革マル研究

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革マル研究 - (2013/08/12 (月) 15:22:59) の編集履歴(バックアップ)



衆 - 内閣委員会 - 18号 平成15年07月16日

西村委員 
 最近、「Z(革マル派)の研究」という本が出版されました。この本は、野村旗守というジャーナリストが、Z、つまり革マル派を研究して書かれた本であります。
おおよその内容は、革マル派が、早稲田大学を拠点として、例えば早稲田祭、大学祭の最大のもので、早稲田祭を資金源として、そこを占拠したと。
これと同じ手法でJR総連に浸透して、それを占拠しつつあると。
どういう事件を今まで起こしてきたのか、どういう組織なのかということを書いてあるわけであります。
 この本の、この野村さんというジャーナリストの注意喚起が事実に基づいているならば、JR東日本に革マルが浸透しているということは、JR東日本は首都圏の大動脈である、首都圏の大動脈が革マル派というものの影響下にあるということは、国民の安全という治安の観点からいって、その治安に責任を持つ閣僚である国家公安委員長としては、愕然として、使命感に目覚めて、もって全力で取り組むべき課題である、このように思うわけです。
 それで、せっかくお越しいただいて、御答弁は結構でございますが、この実態を今鋭意捜査に当たられている警察当局からお聞きしますので、お見守りいただきたいと思います。
そこで、警察におかれては、平成八年に革マル派の非公然アジト十カ所の捜索を開始し、驚くべき事実が明らかになった。
そして、本日に至るまで、その実態、目的、危険性などの解明努力をされてきたのでございますけれども、現時点でその解明結果を改めて、革マルの本質、実態を御説明いただきたいと存じますが、よろしくお願いします。
奥村政府参考人 お答えをいたします。
 警察といたしましては、極左暴力集団である革マル派の動向につきましてはかねて重大な関心を持っておりまして、情報収集あるいは事件検挙に努めてきたところでありますけれども、
平成八年以降、革マル派の非公然アジト十七カ所を摘発いたしまして、これらのアジトから押収した資料につきましても徹底的に分析をしてきたところであります。そうした捜査等のこれまでの結果を総括的に申し上げますと、
まず一つは、革マル派の基本的な性格と路線でありますが、この革マル派と申しますのは、

日本で暴力主義的破壊活動によりまして共産主義革命を起こすことを最終的な目標としている組織でありまして、現在、構成員が約五千人であります。

 昭和五十年代の初めまでは、対立をしております同じ極左暴力集団の中核派、革労協との間で大変陰惨な内ゲバ事件を繰り返しまして、十数人を殺害する、また数百人に傷害を与えておりますけれども、その後、昭和五十年代の初めになりまして、まだ革命情勢は到来をしていないという彼らなりの認識のもとに、当面は組織の拡大に重点を置くようになりまして、このため、党派性を隠す、
革マルであるということを隠して、基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図って、勢力を拡大しておるところであります。
 それから二つ目に、
革マル派は、そうした活動の過程におきまして、これまで数々の犯罪を敢行してきた
ところでありまして、今申し上げました内ゲバ事件に伴う数多くの殺人とか傷害事件はもとよりでありますけれども、自分たちと対立するグループ、例えば国労とかJR連合傘下のJR西労組の組合員、あるいは、先ほどお話がありました早稲田の学内から革マル派を排除をしようとしておりました早稲田大学の学生部長等に対しまして、情報収集等を目的とした盗聴事件、あるいは住居侵入、窃盗などを繰り返してまいりましたほか、組織と対立する人物等に対しては、強要、暴行あるいはいわゆるナーバス、無言電話を繰り返しかけるといったものでありますけれども、こういうナーバス等を大変執拗に行ってきているところであります。
三つ目に、革マル派は権力謀略論という非常に荒唐無稽なものを唱えておりまして、
これは例えば、極左暴力集団内の内ゲバというのは国家権力が実は事件の犯人だと。革マル派の者が中核派に内ゲバでやられましても、これは中核派がやったのではなくて、実は国家権力が自分たちを攻撃したんだというようなことを言っております。平成九年に起きました神戸の小学生の殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇事件でありますけれども、この真の犯人は権力であるというふうに言っておりまして、
それを彼らなりに証明しようということで、犯人の少年の検事調書を兵庫県内の病院から盗んでおります。
 警察といたしましては、こういう極左暴力集団革マル派の動向につきましては引き続き重大な関心を持っておりまして、革マル派の非公然、非合法活動の実態解明に努めますとともに、違法行為につきましては今後とも厳正に取り締まってまいりたいというふうに考えております。
西村委員 
 現時点で公表し得べき全容は公表していただいたと思うわけですが、革マル派が敵対する者に対しては無言電話等々の圧力をかけてくるというのは、かく質問している国会議員に関しても、極めて当てはまることであります。私は実体験しております。
 さて、今の全容御説明で満足すべきところですが、もう少し具体的にお聞きいたしますが、二年前の平成十三年五月二十五日の私の質問に対する御答弁で、
当局は、革マル派内にJRを担当するトラジャという組織がある、そして、JR内にそのトラジャの傘下にマングローブという組織があるという裏づけをとっておる、JR総連、東労組内に影響力を行使できる立場に革マル派が相当浸透しておる、その地位にある具体的な人物は特定できておる、このように答弁されました。
 本年七月の報道では、その後に家宅捜索したJR東労組関連組織から、トラジャ、マングローブに関する資料が押収されているという報道もございます。これらの二年前の御答弁に関しては、その二年間の捜査努力を総合して、その認識に変更すべき点はあるのかないのか。この認識に変更はないのかということについて確認したいと思いますが、いかがでございますか。
奥村政府参考人 
 革マル派は、ただいま申し上げましたとおり、勢力拡大のために基幹産業の労働組合等各界各層に浸透を図ろうとしておりますけれども、このために
党の中央組織の中に産業ごとに労働者を指導する労働者委員会を設けておりまして、それぞれ任務を分担しております。
その中にJRを担当する組織がございまして、これは通称トラジャと呼ばれて、JR内の労働者を指導しております。
一方、JR労組内には、このトラジャの下部組織といたしましてマングローブと呼ばれる組織がございまして、このマングローブがJR内の革マル派の指導に当たっております。
このことは、平成八年以降摘発をいたしました革マル派の非公然アジト十七カ所から押収いたしました資料あるいは内部文書等からも明らかになっております。
 警察といたしましては、こういう点を総合的に分析、検討いたしました結果、JR総連やJR東労組に対して革マル派が相当浸透しているという分析結果を申し上げた次第でありまして、この見解は現在でも変わっていないところであります。
 また、警察は、昨年の十一月に革マル派が絡む退職強要事件を検挙しておりますけれども、この事件は、革マル派活動家を含むJR東労組の組合員七人、これが、同じJR東労組の組合員であります電車の運転手に対しまして、この運転手の方がJR東労組と対立をするほかの組合のメンバーと一緒にキャンプに行ったということに因縁をつけまして、十数回にわたって集団で取り囲んで脅迫をいたしまして、この人物をJR東労組から脱退させることはもとより、最終的には会社そのものを退職させたという事件でございまして、この事件では七人の者を逮捕いたしまして、現在公判中であります。
 それから、先ほどお話にありましたけれども、先月の六月の十二日には、
JR総連の本部執行委員三人による集団暴行事件で、JR総連事務所のあります目黒のさつき会館等十八カ所を捜索
しておりますけれども、この事件は、去年の六月に東京駅の八重洲口で、この執行委員三人がJR東海の助役を取り囲みまして、腕とか背広の襟をつかんだり引っ張ったりする暴行を加えた事件でございます。
 警察といたしましては、先ほど申し上げました以前からの捜査等の結果や、最近のこうした事件の捜査結果にかんがみますと、JR総連や東労組に対して革マル派は依然として相当浸透しているというふうに考えておるところでございます。
西村委員 ありがとうございます。
 今の警察の答弁の表明、つまり、JR総連、東労組内に革マル派が相当浸透している、また、先ほど御説明いただいた昨年十一月一日の東労組組合員七名の強要罪名下での逮捕ということに関して、JR総連は執行委員長名で、警察庁長官、国土交通大臣、内閣総理大臣に、JR総連及び東労組内に、革マル派が浸透しているなどのことは事実無根である、根拠を示せという申し入れを行い、また、先ほどの強要事件に関しても、東京地検検事正、警視総監に事実無根の旨の申し入れを行っております。また、さらに、革マル派とJR総連を関連づけて報道した報道機関に抗議文を送っておるということでございますが、私の考えでは、これは語るに落ちるなと。
 つまり、警察の先ほど来の認定を前提にすれば、つまり、東労組、JR総連内に、組織に影響力を行使できる立場に革マル派が浸透しているという前提からするならば、このJR総連の、事実無根である、革マルとJR総連は関係ないという文書も、革マルの影響下に作成されたことになるわけでございますから、語るに落ちるわけであります。
 捜査に対しては、このような抗議、申し入れを当局が受けることは間々あると思いますけれども、このような抗議、申し入れを受けるいわれは当局にあるのかどうか、当局としてはやるべきことは徹底的にやるつもりなのか、この件について御答弁いただきたい。
奥村政府参考人 
 警察といたしましては、ただいま申し上げましたとおり、革マル派の非公然アジトを摘発いたしまして、これらのアジトから押収をいたしました資料の分析等によりまして、革マル派が国労の役員宅あるいはJR連合傘下のJR西労組の役員宅に侵入した事件を検挙する一方で、JR総連、東労組内における革マル派の組織の実態について解明を進めてきたところであります。
そうした具体的な捜査活動によって積み上げてまいりました根拠に基づいて、

