第二次スパロボバトルロワイアル@wiki内検索 / 「かくして漢は叫び、咆哮す」で検索した結果

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  • かくして漢は叫び、咆哮す
    かくして漢は叫び、咆哮す ◆7vhi1CrLM6 太陽が中天を過ぎ、西に傾き始めて早くも二時間。 まだ高いその陽の光に晒された二つの機体が、対峙を続けていた。 廃墟の街並みを眼下に、逼迫した面持ちで佇む大型機。朽ちて欠けたビルを足場に、ゆったりと構える小型機。 数瞬前までは、忙しく間合いの取り合いを演じていた二機だが、今は共に動きがない。 動けない者と、動かない者。両者の間を風が薙いで行った。 「本妻が他の男と駆け落ち。追いかけたいところだが、浮気相手も他の男に取られやしないかと気になって、追うにも追えず。  クク……いけねぇなぁ。いけねぇよなぁ。二股はよくない。  選びな。どっちを取って、どっちを捨てるか。どっちつかずの態度は、失礼ってもんだぜ」 問いかける者と、答えを探す者。 実に愉しげに人の心を掻き乱してくるこの男――ガウルンを前に、シャギアの動...
  • 眠れる基地の魔王、悪が振るう剣
    ...ACK NEXT かくして漢は叫び、咆哮す シャギア 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 アイビス 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 甲児 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 キラ 時の結実――すなわち成長 遺されたもの ロジャー 時の結実――すなわち成長 遺されたもの ソシエ 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 ブンドル 時の結実――すなわち成長 かくして漢は叫び、咆哮す バサラ 時の結実――すなわち成長 ゲッターロボ 竜馬 かくして漢は叫び、咆哮す ガロード かくして漢は叫び、咆哮す クインシィ かくして漢は叫び、咆哮す アキト 時の結実――すなわち成長 王の下に駒は集まる ユーゼス 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 アムロ 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! 破滅の足音 カミーユ 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! かくして漢は叫び、咆哮す ガウルン 排撃...
  • 心の天秤
    ...irls シャギア かくして漢は叫び、咆哮す Lonely Soldier Boys &girls バサラ かくして漢は叫び、咆哮す Lonely Soldier Boys &girls ガロード かくして漢は叫び、咆哮す Lonely Soldier Boys &girls クインシィ かくして漢は叫び、咆哮す Lonely Soldier Boys &girls ガウルン かくして漢は叫び、咆哮す
  • 王の下に駒は集まる
    ...ACK NEXT かくして漢は叫び、咆哮す 投下順 怒れる瞳 かくして漢は叫び、咆哮す 時系列順 怒れる瞳 BACK NEXT 驕りと、憎しみと ユーゼス 怒れる瞳 Stand by Me テニア 怒れる瞳 Stand by Me 統夜 怒れる瞳
  • 驕りと、憎しみと
    ...by Me 投下順 かくして漢は叫び、咆哮す 心の天秤 時系列順 Stand by Me BACK 登場キャラ NEXT 仮面の奥で静かに嗤う ユーゼス 王の下に駒は集まる 仮面の奥で静かに嗤う アキト かくして漢は叫び、咆哮す
  • 第三回放送まで
    ...kさん 14 40 かくして漢は叫び、咆哮す シャギアガロードバサラクインシィガウルンアキト ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターマジンガーZマスターガンダムブラックゲッター F-1 ◆7vhi1CrLM6さん 14 45 王の下に駒は集まる ユーゼステニア統夜 メディウス・ロクスラーゼフォンベルゲルミルヴァイサーガ H-1 ◆VvWRRU0SzUさん 15 0515 30 怒れる瞳(1)怒れる瞳(2)戦場に響く歌声(1)戦場に響く歌声(2)世界を止めて(1)世界を止めて(2)眠れる基地の魔王、悪が振るう剣 シャギアアイビス甲児キラロジャーソシエブンドルバサラ竜馬ガロードクインシィアキトユーゼスアムロカミーユガウルンテニア統夜キョウスケアルフィミィ ヴァイクランネリー・ブレンストレーガ騎士凰牙ガナドゥールサイバスターラーゼフォン真・ゲッターマジンガーZナデシコ旧ザクプロトガ...
  • Stand by Me
    ...憎しみと 時系列順 かくして漢は叫び、咆哮す BACK NEXT Lonely Soldier Boys &girls テニア 王の下に駒は集まる Lonely Soldier Boys &girls 統夜 王の下に駒は集まる
  • 101~200
    ...M6さん 177 かくして漢は叫び、咆哮す シャギアガロードバサラクインシィガウルンアキト ヴァイクランナデシコプロトガーランド真ゲッターマジンガーZマスターガンダムブラックゲッター F-1 二日目14 40 ◆7vhi1CrLM6さん 178 王の下に駒は集まる ユーゼステニア統夜 メディウス・ロクスラーゼフォンベルゲルミルヴァイサーガ H-1 二日目14 45 ◆VvWRRU0SzUさん 179 怒れる瞳(1)怒れる瞳(2)戦場に響く歌声(1)戦場に響く歌声(2)世界を止めて(1)世界を止めて(2)眠れる基地の魔王、悪が振るう剣 シャギアアイビス甲児キラロジャーソシエブンドルバサラ竜馬ガロードクインシィアキトユーゼスアムロカミーユガウルンテニア統夜キョウスケアルフィミィ ヴァイクランネリー・ブレンストレーガ騎士凰牙ガナドゥールサイバスターラーゼフォン真・ゲッターマジンガーZ...
