【混沌地球メイヘム】
このごろ流行の版権オリ。
版権作品から設定とか技とか、物によってはグラと性格が違うだけの
キャラそのものを引っ張ってくるアレである。
このリレーでは、ザコにはマムルやキラーマシンなどの版権キャラが
そのまま含まれているのがちょい珍しい。
俺はガンダムの外伝のような、既存キャラと同じ世界に住んでて
「正史では語られてないけどこんな戦いもありました」
みたいなのが好きだけど、キャラ換骨のほうが作るほうは楽だろうなあ。
第1話:ネオ・ぐらっちぇ(以下作者名敬称略)
スタートすると「MIDIが足りてない」と警告される。
これは便利かもしれんな。Readme読まんプレイヤーも多いだろうし。
斬のザコみたいに(プレイヤーに)色々教えてくれる山賊を
軽くあしらう主人公。だが、弱者をなぶってるみたいでちょい感じ悪い。
ラーメンマンの「10の力で勝てる相手に100の力を……」の説教を思い出した。
むう、主人公に続き商人ヒロインも元ネタがわからん。
元ネタに通じてないと面白みが半減するな。
ところで「商人なので資金獲得」とかやめませんか。
俺、もうこいつしか使いませんよ?
# 実際、これ以後全敵の2/3以上は撃破させた
ジャンクヤード、そして犬とくればメタルマックス……かと
思えばそうでもなかった。残念。
主人公が苦汁を味わって戦う目的ができたり、そんなスタートらしいスタート。
主人公が女にカルい奴というのは意外とSRCでは見ない設定だと思った。
適当に女の尻を追わせるシーンを挟めば他人が動かしてもそれっぽく見えるので、
リレーに適した動かしやすいキャラになっている。
しかし現時点でのライバル、「俺は悪い人だから悪いことするぜ」な
チンピラライクでちょっと。
おそらく敵軍団でもそこそこ高い位置にいることにされていくだろうに、
既に小物感が漂いすぎている。
第2話:神田
DQ僧侶とWAのロディ女登場。
最初は「ロディの性別かえただけじゃねーか」と思ったのだが
表情の豊かさで無言をカバーするという要素が追加されていて、
これはなかなか良いアレンジだった。
味方救援が来る前に全員戦闘不能になって笑う。
敵の石化確率16%だからなあ。そういうこともある。
って、救援、石化回復できんし。やりなおし。
余裕で倒した敵に余裕セリフ吐かれながら逆転されると萎えるなあ、
とかキャシャーンっぽい話だなあとかとか思いつつ。
「戦闘に勝って勝負に負けた」がテーマになっていくんだろうか。
第3話:木藤
キャラがいっぱい出る。
SADAMEの悪い所を踏襲してしまっている。
仲間はローゼンメイデンと仮面ライダーカブト。
日本人形(多分)メイデンとは面白いが、今の所その点は生かされていない。
# というかローゼンらしさや人形らしさも以後特に触れられない。
# 強さもいまいちなので空気軍団筆頭。
クロックアップのアビリティ解説が「クロックアップ付加」。
効果教えろよ。
情報無しでパーツ分離したりしなかったりすんのやめろ雑魚。
敵ターンに味方が敵になんのもやめろ。
商人だけで全ての敵を破壊し、資金を1.5倍+α得ると
再び「戦闘に勝って勝負に負けた」。マジでテーマなんだろうか。
俺なら負けが込んでいるここで一回スカッと勝たせるんだが。
氏はシナリオの出来にムラの激しい人だが、今回は悪いほうだ。
何をやってるかわかりにくい部分があるし(スリ直後とか)、
「わびつづけろー」など版権セリフも裏目に出てしまっている。
第4話:可鈴
外国人の氏の場合、誤字と翻訳文的なしこりがあるのはまあしょうがないけど、
表情使いもけっこう不自然さがある。
しかし、周りが直してやれよ誤字。
性格がアメリアでマリーのアトリエな正義レディが仲間に。
もう一人いたけど一時お休み。
コメディはいいけど、連戦やめてよ。
ちょい自分のキャラばかり描きすぎかな。
第5話:前田耕二
アリつながりでロマサガ2と地球防衛軍。
ああ、こういう組み合わせは面白いね。
今まで行き当たりばったり感がぬぐえなかった敵が、
具体的に何をしようとしてるのかわかったのも良い。
休んでた人が復活し、地球防衛軍陸戦兵とFFTとロマサガ皇帝が仲間に。
しかし敵も味方も増えるペースが激しすぎる。
第6話:ネオ・ぐらっちぇ
味方全員を空気にならないように頑張って動かしている回。
でも僧侶あたり登場回からすでにピンチだが。
敵将も全員出揃い、これで「勝ったと思ったら負けていた」例のパターンが
打ち止めになるかと思うと喜ばしい。
でも連戦やめてよMk2。
ああ、時間さえ与えてくれたらこいつらを皆殺しにしてやれるというのに強制敗走。
やっぱりテーマなのか?