警察としては、JR総連、東労組に対して革マル派が相当浸透していると見ている

ところでありまして、したがいまして、こうした見解につきまして、何ら抗議や申し入れを受けるいわれはないと考えております。
警察といたしましては、今後とも、公共交通機関の労働組合における極左暴力集団、革マル派の動向につきましては、重大な関心を払ってまいりたいと考えております。
西村委員 
 それで、この「Zの研究」では、大学祭における最大のイベントたる早稲田大学の大学祭が革マルの資金源になっておるので、大学当局は早稲田祭を中止して今日に至っておるということが書かれております。
 現在の革マル派の資金源、この資金の金額、先ほど、十七カ所のアジトを捜索されたわけでありますが、その中からは多くの機材が出てきたということであります。資金が当然要るわけでございます。これらの資金はどこから来るのか。
 世界のテロに対する闘いの最大の関心事は、テロ組織に資金を供給する者もテロ組織の一員であるという前提で今世界は動いておるわけでありますが、この観点からいうならば、革マルの資金源はどこなのか、そして、資金額はどうなのか、それを供給している温床はどこなのか。これを徹底的につぶさねばならないと思いますのでお聞きいたしますが、公表できる範囲で、革マルの資金源は今どこなのか、資金額はどれほどなのかということをお聞かせいただきたい。
奥村政府参考人 
 革マル派の資金源には、革マルの機関紙誌、週刊の「解放」とか、あるいは隔月に出ております「新世紀」という機関紙誌がございますけれども、
これらの売上代金、それから活動家が納めます同盟費、あるいは活動家やシンパから徴収するカンパ、その他のものがあると承知をしております。
 資金額につきましては、これは、私ども警察活動のいわば結果を明らかにすることでございまして、今後の活動に支障を来すおそれもございますので、これにつきましては、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
西村委員 わかりました。
 今の警察当局の御答弁を前提にして、JRの革マルに関して国土交通省当局にお聞きするわけですが、この間に、朝鮮総連に対して、大臣に御答弁いただきたいことが一項ありますので、ちょっとこれを挿入させていただきます。
革マルといい、そして朝鮮総連といい、オウムの次はZだという革マル、そして、それと同じように言うならば、朝鮮総連とは何だ、この実態は何なんだということでございます。
 このごろ朝鮮総連に関する本もあらわれまして、内部告発文を本にしたこの「わが朝鮮総連の罪と罰」、文芸春秋、韓光熙という元朝鮮総連中央本部財政局副局長の語った本を今持ってきております。朝鮮総連とはという、罪と罰ということを語られておるわけであります。
 例えばこの本の九十七ページには、私、つまり韓さんが学習組、朝鮮総連傘下の非公然組織である学習組に入って、日本の侵入ポイントを三十八カ所つくったということが書いてあります。北海道から鹿児島まで、地図に記名して書いてあります。
 こういうことをこの方は、韓さんは言っておられる。「北朝鮮の工作員が上陸する侵入ポイントは、現在、日本国内におそらく百カ所以上あるものと推測される。そのうち六〇年代の後半から三年か四年かけて私がつくった場所が、北海道から鹿児島まで全部で三十八カ所ある。私がつくった場所はまだ一度も発見されていないから、現在でも使用されているはずである。」
 ということで、侵入ポイントの地図が、具体的に、この人しかわからないと思われる書き方で記載されておる。この侵入ポイントから、覚せい剤が運び込まれるのか、日本人が拉致されて連れ去られるのか。侵入ポイント、非公開港、開かれていない港から入るわけですから、入ること自体が日本国内の犯罪であるということ。犯罪のポイントですね、これは。
それから、この本の二百二十ページには、朝鮮総連が北朝鮮に送金することが書いてある。「日本から非合法的に送られる資金は、そのほとんどが新潟港と北朝鮮の元山港を結ぶ準定期航路を通じて、現金のかたちで運ばれる。」
 二百二十六ページには、日本の「外為法では、五百万以上の現金の持ち出しは届け出が必要ということになっているが、税関員など一人か二人いるだけだから、いちいち手荷物検査などできるわけがない。
それに、朝鮮総連では、新潟の税関を常日ごろから接待等で手なずけている
ので、税関のほうも最初から調べる気がないようだ。」
 この送金も違法ですわな。朝鮮総連が指示してこういう違法をやっておる。

そして、アメリカからの指摘では、北朝鮮の核ミサイル開発は日本の資金でやっておるんだということであります。

 さらに、この本の二百五十二ページには、朝銀資金の流用、これは、警察が、捜査二課が朝鮮総連に強制捜査をかけられた件ですが、これも書いてある。朝銀東京理事長と朝鮮総連の金庫番が共謀して、「架空の口座を通じて朝銀から総連に、約八億円を不正に流用していた、」こういうことも書いてあるわけです。これは、警察が裏づけて強制捜査もやっているわけです。
 しかし、私が申した日本侵入ポイント、送金の実態については、まだ警察は解明のメスを入れていない。
 この方はかなり高齢の方であります。朝鮮総連の罪と罰を告白するわけですから、身の危険を感じて告白されておるわけです。病身のかなり高齢の方が、身の危険を引き受けてうそを述べるはずがないわけです。極めて信憑性のある内部告発だと思うわけです。
 これらのことを内部告発しており、覚せい剤が、北朝鮮製の極めて純度の高い覚せい剤が日本に驚くべき数が入っておるということは、警察が把握している。世界から、日本から送金された資金で北朝鮮の独裁政権はもっており、そしてあの体制が続き、営々核ミサイルの開発をやっておるんだという情報を総合すれば、国家公安委員長としては、朝鮮総連を最大のターゲットとして、日本の治安を維持するために、世界からテロ支援国家が日本であるという汚名を返上するために取り組まねばならないのではないですか、質問するまでもなく取り組まねばならないのではないですかということを申し上げます。国家公安委員長の覚悟、御所見をお伺いいたします。
谷垣国務大臣 
 警察として、朝鮮総連に対する認識というのは、要約すれば二点でございます。
一つは、北朝鮮を支持する在日朝鮮人によって構成されている団体でございますけれども、その綱領の第一項には、「われわれは、すべての在日同胞を朝鮮民族の真の祖国である朝鮮民主主義人民共和国の周りに総結集させ、愛国愛族の旗のもとにチュチェ偉業の継承、完成のために献身する。」
こうございますが、極めて北朝鮮と密接な関係のある、一心同体という言葉が適切かどうかわかりませんが、そのような団体であるという認識が第一点でございます。
第二点は、今まで朝鮮総連関係者が関与していた密出入国事件あるいは不正輸出事件、こういうようなものが、これはもう一々名前を挙げることは差し控えますが、従前からこういうものが随分あったわけでございまして、幾つも事例がある、
こういう認識が第二点でございます。
 こういうことでありますから、公共の安全と秩序を維持するという警察の責務の観点から、

警察が朝鮮総連の動向に重大な関心を持つというのは当然のことであろう、

こういうふうに考えております。今後とも、具体的に刑罰法令に違反する行為がございますれば、これに対して厳正に対処していくということは当然のことであろうと承知しておりまして、国家公安委員会としても、そのような警察の活動を督励してまいりたい、こう思っております。
西村委員 
 警察単独ではできないので大臣にお聞きしたわけですが、万景峰号が来れなくなったということ一つとってみても、各部署が国内法令を適切に適用していけば万景峰号は来れなくなったわけでありますから、各部署が、そこで不正の発覚を認めたら直ちに警察との連絡をとってやるというふうな連携が必要でございますから、内閣は一体でございますから、閣議でどうかその旨を関係大臣とともに密にしていただきたい。
 そして、大臣の認識された一点、二点の朝鮮総連に対する認識があるならば、これは破壊活動防止法を適用してもいい団体ですから、その方向で、問題意識で、この団体を解散さすまで闘っていただきたい。
 さて、今までの公安委員会委員長の答弁、それから警察当局の革マルに関する現状認識を前提にして国土交通省当局に聞きますが、国土交通省は、他人事ではなくて、既にこの問題の当事者である。二年前、JR総連、東労組に、革マル派、相当浸透しておりますよ、それをコントロールする立場に浸透しておりますよと言われて、現状もその認識は変わりがないという警察の事実認定でありますが、なぜこれは、JR総連、東労組またJRはこの革マルの浸透を排除できないのか、この理由は那辺にあるのかということであります。
 時間の節約上、私からまとめてお聞きしますけれども、
JR総連、JR東労組だけではなくて、革マル派の浸透はJRそのものに及んでいるから排除できないのではありませんか。