  • 追悼
    追悼 ◆Y3PBSdzg36 ―――カティアちゃん… ふとメルアの声がした気がした (気のせいよね) カティアはMAPの南の方の町のほうに向かうことにしていた 理由はない なんとなくその方が逢えるかと思ったからだ できるだけ高度を上げ、目標に向かって飛び立っていった ―――しばらくして 「ひどい…!」 そこには大破した機体があった もう辺りには誰もいないようだが とりあえずバトロイドに変形して降り立つ 辺りを見回すと緊急離脱したのか穴だらけのコックピットが落ちていた 中を覗くとかろうじて女性と見分けられる死体があった 顔は無事であったので判別できたのである 女性の顔は悲しそうな顔をしていたが、気のせいか安らかにも見えた とりあえずコックピットを調べる 撃墜した相手との戦闘データを得ようとしたが機体が特殊でわからなかった (とりあえず埋めてあげ...
  • 金色の輝き
    金色の輝き ◆ah5xuG5D4E 闇を引き裂く白、F-91は迫る黒、マスターガンダムにビームライフルを三発連続で制射する。が、光条は虚しく避けられてしまい次の瞬間には逆にヒートアクスを振るわれ、赤熱の刃がその肩を掠めた。 「クッ!中々やるっ!」 敵機、マスターガンダムの予想以上の奇抜な動きと戦闘能力にアムロは呻く。 ガンダムタイプ…いや、MSの機動ではない、人間的でより自然な動きから繰り出される攻撃は最高のニュータイプ、連邦の白い悪魔の異名を持ったアムロですら易々と見切れるモノではなかった。 そして、ブゥン!と早朝の清々しい空気を裂き迫るヒートアクスをギリギリの所で見切り、F-91はフルブースト。 マスターガンダムの右側に回り込み、ライフルと頭部バルカンを撃ち込む。 そしてコレ又敵機は無茶苦茶な機動…振り向きながら身を捩り軽く横跳び、右手でアスファルトを鷲...
  • さらば優しき日々よ
    さらば優しき日々よ ◆ZbL7QonnV.  G-6エリア。夜の闇が周囲を満たす基地の一角に、その機体は闇に溶け込む形で鎮座していた。  黒の騎士、ヴァイサーガ。フューリーの騎士の血を継ぐ少年、紫雲統夜に与えられた機体。  一夜の休息を求めて基地を訪れた統夜は、周囲に敵機の反応が無い事に安堵の溜息を吐いていた。 「とりあえず、今の所は安全みたいだな……」  静まり返った闇の中、統夜は身体の力を抜く。  戦いとは縁の無い学生生活に慣れ親しんで来た統夜にとって、戦場の緊張感はあまりにも重過ぎた。  戦う事を決めはした。  元の世界に戻れるのならば、この手を血で汚す覚悟もある。  殺される前に、殺し返す。そうする事でしか生き残れないのであれば、そうするまでだと決意した。  ……だが、彼の手は未だ血に濡れてはいない。  まだ、引き返す事は出来るのだ。...
  • 白刃演武
    白刃演武 ◆7vhi1CrLM6  殺し合いの為にあつらえられた会場、その南東の端H-8の小島で一つの機体が落ち込んでいた。  膝を屈し手を付くそのさまは分かりやすく説明するとちょうど『orz』こんな感じである。  モビルトレースシステムを採用しているその機体にとって機体の姿勢は搭乗者の姿勢を現す。  つまり獲物を逃したギム=ギンガナムは、くどいようだが今現在まさしく『orz』な感じであった。  そのような玩具を取り上げられた子供のような状態のギンガナムであったが、レーダーに光点が灯るや否や跳ね起き、目を純真無垢な子供のように輝かせる。  テンションが急上昇していくその様は例えるならば『遠足の朝の子供』といったところか。  そして、はやる心を抑えきれないかの如く上空の機体に通信を繋げた。 「我が名はギム=ギンガナム、一つ手合わせ願おうか」  剥き出しのある意味純真な...
  • 火消しと狼
    火消しと狼 ◆7vhi1CrLM6 「避けろ!!」  基地上空で爆発したレプラカーン、黒煙を棚引かせてアスファルトの地表に墜落したブラックゲッター、その二つの物体が起した轟音を突き破りゼクスが叫んだ。  咄嗟にビルトファルケンが地を蹴りサイドに大きく跳ぶ。ほぼ同時に発射されたディバイデッド・ライフルが間際を駆け抜け、基地の格納庫を一つ吹き飛ばした。  その様子を一瞥し、戻した視界が急速に迫ってくるメディウス・ロクスを捉え、歯噛みしながら、キョウスケは叫んだ。 「ゼクス、状況を説明しろ!」 「機体の制御が効かん上に、ファルケンの識別パターンが赤に設定されている」  一つの機影がとぶように間合いを詰めてくる。苦々しい表情を浮かべ、互いの拳が届く距離、そこに躊躇なく踏み込んだ。  機体の体捌き、振り上げられたコーティング・ソードの動き。それらを見極め、一撃を...
  • 鍵を握る者 噛合わない歯車(1)
    鍵を握る者 噛合わない歯車 ◆7vhi1CrLM6 「また揺れだしたニャ」 「マ、マサキ、早く何とかするニャ」  機体が猛烈に震え始め、黒と白、二匹の猫が悲鳴をあげて頭を抑えた。  それに言い返しつつマサキは手元の操縦に集中する。 「少しは黙ってろ!」  『絶対的な火力と強固な装甲による正面突破』をコンセプトに作り上げられた試作機アルトアイゼン。  その極端すぎる設計思想は、ベースとなったゲシュペインストの機体バランスを著しく損ねている。特殊な能力は必要ないとはいえその扱いは難しい。  それに加えて各部に受けた損傷が、操縦性の悪さに拍車をかける結果となっていた。  今現在のアルトの乗り心地は、例えるなら急発進と急ブレーキしかできない車が未舗装の岩山を走っているようなものである。  ようするに最悪ということだ――機動兵器に乗り心地を求めるのもどうかと...
