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moving go on(4) - (2009/05/21 (木) 23:42:38) の1つ前との変更点

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(怯えているのだ……この私が怯えている!? この謂われのない感情を喚起するものは何だ!?  こ、これは生理反応でしかない。理性で克服できるはずだ! こんな……こんな不条理な感情!) アムロに言ったはずの言葉をもう一度己に言い聞かせる。 それでも、悪寒は消えない。振り切れない恐怖が、苛み続ける。 「う、う、うわぁぁーーっ!!」 その叫びとともに、瓦礫の中ロジャーの意識は再び戻った。 目の前にあるのは、ビッグオー……ではなく凰牙のコクピット。 光はメインカメラからも側面モニターからも確認できない。 僅かに映る黒いものの輪郭から、ロジャーは今自分が瓦礫にいることを理解した。 荒い息を必死に整えようとするが、おさまらない。 いつか見た地下の悪夢が、頭にフラッシュバックする。 「外は……あの主催者はどうなっている!?」 凰牙を動かそうとするが、あまりの圧力にびくともしない。 少しのすきまでもあれば勢いで吹き飛ばすこともできるが、密着するように敷き詰められた瓦礫は動かすことも難しい。 いくら動かそうと動かない現状。何をしても無駄という状況が逆にロジャーを落ち着かせた。 行動をやめれば、熱は引く。当然の話だ。 そうなると浮かぶのは最悪の状況。もしや、自分以外、すでに死んでいるのではないかという不安。 いや、そんなあるはずがないとロジャーの理性は言う。しかし、感情はそれを否定した。 終わったのか。自分たちのやったことは、所詮、主催者の前ではうたかたの夢だったのか。 それを思い知らされるほどの戦力差。 ロジャーの体が沈む。 ただ、ぼんやりすることしかできない。 ふと、空気はどれだけ持つのだろう、そのまま自分は朽ちるのかと思い、 それすら関係ないと頭を振った時、 「ロジャー! ロジャー、どこ!?」 外から聞こえてくるのは、アイビスの声だった。 「どこにいるの!? 答えて!」 生きていたのか。ということは魔王は去ったのか。 そのロジャーの問いを否定するように、激しい地響きが聞こえてきた。 これは、戦いの印だ。 つまり、まだ魔王と戦うものがいる? 馬鹿な、勝てるはずがない。このまま黙っていろ。そう感情が訴える。 しかし――ロジャー・スミスをロジャー・スミスたらしめる理性と記憶(メモリー)が許さなかった。 「私はここだ! ここにいる!」 ロジャーは、通信機に声を張り上げる。 すると、ロジャーの前にあった瓦礫がはじけ飛ぶ。 目の前にいたのは、ソードエクステンションを構えるブレンだ。 「助けて! シャギアとカミーユが戦ってる!」 ロジャーは、はっと気付き、シャギア同様怯えていた自分を恥じた。 通信に映るアイビスに、恐怖の色はない。ただ、未来を信じ、切り開こうとするひたむきさがあった。 自分は、いったい何をしていたのか。ほんの少しでも恐怖に震えたことが馬鹿馬鹿しい。 「凰牙、アークションッ!!」 凰牙が再び起動する。 瓦礫を払い、立ち上がる黒金の巨人。 その巨人の前に広がるのは、ただひたすらに吼えながら巨大な魔王に立ち向かう二人の青年の姿だった。 しかも押している。再生されても、ひたすら、諦めず押し続けている。 「手伝って、ロジャー! あたしじゃいい考えも浮かばないし……力が足りない!  あれを倒すのに、凰牙とロジャーの力を、あたしとブレンに貸して!」 今にも戦場へ飛び込んで行こうとするアイビス。 ロジャーは、なぜか笑いがこみあげてくるのを止められなかった。 笑うロジャーを見て、ポカンとするアイビスに、口の端を小さく吊り上げロジャーは言う。 「この世界にもいつか太陽が昇る。そう信じている若者は素晴らしい。  そして……青春は降りかかる現実を有り余る勢いで押し切ること。ロジャー・スミスの法則だ」 自分もまだまだ若いつもりだが、と小さくロジャーは付け加えた。 ロジャーは、目の前の戦いを凝視する。こうして戦いを遠くから俯瞰できるのは自分とアイビスだけだ。 冷静さといままでの記憶(メモリー)を振り絞れ。 一分、二分と時間だけが過ぎる。 ロジャーは、頭を全開で回転させる。 ビックデュオ、ゴースト、多くのメガデウス……それらの戦いを機転でロジャーは乗り越えてきた。 今、もう一度その閃きを自分へ手繰り寄せる。 この状況でなお札を伏せる余裕はあるとは思えない。ならば、今目の前で起こる戦いが相手の全てのはず。 蒼い魔王は、巨大化したことと、バイタルジャンプができること以外は以前と同じだ。 かならず、どこかに突破口があるはずだ。 アイビスの焦る声が、さらにロジャーを煽る。 しかし、ロジャーもそうそう思い付くものではない。 なにか、ヒントが欲しい。目の前に与えられた記録だけでは足りない。 せめて、複数方向から見ることができれば。例えば、見上げるような今の位置からではなく空から―― 「空?」 空。その一言が急激にロジャーの頭をまとめる。 そうだ、空だ。それが唯一蒼い孤狼が動きを鈍らせた場所だ。 相手が動けない状況に持ち込み、こちらの最大の攻撃を叩きこめば―― 一瞬、またアムロのようになるではと考えがよぎる。 だが、頭を振る。そんなことを悩んでいては進まない。 賭けるしか、ない。 自分の行動が、全てを決めるかもしれない。 