労組だけが革マル派の影響を受けて、会社が受けないということは考えられないのであります。

その実態の解明はそもそもしておるのか、これが一点お聞きすること。
それから、JRそのものが影響下にあるのではないか。これは「Zの研究」百三十七ページにこう書いてあるからお聞きするわけですが、ここには、JRの当時の松田社長と、松崎というJR総連のトップの人の語ったことが書かれてある。この本に書かれてあるわけです。
 例えば、「私はとくに、」私というのは松崎さんですが、「松田常務とはお互いに昭和十一年生まれでありますが、」「十一年生まれの同期の桜という感じでしてよく同志と言い合います。ですから、男が男に同志と言う以上、生半可なもんじゃありません。」これは一九八八年十一月の、千葉で語られたことだと。
 一方、八九年七月、中央委員会で、松崎さんから松田常務と言われた、そのときは松田社長になっておられる方、この方は、今道路公団民営化推進委員ということになっておられる方でありますが、こう松田社長は語っておる。社長が、「私は国鉄改革を一緒にやり、かつ、ですね、いま新会社を一緒に支えているというつもりですから、その意味では気持ちとしては一緒にやっている、」この一緒にやっているのは、この本では(松崎と)と書いてある。したがって、「死なばもろともというか、そういう感じでいますよ。」と。
JR東日本の松田社長とJR総連の松崎さんは、「男が男に同志と言う」、「生半可なもんじゃありません。」という松崎さんの関係説明、松田社長の方は、「死なばもろともというか、そういう感じでいますよ。」という関係、これが象徴的に語っておるのではないか。
 革マル派は、JR総連、東労組だけではなくて、JRそのものに浸透している。それは社長の発言で明らかにある。したがって、日本の治安の、また首都圏の大動脈の最大の脅威である過激派革マルを、JR総連、東労組からJR自身の手で排除できないんだ、こういうふうに考えますが、当事者である国土交通省はどう感じておられますか。
御答弁をいただけましたら。
石川政府参考人 
 先ほどから警備当局から、JR総連あるいはJR東労組に革マル派が相当浸透しているという御答弁があったわけでございますが、私どもの扇国土交通大臣も、国土交通委員会でございますけれども、「これは基本的にはJR東の話ではありますけれども、」「JR東の運行が安全で安心であるということの原則からすれば、私は大変憂慮すべき問題を内含しているのではないかと思っております。」こういうふうに御答弁しているわけでございます。
 私どもとしても、事務方としてもそう思っているわけでございますが、ただ、今の先生のお話のように、革マル派がJR東の会社そのものに及んでいるかどうかということについては、私どもとしては承知しておりません。
 いずれにしましても、法に触れるような行為があれば、警察当局によってしかるべき対応がとられると考えておりまして、私どもとしては、基本的には、この問題に関し、JR東日本が適切な鉄道事業運営を図る上で必要となる健全な労使関係をいかに構築していくかという、同社の経営上の問題と認識をしておるわけでございます。
西村委員 
 今の御答弁でも、まだ他人事のような御答弁ですな。法に触れることがあれば警察が適切に対処していただくと思っておる、これは当たり前の話なんだよ。物の実態は、JR労働組合の中だけに浸透して、JRという会社が影響を受けないということはないじゃないかということなんです。これは扇大臣もそうだと認めておるというふうに今認められた。
 だったら、質問項目にないけれども、知っておられたらお答えいただいたらいいのですが、昨年十一月の強要事件、七名逮捕された強要事件、これは、JR当局から警察に通報があって、警察が逮捕に至った事例ですか
石川政府参考人 
 申しわけありませんが、ちょっと、私、詳しいことはわかりません。
西村委員 
 まさに今お答えになった観点から、適当に公共運輸事業が運営されているかどうかという観点から、最大の関心を持たねばならないのではないかということは、私、もう一遍確認したい。今お答えになった観点から、JR東労組の中に革マルが浸透しているということを最大の関心を持って対処しなければならないのではないか。
新幹線置き石事件、列車妨害事件、あらゆることが発生しているじゃないですか。
 さて、今おっしゃった観点から、当事者として最大の関心を持たなければならない、こういうことでしょう、革マルの浸透は。そうなんですね。
石川政府参考人 
 私どもが申し上げておりますのは、鉄道事業者でありますJR東日本、これが安全で安定した鉄道輸送を確保するということが必要だろうと思っているわけでございます。したがいまして、そういう意味で、例えば鉄道運転事故あるいは輸送障害等々がありますれば、それに対して厳重注意であるとか再発防止の指示等の指導を行ってきているわけでございまして、そういう意味で、鉄道輸送の安全にかかわる問題が出てくるのであれば、私どもとして適切に対処してまいりたい、こう申し上げているわけでございます。
西村委員 
 まさにそれが出てきているじゃありませんか。列車妨害事例は頻発しておりましたでしょう。だから、皆さんがこういう問題に関心を持たなければ、公共輸送機関の民間マネジメント会社に委託して済ませる、それで十分なんですよ。
新幹線のボルト外し、置き石、新幹線連続置き針事件、これはこの本の百四十五ページから十ページにわたって書いてあることですから。そして、このジャーナリストは、それは革マル派と関係があると言っておる。それは調べなければいかぬ、えらいことになる。
 そこで、先ほどの答弁は、JRそのものに影響があるかどうかは、浸透しているかどうかはわからない、承知していないという答弁だったけれども、警察と連絡を密にして、その実態を積極的にあなた方の情報にしていただきたい。それで、この「Zの研究」を、こんな市販された本だからおれたちは関係ないぞと思わずに、まさに今御答弁なさったあなた方の責務に密接に関連することが書いてあるわけですから、一度読んで、本当かうそか検証されたらどうですか。ちょっとその辺の答弁を。うなずいているんやったら、それを言葉にして、はいとここで言うてくれ。
石川政府参考人 
 勉強させていただきます。
西村委員 
 昨年十一月の強要事件は、JR総連の歴史始まって以来初めて起こったのではありません。この「Zの研究」百二十三ページにはこういうことが書いてある。そして、JR総連の体質から見ては、これはあり得べきことです。
 これは、JRグリーンユニオンに移ったJR総連の元組合員が、先ほど警察からも御説明いただきましたけれども、非常に厳しい追及を受けたんだということで、組合が違うという理由だけでほかの友達づき合いまで干渉されるんだということを告白されております。このような被害を受けたのはこの人だけではないんだと。
 「他労組の行事に参加した、東労組の批判をした、などの理由で執拗な監視・脅迫を受けたという訴えを、私は」、つまり、著者の野村さんは「ほかにいくつも聞いている。そして、
東労組を脱退し対抗組合に加入でもしようものなら集団で取り囲まれ、「組織破壊行為だ」「権力の手先に成り下がった」など、罵声の集中砲火を浴びせられることになる(東労組の組合員たちは、これを「カゴメカゴメ」と称しているという)。」
 カゴメカゴメというのは、子供が手をつないで、波のように一人の子供に押し寄せたり、はやしながら押し寄せる、懐かしい子供の遊びの一つのパターンでありますが、カゴメカゴメと称しているんだと。しかし、このカゴメカゴメは明らかに強要であり、侮辱であります。
 今後、JR東に関する指導において、このようなことがあれば、小さなことでも逐一許さない、黙認しないというふうな姿勢をとるということ、少しの違法も見逃さないという体制をもって公共輸送機関としての責務を果たそうとする意識がなければだめだということ。そしてまた、会社が従業員、勤労者の安全と自由を守るための断固とした意思を持たなければだめだということ。こういう観点、つまり国土省の公共輸送機関の安全を守るという観点、これはイコールなんですが、この観点から、会社を指導し、そして警察から指摘されているJR総連、東労組に浸透している革マル派を排除するように強烈な指導をすべきではないか、するつもりはあるのかということについて、御答弁いただきたい。

