◆W高を支配した、ひとクセもふたクセもある狂(教)師たち。それは古今東西まれに見る偉大な奇人・変人たちの伝説の数々である。50音順。 「リトル高山・ビギニング」 地学担当。当時60歳くらい。 小柄で痩身、顔も穏やかだが、非常に負けず嫌いで頑固な性格である。 常に白衣を身に着けていた。趣味は川辺で石拾いをすること。 体育教師のハヤシは彼の教え子であった。 事あるごとに自分の軍隊時代の話をするのが好きで、少しアメリカかぶれなところもあった。 どうやら早稲田大学の関係者であったらしく、いつも同大学のことを自慢し、同大学の一員であることを誇りに思っていた。 彼の特徴および主要事件を下記する。 ①言葉の終わりに、かならず「そうだろ?」を付け加える 自分の言説に否定の余地がないことを強調するためであり、必ずしも同意を求めているわけではない。 いちどゼニスとムタが、気弱な33Dに「そうです」と応答させようとしたが、これはついに実現しなかった。 ②「ドリンクする」 なぜか言葉を英語に変換するのを好んでいた。 「早稲田大学の学生が、講義中にジュースを“ドリンクする”」という違和感のある表現をしたこともあった。 不良生徒のオオシマを叱責したさいに、「スタンドアーップ」と叫んだこともあった。 ③「モホロビッチッチ事件」 地層学の授業で、「モホロビチッチ連続面」について話が及んだ。 そのさいにリトルは黒板に「モホロビッチッチ」と誤記をし、それをゼニスが問いただしたところ、頑として自分の非を認めなかった。 軍隊では、非を認めたら負けを意味し、負けを認めたら死を意味すると教わったのであろう。 リトルは言葉の発音によっては「ビッチッチ」もあり得ると主張し、「ゲーテもギョエテと発音する国もある」という、この場合に適切であるとは思えない例を持ち出して、反論した。 このおかしな自己弁護によって、授業が10分以上も中断した。 ④そのほかの口癖を下記する 「だからW高生はダメなんでしゅよ!」「ワシェダに来てみろ!」「軍隊では3分で着替えないとひっぱたかれるんでしゅからね!」