潰されそうなプレッシャーがロジャーにかかる。 しかし、それでもなおロジャーは不敵に笑う。 私は、私だ。私自身の記憶(メモリー)から導いた考えを信じずになにを信じる。 「どうやら空は常に、我々の味方のようだ」 ロジャーは、アイビスに自分の計画を打ち明ける。 それは、アイビスにとっても危険が大きいものだった。 だが、アイビスは迷うことなく頷いた。どこまでも強い娘だ。 データウェポン・バイパーウィップを左腕に凰牙が装着する。 一度目を閉じ、ゆっくりと目を開く。 迷いを断ったロジャー・スミスが動き出す。 ◆ ■ ◆ 「おおおおおお!!」 ガンダムF-91・ヴァサーゴの手のビームソードが蛇のように伸び、魔王にかみついた。 蒼い魔王の装甲をもぎ取り、さらに突き刺す。その動きは、クローアームによく似ていた。 サイバスターの手の中の剣が、渦巻く風を纏い疾走する。 細剣、一閃。明らかに剣より広い範囲の装甲を、一撃で切り飛ばす。 「お前のような奴はここにいちゃいけないんだよ!」 サイバスターから溢れた光が、青い魔王を打ち付ける。全身くまなく光にやられ、蒼い魔王がたたらを踏む。 その光の中、ヴァサーゴが蒼い魔王の眼線に迫る。魔王は、そのF-91の全長はあろうかという角を振り回した。 しかし、それはヴァサーゴの揺らめく蜃気楼を引き裂いただけだった。 「いいか、これは甲児の分だと思うといい」 コツンと、音を立て、先ほどまで赤熱していた角にヴェスバーが押し付けられる。 ヴァサーゴが引き金を引くと、そこから溢れた光が、角をへし折る。 それだけにとどまらず、魔王の頭が完全に消滅する。即座にビームソードが、ぽっかり空いた首に入り込んだ。 植物と機械が混じり合った内側がかき混ぜられ、肩などから汚わいな液体がこぼれた。 不死鳥に姿を変えたサイバスターの突撃。 しかし、先ほどまでとは熱量が違う。燃えるような赤の炎ではなく、収束させさらに火力を高めた青い炎。 首を失いながらも、必死に軸をずらす蒼い魔王。さらに、左手をかざし、不死鳥に叩きつける。 魔王の左腕が空を舞う。さらに、その脇腹を抉り飛ばした。 ―――ヲオオオオオオヲヲヲヲヲオオオオ……… 首を失い、抉られた空洞から響く苦悶の声。 間違いない。蒼い魔王は、初めて苦しみ、己の不利を感じている。 さらに追撃を仕掛けようとするが、魔王はバイタルジャンプで二機から逃げるように距離を取る。 損傷部分が何度もなく弾け、光を放ち、再生していく。 アムロの力を吸い取った結果が、この燃えるような生命エネルギーによる再生能力だった。 肩で息をするように、機体の上半身を上下させる魔王。 「ありえない……認めていない……!」 サイズ比そのままに巨大化し、威力を高めた5連チェーンガンが打ち出される。 だが、その悪意を掻い潜り、さらにヴァサーゴとサイバスターは肉薄した。 ヴァサーゴのハイパービームソードが、サイバスターのディスカッターが、蒼い魔王の両腕を落とす。 魔王は、姿勢制御用のウィングを展開、スラスターで空に飛び上がる。 そして、その勢いのまま大地に落下した。 鋼鉄の巨獣のスタンピートが、大地を貫き、地盤を沈下させる。 最初の落下よりもはるかに広い範囲のビルが倒壊した。 激しく動き回り、攻撃を阻む間に魔王は再び腕を再生させる。 「再生が早い……!」 シャギアは、ガンダムF-91ヴァサーゴの中で顔をゆがませる。 あまりにも再生速度が速すぎる。しかも、その巨体から繰り出される攻撃は強力無比で、一撃でも当たれば落とされる。 バイタルジャンプと言う切り札まで相手が持っているため、その体を削り切るよりも早く再生されてしまう。 「それでもやらなきゃいけないんだよ!」 オクスタンライフルに、サイバスターの風の力が収束する。 撃ち出されたBモードの弾丸が、風の力を受けて碧に輝き、蒼い魔王を貫通する。 このまま行けば、サイバスターとヴァサーゴのエネルギーが尽きるのが速いか、 それともあちらの再生力が尽きるのが先かの勝負になる。 あれだけの巨体が保持しているエネルギーを考えれば、無謀に思える勝負だ。 ヴァサーゴと、サイバスターが攻め立てる。 戦闘力では、蒼い魔王を凌いでいながら、倒しきれないが故に勝てもしない。 消耗戦だけが続いていた。 どこまでも続く繰り返しの中、サイバスターとヴァサーゴが戦い続ける。 徐々に、エネルギーがつき始めている。このまま、では、早晩落ちることは間違いない。 あともう一つ、手があれば。それを何度も呟きながらも、状況は変わらず続いていく。 もうすぐ、ヴァサーゴの状態を維持する限界だ。 「アイビス! 用意は終わっているか!?」 「もちろんだよ!」 だが、間にあった。 カミーユとシャギア以外の声が、ついに現れる。 再び現れた、ブレンと凰牙。 「そちらは、最大の攻撃を用意してほしい!」 「信じていいのか?」 その答えは、ロジャーの笑み。 その顔は、自信に満ち溢れていた。 「存在は……許されない……破壊する!」 蒼い魔王の声に、もう恐怖はない。 「いくよ、ブレン!」 ヴァサーゴの横を通り抜け飛ぶブレンが消えた。 その姿は見えない。だが、見えなくても場所は、すぐに分かる。 魔王が、背中を掻くようにもがく。しかし、次の瞬間魔王の姿は空高くにあった。 「騎士(Knight)凰牙、ファイナルステージ!」 左手の鞭が伸びあがり、凰牙の頭上で回転する。稲妻を何重にも纏い、大嵐を巻き起こす。 それが持ち主の意志に呼応し、まっすぐに蒼い魔王に飛ぶ。 アルクトスに伝わる電子の聖獣が一体、バイパーウィップのファイナル・アタック。 