179 - 衆 - 予算委員会 - 7号 平成23年12月05日
河井委員 
山岡大臣は、JR総連推薦議員懇談会の代表をお務めですね。
JR総連の構成団体であるJR東労組から、これまで政府に対して何か依頼は受けられたことはありませんでしょうか。
山岡国務大臣 
 数人の代表であることは確かでございますし、JR総連の候補者というのがたまたま栃木県の宇都宮出身者ということもあり、また、以前、北関東の候補者を御推薦いただいたということもありますので、前回の参議院選挙なんかでは、いろいろとできる御支援はしていたのは覚えております。
河井委員 
 いや、ですから、その御支援の結果として、何かJR東労組から政府に対しての特定の依頼などはお受けになったことはありませんか。
山岡国務大臣 
 記憶にありません。ないと思っています。
河井委員 
 山岡大臣は、今までJR東労組の定期大会にお行きになり、来賓あいさつなどをされたことはありませんか。
山岡国務大臣 
 大臣あいさつはしたことはありません。ただ……(河井委員「来賓、来賓あいさつ」と呼ぶ)来賓あいさつはしたことはあります。
河井委員 
 二〇一〇年六月十三日、東京ベイ幕張ホールでの第二十六回JR東労組の定期大会で間違いないですね、お答えください。
山岡国務大臣 
 正確な記憶はありませんが、選挙の応援で行ったというような覚えがあると思います。
河井委員 
 ここに、JR東労組のホームページから、その日の模様を打ち出してきました。来賓として、民主党山岡賢次副代表、ほかの議員も名前を書いていますが、きょうここでは言いません、副代表らから連帯のあいさつをいただきました。連帯のあいさつをいただいたということなんですが、どのような連帯のあいさつをされたんでしょうか、内容をお示しください。
山岡国務大臣 
 私は、連帯のごあいさつという言葉は使いません。そして、どのようなあいさつをしたかといいますと、選挙でございますから、あるいは選挙以外でも、まあ、偉そうなことを言うわけじゃありませんが、いろいろなところでいろいろなあいさつをしておりますから、特定のあいさつの記憶はありません。
河井委員 
 その中で、JR東労組から特定の依頼を政府に対して受けて、それに対して山岡副代表が答えたという趣旨の発言はしていらっしゃいませんか、お答えください。
山岡国務大臣 記憶にありません。
河井委員 
記憶にありません、よくこの質疑でも出てくる常套句だと思いますが、記憶がないのでありましたら、思い出させてさしあげましょう。ここにそのメモがあります。
 あなたは、先ほどから一切否定ばかりしてこられた。いいですか。政権交代後、政治的な圧力を政府にかけたことはない、特定の労働組合から依頼を受けたこともない、JR東労組から何か依頼を受けたこともない、何もない、何もない。ところが、ここではこのようにおっしゃっている。
 自民党の同僚の栃木四区の佐藤勉さんが提出した質問主意書。その質問主意書というのは、革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書でありますが、これについて、先ほどお話があったが、内閣に対して質問主意書ということを出せるようになっているが、これは当然、JRさんへの攻撃であると同時に、私への攻撃でもある、そんなことは十分覚悟の上で、この対応についても内閣に対して強く抗議を申し上げた。何をやっているんだ、こういうふうに申し上げたら、何となく、ぼそぼそぼそぼそ答えていたが、その答えによれば、質問主意書というのはある程度機械的に処理をしており、警察がそれに対する担当としての答えを上げているんだと、しかし、内閣できちんと把握をしているんだろう、こう申し上げたら、最終的には、その扱う大臣、つまり警察を担当している大臣になるわけだが、特に名前は申し上げないが、西の方にいらっしゃる大臣さんであるわけでございまして、そういうことで、今後こういうことは十分注意するように、こういうふうに申し上げたと書いてあるんです。
内閣の決定、すなわち閣議決定に自分自身が介入した、これは、自分が内閣に対して影響力があることを自慢している発言ですよ。
山岡国家公安委員長、御自分の発言だとお認めになりますね。
山岡国務大臣 
 選挙中にいろいろなことは話すし、いつも申し上げておりますけれども、そこの趣旨なぞを解しながら話しておりますが、しかし、実際にそのことを政府に圧力をかけるだとか、また、影響力を及ぼすというようなことはしておりません。
 そして、私がそう申し上げたのは、この相手の佐藤勉さんという人は、ふだん質問主意書なぞは一回も出したことのない人でございまして、しかし、私がJRさんとおつき合いになっているということを誹謗中傷しようという趣旨でお出しになったのではないか、こういうことを申し上げたわけでございます。
河井委員 
 答えてください、山岡大臣。今の発言は御自分のものと認めるかどうか。イエスかノーか。
山岡国務大臣 
 選挙中のあちこちでの発言については記憶しておりません。
河井委員 
そう思って、きょうは、ここに、その日の模様を録音したCD―ROMを持ってまいりました。聴衆の拍手や笑い、そして山岡さん自身の息遣いまでもが聞こえる大変生々しい物です。
先ほど、西の方の方で警察を所管する大臣というのは、予算委員長ですね。
中井委員長 はい。
河井委員 
 今、予算委員長から御答弁がありました。
 平成二十二年八月三日、衆議院予算委員会で平沢勝栄議員の質疑に答えて、当時の中井国務大臣、国家公安委員長は、このようにおっしゃっている。
 この質問主意書について、「このとおり、私どもは、JR総連、JR東労組と革マル派の関係については、革マル派が相当浸透していると認識しているのは事実でございます。」その後、「私は、このまま閣議にお出しをするという決心を固め、党にも伝えたわけでございます、こういう方向であると。」云々とお答えになったことがちゃんと議事録に載っている。
 つまり……(山岡国務大臣「委員長」と呼ぶ)質問していない。つまり、間接的に、当時の中井国家公安委員長、今あちらに座っていらっしゃる衆議院予算委員長は、党からさまざまな働きかけがあったということをこの御答弁でおっしゃっている。
 委員長、これは事実なんです。先ほど大臣は記憶にないとおっしゃった。私が言っていることは事実なんです。どっちが正しいか。だから、ここにCD―ROMがありますから、これはしっかりテープを聞いて照らし合わせてもらいたい。どちらが事実なのか。
中井委員長 
 私にお尋ねの部分だけお答えいたします。
 答弁についてはそのとおりでありますが、党にも申し上げたというのは、私から、こういう質問主意書に対する答弁をする予定ですということを申し上げたのでありまして、党から何か言われたわけではありません。
河井委員 
 しからば、これは全くもって、山岡大臣が、何も仕事をしていないのに、仕事をしたふりをした疑いも出てきたわけですよ。今、予算委員長、しっかりとうなずいていらっしゃる。これは予算委員長の名誉にもかかわる問題ですよ。このメモにはちゃんと書いてある。
 もう一回言いますよ。その扱う大臣、つまり警察を担当している大臣、特に名前を申し上げないが、西の方にいらっしゃる大臣さんであるわけでございまして、今後そういうことは十分注意するようにと、こういうふうに申し上げておいた。お答えください。
山岡国務大臣 
 申し上げた記憶はありません。
河井委員 
 ですから、このテープを、しっかりとこれ、ちゃんとやってくださいよ。ちゃんと理事会で聞いてください、委員長。理事会で聞いて、私の言っていることは事実なんだから。私の言っていることと大臣の言っていることと、どっちが正しいか、きちんと照合していただきたい。
中井委員長 
 テープは聞かせていただきますが、山岡大臣は間違っているとは答えていません。記憶にないと答えているだけです。
河井委員 
 その記憶を思い出させて確かなものにしてあげるために、この証拠の物があるわけですよ。後刻、理事会でしっかりと協議をして、これを再生して聞いてくださいよ。
中井委員長 はい、理事会で協議いたします。
河井委員 
 五月十一日に、当時の鳩山由紀夫内閣総理大臣から衆議院議長あてに答弁書が送られてきました。そしてその後、さっき言ったJR東労組の大会は六月十三日です。ここで、そのとき鳩山内閣で政府がJR東労組をどのように認識していたかということについて紹介をしたいと思います。
 先ほど言いました、同僚の佐藤勉議員は、「政府においては、JRという公共交通機関の労働組合に、過激派・革マル派が浸透している事態を看過することなく、国の治安維持のために取り組みを強化すべきであると考える。」よって、「JR総連・JR東労組には、現在も革マル派が相当浸透し、同派幹部が多数存在しているとみてよいか。」といった質問主意書でありました。
 それに答えて、平成二十二年五月十一日、内閣総理大臣鳩山由紀夫から衆議院議長横路孝弘殿あて、このように答えています。大事なところですので、朗読をいたします。
日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、これまでにも、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反事件や対立するセクトとの間での殺人事件等、多数の刑事事件を引き起こしている。
革マル派は、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している。
今後も、革マル派は、組織拡大に重点を置き、党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っていくものと見られる。
総理大臣、総理大臣の革マル派に対する認識は、この鳩山内閣の答弁書と同一と考えていいですね。
野田内閣総理大臣 政府の答弁と同一でございます。
河井委員 
 では、山岡大臣にお尋ねをいたします。あなたの御認識をお聞かせください。
山岡国務大臣 
 革マル派というのはそういうものだと思っております。政府の認識と同じです。
河井委員 
 いや、革マル派とはだけじゃなくて、もう一回言いますよ。JR総連及びあなたが推薦議員団の代表を務めている東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している、あなたも同じ認識ですね。
山岡国務大臣 そういう情報があるということは聞いております。
河井委員 
 いや、情報があるじゃないんですよ、大臣。民主党がつくった鳩山内閣総理大臣時代も、この答弁書は閣議決定をしている。今、現職の野田佳彦総理大臣も政府の答弁と同じだと答弁された。あなたは違うんですか。情報があると認識しているは全然違いますよ。この政府答弁書どおりの認識で間違いないですね、国家公安委員長殿。
山岡国務大臣 政府の一員として、そのとおりでございます。
河井委員 
 あら、またどこかで聞いたような、この前、平岡法務大臣が在日米軍再編で、岩国で聞いたようなことですね。
 政府の一員としてということは、個人では違うということですか。一人の政治家としては、この認識、自分とは違うということですか。お答えください。
山岡国務大臣 
 率直に言って、私は実態がどうなのかということを正確に認識しているわけではありません。ただ、政府がこういうことですから、そうであるということでございます。
しかし、そのJR総連の候補者については、連合さんが推薦し、党の公認候補の、その大会でございます。
河井委員 
 あなたは、単なる国務大臣の一人じゃないんですよ、今のお立場は、この質問に答える立場は。
あなた、主管大臣ですよ。警察の、全国の警察組織、公安も含めて、そのすべてを統べる立場にある国家公安委員長として今答弁されたんですか。
 もう一度はっきりと言っていただきたい。革マル派とあなたが推薦議員懇談会の代表をしている、そして来賓のあいさつで連帯のあいさつをしたと向こうが言っている、東日本旅客鉄道労働組合との関係、はっきりとお答えいただきたい。
山岡国務大臣 
 繰り返しお答えを申し上げますが、国家公安委員長としては総理のおっしゃったとおりの認識でございます。
 ただ、委員は、個人としてはとお聞きになったものですから、私の個人としては過去においては正確にそういうことを見分けることができたわけではありません、こう申し上げたのであります。
河井委員 もう一度お尋ねをしますよ。
 そういった今までのいろいろな、JR東労組のおつき合いを含めて、今あなたが座っているいすは国家公安委員長ですね。国家公安委員長として明確に、総理も今言ったじゃないですか、JR東労組の中には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透している、その認識で違いはないですねと聞いているんです。イエスかノーかしかないんですよ、これは。
山岡国務大臣 
 何度もお答えしておりますが、国家公安委員長として、イエスです。
河井委員 
 野田総理大臣は、山岡国家公安委員長が革マル派との関係を鳩山内閣の答弁書で認めたJR東労組の大会で来賓あいさつをした事実を、閣僚任命前、御存じでしたでしょうか。
野田内閣総理大臣 閣僚任命前には知りません。
河井委員 
 これはだれでも読めるホームページですよ、さっき言った、来賓あいさつしたというのは。
平岡法相のときと全く同じじゃないですか。朝鮮総連の支配下にある東京小平市の朝鮮大学校創立祝賀宴会で祝辞を言ったことを御存じでしたかと言ったら知らなかった。
一体、この内閣は、閣僚になる前に、何をそれぞれの候補者の検査をしているんですか。しかも、もう一度言うけれども、
警察が一生懸命仕事をしているその対象の一つなんですよ、革マル派というのは。
その革マル派が相当浸透しているJR東労組の定期大会に、あなたが任じようとする人が行ったということを知らない。これは目が節穴だということじゃないですか。
総理大臣、あなたは、こんな圧力をかけた、閣議決定をする答弁書の内容をねじ曲げようとした人物を閣僚に任じた。しかも、よりによって、極左暴力集団を取り締まる警察組織のトップに据えたんです。
 この事実が明らかになった今、総理大臣、今後はどうしますか。こんな前科のある国家公安委員長は、即刻罷免をすべきだと思いますが、それについての答弁をしていただきたい。
野田内閣総理大臣 
 前科は明確に取り消してください。(河井委員「はい」と呼ぶ)
 その上で申し上げますけれども、先ほど鳩山政権における閣議決定した答弁書は、当然我々も共通認識であります。
その上で、JR総連の大会に党を代表して副代表が出るということは、これは別におかしな話ではありません連合の傘下の一つの組合であって、その関係から、我が党から副代表が出てあいさつをするということは別におかしい話ではありません。矛盾しません。
河井委員 前科は前歴に、明確に否定をさせていただきます。
 その上で、閣議決定の文書にある、革マルによる各界各層への浸透を総理が結果的に許すということになるんですよ。