今回、敵の襲撃を手引きした裏切りメガネっ娘が
結局味方になりそうなオーラを既に放っていて不愉快。
こいつのせいで相当数の人間が死んでますよ?
第7話:月神
いきなりエラー出やがった。修正して再開。
ああ、もう裏切りメガネ味方になってるし。
「この娘は敵じゃない!」とかお前の目は高性能な節穴かスターオーシャン(多分)キャラよ。
まだ戦闘に勝って勝負に負けるとは思わなんだ。
そして本当にあっさり許されるメガネ。ああもう。もういいよ。
四話には日本語にやや不自然な部分があったが、
今回は文法的におかしい部分が目立った。身内で指摘しないんだろうか。
第8話:ゾルダストーム
テンポの良いギャグが楽しめる一話。
シモネタ多し。
ロックマンボスであるところのカイトマンが
バカで、かつ格好いい。でも味方にならない。至極残念。
ぐるぐるにゃーの猫まで出るとは思わなかった。
とにかく主人公サイドがよく敗北します。
それによって敵の強大さが表れてるかというと微妙なところですが。
プレイし終わってみれば、なんだかんだと楽しめましたし、
色々と事態が動き出してさあどうなる、というところなので続きが気になってもいます。
でも「よくわからないけどとりあえず目的地まで行ってみたら何かがなんとかなるんじゃね?」
という序盤(4話まで)は正直辛かったですね。
風呂敷を広げた、というより、ただ出しただけで終わっている
キャラの急増も不安材料でしょうか。
まあ俺は「キャラは全員大切にしろ、一人一人にドラマを設けろ」なんて
主義ではないですが。背景キャラ上等。
ここまでで面白かった部分の大半は突発ネタによるもので、
登場人物たちが積み上げてきたものが噛み合っていく
あの楽しさはまだほとんど見られません。
全十五話、折り返し地点を過ぎてどうなっていくでしょうか。
今回、このシナリオをプレイして、
版権オリは作るのは楽そうだし楽しそうだけど
面白くするのは難しい題材だなと考えさせられました。
「版権オリなら版権物と違って原作を知らなくても楽しめる」
といった意見を目にすることがあります。
しかし、版権だろうが版権オリだろうが元ネタが解らなければ
面白さが損なわれるのは同じですし、むしろ参戦作品がプレイ前に明かされず、
そのうえ節操なくあちこちからネタをつまみ食いしている版権オリのほうが、
プレイヤーに求められる素養は高くなってしまっているように思います。
また、元ネタからどの要素を引っ張ってくれば面白くなりそうか、
というのも判断しにくそうです。
特に原作セリフなど、使いどころを誤れば、作者にそのつもりがなくても
「とりあえず言わせてみた」感が漂って場をしらけさせてしまいます。
かといってオリとしての面白さだけを追求するのでは意味が無いですし。