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サラカエル - (2019/10/14 (月) 02:48:29) のソース

【種別】 
“[[紅世の徒]]”、[[通称]]

【初出】
XV巻

【解説】 
“[[紅世の王]]”。[[真名>真名(まな)]]は “征遼の睟”(せいりょうのすい)、[[炎]]の色は碧玉。
[[顕現]]した姿は、足下まで波打ち届くような髪をした、妖艶な美貌を持つ長身の男。法服とも見える豪奢な衣を身に纏っていた。
[[[革正団>革正団(レボルシオン)]]]の一員。“徒”[[ドゥーグ]]とは200年に渡る付き合いであり、「お頭」と呼ばれ慕われていた。
自身を含めたあらゆる物体や空間に、縱に裂けた無数の目の[[自在法]]『[[呪眼>呪眼(エンチャント)]]』を生み出し操った。[[サーレ]]たちとの二度目の戦闘中に突然現れた、『[[風の転輪]]』による傀儡の爆発から形成された[[自在式]]が誘導と牽引の複合の式であることを一瞬で看破するなど、[[自在師]]としても優秀であった。
私室には大都市の図書館並みの膨大な量の蔵書を揃え、いささかの時間をかけて、それに記された人間の各言語を習得してきた。

人を喰らう“徒”と、“徒”に喰らわれる人のどうしようもない関係を憂い、「明白な関係」を築く為に[革正団]の一員となったようである。
『[[破約事件]]』と『[[内乱]]』が勃発した後の1865年、パリで設立された万国電信連合において電信を使った思想宣言を行い、[[外界宿>外界宿(アウトロー)]]の指導部や“徒”の領袖からは[革正団]における「思想的指導者」と目されていた。なお、この宣言とともに数百年の歴史を持つ“徒”の組織が数多、崩壊した。
急進的な思想と理性的な態度を併せ持ち、志を同じくする者なら人間や“[[燐子]]”、[[フレイムヘイズ]]にすら分け隔てなく接した。

自身の消滅をも省みず、[[オベリスク]]によって全世界へ『[[この世の本当のこと]]』を宣布すべく、ハワイ諸島において六年の歳月をかけて準備を進めてきたが、1901年に『[[鬼功の繰り手]]』[[サーレ・ハビヒツブルグ>サーレ]]や『[[約束の二人>約束の二人(エンゲージ・リンク)]]』たちによってその企図を阻まれ、最後は『[[極光の射手]]』[[キアラ・トスカナ]]によって討滅された。

討滅される直前に、同志[[ハリエット>ハリエット・スミス]]には、絶対に[革正団]に関わらず、見聞きした事を後世に伝えるよう頼み、ドゥーグには自分の思想と“徒”側の意見の全てを記した本をアメリカの同志に渡すよう、託していた。
ドゥーグに託した本は写本が作られており、『[[星黎殿]]』の書庫にあった写本の一冊が“[[祭礼の蛇]]”[[坂井悠二>坂井悠二(さかいゆうじ)]]の信念に影響を与えた。

【由来・元ネタ】
人の霊魂が罪を犯さないよう監視する役目を持つ、死を司る天使サラカエル(Sarakiel)。より有名な別名はサリエル。
大天使の地位にあり、神の前に出る事を許された12人の天使の一人。月の運行の秘密を人間に教えたため堕天したとされることもある。一瞥することで相手を傷つける事の出来る邪視(邪眼)をもつという 。

「征」は遠くを目指すまたは平らげる、「遼」は遠く離れる、そして「睟」には正視するという意味があり、真名全体で「遠方を平らげる視線」という意味だと思われる。
この真名は、自在法『呪眼』によって離れた事象にも干渉する彼の力の本質を表現すると思われる。

【コメント】
☆[[アニメシリーズ>アニメ版]]には未登場。 
☆真名の最後は、機種依存文字で「目卒」である。
☆“[[棺の織手]]”[[アシズ]]や[[アナベルグ]]には賛同できなかったのに、こいつの思想には賛同してしまった自分がいるな。
☆↑まぁ、自分勝手な理由のアシズや、理屈にすらなってないアナベルグが比較対象ならばな。何より、こいつは自分の思想に命賭けてたしな。
☆ドゥーグを200年間も可愛がってたあたり、犬萌えだったのだろうか。
☆敵キャラの中でも一番好きだったし、ハリエットも惚れてたよな。
☆敵キャラでもこのキャラは好きだ。最後の言葉の人と“徒”は同じ心をもってるっていう言葉が好きだ。
☆この世を跋扈する“徒”と人間の関係を憂いて行動を起こしたあたり、その思想は一般の“徒”よりも、むしろフレイムヘイズに近いものがあるな。
☆しかし世界を憂えるあまり性急で破壊的な行動に出るあたり、理想が先行して混乱だけを撒き散らす迷惑革命家という一面も確かにある。
☆↑あんな電波塔ならぬ電波ロケットを長々と作っていたサラカエルが「性急で破壊的」とは…ギャグだったのか?
☆↑この世の本当のことを突然知らせることの危険性は、サーレが語った通りだ。人間社会に多大な混乱が起こると思われる。もっとも、[[封絶>封絶(ふうぜつ)]]以前の時代のように両種族が共存する可能性も確かにあるが。
☆↑その辺りの事はサラカエル自身が作中で語ってたな。
☆サラカエルは改革派、サーレは保守派と考えると分かりやすい。どちらが正しいというより、考えが違うだけだけどな。
☆[[[巌楹院>巌楹院(ミナック)]]]の[[ゴグマゴーグ]]や[[[とむらいの鐘>とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)]]]の“[[棺の織手]]”[[アシズ]]や[[モレク]]や[[[マカベアの兄弟]]]や[[[轍>轍(ラット)]]]や[[[狂気の城]]]とは相容れなかっただろうな。
☆何か胡散臭い美青年の“王”という点で[[フリアグネ]]や[[[仮装舞踏会>仮装舞踏会(バル・マスケ)]]]の[[巡回士>巡回士(ヴァンデラー)]][[マモン]]に似ていたな。
☆↑気のせいだ。そんなことより、『星黎殿』の書庫にあった[革正団]の書物は、サラカエルが書いたもののことだろうか?
☆公式ガイドブック完結編『灼眼の[[シャナ]]ノ全テ 完』によれば、サラカエルの本の写本らしい。たぶん、ドゥーグが書き写してばらまいたんだろうな。
☆番外編『[[おじょうさまのしゃな]]』では、招待客の一人として登場している。
☆番外編『[[さんじゅうしのしゃな]]』では、序幕で観客の一人として登場している。