  • 歯車は噛合わず 男は反逆を起こした(1)
    歯車は噛合わず 男は反逆を起こした ◆7vhi1CrLM6 「また揺れだしたニャ」 「マ、マサキ、早く何とかするニャ」  機体が猛烈に震え始め、黒と白、二匹の猫が悲鳴をあげて頭を抑えた。  それに言い返しつつマサキは手元の操縦に集中する。 「少しは黙ってろ!」  『絶対的な火力と強固な装甲による正面突破』をコンセプトに作り上げられた試作機アルトアイゼン。  その極端すぎる設計思想はベースとなったゲシュペインストの機体バランスを著しく損ね、特殊な能力は必要ないとはいえその扱いは難しい。  それに加えて各部に受けた損傷が、操縦性の悪さに拍車をかける結果となっていた。  今現在のアルトの乗り心地は、例えるなら急発進と急ブレーキしかできない車が未舗装の岩山を走っているようなものである。  ようするに乗り心地が最悪なのだ――機動兵器に乗り心地を求めるのもど...
  • シュンパティア
    シュンパティア ◆ZbL7QonnV. (聞こえるかい、兄さん?) (ああ、聞こえるぞ) (フフ……どうやら、僕達にとってこの機体は大当たりだったみたいだね) (そうだな、オルバよ。このシステム、シュンパティア……と言ったか。  我々にとっては、かなり相性の良いシステムらしい。オルバ、いつもよりお前を近くに感じるぞ……) (僕もだよ、兄さん……)  A-1エリアとC-3エリア。遠く隔てた場所に落とされた双子の兄弟。  通信機能の限定された状況下で、彼らは互いの状況を理解出来る訳がないはずであった。  ……だが、これも主催者の戯れなのだろうか。  二人に支給された機体の特性と、そして二人が持つ特異能力。  それが互いを補うように強化し合い、今の二人は側にいて言葉を交わす以上に互いの事を理解する事が出来ていた。  カテゴリーF――  フロスト兄弟の間...
  • アキトとキョウスケ
    アキトとキョウスケ ◆7vhi1CrLM6 体中の血管の中で蠢いていた子蜘蛛がいなくなる。 どろりとバターのように溶け出すと血流に呑まれて、一匹一匹と消えていく。 同時に視界が今までとは別の世界を捉え、急速にぼやけていっていた。 奇妙な感覚だった。 重い体が軽くなり、感覚が戻ってまた重くなる。 幻聴が消えて本物の音が戻り、また音が鈍くなる。 一瞬の通りすがりに正常な時間が存在する。だがそれはほぼ無意味ともいえる一瞬である。 正常な感覚の刻みつけ、あっけなく去っていく。また薬を服用するよう刻まれた暗示のように思えた。 ぼやける視界で時計の位置を確認すると、気だるく思い体を起こす。顔を近づけて時刻を確認した。 ――4 34 服用から一時間半と少し。 薬の効果が三十分。副作用が一時間。アルフィミィの言に嘘はなかった。 「だが、これは後をひくな」 ずるず...
  • ネクスト・バトルロワイアル(4)
    かくして、ロジャー・スミスは帰還する――! 「ネゴシエイター……? その機体は!?」 魂まで抜け出ているのはないかと思う声で横から声をかけられる。 そこには、テンカワの乗る機体が白い星の表面に座り込んでいた。 ロジャーは腕を組んだまま、三方を見る。 横――細部が変わっているが、朽ちたキングジェイダーと思わしきロボット。 上――光り輝く『世界』。 下――大いなるO――ビッグオー。 ロジャーは今、天へと伸ばすビッグオーの腕の上にいる。 だが、そこにいるビッグオーは朽ち果てている。腕は片方なく、赤い頭部装甲は砕け、全身は傷だらけだ。 「ビッグオー……」 ロジャーは、無理やりに忘却させられていた記憶(メモリー)を思い出した。 自分はこの殺し合いが始まる前に、あのノイ・レジセイアとあっている。 そこでノイ・レジセイアはこう言ったのだ。...
  • 歯車は噛合わず 男は反逆を起こした(2)
     構えられたマシンナリーライフルからエメラルドグリーンの光球が飛び出す。その数は三。  それの一つ目を避け、二つ目を右腕のタービンで弾き、そして三発目の直撃を受けて凰牙はバランスを崩した。  体勢を立て直すのもそこそこに地を蹴り、その場を飛び退く。瞬間、爆音が轟き大地が抉られた。  巻き上げられた土くれが降り注ぐ中、ロジャーは叫ぶ。 「何故、我々と君たちが戦わなければならない」 「あんたたちはアタシらの敵だ!」  心の底から憎しみが篭ったような声。返答と同時にまた一つ放たれた光球を、宙に向かって飛ぶことでかわす。 「それは違う。君たちはあの主催者に従うのを良しとしなかった者たちではないのか!  そうであるならば我々は仲間なはずだ!!」  さらに空中で左足と右腕のタービンを使い三つの光球を弾く。  一息ついたその瞬間、弾いた光球の影から二つの勾玉が...
  • 愛を取り戻せ
    愛を取り戻せ ◆ZbL7QonnV. 「……まさか、ここまで辿り着く事の出来る人間が居たとは思いませんでしたの」  穏やかな微笑みを浮かべたまま、ゆっくりとした口調で蒼の少女――アルフィミィは言った。  彼女にとっては突然の招かれざる闖入者である、テンカワ・アキト。  ともすればルール違反にも受け取られかねない反則技を使って、この異空間に辿り着いた彼に向ける眼差しは、しかし何故か優しかった。  だが、それは無力な幼子を見下ろす目だ。上の立場から下を見る、絶対的な優位からの視線だった。 「頼む……っ! 第一回目の放送で、確かに“死者を生き返らせる事も可能”だと言ったはずだ!  ユリカを……ユリカを救ってやってくれ! あいつは、こんな所で無惨に殺されて良い人間じゃないんだ……!  俺はどうなっても構わない! だからユリカを……!」  万に一つの望みを託して、アキトは悲痛な...