鞭の先端が、プラズマを帯び、加速して射出される。 ブレンが、背中からバイタルジャンプで離れる。その直後、蒼い魔王にファイナルアタックが直撃する。 ただ一発当たっただけではなく、文字通り蛇のしつこさで何度となく魔王の手を掻い潜り複雑な軌跡を描きぶつかっていく。 そして――気付いた時には蒼い魔王の体を締め上げる。絶え間なく流れ続ける紫電が、蒼い魔王を叩く。 ブレンにとって、極度に負担がかかる状況でバイタルジャンプはできないし、無理に行えばどこに飛ばされるかわからない。 おそらく、蒼い魔王も、状況は同じ。ならば、常に締め上げ圧力を加え続ければ回避はできないのだ。 大地にいるならおそらく、その質量で強引に突破も可能かもしれない。 だが今、魔王はブレンのバイタルジャンプのために空にいる。 空は、唯一魔王が自由にできない空間だ。 「今だ!」 ロジャーが、サイバスターとヴァサーゴに檄を飛ばす。 「ここからいなくなれぇぇぇ!!」 空が澄んだ青に染まる。精霊光の輝きがサイバスターの周りを飛ぶ。 穏やかな光が、一気に四つに収束した。青と緑の中間に近い色合いのそれが、輝きを増す。 サイバスターの組んだ腕が、集積した力の大きさに震えた。 世界の理を塗り替える、局地的な宇宙の新生――コスモノヴァ。 どこまでも広がる青空へ、夜の闇を変える。 「いけええええええ!!」 「何故だ……!」 放たれた極光が、蒼い魔王を討つ。 目を開くこともできないほどの光が、魔王を包む。 「次は、私だ……!」 もし、死者は消えないというのなら。オルバが、甲児が、ヒメくんが見ているというのなら。 今この一瞬だけでもいい。力を、貸して欲しい。そう――人間として。 排熱で背後の空気が歪む。放出される黒ずんだ金属の塵が、何かを形作る。 F-91ヴァサーゴの背中に黒い六本の翼が広がった。 それはヴァサーゴを超えたヴァサーゴ。 ―――ガンダムF-91ヴァサーゴ・チェストブレイク! 深紅の腕が、金色に変わる。握ったビームソードが、巨大な上二本、下一本の金色の爪になる。 翼をはためかせ、ヴァサーゴ・チェストブレイクが飛ぶ。インパクトの瞬間――爪が相手に合わせてさらに巨大化。 竜の顎〈アギト〉の如く、金色の爪が魔王を上下から挟みつぶした。 「何故……完全に……近付ける―――!」 唯一拘束を逃した杭打ち機が、ヴァサーゴ・チェストブレイクに迫る。 しかし、杭打ち機の部分だけが突然蒼から紅に色を変え――自分の胸の中心にある球体に打ち込まれた。 「――今まで使ってくれた分、上乗せして返してもらうぞ!」 『何故だ――何故――こんなことが―――』 男の声に、人間の感情が宿る。それとは別に、言いようもない淀んだ声が場に響いた。 この声は間違いない。あの、最初の時のノイ・レジセイアの声。 「言ったはずだ。  『もし貴様が人間を取るに足りない存在だと驕っているのなら、遠くない未来貴様は再び打ち砕かれる』とな。  忘れたか? それとも、俺の言葉など覚える価値もなかったか!?」 『何故――――』 球体に杭を打ちながらも、指ではっきりと胸の赤い球体をキョウスケは指す。 「カミーユ! ここを撃て! 撃ち貫け!」 「あああああああああああああああああああああああああああ!!」 蒼い炎を纏いながら、オクスタンライフルをまっすぐに構え、サイバスターが疾走する。 ライフルの先端が、杭打ち機で割れた隙間に飛び込む。 繰り返されるゼロ距離射撃。 ひび割れていく赤い球体。 『何故―――――完全な生命に―――――!!』 最期に聞こえたのは、ノイ・レジセイアの絶叫だった。 &color(red){【【アムロ・レイ 死亡】} &color(red){【【兜甲児 死亡 】} &color(red){【【キョウスケ・ナンブ 死亡】} &color(red){【【残り 12人】} 「本当に、行くのか? 意味があるとは思えないが……」 「それは行ってみなければわからない。今の私の目で見て、なにか分かることがあるか……それを知りたい」 凰牙とF-91が向かい合う。 その横では、力を使い果たし動かないブレンとサイバスター。 アイビスとカミーユはずっと気を張っていた。緊張の糸が切れたのだろう。 気絶……なのだろうがその顔は随分と安らかに見える。 塗装がはげ、ヴァサーゴとしての状態が切れた今のF-91は全身灰色だった。 もしも見る人が見れば、こう言ったかもしれない。PS装甲を切ったガンダムのようだ――と。 シャギアは、自分が基地跡に行くことをロジャーに告げた。 アムロが言ったとおり死者は消えることなく、今もオルバと自分がつながっているとしたら。 何もなくても構わない。それでも弟が潰えた地に行きたいと。 「無論、24時までは会談の場所に行く。私の地図には基地とここの途中の補給ポイントも記録されている」 「だが……」 おそらく自分が襲われることを心配しているのだろう。 ならば、答えは一つ。かつてのように、自信を持って、答える。 「お任せを。 わたしの愛馬は凶暴です」 そう言って、空を見上げる。空には、一面赤い光が渦巻いていた。 あの球体を砕いた瞬間溢れた光が夜空を染めた。それと同時、この世界にあった邪気は全て消失したのだ。 何故自分にそんなことが分かるかはたいしたことではない。分かるから、分かる。理由はいらない。 大切なことは、おそらくもうこの世界への横やりはないということだ。 インベーダーが消え、あのレジセイアもこの世界からとはいえ去った。 「決着は、人の手でということか」 いまや沈黙している蒼い魔王。いや、もはやそれは魔王ではなくただの孤狼。 