177 - 衆 - 予算委員会 - 15号 平成23年02月21日
平沢委員 自由民主党の平沢勝栄でございます。
 民主党は組合から大きな支援をもらっているんです。別に、組合から支援をもらっていることについて、どうのこうの言うつもりは全くありません。しかし、その組合が反社会的な勢力に侵されていた場合、その組合からいろいろな支援をもらうというのは大きな問題じゃないですか。会社だってそうでしょう。会社が暴力団あるいは総会屋に毒されている、その会社から支援をもらっていたら、政治家として非難されるでしょう。当たり前じゃないですか。そこで、前にも質問させていただきましたけれども、
JR総連それからJR東日本労組、ここと民主党の多くの議員は、はっきり言ってずぶずぶの関係にあるんです。特に官房長官はずぶずぶの関係にあるんです。
 ちょっと最初の、(パネルを示す)ここに、これは去年、鳩山内閣のときに出した政府の答弁書があるんです。ここに何て書いてありますか。
日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派、革マル派は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、これまでにも、対立するセクトとの間での殺人事件等多数の刑事事件を引き起こしている、革マル派は、将来の共産主義革命に備えるため、各界各層への浸透を図っており、JR総連それからJR東日本労組内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識していると。
 これは皆さん方が認めたものなんです。そのJR総連とJR東日本労組と皆さん方、多くの議員の方はずぶずぶの関係にあるんです。この認識は……(発言する者あり)今から説明します、ずぶずぶは。国家公安委員長、間違いないですね、これは。
中野国務大臣 
 お答えをいたします。ずぶずぶかどうかは知りませんが、お読みになられた政府答弁書、これにつきましては、認識は変わっておりません。
平沢委員 
これは本人たちも認めているんですよ。JR総連、JR東日本も、革マルが活動していたということは本人たちも認めている。ただし、彼らが言っているのは一九九九年十二月までだと。なぜ彼らはそういうふうに言っているかというと、自分たちの一緒に活動していた仲間が外に出ていって言っているものだから、隠せなくなったものだから、結局、一九九九年十二月までは自分たちの組合の中に革マル派の組織があって活動していた、それは事実だと自分たちも認めているんです。いずれにしましても、これは事実だと。
 そして、では、革マル派というのは国民の皆さんはおわかりにならないと思うから、どういう組織か。二枚目を出してください。