  • 私は人ではない
    私は人ではない ◆7vhi1CrLM6 「動きそうか?」  暗い森の真っ只中に直立している金色の機体――百式。  その輝く装甲の隙間からひょっこりと頭を出したクインシィ=イッサーを見つけて、ジョナサン=グレーンは声をかけた。 「無理だな。派手な損傷は見当たらないが、壊れているようだ」  装甲の上に立ち上がり、彼女はこちらを見上げて話を続ける。 「これに乗っていたのがお前の言うキラとかいう奴なのか?」 「いや、違うな。奴は戦艦に乗っているはずだ」  本来キラが待っているはずの場所にキラの姿はなく、代わりとして近場に残されていたのがこの百式だった。  ということはだ。 「Jアークにその機体のパイロットも同乗して移動したのだろう。周囲に戦闘の跡もない」 「どう思う?」 「どう思うとは?」 「パイロットについてだ。コックピットでこん...
  • 巨虫、岩を打ち抜いて
    巨虫、岩を打ち抜いて ◆vBGK6VSBWM 第一回放送が始まる時間まであと五分といった時間まで差し迫る。 その時、孫光龍は未だ平穏の中に身を置いていた。 本日二杯目のコーヒーを用意する。ペースが多少早いかもしれないがそれも仕方がない。 自分で決めたこととはいえ、娯楽のない休憩という物は退屈なのだ。 それゆえ、嗜好品に手を伸ばす。 「しかし、エスプレッソばかりというのもねえ。  ミルクぐらい用意したら良い物を。気が利かないなぁ。」 どうせ主催者にはこちらの声は筒抜けなのだろう。 そんなことを思いつつ愚痴りながら、カップを口元に寄せる。 『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの。…こほん…最初の定時連絡の時間となったので放送を  始めますの。まずは死んでしまった人たちの報告からですの…』 「放送が始まった・・・か。それに...
  • 彼女の答え
    彼女の答え ◆Y3PBSdzg36 「これが私の機体ね…」 カティアはそうつぶやくと機体を調べ始めた しばらくして、 「これは!?」 この機体、VF22S・Sボーゲル2Fには反応弾つまり核兵器が搭載されていたのだ とりあえず持っていることで相手の戦意削減にもなるが… (できれば使いたくはないですね) 次に索敵をして敵がいないことを確認して考えをまとめようとする (統夜たちが無事でいて欲しいけど…) しかし、これは殺し合いなのだ 最後に立っているのは一人なのだ だが… (私は、殺せない) (他に方法はないけれど、私は逆らってみせる) 仲間を集めゲームを脱出する、それが彼女の出した答えだった (だけど… あの場所で見た統夜は何かが違っていた いまの明るい統夜じゃなくてまだ最初のとき、戦うのを拒絶していたころのような…) 「…とにかく仲間を見...
  • ・――言葉には力を与える能がある(2)
     ◆ 戦場には四機が入り乱れていた。 ガウルンが駆るマスターガンダム。 武蔵が動かすガンダム。 シャギアが操るヴァイクラン。 オルバが乗るディバリウム。 若干の性能差は存在するが、それは戦闘の決め手にはならない。 多少の優勢は、残りの機体がすぐに覆す。 もしこの中の一機でも墜ちれば、戦局は大きく変わる。 それが分かっているからこその均衡だ。 ヴァイクランの放つガン・スレイブがガンダムを襲う。 飛ぶのは二基。一つは不規則な弾道で武蔵の目をくらまし、もう一つが死角から装甲を削っていく。 闇雲にハンマーを振り回すが、ガン・スレイブにはかすりもしない。ガンダムのシールドは既にボロボロだ。 だが、ガン・スレイブの動きが鈍る。その原因はヴァイクラン本体を襲ったマスターガンダムのダークネスショットだ。 ガン・スレイブの操作に集中していたシャギアは舌打ちを一つ。 ...
  • 鍵を握る者 噛合わない歯車(2)
     構えられたマシンナリーライフルからエメラルドグリーンの光球が飛び出す。その数は三。  それの一つ目を避け、二つ目を右腕のタービンで弾き、そして三発目の直撃を受けて凰牙はバランスを崩した。  体勢を立て直すのもそこそこに地を蹴り、その場を飛び退く。瞬間、爆音が轟き大地が抉られた。  巻き上げられた土くれが降り注ぐ中、ロジャーは叫ぶ。 「何故、我々と君たちが戦わなければならない」 「あんたたちはアタシらの敵だ!」  心の底から憎しみが篭ったような声。返答と同時にまた一つ放たれた光球を、宙に向かって飛ぶことでかわす。 「それは違う。君たちはあの主催者に従うのを良しとしなかった者たちではないのか!  そうであるならば我々は仲間なはずだ!!」  さらに空中で左足と右腕のタービンを使い三つの光球を弾く。  一息ついたその瞬間、弾いた光球の影から二つの勾玉が...
  • 思いこみ、勘違い、嘘、そして……
    思いこみ、勘違い、嘘、そして…… ◆JF9sfJq3GE  この世界の中では一・二を争うほど広大な森林地帯――実に南北に約130km、東西に約100kmにも及ぶ豊かな原生林の南東の端に、白亜の戦艦が静かに鎮座していた。  一組の男女が焚き火をかこっていた。その明りを受けて少女の影が暖色に染まった戦艦の外壁にまで伸びていた。  そこからタラップを伝って一人の少年が姿を現し、二人を見つけると声をかける。  振り返った二人の口にはスプーンがくわえられていた。 「人を働かせておいて呑気に食事ですか……」  口調に若干の刺がにじみ出る。それに気づいてか、はたまた気づかずか、二人は「ごめんごめん」とあまり悪びれもせずに軽く返した。 「周囲の警戒は?」 「トモロがしてくれています。それにしても……」  質問に軽く答えを返した少年が、席に座りつつ視線を流す。 「二人でどれだけ食べ...