コクピットには誰もいないにもかかわらず、誰かがいた暖かさだけが残っていた。 おそらく、最期にあの男が遺したものだろう。 まだポカンとしているロジャー・スミスをおいて、F-91がスラスターを吹かす。 「ガナドゥ―ルのレース・アルカーナは回収しておくといい!   あれを増幅し射出すれば空間突破には十分のはずだ!   空間突破に必要な四つの攻撃のうち、Jアークが沈まないかぎり反応弾も加えて三つを確保できる!」 「ま、待て!」 その言葉を無視し、F-91は空を飛ぶ。 視界は、見渡す限りの空が広がっていた。 【共通の行動方針  1:24時にユーゼスと合流。現状敵対する意思はない  2:ガウルン・キョウスケの排除  3:統夜・テニア・アキトは説得を試みる。応じなければ排除  4:ユーゼスとの合流までに機体の修理、首輪の解析を行い力を蓄える】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体: サイバスター  パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。疲労(大)気絶  機体状況:オクスタン・ライフル所持 EN30%    現在位置:D-3  第一行動方針:ユーゼス、アキトを「撃ち貫く」  第二行動方針:遭遇すればテニアを討つ 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる  備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識  備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態  備考3:オクスタン・ライフルは本来はビルトファルケンの兵装だが、該当機が消滅したので以後の所有権はその所持機に移行。補給も可能  備考4:サイバスターと完全に同調できるようになりました】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード)  パイロット状況:精神は持ち成した模様、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない) 気絶  機体状況:ソードエクステンション装備。ブレンバー損壊。 EN50%  無数の微細な傷、装甲を損耗  現在位置:D-3  第一行動方針:使える部品を集めて機体を修理する  第二行動方針:協力者を集める  最終行動方針:精一杯生き抜く。自分も、他のみんなのように力になりたい。  備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)  パイロット状態:肋骨数か所骨折、全身に打撲多数   機体状態:右の角喪失、 側面モニターにヒビ、EN0%  現在位置:D-3  第一行動方針:殺し合いを止める。機体の修復 首輪の解析  第二行動方針:首輪解除に対して動き始める  第三行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める  最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)  備考1:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機所持  備考2:ギアコマンダー(黒)と(青)を所持  備考3:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能  備考4:ハイパーデンドー電池4本(補給2回分)携帯  備考5:バイパーウィップと契約しました】 【シャギア・フロスト 搭乗機体:搭乗機体:ガンダムF91( 機動戦士ガンダムF91)  パイロット状態:健康 ニュータイプ能力覚醒  機体状態:ビームランチャー消失 背面装甲部にダメージ  ビームサーベル一本破損       頭部バルカン砲・メガマシンキャノン残弾100% ビームライフル消失 ビームソード保持。 EN5%  現在位置:D-3  第一行動方針:基地へ行き、オルバが亡くなった場所へ行ってみる。  第二行動方針:ガウルン、テニアの殺害  第三行動方針:首輪の解析を試みる  最終行動方針:主催者の打倒  備考1:首輪を所持】 ※1 会場のインベーダーは全て消滅しました。 ※2 戦場跡には、無傷、無人のアルトアイゼン・リーゼが放置されています。 ---- 【二日目20:30】 |BACK||NEXT| |[[life goes on(1)]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|| |[[life goes on(1)]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[life goes on(1)]]|&color(red){アムロ}|| |[[life goes on(1)]]|カミーユ|| |[[life goes on(1)]]|アイビス|| |[[life goes on(1)]]|&color(red){甲児}|| |[[life goes on(1)]]|ロジャー|| |[[life goes on(1)]]|シャギア|| |[[life goes on(1)]]|&color(red){キョウスケ}||
