、自然燃焼式と強制燃焼式(外気を送り強燃焼を促す送風ファン付きのもの)があり、作成したい陶磁器の出来や、目的に合った窯を選ぶことが出来る。

**部品: 窯の特徴と構造
窯内部の左右にバーナーを配し、熱を炉床に設けた穴から煙道、煙突へ流す倒炎式という炎の流れで作るので、焼成むらが少ないのが最大の特徴。また、高性能点火装置や、耐火断熱軽量レンガで作られており、保温性・断熱性にも優れている。耐久性を高めるため、摩耗しやすい扉は旋垂扉を採用し、長期使用時の前面扉の傾きを抑えている。

**部品: 焼成の温度差バランス
ガスバーナーは火足が短く、小さいので満遍なく熱が炉内にまわってゆくことが可能。火足が短いということは炎の頂点が低いことなので、熱が炉内の上部に溜まり過ぎないようにできる効果がある。また、バーナーが小さいということは、炉内に並べる本数が増えることなのでおのずと焼けむらも少なくなる。そのため炉内温度差は数℃から20℃位に抑えることが出来る。炉内最大温度は1300℃になる。

**部品: 焼成雰囲気
酸化雰囲気と還元雰囲気に大別でき、前者は焼成中、窯の中に充分な酸素が供給され、燃焼による二酸化炭素と酸素がある状態、対して後者は酸素の供給が少ない状態の燃焼(酸欠状態)で、炉内に一酸化炭素が発生し、釉や素地の中の酸化金属を還元して色を変化させる。焼成中にそれぞれの雰囲気を交互に組み合わせることも容易なので、酸化、還元のどちらも無理なく焼成でき、作品のバリエーションが多くなる窯といえる。

**部品: 焼成コスト
LPガスは、比較的価格が安定していて、その購入方法は、気体で買う場合と液体で買う場合の二通りがあり、気体(ガス化したもの)で購入するのは一般家庭用。液体(ボンベ)で購入するのは主に工業用となっている。燃料として液体ボンベを使用する場合、使用量が多くなるので単価は安くなる。

**部品: 設置スペース
陶芸窯を使う場合、窯というものの性格上専用の場所(窯場)があることが理想的。特にガスボンベの特性上、日当たりの良いところを避けねばならず、必然的に建物の外、特に北側に置くことが多く、冬は寒く、夏は暑い典型的な場所となる。またボンベが傾くことのないよう、傾斜のある場所は避ける。

**部品: ボンベの設置基準
ボンベの腐食や転倒で内圧が高くなり爆発するのを防ぐため、直射日光が当たらない風通しと水はけの良い場所に設置し転倒防止に鎖を2重にかけ、また容器設置場所が火気を使用する設備から2メートル以上離れている場所に設置する。さらに土地の問題でガスボンベが設置できない場合は、ガス窯自体導入できない。

**部品: 操作性
ガスの配管は上流側からボンベ・調整器などの制御機器・バーナーというように1系統で、1つの調整器でガスの圧力を変化させれば点火しているバーナーすべてに及ぶので非常に楽に操作できる。また、窯に供給されるエアーのコントロールは、基本的に窯背面のドラフトやダンパーで行うので、炎のバランスを意識することなく焼成が可能。

**部品: 安全性
ガスという見えない気体燃料ということから、爆発するという不安も多いが、ガスの性格を充分理解して窯を操作すれば非常に安全でクリーンな燃料といえる。また、もし窯内にガスが溜まりそれに何かの火で着火したときは、窯の天井部分のレンガが抜けるように施工されていて、これによって周囲には広がらないので大事故になることが少ない。よって安全性は非常に高いといえる。

**部品: 使用可能年数
ガス式の窯は一般的に耐用年数が30年位といわれている。これは使用環境や焼成の頻度などでも変わるが、内部の機械的構造の部分がほとんどないので、日々の掃除や1〜2年ごとの定期的なメンテナンスを行うことによって長期にわたって使用できる。