革マル派などの絡んだ内ゲバの被害者数、死者だけでも百人を超えていると。これは警察庁の「焦点」という雑誌に書いてあります。

それから、過去十年間の革マル派の検挙人員数、平成十三年以降、百一人。最近は、党派性を隠して組織拡大に重点を置いているんです。だけれども、依然としてこういった事件を引き起こしているんです。
国家公安委員長、間違いないですね。
中野国務大臣 そのような認識を持っております。
平沢委員 
革マル派は、これだけ大きな事件を引き起こしてきた、極めて反社会性の強い団体なんです。
それが影響力を行使し得る立場ということは、幹部にですよ、JR総連、JR東日本の幹部にいますということを政府が言っているんですよ。
その組織から、官房長官も含めて多くの議員が多額の献金も受け、同時に応援ももらっている、そして、いろいろな刑事事件を引き起こしている、それに対して応援とも思われるような活動をしているということなんです。
 与謝野さんは、去年、自民党からたちあがれ日本に移られました。そこで何と言われたか。これは去年の参議院選挙のときの与謝野さんの発言です。もう民主党には我慢ならない、一番ひどいと思うのは、あの過激派の革マルの代表が民主党の比例に入っているというのは、これはもう許しがたいことだと思っていまして。これは、テレビでの政見放送で言われたんです、与謝野大臣。それから、渋谷駅前での街頭演説。
この政権は全共闘時代の新左翼崩れが集まってつくっている政権だと思っている。
 この認識は今も変わりませんか、与謝野大臣。
与謝野国務大臣 
 私は、極めて常識的なことを言ったと思っております。
平沢委員 
 与謝野大臣、そのとおりのことを言われたわけでしょう、思っておられることを。それで、今も変わっていないわけでしょう、認識は。
与謝野国務大臣 
 一般的に、私は、そう物事に対する認識を変える人間ではありません。
平沢委員 
 これは、去年、六月十三日というのは、菅内閣がスタートした直後なんですよ。その直後に、新左翼崩れが集まってつくっている政権と言われたんです。だったら、その政権に何で大臣として入られたんですか。
与謝野国務大臣 
 自分の信念を貫き通すためでございます。
平沢委員 
 ちょっと、言っていることがさっぱりわかりませんけれども。新左翼崩れの非常に問題のある政権だ、しかし、その政権の中に自分の信念を通すと。
 では、例えば、会社が総会屋だとか暴力団に毒されているそういう会社でも、自分は経理だけやっているから全然関係ない、こういうことですか。
与謝野国務大臣 
 そういう比喩と私の政治行動を比較していただきたくないと思っております。
平沢委員 
 与謝野大臣、革マル代表が民主党に入っているのはけしからぬ、許しがたいと言い、そして新左翼崩れの連中がつくっている政権だと御自分で言われて、そして、その政権に今入っているんですよ。政権がかわったわけじゃないでしょう。その政権に入っているんですよ。おかしいと思われませんか。
与謝野国務大臣 
 私は、自分のやっている仕事は、社会保障・税一体改革という、菅総理が政治生命をもかけた、本当に真剣にやっている仕事、これを手伝え、こういうことですから、お手伝いをしているわけでございます。
平沢委員 
 これは、与謝野大臣が幾らいい仕事をしようとしても、まずは信頼が大事なんですよ。大臣に対する信頼が大事なんですよ。こんなことを言われていて、そして今もこの認識は変わらないと言われていて、そして、いい仕事をしたいから入ったんだと言ったって、国民の皆さんはなかなか信頼しないと私は思いますよ。それで、次に移りますけれども、
民主党は、さきの参議院選挙で、革マル派が相当浸透していると言っているJR総連そしてJR東日本労組の組織内候補を公認しました。(発言する者あり)田城さんです。
自分たちが、革マルが相当浸透している、影響力を行使し得る立場に浸透していると言っているその組織の中の候補者を公認候補として立てた。これはおかしくありませんか、総理。
菅内閣総理大臣 
 私も多少、かつての国鉄のいろいろな歴史を知っておりますので、そういう問題については、個人的には注意をしながら対応してきているつもりであります。
 今御指摘の問題は、私が、もちろんこの九月あるいは六月に代表になる段階ではなくて、その前の段階で公認をされて、手続が終わっていた、そう認識をいたしております。
平沢委員 
 だって、今、参議院議員として活動しているんでしょう。そうしたら、やはりおかしいと思わなきゃおかしいんじゃないですか。
この田城さん、もちろんJR東日本の事件の関係で家宅捜索も受けている。
それがけしからぬといって、賠償請求の訴えを裁判所に起こした。負けていますけれどもね。そういったこともやっている。
そして、もともとは、革マルの創設者の松崎明さんの運転手兼ボディーガードと言われている。
ここに田城郁さんのポスターがあるんですけれども、ポスターには掲示責任者として名前が出ています。この田城郁さんの掲示責任者というのは、革マルそのものと言われている人です。
 それで、住所が品川区西五反田三の二の十三となっていますけれども、国家公安委員長、この住所はどういう住所ですか。
中野国務大臣 
 目黒さつき会館、これは財団法人日本鉄道福祉事業協会が運営をしているものでありますが、JR総連の事務所も存在していると承知しております。
平沢委員 
 この目黒さつき会館、今まで警察は革マルの関係で捜索に入ったことはありますか。
中野国務大臣 
 捜索に関しては、もう先生、ベテランですからおわかりのように、個別の問題についてお答えをいたしておりません。
平沢委員 
 いや、個別問題じゃないんですよ。捜索に何度となく入っているんでしょう。何で言えないんですか。もうそんなもの、マスコミにも報道されているんです。公安委員長、何で言えないんですか。
中野国務大臣 
 捜索活動について、一つ一つ、お答えは差し控えております。
 なぜ答えられないかということでありますが、個別具体的な事件の捜査において、過去に捜査機関の家宅捜索を受けたことがあるかどうかについては、団体及び個人のプライバシー等の権利利益に関する事柄であるということから、お答えを差し控えているところであります。
平沢委員 
 こんなことは報道に出ているから、私の方から言います。
何度となく捜索が入ったところなんです。そこが掲示責任者の住所になっているんです。
防衛大臣、これは去年の二月の防衛大臣室での写真なんです。防衛大臣の後ろに田城議員がおられますけれども、一番右側におられるのは、JR東日本労組中央執行委員長、革マル派と言われている方なんです。
大臣はどういう御関係なんですか。
北澤国務大臣 
 これは、私が生まれ育って、今でも住んでおります長野市の川中島町というところの出身で私の中学の後輩である大久保さんという方が私を非常に応援してくれておるわけであります。その御親戚の方が、私が県会議員になったときから、もう九十過ぎている方でありますが、ずっと支部長をしていただいておりまして、そういう関係で、私が大臣になったことに非常に感激をして、ぜひ大臣室を訪ねたい、こういうことでありますから、どうぞということで、そのときに、同僚を何人か御一緒していいですかという話であったように聞いております。
 特段、その何とかという方は、私は承知しておりません。
平沢委員 
 内閣の危機管理はどうなっているんでしょうか。
国家の最高機密の中枢である防衛省に、国家を転覆させようという革マル派の幹部が堂々と入っていく。それを迎え入れている、大臣が。
これ、危機管理上どうなっているんですか。大臣、もう一回ありますか。
北澤国務大臣 
 これは、公党である民主党が公認候補として扱っている人物でありまして、その……(平沢委員「いや、こっちじゃない、この右側、一番右側のことを言っているんです」と呼ぶ)
 そこで、私はこのことについては知識はありませんけれども、先ほど来お話を聞いておりますと、と言われているとか、とあるとか、そういうことを……(平沢委員「言われているじゃないですよ。何を言っているんですか」と呼ぶ)私とすれば、この方が反社会的で防衛省へ入れてはいけない国民であるのか、そのことが立証されておるんですか。私はおかしいと思う。
平沢委員 
 何を言っているんですか。御自分たちが内閣で、その組合は革マル派が相当影響力を行使し得る立場に浸透していると言っているじゃないですか。皆さん方はみんな署名しているじゃないですか。そういう組織の代表じゃないですか。おかしいじゃないですか。
そこで、一番あれなのは官房長官。官房長官は最もこのJR総連、JR東日本労組と関係が深いんです。
これは、一九九六年に官房長官がJR東日本労組の執行委員長と結んだ覚書。
この覚書を結んだ相手は、大臣御存じのとおり、この人物はその後逮捕されて、浦和事件のあれで今最高裁にかかっています
この中で、一の1、「わたしは、JR総連及びJR東労組の掲げる綱領(活動方針)を理解し、連帯して活動します。」これは今も変わっていませんか。
枝野国務大臣 
 当該覚書を含めて、私は、連合及び連合加盟の産別、単組と呼ばれるいろいろな労働団体、いずれも、連合も、そしてそれぞれの加盟の組合も適法、合法な組織であり、連合の皆さんとは、自民党政権の皆さんも連合の会長さんなどといろいろな協議をされていた、適法、合法な組織であるということはお認めいただけると思います。
 そうした組織と一定のおつき合いをさせていただいていることは間違いございませんし、そこに指摘をされている当該組合は、その連合のさいたま市における、当時は大宮市ですが、さいたま市における地域組織の議長を務めている組織でございますので、当然のことながら接点はございます。
 私どもの政権が質問主意書等にもお答えをさせていただいているのは、遺憾なことでございますが、そうした適法、合法な連合加盟の組合の中に浸透をしているということでございまして、両者がイコールということではございません。
 したがいまして、こうした浸透されている部分が政権その他に悪い影響を与えないようにしっかりと留意してまいらなければいけないというふうに思っておりますが、決して、当該組合そのものがイコールであるということではありませんし、繰り返しますが、適法、合法な連合加盟の一産別、一単組であるということで、そこと適切なおつき合いをさせていただいたということでございます。
平沢委員 
 官房長官、相当浸透しているというのは、イコールじゃないからいいというんですか。では、例えば暴力団が会社の枢要なところにいても会社全体が暴力団じゃなければいい、総会屋が入っていてもいい、こういうことですか、官房長官。だから、その人たちを排除するように働きかけるのが官房長官の仕事じゃないですか。
枝野国務大臣 
 今おっしゃられた例と、私は、イコールではない、意味がちょっと違っているというふうに思っております。
 そして、昨年の五月の質問主意書に対する御答弁でございましたような状況でございますので、適法、合法な労働組合の内部的なことに、一方では政府機関が直接に関与するべきではありませんが、一方で、暴力集団に対する適切な対応ということでは、公安調査庁や警察を中心として適切に対処をされる。内閣としてあるいは政権与党としては、こうした問題もあるということについてはしっかりと留意をして、問題のないように対処してきているところでございます。
平沢委員 
官房長官、官房長官はこのJR東日本労組、JR総連の会合に何度となく出ています。
そして、平成十八年には、この署名した相手が浦和事件で検挙されて、そして一審、二審で有罪になって、今最高裁にかかっているんですけれども、その事件は冤罪だという集会に出て講演しているわけです。
 では、官房長官は、この署名の相手方がかかわった浦和事件は有罪だと思っておられるんですか、冤罪だと思っておられるんですか。
枝野国務大臣 
 過日来、その件についての御指摘をいただいておりますが、個別具体的にどのような会合にどういうことで出席したかという詳細な記録は残っておりませんが、私も弁護士の出身でございますので、刑事事件における適正法定手続等について、当該団体に限らず、幾つかの場所でこれまでも講演をしてきているような例はございます。
 しかしながら、個別の刑事事件について、国会議員という立場で、しかも政治活動の中で、どこかで、この事件は冤罪であるとか冤罪でないとかというようなことに基づいた発言や行動はしておりませんし、当該事件についても、私は詳細存じ上げませんので、ここでそうしたことをお尋ねいただいても何ともお答えようがない。
 ただ、政府の一員としては、政府の機関である検察が適法に起訴しているところでございますから、それに基づいて裁判所で適切に判断がなされるものと考えております。
平沢委員 
 それならば、昨年の十二月十三日、
官房長官は、岡田幹事長と一緒に、岡田幹事長の呼びかけで、JR総連の委員長、副委員長、政治共闘部長と朝食していますね。朝食懇談会に出ていますね。
枝野国務大臣 
昨年の秋、岡田克也氏が民主党の幹事長になりました時点から、連合加盟の産業別組合の中で、昨年の参議院の比例区に候補者を出された産別について順次朝食懇談会をしたものでございまして、
その中にJR総連もあった
ことを記憶しております。
平沢委員 
 では、その懇談会でどういうことが話し合われたんでしょうか。
枝野国務大臣 
 岡田幹事長が各産別の皆さんと懇談をした席の、私は当時は幹事長代理でございましたので、陪席という立場でございますから、具体的に申し上げることをしていいのかどうかわかりませんが、あえて申し上げれば、鉄道事業の現況や雇用情勢その他の現下の経済情勢に関して一般的な意見交換を行ったように記憶をしております。
平沢委員 
 本当ですか。
官房長官、JR総連通信がこういうふうに書いているんですよ。
民主党から岡田幹事長、枝野幹事長代理などが出席した、JR総連から委員長、副委員長、政治共闘部長が出席した
この中で、JR総連の抱える課題について議論が行われ、一番目に何と書いてあるかというと、「えん罪浦和電車区事件の事件経過と認識、最高裁における闘いについて」、こう書いてあるんです。これが一番目に書いてあるんですよ、JR総連の資料の中に。
それは話をしているんでしょう、官房長官。
枝野国務大臣 
 詳細は記憶をいたしておりませんが、しかし、基本的には各産別の皆さんと、例えば、ほかにも鉄道関係の組合の皆さんとお話をしたときにはやはり鉄道事業について話題になりましたし、自動車関係の組合の皆さんとは自動車産業について話題になりましたし、少なくとも私の記憶では、そうしたことについてのやりとりの話をした記憶はございますが、相手方がどういうふうにおっしゃっているかわかりませんが、少なくとも、そこでの中身の中心は今申し上げたようなことであるという記憶でございます。
 よくわかりませんのは、先ほど申しましたとおり、当該産別と我々が問題であると考えている集団とはイコールではないということを私ども申し上げておりますが、どうもイコールであるかのようにおっしゃっている平沢委員の方が、そのような団体が出している話を真実であるという前提でお話をされていることの方がよほどおかしな話じゃないかと思います。
 私の方の認識は今のとおりであります。
平沢委員 
 官房長官、聞いていないことを答えないでくださいよ。私は、この話が出たか出ていないかと聞いているんじゃないですか。
枝野国務大臣 
 繰り返し申し上げますが、議事録をとっていたりとかメモをとっていたりとかという性質のものでございませんので、では一から十まで、大体一時間弱だったかというふうには記憶しておりますが、そこで、どなたが何をどうおっしゃったかということを全部記憶しているわけではございませんが、少なくとも私が記憶をしているのは、先ほど申し上げた鉄道事業の状況、それこそ、具体的に申し上げれば、例えば例の国鉄清算事業団のお金の扱いはどうなるんですかみたいな、そういった鉄道事業に絡むような話と、雇用情勢についてお話をした記憶があるという私の現時点での正確な記憶を申し上げているところでございます。
平沢委員 
 官房長官はこの前も、二〇〇五年ですか、警察庁等を呼んで、警察が今行っている現在進行形の捜査について圧力をかけたら、もう覚えていないというようなことを言われて、何か都合が悪くなると記憶がないとか覚えていないとかということで逃げますけれども、では最後に、時間がなくなりましたから、総理、このJR総連から総理は献金をもらっているんですか、もらっていないんですか。
菅内閣総理大臣 
 指摘を受けましたので調査をいたしました。