(怯えているのだ……この私が怯えている!? この謂われのない感情を喚起するものは何だ!?  こ、これは生理反応でしかない。理性で克服できるはずだ! こんな……こんな不条理な感情!) アムロに言ったはずの言葉をもう一度己に言い聞かせる。 それでも、悪寒は消えない。振り切れない恐怖が、苛み続ける。 「う、う、うわぁぁーーっ!!」 その叫びとともに、瓦礫の中ロジャーの意識は再び戻った。 目の前にあるのは、ビッグオー……ではなく凰牙のコクピット。 光はメインカメラからも側面モニターからも確認できない。 僅かに映る黒いものの輪郭から、ロジャーは今自分が瓦礫にいることを理解した。 荒い息を必死に整えようとするが、おさまらない。 いつか見た地下の悪夢が、頭にフラッシュバックする。 「外は……あの主催者はどうなっている!?」 凰牙を動かそうとするが、あまりの圧力にびくともしない。 少しのすきまでもあれば勢いで吹き飛ばすこともできるが、密着するように敷き詰められた瓦礫は動かすことも難しい。 いくら動かそうと動かない現状。何をしても無駄という状況が逆にロジャーを落ち着かせた。 行動をやめれば、熱は引く。当然の話だ。 そうなると浮かぶのは最悪の状況。もしや、自分以外、すでに死んでいるのではないかという不安。 いや、そんなあるはずがないとロジャーの理性は言う。しかし、感情はそれを否定した。 終わったのか。自分たちのやったことは、所詮、主催者の前ではうたかたの夢だったのか。 それを思い知らされるほどの戦力差。 ロジャーの体が沈む。 ただ、ぼんやりすることしかできない。 ふと、空気はどれだけ持つのだろう、そのまま自分は朽ちるのかと思い、 それすら関係ないと頭を振った時、 「ロジャー! ロジャー、どこ!?」 外から聞こえてくるのは、アイビスの声だった。 「どこにいるの!? 答えて!」 生きていたのか。ということは魔王は去ったのか。 そのロジャーの問いを否定するように、激しい地響きが聞こえてきた。 これは、戦いの印だ。 つまり、まだ魔王と戦うものがいる? 馬鹿な、勝てるはずがない。このまま黙っていろ。そう感情が訴える。 しかし――ロジャー・スミスをロジャー・スミスたらしめる理性と記憶(メモリー)が許さなかった。 「私はここだ! ここにいる!」 ロジャーは、通信機に声を張り上げる。 すると、ロジャーの前にあった瓦礫がはじけ飛ぶ。 目の前にいたのは、ソードエクステンションを構えるブレンだ。 「助けて! シャギアとカミーユが戦ってる!」 ロジャーは、はっと気付き、シャギア同様怯えていた自分を恥じた。 通信に映るアイビスに、恐怖の色はない。ただ、未来を信じ、切り開こうとするひたむきさがあった。 自分は、いったい何をしていたのか。ほんの少しでも恐怖に震えたことが馬鹿馬鹿しい。 「凰牙、アークションッ!!」 凰牙が再び起動する。 瓦礫を払い、立ち上がる黒金の巨人。 その巨人の前に広がるのは、ただひたすらに吼えながら巨大な魔王に立ち向かう二人の青年の姿だった。 しかも押している。再生されても、ひたすら、諦めず押し続けている。 「手伝って、ロジャー! あたしじゃいい考えも浮かばないし……力が足りない!  あれを倒すのに、凰牙とロジャーの力を、あたしとブレンに貸して!」 今にも戦場へ飛び込んで行こうとするアイビス。 ロジャーは、なぜか笑いがこみあげてくるのを止められなかった。 笑うロジャーを見て、ポカンとするアイビスに、口の端を小さく吊り上げロジャーは言う。 「この世界にもいつか太陽が昇る。そう信じている若者は素晴らしい。  そして……青春は降りかかる現実を有り余る勢いで押し切ること。ロジャー・スミスの法則だ」 自分もまだまだ若いつもりだが、と小さくロジャーは付け加えた。 ロジャーは、目の前の戦いを凝視する。こうして戦いを遠くから俯瞰できるのは自分とアイビスだけだ。 冷静さといままでの記憶(メモリー)を振り絞れ。 一分、二分と時間だけが過ぎる。 ロジャーは、頭を全開で回転させる。 ビックデュオ、ゴースト、多くのメガデウス……それらの戦いを機転でロジャーは乗り越えてきた。 今、もう一度その閃きを自分へ手繰り寄せる。 この状況でなお札を伏せる余裕はあるとは思えない。ならば、今目の前で起こる戦いが相手の全てのはず。 蒼い魔王は、巨大化したことと、バイタルジャンプができること以外は以前と同じだ。 かならず、どこかに突破口があるはずだ。 アイビスの焦る声が、さらにロジャーを煽る。 しかし、ロジャーもそうそう思い付くものではない。 なにか、ヒントが欲しい。目の前に与えられた記録だけでは足りない。 せめて、複数方向から見ることができれば。例えば、見上げるような今の位置からではなく空から―― 「空?」 空。その一言が急激にロジャーの頭をまとめる。 そうだ、空だ。それが唯一蒼い孤狼が動きを鈍らせた場所だ。 相手が動けない状況に持ち込み、こちらの最大の攻撃を叩きこめば―― 一瞬、またアムロのようになるではと考えがよぎる。 だが、頭を振る。そんなことを悩んでいては進まない。 賭けるしか、ない。 自分の行動が、全てを決めるかもしれない。 潰されそうなプレッシャーがロジャーにかかる。 しかし、それでもなおロジャーは不敵に笑う。 私は、私だ。私自身の記憶(メモリー)から導いた考えを信じずになにを信じる。 「どうやら空は常に、我々の味方のようだ」 ロジャーは、アイビスに自分の計画を打ち明ける。 それは、アイビスにとっても危険が大きいものだった。 