  • 大いなる誤解
    大いなる誤解 ◆C0vluWr0so  キラ、武蔵、テニア――三人が合流してから、早一時間が過ぎようとしていた。  情報交換や機体のチェックなど、しなければならないことはいくつもある。  が、それらは滞り無く素早く行われ――終わった後は三人とも特にすることもなく、ジョナサンを待って無為な時間を過ごしている。  既に辺りは完全な闇に包まれていた。  闇――それが人の心に与える影響は、決して良いものではないというのは周知の事実。  まるでこの殺人遊戯の混沌さを象徴するかの如く、三人の胸中にはそれぞれ違った思いが渦巻いていた。  キラ・ヤマトの心にあるものは、亡くなってしまった少女への想い。  こう、何もしない時間が続くと――不意に彼女の姿と言葉を思い出してしまう。  少女は、ここで死ぬべき人間ではなかった。キラはそう思う。  彼女は、世界を導いていけるだけの思い...
  • 始まりの葬送曲
    始まりの葬送曲 ◆gw.2K3uEb6 「遠くから見てもすぐに分かるあの服装は確かにラクス・クラインだった・・・。 そしてその隣に居たのはやはり・・・間違いない。」 ザフト軍のエースパイロット、アスラン・ザラはあの部屋に居た人物を思い返していた。 一人は自分の許嫁であるラクス・クライン。 そしてもう一人は親友であるキラ・ヤマト。──そして彼の怨敵でもある。 「どうして・・・キラが生きてるんだ・・・!」 ザフト軍のエースパイロット、アスラン・ザラは一人つぶやく。 彼は、部下であるニコルを亡くしたばかりであり、 ニコルを殺したストライクガンダムのパイロットを道連れに自爆したはずだった。 ストライクガンダムのパイロットであるキラ・ヤマト──親友を殺したはずであった。 目を覚ますと、いつもとは違う光景が広がり、 エクセレンと呼ばれた女性のナマナマしい死を見せ付けられ、い...
  • 銃爪は俺が引く
    銃爪は俺が引く ◆VvWRRU0SzU ページをめくり、そこにある名前と顔を一人一人確認していく。 このB-2エリアに存在するただ二人だけの生存者、テンカワ・アキト、ユーゼス・ゴッツォ。お互いもう随分前から無言だ。 打ち合わせることはいくつもあるはずだが、どうにも自分から口を開く気にはなれなかった。向こうもそう思っているのかもしれない。 ふう、とため息をつきアキトは水を一口飲んだ。 モニターの半分以上を占拠する巨体、ユーゼスの駆るメディウス・ロクス――ゼストを見やる。奪取するとは決めたものの、さてどうするか。 E-3のJアークに集う敵対者達と潰し合わせるにしても、問題が一つ。アキトが今現在搭乗しているこのブラックゲッターだ。 先程別れたガウルン達はもう影も見えない。こちらも24時までにE-3に向かう予定だが、ゼストとブラックゲッターなら二時間もあれば十分。 そう判...
  • 彼らの乗機は強力です
    彼らの乗機は強力です ◆OWmug8uCw 「見つかりませんね」 「ふん、あの御転婆がそう簡単にみつかるものかよ」 D-3の市街地に向かってゆったりと白亜の戦艦が進んでいた。 (探しているのはクインシィさんだけじゃないんだけどな) その上に乗る白いMSの中で少年はひっそりと溜息をついた。 (ラクスは大丈夫かな?) 想い人の姿を脳裏に浮かべる。彼女は戦えない人間であり一刻も早く見つけねばならない。 そう想い、キラはもう少し急いでほしい旨をジョナサンに伝えようとした。 『機影発見』 だが、その前に進行方向にこちらと同じ白亜の戦艦と赤と白の機動兵器らしき機体を発見した。 「おい、トモロ!本当に大丈夫なんだろうな、向こうはこちらよりも大きいぞ!!」 『舐めるなと言った。だが、敵の艦は反応からして相転移エンジンを積んでいるようだ。  少しまずいか...
  • 疾風、そして白き流星のごとく
    疾風、そして白き流星のごとく ◆VvWRRU0SzU 「マサキ・アンドー……サイバスター、お前の主は散ってしまったか」  時刻は6:00.二回目の放送が響き渡る。  ブンドルが駆る空貫く白銀の翼、サイバスター。  その正当たる操者の名が、幼い少女の声にて読み上げられた。彼だけではなく、数時間前に言葉を交わした者も。 「そしてゼクス・マーキス、カズイ・バスカーク……彼らもまた。カミーユ・ビダンは生き残ったか」  一回目の放送で呼ばれたラクス=クライン、リリーナ=ドーリアンの知己。  有力な集団と思われていた彼らが瓦解したことはかなりの痛手だ。  更に放送にはギム・ギンガナムの名も含まれていたが、これにはさほど驚きはしない。  粗暴かつ好戦的な男ではあったが、その戦闘力、そして黒歴史の知識は有用なものだった。  共にいた時間は長くはないがそれでも一度...
  • 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅(ver.IF)
    極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw  瓦礫の街並みの中、四機の航空機が羽を休めている。  その羽の下、崩れた家屋の残骸に腰をおろしている男がいた。男の名は神隼人という。  その眼は三機のゲットマシンを見ていた。  ――間違いなくゲッターだ。  真ベアー号に乗り込んだときに理解した。コックピットの内装、ゲットマシンの外観こそ知るものと異なってはいたが、首輪が教えてくれた。こいつは――  ――真ゲッター。  ゲッターの後継機としてつくられた機体。早乙女博士の尽力にも関わらず、5年前のあの日起動しなかった機体。それが――  ――なぜ動いている?  早乙女研究所の地下に封印されていたはずだ。  ――いや、それよりも……。あの時、こいつが動いていればムサシは。  噛みしめた奥歯が鳴る。古傷が顔に浮かび上がってきていた。  一つ深呼吸をして心を静め...