二〇〇九年、一度だけ組合の方から二十万円、支部にいただいております。

平沢委員 総理、これは返すおつもりはございませんか。
菅内閣総理大臣 
 この労働組合は連合加盟の組合で、私も連合の皆さんとはきちんとしたおつき合いをしておりまして、そういうことも含めて、応援の気持ちで寄附をいただいたと思っておりますので、返すという予定はありません。
平沢委員 
 とことんクリーンな民主党と言いながら、とことん汚い民主党になっちゃいますよ、それじゃ。

官房長官、官房長官は一九九六年から二〇〇九年まで、この組合から七百九十四万円受け取っている

んですね、これはもう前に出ましたけれども。それで、官房長官、前に答弁されました。これを受け取ったけれども、今後は李下に冠を正さずで、これからは献金は受けないと言われました。この李下に冠を正さずというのはどういう意味なんですか。
枝野国務大臣 
 済みません、事前の通告もいただいておりませんし、漢文についての正確なことを、意味合いはと言われても、私もここで正確でないことを申し上げてはいけないと思いますので、正確な李下に冠を正さずの意味をお答えするべき立場ではないというふうに思っておりますが、昨年五月の、質問主意書でもお答えをしたように、当該組合とイコールでは決してありませんけれども、当該組合の中にそうした方がいるということは内閣としても認識をしているところでございますので、そうした方との関係を疑われるのは本意ではありませんので、したがって、今後はそういったことについて、お申し出があったとしてもお断りをしようということを申し上げたところでございます。
平沢委員 
 JR総連の前委員長はこう言っているんですよ。この前、二月四日にJR総連の中央委員会が開かれたんです。ここで何と言っているかというと、何とも情けないことに、我々が応援している何とかという官房長官が、李下に冠を正さずなどと証言したのである、つまり、疑わしいところからは今後金をいただきませんということを証言したのである、許しがたい行為である、民主党などに今後抗議していかなきゃならない、これを来賓として来たJR総連の前委員長が言っているんです。だから返せないんじゃないですか。
枝野国務大臣 
 私が当該組合と必ずしも特別な関係でないということについて、今そちらからお話しいただいて大変ありがたいというふうに思っておりますが、私は、従来から自分の政治姿勢、政治信念に基づいた行動をとってきておりますので、特定の団体に影響を受けるようなことは一切受けずにやってきております。
 なおかつ、これまでいただいた政治献金等については、政治資金規正法に基づいて、当該連合加盟の適法に存在する団体から適切な範囲内でいただいたものでありますので、それをお返しする必要はないと思っておりますが、今後については、あらぬ疑いをかけられるのは心外ですのでいただかないということでございますので、決して矛盾するものではないと思っております。
平沢委員 
 時間が来たから終わりますけれども、あらぬ疑いじゃないんです。問題があるということを自分たちが認めているんです。その団体から献金も受けている、そして官房長官は働きかけもしている、これはおかしいじゃないですか。この辺は、これで終わりません、これからも引き続き質疑を続けさせていただきたいと思います。では、時間が来たから終わります。

55 - 参 - 予算委員会 - 14号 昭和42年05月15日

宮崎正雄君 
 続いて全学連の概況をお伺いしたいと思います。事務当局でけっこうです。
国務大臣(剱木亨弘君) 
全学連は、ただいま大体三派あると思われます。
その一つは、日共系全学連でございまして、これが全学連の主流派と称しておるものでございますが、大体加盟しておる数といたしましては、これは公安調査庁の調査に基づいたものでございますが、一万五千名、加盟しておる自治会は正式に申し込んでおりますのが百九十四で、またシンパ的に申し込んでおるのを加えますと三百三十に及んでおります。
その次が、三派系全学連と称するものでございまして、これは社青同、社学同、マル学同中核派、これの三派が合同いたしまして、四十一年の十二月に結成されました全学連の一派でございます。
その次に、第三の系列は、革マル系全学連、これは大体全学連の正統派と称しておりますが、これがマル学同等が分裂しまして、ただいまは三派系の全学連が、大体予想数が二千五百五十名から三千名以上だと思いますが、革マル系全学連は約五百名、加盟が十八というふうにいわれております。
これが大体三つが全学連のおもなものでございますが、その他約九百名、これは以上の三派に入らない、共産党を脱退いたしました人々によっての指導系列下にございますのが約九百名、こういうふうな状況になっております。