だが、アイビスは迷うことなく頷いた。どこまでも強い娘だ。 データウェポン・バイパーウィップを左腕に凰牙が装着する。 一度目を閉じ、ゆっくりと目を開く。 迷いを断ったロジャー・スミスが動き出す。 ◆ ■ ◆ 「おおおおおお!!」 ガンダムF-91・ヴァサーゴの手のビームソードが蛇のように伸び、魔王にかみついた。 蒼い魔王の装甲をもぎ取り、さらに突き刺す。その動きは、クローアームによく似ていた。 サイバスターの手の中の剣が、渦巻く風を纏い疾走する。 細剣、一閃。明らかに剣より広い範囲の装甲を、一撃で切り飛ばす。 「お前のような奴はここにいちゃいけないんだよ!」 サイバスターから溢れた光が、青い魔王を打ち付ける。全身くまなく光にやられ、蒼い魔王がたたらを踏む。 その光の中、ヴァサーゴが蒼い魔王の眼線に迫る。魔王は、そのF-91の全長はあろうかという角を振り回した。 しかし、それはヴァサーゴの揺らめく蜃気楼を引き裂いただけだった。 「いいか、これは甲児の分だと思うといい」 コツンと、音を立て、先ほどまで赤熱していた角にヴェスバーが押し付けられる。 ヴァサーゴが引き金を引くと、そこから溢れた光が、角をへし折る。 それだけにとどまらず、魔王の頭が完全に消滅する。即座にビームソードが、ぽっかり空いた首に入り込んだ。 植物と機械が混じり合った内側がかき混ぜられ、肩などから汚わいな液体がこぼれた。 不死鳥に姿を変えたサイバスターの突撃。 しかし、先ほどまでとは熱量が違う。燃えるような赤の炎ではなく、収束させさらに火力を高めた青い炎。 首を失いながらも、必死に軸をずらす蒼い魔王。さらに、左手をかざし、不死鳥に叩きつける。 魔王の左腕が空を舞う。さらに、その脇腹を抉り飛ばした。 ―――ヲオオオオオオヲヲヲヲヲオオオオ……… 首を失い、抉られた空洞から響く苦悶の声。 間違いない。蒼い魔王は、初めて苦しみ、己の不利を感じている。 さらに追撃を仕掛けようとするが、魔王はバイタルジャンプで二機から逃げるように距離を取る。 損傷部分が何度もなく弾け、光を放ち、再生していく。 アムロの力を吸い取った結果が、この燃えるような生命エネルギーによる再生能力だった。 肩で息をするように、機体の上半身を上下させる魔王。 「ありえない……認めていない……!」 サイズ比そのままに巨大化し、威力を高めた5連チェーンガンが打ち出される。 だが、その悪意を掻い潜り、さらにヴァサーゴとサイバスターは肉薄した。 ヴァサーゴのハイパービームソードが、サイバスターのディスカッターが、蒼い魔王の両腕を落とす。 魔王は、姿勢制御用のウィングを展開、スラスターで空に飛び上がる。 そして、その勢いのまま大地に落下した。 鋼鉄の巨獣のスタンピートが、大地を貫き、地盤を沈下させる。 最初の落下よりもはるかに広い範囲のビルが倒壊した。 激しく動き回り、攻撃を阻む間に魔王は再び腕を再生させる。 「再生が早い……!」 シャギアは、ガンダムF-91ヴァサーゴの中で顔をゆがませる。 あまりにも再生速度が速すぎる。しかも、その巨体から繰り出される攻撃は強力無比で、一撃でも当たれば落とされる。 バイタルジャンプと言う切り札まで相手が持っているため、その体を削り切るよりも早く再生されてしまう。 「それでもやらなきゃいけないんだよ!」 オクスタンライフルに、サイバスターの風の力が収束する。 撃ち出されたBモードの弾丸が、風の力を受けて碧に輝き、蒼い魔王を貫通する。 このまま行けば、サイバスターとヴァサーゴのエネルギーが尽きるのが速いか、 それともあちらの再生力が尽きるのが先かの勝負になる。 あれだけの巨体が保持しているエネルギーを考えれば、無謀に思える勝負だ。 ヴァサーゴと、サイバスターが攻め立てる。 戦闘力では、蒼い魔王を凌いでいながら、倒しきれないが故に勝てもしない。 消耗戦だけが続いていた。 どこまでも続く繰り返しの中、サイバスターとヴァサーゴが戦い続ける。 徐々に、エネルギーがつき始めている。このまま、では、早晩落ちることは間違いない。 あともう一つ、手があれば。それを何度も呟きながらも、状況は変わらず続いていく。 もうすぐ、ヴァサーゴの状態を維持する限界だ。 「アイビス! 用意は終わっているか!?」 「もちろんだよ!」 だが、間にあった。 カミーユとシャギア以外の声が、ついに現れる。 再び現れた、ブレンと凰牙。 「そちらは、最大の攻撃を用意してほしい!」 「信じていいのか?」 その答えは、ロジャーの笑み。 その顔は、自信に満ち溢れていた。 「存在は……許されない……破壊する!」 蒼い魔王の声に、もう恐怖はない。 「いくよ、ブレン!」 ヴァサーゴの横を通り抜け飛ぶブレンが消えた。 その姿は見えない。だが、見えなくても場所は、すぐに分かる。 魔王が、背中を掻くようにもがく。しかし、次の瞬間魔王の姿は空高くにあった。 「騎士(Knight)凰牙、ファイナルステージ!」 左手の鞭が伸びあがり、凰牙の頭上で回転する。稲妻を何重にも纏い、大嵐を巻き起こす。 それが持ち主の意志に呼応し、まっすぐに蒼い魔王に飛ぶ。 アルクトスに伝わる電子の聖獣が一体、バイパーウィップのファイナル・アタック。 鞭の先端が、プラズマを帯び、加速して射出される。 ブレンが、背中からバイタルジャンプで離れる。その直後、蒼い魔王にファイナルアタックが直撃する。 ただ一発当たっただけではなく、文字通り蛇のしつこさで何度となく魔王の手を掻い潜り複雑な軌跡を描きぶつかっていく。 そして――気付いた時には蒼い魔王の体を締め上げる。