操縦難易度調整リミッター
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操縦難易度調整リミッターとは、文字通り機装兵の機体の操縦難易度を下げる事ができる仕組みである。聖華暦830年代近年の機装兵は、第二世代機兵、第三世代機兵などから比べると圧倒的に機体の性能が向上。事実上当時の最高級機と同等の性能が、平均的な機体の能力レベルになっている。しかしそれは機装兵の操縦難易度が、著しく上昇する事にも繋がっていた。830年現代の機装兵は、平均的な代物でさえも、300年代最高峰機であるラグナス・サンズに相当する操縦の難しさと、魔導炉への同調の困難さを持っているのである。無論、性能も相応に上がっているのだが。
その問題をある程度緩和すべく、冒険者組合にいるとある機装兵技師が考案したのが、この機構である。機装兵の駆動系に制限をかけ、反応速度を「わざと」鈍らせると同時に過敏な反応や過剰な挙動を抑え、操縦を容易くする。更には魔導炉の出力も抑制する事で、同調難易度も下げているのだ。この機構を初めて搭載した機種である機装兵『ブロッキアーラ』では、最低位の従機レベルから段階的に、中位、高位の従機レベルを介し、低位の機装兵レベルまでの操縦難易度で操縦できる様になっている。当然発揮できる性能も、その難易度相応の物になる。
ここで注意しておきたいのが、この機構はあくまで素人操手が機体に振り回されないための物であり、熟練操手には不要の物である事だ。前述の『ブロッキアーラ』においても、この機構は基本的に初心者操手の訓練用と位置付けられている。
この操縦難易度調整リミッターは、『ブロッキアーラ』の直系でありタイプDR共通戦術歩行システムを用いた新型機装兵である、『ブロッキアーラⅡ』には搭載されている。だが発展型であるタイプDR共通戦術歩行システム改を用いた機装兵『ドランゲン・スタイン』や、それ以上の高位機体には搭載されていない。あくまでこの機構は、自転車で言うならば補助輪であり、『ブロッキアーラ』系の様な初級機体のみに必要な物なのである。
しかしこの機構を大量生産向けの『ブロッキアーラ』に搭載した事で、自由都市同盟の都市同盟軍は、本来従機乗りであった下士官や志願したばかりの新兵を、低位ではあっても機装兵の乗り手として採用する事が叶う。バフォメット事変にて人員的にも多大なる損害を受けた都市同盟軍は、これにより低位機装兵に対応した中級クラスの操手を大量確保する事ができたのである。