  • 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅
    極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw  瓦礫の街並みの中、四機の航空機が羽を休めている。  その羽の下、崩れた家屋の残骸に腰をおろしている男がいた。男の名は神隼人という。  その眼は三機のゲットマシンを見ていた。  ――間違いなくゲッターだ。  真ベアー号に乗り込んだときに理解した。コックピットの内装、ゲットマシンの外観こそ知るものと異なってはいたが、首輪が教えてくれた。こいつは――  ――真ゲッター。  ゲッターの後継機としてつくられた機体。早乙女博士の尽力にも関わらず、5年前のあの日起動しなかった機体。それが――  ――なぜ動いている?  早乙女研究所の地下に封印されていたはずだ。  ――いや、それよりも……。あの時、こいつが動いていればムサシは。  噛みしめた奥歯が鳴る。古傷が顔に浮かび上がってきていた。  一つ深呼吸をして心を静める...
  • 死人の呪い
    死人の呪い ◆960Bruf/Mw  暗い闇の中にわずかに黄色がかった明るい茶色の天体を見つけて、アイビスは目を輝かせた。  自身の半分以上の大きさを誇る衛星――冥府の川の渡し守カロンを従者に携えたその天体は冥府の王プルートの名を持つ準惑星。  旧世紀に一度は太陽系最果ての惑星としてその名を連ねながらも惑星の名を剥奪されたといういわくつきの星である。  しかし、かつて太陽系の惑星であったという事実は、今も人々の意識の奥底に色濃く残っている。  その為か、冥王星こそが太陽系の最果てであり、そこから離れることが外宇宙に旅立つことの第一歩だという意識が知らず知らずのうちに宿っていた。  だからだろうか、胸が高鳴る。夢が現実へと変わる瞬間が目の前に迫っているのだ。  居住ブロックを増設されいくらか大きさを増したアルテリオンが、冥王星の重力を利用してその衛星軌道上を大きく回り始める...
  • 貫け、奴よりも速く
    辺りに動体反応がないことを確認し、キョウスケはステークの薬莢を排出した。 撃発し役目を終えた弾丸が地に落ち、新たに生成されたそれが装填される。 熱を持った弾丸が散乱するインベーダーの体液を焦がす。 見渡せば、死屍累々と言った風情で不定形の異形がそこかしこに積み重なっている。 他愛もない。 キョウスケにとってインベーダーの脅威とはその程度の印象だった。 数は多いが、一体一体の力はそれほどでもない。否、この機体の力をもってすれば脆弱とすら言える。 基地で相当数のインベーダーを屠ったが、あの程度では進化を行うには全く足りない。 インベーダーは単体ではさほどの力を持たず、機械と融合してこその真価を見せる。 もっと強く、激しい力。そんな力とぶつかり合わなければ今以上の力を得ることはできない。 かくして、キョウスケ・ナンブ――アインストの端末となった孤狼は敵を求めて静か...
  • Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(3)
     ◆  素早く、それでいて非常に巧緻に長けた剣閃が迫って来る。受け止め、受け流す。数合切り結ぶ。そして引き際に小さく、それでいて鋭く剣を振るった。空を斬る感触に臍を噛む。  再び距離を開けての対峙。長く細い息を吐く。  手ごわい。少なくとも刃物の扱いに関してはギンガナムを上回り、自身と拮抗していると言っていい。さらに、その妙を得た動きには目を見張るものもある。  黒い機体の後方のただ一点だけを睨みつけ、剣を構える。ギンガナムと他の二機が戦闘を繰り広げている場所だった。そこだけを見ている。目的は一つ。  この黒い機体を避わし、その場へ急行する。  然る後、ギンガナムにこの機体の相手をさせ、他の二人を説き伏せる。それが最善手。  下手にここで戦闘を繰り広げても意味はない。まして、ラプラスコンピューターが破損するようなことがあれば、それは致命的だ。それだけは避けねばならない。...
  • Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(ver.IF)(3)
     ◆  素早く、それでいて非常に巧緻に長けた剣閃が迫って来る。受け止め、受け流す。数合切り結ぶ。そして引き際に小さく、それでいて鋭く剣を振るった。空を斬る感触に臍を噛む。  再び距離を開けての対峙。長く細い息を吐く。  手ごわい。少なくとも刃物の扱いに関してはギンガナムを上回り、自身と拮抗していると言っていい。さらに、その妙を得た動きには目を見張るものもある。  黒い機体の後方のただ一点だけを睨みつけ、剣を構える。ギンガナムと他の二機が戦闘を繰り広げている場所だった。そこだけを見ている。目的は一つ。  この黒い機体を避わし、その場へ急行する。  然る後、ギンガナムにこの機体の相手をさせ、他の二人を説き伏せる。それが最善手。  下手にここで戦闘を繰り広げても意味はない。まして、ラプラスコンピューターが破損するようなことがあれば、それは致命的だ。それだけは避けねばならない。...
  • moving go on(3)
    シャギアは、複雑な目で空の光景を見ていた。 これが、ニュータイプか。 目の当たりにしたニュータイプの能力。 あれほどの脅威を、協力があったとはいえ、一息に跳ね返すだけの力。 到底、ただの人間では及び付かない戦闘力。 オルバの仇をこの手で打つことができないばかりか、結局はニュータイプ一人の独壇場。 見せつけられた力の差。ただの無能力者とニュータイプ。たったそれだけでこれだけ差があるのか。 ニュータイプは幻想だと、あのニュータイプは言った。傲慢だ。 自分自身が異能そのものの力を振るっていながら、幻想と嘯くのか。 ニュータイプは幻想ではないと否応なしに認識させられるシャギア。 この連中とはともにはいられない。 ここはナデシコとは違う、自分の居場所などないのだ。 甲児も、よくオルバの代わりに自分を助けてくれた。 一人でフォルテギガスを動かしていては...