絶え間なく流れ続ける紫電が、蒼い魔王を叩く。 ブレンにとって、極度に負担がかかる状況でバイタルジャンプはできないし、無理に行えばどこに飛ばされるかわからない。 おそらく、蒼い魔王も、状況は同じ。ならば、常に締め上げ圧力を加え続ければ回避はできないのだ。 大地にいるならおそらく、その質量で強引に突破も可能かもしれない。 だが今、魔王はブレンのバイタルジャンプのために空にいる。 空は、唯一魔王が自由にできない空間だ。 「今だ!」 ロジャーが、サイバスターとヴァサーゴに檄を飛ばす。 「ここからいなくなれぇぇぇ!!」 空が澄んだ青に染まる。精霊光の輝きがサイバスターの周りを飛ぶ。 穏やかな光が、一気に四つに収束した。青と緑の中間に近い色合いのそれが、輝きを増す。 サイバスターの組んだ腕が、集積した力の大きさに震えた。 世界の理を塗り替える、局地的な宇宙の新生――コスモノヴァ。 どこまでも広がる青空へ、夜の闇を変える。 「いけええええええ!!」 「何故だ……!」 放たれた極光が、蒼い魔王を討つ。 目を開くこともできないほどの光が、魔王を包む。 「次は、私だ……!」 もし、死者は消えないというのなら。オルバが、甲児が、ヒメくんが見ているというのなら。 今この一瞬だけでもいい。力を、貸して欲しい。そう――人間として。 排熱で背後の空気が歪む。放出される黒ずんだ金属の塵が、何かを形作る。 F-91ヴァサーゴの背中に黒い六本の翼が広がった。 それはヴァサーゴを超えたヴァサーゴ。 ―――ガンダムF-91ヴァサーゴ・チェストブレイク! 深紅の腕が、金色に変わる。握ったビームソードが、巨大な上二本、下一本の金色の爪になる。 翼をはためかせ、ヴァサーゴ・チェストブレイクが飛ぶ。インパクトの瞬間――爪が相手に合わせてさらに巨大化。 竜の顎〈アギト〉の如く、金色の爪が魔王を上下から挟みつぶした。 「何故……完全に……近付ける―――!」 唯一拘束を逃した杭打ち機が、ヴァサーゴ・チェストブレイクに迫る。 しかし、杭打ち機の部分だけが突然蒼から紅に色を変え――自分の胸の中心にある球体に打ち込まれた。 「――今まで使ってくれた分、上乗せして返してもらうぞ!」 『何故だ――何故――こんなことが―――』 男の声に、人間の感情が宿る。それとは別に、言いようもない淀んだ声が場に響いた。 この声は間違いない。あの、最初の時のノイ・レジセイアの声。 「言ったはずだ。  『もし貴様が人間を取るに足りない存在だと驕っているのなら、遠くない未来貴様は再び打ち砕かれる』とな。  忘れたか? それとも、俺の言葉など覚える価値もなかったか!?」 『何故――――』 球体に杭を打ちながらも、指ではっきりと胸の赤い球体をキョウスケは指す。 「カミーユ! ここを撃て! 撃ち貫け!」 「あああああああああああああああああああああああああああ!!」 蒼い炎を纏いながら、オクスタンライフルをまっすぐに構え、サイバスターが疾走する。 ライフルの先端が、杭打ち機で割れた隙間に飛び込む。 繰り返されるゼロ距離射撃。 ひび割れていく赤い球体。 『何故―――――完全な生命に―――――!!』 最期に聞こえたのは、ノイ・レジセイアの絶叫だった。 &color(red){【【アムロ・レイ 死亡】} &color(red){【【兜甲児 死亡 】} &color(red){【【キョウスケ・ナンブ 死亡】} &color(red){【【残り 12人】} 「本当に、行くのか? 意味があるとは思えないが……」 「それは行ってみなければわからない。今の私の目で見て、なにか分かることがあるか……それを知りたい」 凰牙とF-91が向かい合う。 その横では、力を使い果たし動かないブレンとサイバスター。 アイビスとカミーユはずっと気を張っていた。緊張の糸が切れたのだろう。 気絶……なのだろうがその顔は随分と安らかに見える。 塗装がはげ、ヴァサーゴとしての状態が切れた今のF-91は全身灰色だった。 もしも見る人が見れば、こう言ったかもしれない。PS装甲を切ったガンダムのようだ――と。 シャギアは、自分が基地跡に行くことをロジャーに告げた。 アムロが言ったとおり死者は消えることなく、今もオルバと自分がつながっているとしたら。 何もなくても構わない。それでも弟が潰えた地に行きたいと。 「無論、24時までは会談の場所に行く。私の地図には基地とここの途中の補給ポイントも記録されている」 「だが……」 おそらく自分が襲われることを心配しているのだろう。 ならば、答えは一つ。かつてのように、自信を持って、答える。 「お任せを。 わたしの愛馬は凶暴です」 そう言って、空を見上げる。空には、一面赤い光が渦巻いていた。 あの球体を砕いた瞬間溢れた光が夜空を染めた。それと同時、この世界にあった邪気は全て消失したのだ。 何故自分にそんなことが分かるかはたいしたことではない。分かるから、分かる。理由はいらない。 大切なことは、おそらくもうこの世界への横やりはないということだ。 インベーダーが消え、あのレジセイアもこの世界からとはいえ去った。 「決着は、人の手でということか」 いまや沈黙している蒼い魔王。いや、もはやそれは魔王ではなくただの孤狼。 コクピットには誰もいないにもかかわらず、誰かがいた暖かさだけが残っていた。 おそらく、最期にあの男が遺したものだろう。 まだポカンとしているロジャー・スミスをおいて、F-91がスラスターを吹かす。 「ガナドゥ―ルのレース・アルカーナと反応弾は回収しておくといい!   あれを増幅し射出すれば空間突破には十分のはずだ!   空間突破に必要な四つの攻撃のうち、Jアークが沈まないかぎり三つを確保できる!」 「ま、待て!」 その言葉を無視し、F-91は空を飛ぶ。 視界は、見渡す限りの空が広がっていた。 【共通の行動方針  1:24時にユーゼスと合流。現状敵対する意思はない  2:ガウルン・キョウスケの排除  3:統夜・テニア・アキトは説得を試みる。応じなければ排除  4:ユーゼスとの合流までに機体の修理、首輪の解析を行い力を蓄える】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体: サイバスター  パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。疲労(大)気絶  機体状況:オクスタン・ライフル所持 EN30%    現在位置:D-3  第一行動方針:ユーゼス、アキトを「撃ち貫く」  第二行動方針:遭遇すればテニアを討つ 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる  備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識  備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態  備考3:オクスタン・ライフルは本来はビルトファルケンの兵装だが、該当機が消滅したので以後の所有権はその所持機に移行。補給も可能  備考4:サイバスターと完全に同調できるようになりました】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード)  パイロット状況:精神は持ち成した模様、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない) 気絶  機体状況:ソードエクステンション装備。ブレンバー損壊。 EN50%  無数の微細な傷、装甲を損耗  現在位置:D-3  第一行動方針:使える部品を集めて機体を修理する  第二行動方針:協力者を集める  最終行動方針:精一杯生き抜く。自分も、他のみんなのように力になりたい。  備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童)  パイロット状態:肋骨数か所骨折、全身に打撲多数   機体状態:右の角喪失、 側面モニターにヒビ、EN0%  現在位置:D-3  第一行動方針:殺し合いを止める。機体の修復 首輪の解析  第二行動方針:首輪解除に対して動き始める  第三行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める  最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉)  備考1:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機所持  備考2:ギアコマンダー(黒)と(青)を所持  備考3:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能  備考4:ハイパーデンドー電池4本(補給2回分)携帯  備考5:バイパーウィップと契約しました】 【シャギア・フロスト 搭乗機体:搭乗機体:ガンダムF91( 機動戦士ガンダムF91)  パイロット状態:健康 ニュータイプ能力覚醒  機体状態:ビームランチャー消失 背面装甲部にダメージ  ビームサーベル一本破損       頭部バルカン砲・メガマシンキャノン残弾100% ビームライフル消失 ビームソード保持。 EN5%  現在位置:D-3  第一行動方針:基地へ行き、オルバが亡くなった場所へ行ってみる。  第二行動方針:ガウルン、テニアの殺害  第三行動方針:首輪の解析を試みる  最終行動方針:主催者の打倒  備考1:首輪を所持】 ※1 会場のインベーダーは全て消滅しました。 ※2 戦場跡には、無傷、無人のアルトアイゼン・リーゼが放置されています。 ---- 【二日目20:30】 |BACK||NEXT| |[[life goes on(1)]]|[[投下順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/11.html]]|| |[[life goes on(1)]]|[[時系列順>http://www30.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html]]|| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[life goes on(1)]]|&color(red){アムロ}|| |[[life goes on(1)]]|カミーユ|| |[[life goes on(1)]]|アイビス|| |[[life goes on(1)]]|&color(red){甲児}|| |[[life goes on(1)]]|ロジャー|| |[[life goes on(1)]]|シャギア|| |[[life goes on(1)]]|&color(red){キョウスケ}||

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