  • 心、千々に乱れて
    心、千々に乱れて ◆7vhi1CrLM6  あくびをし、寝ぼけ眼を擦りながらカテジナー=ルースは起き上がった。  暗い闇の中手探りで灯りをつけるとレーダーを覗き込む。  何かが近づいてくる。そういう気がしたのだ。  根拠は何もない。ただ感じただけ、そういう気がしただけ、それでもそれは確信に近いものだった。  レーダーに映し出された二つの光点によって、程なくそれが正しいものだったと証明される。  レーダー類の不調のせいで距離はそう遠くない。  最初はかなり速い速度で接近してきていたのが、暫くして静止した。  おそらくはこちらの姿が見えない為警戒をしているのだろう。あるいは迷っているのかもしれない。  彼女は今湖の底に隠れていた。 「迂回をしてくれるようなら楽なのだけれどね」  あくびを一つ噛み殺してぼやく。  疲れが抜け切っていないのか、どうにも眠たか...
  • Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(ver.IF)(4)
     ◆  火花が散る。数合剣戟を交え、剣刃が乱れ飛ぶ。灼熱する斧を弾き飛ばし、横に薙ぎ払う。押した。押して押し捲った。  隙はない。防御も厚い。しかし、破れる。突き破り、この男を避わすことが出来る。それが見えた。が、同時に側面を衝かれ、手痛い被害を受ける自身の姿も見えていた。  一瞬の躊躇。それで機を失う。攻めあぐね、跳び下がり距離を取る。五度目だった。突き破れる手ごたえを感じながらも、全て跳ね返された。  目の前の男は待っている。それは確実だった。薄ら笑いを浮かべながら、強引に突破を図る瞬間を待ちわびているのだ。それに乗る事は出来ない。  ブンドルは唇を噛んだ。すでに相当の時間が経過している。死者が出ていても不思議ではないだけの時間だ。それだけの時間を費やして突破も出来ない。それがプライドに傷をつけた。  互いの損傷は皆無。僅かに斧を弾き飛ばした点だけ、相手に被害を与えた...
  • 命の残り火
    命の残り火 ◆7vhi1CrLM6 静寂の朝もやを排気音が掻き消した。 まだ低い朝陽に照らし出された街並みを巨大な影で塗りつぶしながら進む戦艦ナデシコ。 その指揮所にシャギアは駆け込んだ。オペレーター席で振り向いた比瑪と目が合い、一拍遅れて甲児も駆け込んでくる。 弾む息を押し殺し極めて冷静に声を出した。 「状況は?」 「八時の方角に何かを捉えたわ。加工拡大したものがこれ」 答えつつ比瑪がパネルを叩くとモニターに閃光が映し出される。 小指の先ほどにしか見えないそれが拡大されはっきりとした輪郭を伴っていく。 「機体だな。それにしてもこの速度は……」 「シャギアさん、こっちにもう一機いるぜ」 甲児が指差すそこに目を向ける。確かにそこにもう一機いた。白銀の機体。 高速で駆け抜ける機体とその先にいる機体。それが意味する状況は―― 「詳細は...
  • 獅子は勇者と共に
    獅子は勇者と共に ◆ZbL7QonnV. 「ひゃーっはっはっはは! 死ねぇ! 死ね、死ね、死ね、死ねぇぇぇぇいっ!」  その巨大な豪腕を振り回し、スターガオガイガーはバルキリーに殴り掛かる。  技も、駆け引きも、何も無い、力と勢い任せの殴打。  だが、ウルテクエンジンのパワーで振り回される巨大な腕は、それだけで巨大な脅威となってアムロの身に襲い掛かっていた。 「くっ……!」  紙一重の所で攻撃を避けながら、アムロは現状の打開策について考え続ける。  状況は最悪とまでは言わないが、かなり劣悪な事に変わりは無い。  バルキリーの火力では、スターガオガイガーの強靭な装甲を撃ち抜く事が出来ない。まして、弾数には限りがある。  それに対して、スターガオガイガーの攻撃はバルキリーにとって一撃で致命打となりかねない。  つまり、このままズルズルと持久戦に持ち込まれるようなことに...
  • 戦場に響く歌声(2)
         □ 「エネルギーが半分切った! 甲児、もっと抑えて!」 「無茶言うな! 手加減して何とかなる相手かよ!」 狭いストレーガにはのコクピットで二人の少年が怒鳴り合う。 兜甲児、キラ・ヤマト。一度は銃を手に向き合い、今は何故か呉越同舟の身。 甲児は真ゲッターの動きを止めようと躍起になっているものの、元々のパワー、そしてスピードが違いすぎる。 ネリー・ブレンに乗るアイビスの回避が間に合わないときに割り込んでいくのも、そろそろ限界だ。 そして二人を焦らせている理由はもう一つ。 先程シャギアに通信したときに出た名前、ユーゼス。 ブラックゲッターがこの戦場にいたことから予想はしていたものの、まさかシャギアを援護しているとは思わなかった。 それでもカミーユから事のあらましを聞いたキラは確信した。何か裏があると。 突如使えなくなった通信回線をいじりつつ、説...
  • 我が道を往く人々
    我が道を往く人々 ◆IA.LhiwF3A 「……ったく、最後まで聴かずに行っちまうのかよ」  彼方へと飛び去っていく蒼き鷹の背中を眺めつつ、機械仕掛けの神を操る現奏者、熱気バサラは呟いた。  元よりレクイエムなど柄ではなかったが、歌の途中で観客に帰られてしまうというのは、やはり空しいものがある。  戦場であろうと、殺し合いの場であろうと、その深層心理が変わることはない。  熱いハートを叩きつける、それが歌だ。憎しみも、悲しみも、全てを取り払える力が、歌の中には存在する。そう信じるから、バサラは歌うのだ。  思い返すのは、先刻の、蒼い機体に乗っていた少年。  結局、バサラは彼の名前さえも知らないまま、別れることとなってしまった。  分かっていることは、彼にはニコルという名の親友がいて、その親友をキラという名の何者かに殺されてしまったという、酷く客観的な事実のみ。  復讐...
  • 第二回放送
    第二回放送 139 長い長い夜は終わりを告げ、昇った朝陽が大地を照らす。 冷たく澄み切った空気。清々しい夜明けのこの時間に、告別の声は鳴り響く。 『皆様、おはようございますですの。まずは長い夜を越え生き延びられたこと、お祝い申し上げますの。  では皆様お待ちかねの死者の発表ですの――』  アスラン=ザラ  ユウキ=コスモ  神 隼人  アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ  九鬼 正義  ベルナルド=モンシア  ヒイロ=ユイ  孫 光龍  シャア=アズナブル  相羽 シンヤ  ゴステロ  ゼクス=マーキス  カズイ=バスカーク  マサキ=アンドー  ミスマル=ユリカ  巴 武蔵  カテジナ=ルース  クルツ=ウェーバー  グラキエース  ギム=ギンガナム  流 竜馬 『――以上21名の方々が、皆様の犠牲となりお亡くなりに...
  • 選択のない選択肢 SIDE:A
    選択のない選択肢 SIDE:A ◆7vhi1CrLM6 「そこでだ、坊主。俺と手を組まないか?」 四エリアに跨る南の巨大な市街地。その一角であるC-8の地下で響き渡ったその声に、少年は答えなかった。 そうしたのは統夜に何も含むところがあったからではない。 単に言葉が出てこなかったのだ。 起き抜けから続く想定外の事態と申し出に思考が麻痺しかかっていた。 その鈍った頭で考える。一体どういうつもりなのか、と。 この男の頭は大丈夫なのか、とも思った。 生き残れるのは一人だけ。その状況の中で一人は流石に辛いからと言って、他人に同行を求めるのが信じられなかった。 まして、この男は自分が人を襲って動いている者だと認識しているのだ。 得体の知れない者を見た気持ちで眼を見開いた。まともな神経の持ち主がこんな提案をしてくるとは思えなかった。 「なぜ、そんなことを……」 ...
  • 護るべきもの
    護るべきもの ◆T6.9oUERyk 「まるで積み木の街だな」 ビルの谷間で騎士凰牙を進めながらロジャーはつぶやく。 この街にはまるで生活臭がない。 ゴーストタウンとも違う。街という物は、人が絶えた後でもそこに生活の残滓があるものだ。 だが、この街にはそれが無い。まるで店頭に並べられた真新しい家具の様に、人に使われた雰囲気が無い。 「始めから人が住むことを前提としていない、ゲームの舞台にあつらえたジオラマという訳か。」 悪趣味なことだ、と思う。 すでに分かってはいた事だが、このゲームの主催者はどうにも悪趣味極まりない様だ。 あの無愛想なアンドロイドなら何と評するだろうか? この場にはいない身内のことを思いつつ、ロジャーは上空のヴァルハラへと通信を開く。 「リリーナ嬢、周囲には誰もいないかね?」 上空を大きく旋回するヴァルハラから返答が...
  • 夜明けの遠吠え
    夜明けの遠吠え ◆7vhi1CrLM6 椅子を僅かに軋ませ、足を組み、片手で本を掲げる。 文字列を目が追い、情報を吸い上げていく。ふと、頁を捲る手が止まった。 「あなたはかわっていくのだろうか。そういう私も変わっていってしまうのだろうか……」 宙をぼんやりと見上げ、呟く。所在を失った右手が傍らのコーヒーカップへと伸びる。 カチャリと音を立てたカップは口元へと運ばれ、黒い液体が飲み下されていく。 所定の位置へとカップを戻した右腕は指先で頁の端を摘むと、ことさらにゆっくりと次項へと歩みを進めた。 「今日はお祭り楽し……っと、これは次のマンガか。心離れていく二人。 次回九月号に続く……ふむ。先が気になるな……む? オルバ、いつからそこに?」 こちらに振り返った兄と目が合い、ブリッジの入り口で立ち尽くしていたオルバの硬直が解ける。 「独り言を呟き始めたあたりからだよ...
  • 何をもって力と成すのか
    何をもって力と成すのか ◆7vhi1CrLM6  騎士凰牙がJアークに着艦する。107mのJアークに対して28.5mの凰牙、約四分の一の大きさを誇るそれはとても艦内に収まる大きさではなく甲板に係留されこととなった。  その作業を終えて、一人の男が艦内へと歩を進める。  ロジャー=スミス――土がつき血に汚れてはいるが、仕立ての良い黒スーツを隙なく着こなすその男を見て、ソシエ=ハイムはどうしたものかと一人考えた。  考えたことは話し合いについてではなく、礼儀作法について。貴族とは言わないまでも田舎の名士程度には上等な生まれであるソシエは最低限の礼儀は仕込まれてはいる。  つまり、それなりの身なりをした相手に行儀良くするべきかを迷ったわけである。  が、生まれのわりに活発過ぎるほど活発なソシエは、窮屈なそれが嫌いであった。それにここには『お行儀がわるいですよ』と口を酸っぱくして注...
  • Opening
    ――Opening―― うっすらと目を開けて真っ先に考えたのは、どうして自分はこの冷たい床の上で横になっているのかという事だった。 まだはっきりとしない意識のまま、少年――キラ・ヤマトはゆっくりと体を起こした。 そのまま周囲を見回す。そして目に入ってきた光景に、キラはまだ夢の続きを見ているのかと思った。 見知ったアークエンジェルの艦内、ではない。そこは見覚えの無い、広いドーム状の空間だった。 照明器具の類は何一つ無いにも関わらず、ドームの天蓋全体がうっすらと発光しているおかげで 場内はかろうじて人の顔を判別できる程度には明るい。 どうやらこの部屋には他にも大勢人がいるらしく、ざわめきが部屋全体に反響している。 頭にも徐々に血が巡ってきた。しかし、依然として状況が飲み込めない。 記憶を辿ろうにも、ここに来る直前だけが何故かはっきりしない。 「どこなんだ……ここは」 ...
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