56 - 衆 - 地方行政委員会 - 3号 昭和42年10月11日
奥野委員 
 国家公安委員長がおくれて見えるようでありますので、最初に警察当局に、まず事実関係を明確にする意味でのお尋ねをしておきたいと思います。
 一昨々日の羽田事件はまことに不幸な事件でございまして、国民の多くにも非常な不安を与えたことだと思いますし、国際的にもわが国の信用を大きく失墜した、かように心配をいたしておるのでございますが、私は、この事件は単に偶発的に起こった事件ではない、かように考えておるのでございます。数年来引き続いて繰り返されてきた事件の一つにすぎないのだ。いまにして深く反省し、必要な対策を講ずるのでなければ、ますますこのようなことが過激化し、一そう多くの人たちに不幸な事態を引き起こしていく、かように心配をいたしておるのでございます。
問題を起こしました中心は、反代々木派の三派全学連あるいは革マル全学連等であったと承知
しているわけでございますけれども、したがってまた、この事態によってわが国の学生全体が非常な不信を国民多数からこうむってしまうということにも問題がある、また気の毒なことでもある、かように考えるわけであります。
 そこで、一体学生全体の中で全学連に加入している者、同時にまた、全学連の分派関係がどうなっているか。その中で特に羽田事件で活躍したのはどういう人たちであったか。その辺のことを少し詳しく、まず警察当局から明らかにしてもらう必要がある、かように考えるものでございます。
後藤田説明員 
 現在の大学生のおよその数は八百二十一大学、百三十二万人程度でございます。これを全学連その他の派閥別の学生数でお答えをいたしますと、いわゆる全学連傘下の自治会の数は四百二十六、人員にいたしまして六十九万人程度でございます。そのうち代々木系の自治会が百三十六大学、二百九十三自治会、三十七万二千名程度でございます。反代々木系の全学連の組織は七十二大学、百二十七自治会、二十九万九千人程度と私どもは見ておるのでございます。したがいまして、自治会数におきましては、約七割程度のものが代々木系の傘下にあり、三〇%程度が反代々木系でございますけれども、学生数におきましては両者ほぼ匹敵をしておる勢力比率になっておる、こういうことでございます。そうして、
先日の事件を起こしました全学連の中心は、いわゆる反代々木系、つまり三派系の全学連と革マル系の全学連、これが主として中心となって騒動を起こしたものでございます。
奥野委員 
三派系の全学連や革マル全学連の諸君は、むしろ革命の先兵たらんことを自任している
ようにいろいろなところから承知しているわけでございます。しかし、この派の中でも、全部が全部はね上がった学生活動家でもないように思うわけでございます。一体、革命の先兵たること々自任して、したがってまた、体当たりでこういう暴力的な活動を行なっていく、そういうはね上がった学生活動家がどの程度を占めているのか、そのことを明らかにしていただきたいと思います。
後藤田説明員 
 いわゆる全学連は、御質問にもございましたように、学生運動を階級闘争の一環として位置づけをする、そうして革命行動の先兵としてあらゆる活動を展開をする、こういう基本方針のもとに現在過激な行動を行なっておるものでございます。そのうち特に先鋭な分子といいますと、私どものほうは、全国で大体数千名というように把握をいたしておるのであります。
奥野委員 
 羽田にはせ参じた三派全学連なり革マル全学連の諸君が、いまおっしゃった数千名の大部分なのか。羽田に来た諸君も必ずしもそのような先鋭な分子ばかりではなかったのか。その辺の事情を少し明らかにしていただきたい。二千五百人内外の学生のうちで、千五百人までは地方から出てきておる、かように伺っているわけですけれども、地方から出てくるについては、単なる示威運動じゃなしに、それ相応な覚悟を持って出てきているのではなかろうか。そうなると、そういう人たちは、いま御指摘になったはね上がった学生活動家、先鋭分子ではなかろうか、かように思うわけでございますけれども、その事情をお教えいただきたいと思います。
後藤田説明員 
 当日羽田に集まりました二千五百名程度の学生は、ほとんど大部分が全国の各大学のいわゆる先鋭分子の集まりでございます。それ以外に当日騒動に加わりました者も若干はおります。また、羽田等に来てはおりましたけれども騒動には加わっていない、こういった者もおりますが、二千五百人程度の学生は、これはもう全国から集まった先鋭分子でございます。
奥野委員 
 いまお教えを受けて一そう私は驚きを深くいたしておるものでございます。地方から出てきた学生の諸君は、都内の大学等において宿泊をし、翌日未明にそれぞれの個所を出発した、かように承知しておるのでございますけれども、どのような個所に、どの程度ずつ宿泊したのか。同時にまた、参加した学校別の員数を、おわかりになっている限り詳しくお教えをいただきたいと思います。そのことがまた、私は、大学当局に考えてもらう一つの機会を与えることになるのではなかろうか、かように考えるからでございます。
後藤田説明員 
 当日の二千五百名の学生のうち、都内の学生は大体千五百名程度、地方からの上京者は約千名程度と見ております。
都内では早稲田、中央、法政、明大、東大教養学部、東京工大などの各大学
地方では立命館、京都大学、専修大学、横浜国立大学、埼玉大学、大阪市立大学、同志社大学、広島大学、岡山大学等の学生が目立っておりますけれども、参加した出身学校は、北は北海道大学から南は九州大学にまで及んでおります。
 さようにいたしまして、大学別の数でございますが、私どもが現認をいたしておりますのは、比較的多いのを申し上げてみますと、専修大学が六十四名、神奈川大学が十七名、埼玉大学が六十名、群馬大学が二十二名、静岡大学が二十三名、山梨大学が三十二名、大阪経大が二十五名、大阪市立大学が五十七名、大阪大学が四十名、京都大学が七十八名、同志社大学が五十五名、立命館大学が百十一名、広島大学が五十五名、岡山大学が四十一名。なお、都内の大学は、それぞれ早稲田大学、明治大学、中央大学、法政大学、これら各大学相当数出ておるわけでございます。
 なお、これらの学生は、前日の七日総決起集会を開きましてからそれぞれ宿泊をいたしておりますが、法政大学にマル学同中核派を中心とした学生六百名、中央大学と明治大学に社学同と社青同解放派を中心といたしまして千六百名程度、早稲田大学に革マル系全学連を中心とした三百名前後、社会文化会館に構革派学生を中心とした三百名程度が宿泊をいたしております。
奥野委員 
 いま、ちょっと異なことを伺ったのですが、社会文化会館に三百名泊まっている

社会文化会館といいますと、社会党の本部じゃないのでしょうか。

後藤田説明員 
 私その関係はよく知りません。内部の管理その他がどうなっているか知りませんが、

建物は同じであろうと思います。


58 - 衆 - 法務委員会 - 3号 昭和43年03月01日
佐藤(文)委員
 学生自治会というか、昭和二十三年に終戦後混乱直後に結成された学生自治会のいままでの動きというものが、私自身も実はなかなかわからない点がありましたが、現地の平瀬橋なり成田の乱闘事件の現場の中から、逆に私はその系統をたどってみて、そうしてその政治的な指導団体なりあるいはもとをただしてずっといくというと、議会政治を守る自民党なり社会党なりあるいは民社党なり公明党なり、あるいは共産党も議席を持っているのですから、こういったような日本の民主政治を守り、議会政治を守る政党の責任にもなると思うのですが、そこまでいかなくとも、三派全学連の実態についてお尋ねをしたい。
 特に秋山が委員長をしておる中核派、それから社学同、社青同、これがどういう組織の実態で勢力を持ち、そうして政治的な指導をしておる団体が、どういう団体がそのバックについておるかということについてお尋ね申し上げたい。
川島(広)政府委員 
 私から三派系全学連というものの実態について、簡単にお答えいたしたいと思います。
 現在全国に八百二十一の大学がございます。その学生が百三十九万といわれておるわけでございますが、その百三十九万の学生のうち、いわゆる自治会に組織されております数は、東京で調査をいたしました結果では、九十八万八千人の学生、七百四十六の自治会に相なっております。その中で、いま御指摘の
いわゆる反代々木系の三派系全学連あるいは革マル系全学連、そういうようなものを反代々木系各派と一応総称して申し上げますと、
その数が、七十二の大学で百二十七自治会、したがって全体の自治会の数から申しますと、三〇%のパーセンテージに相なるわけであります。その自治会に組織されておる学生の総数は、二十九万九千というような数に相なっておるわけでございます。いま御指摘の
三派系全学連と申しますのは、四十一年の十二月に結成されたものでございまして、
その中には、お尋ねのございましたように、
いわゆる中核派、それから在学同のML派、社学同の統一派、社青同の解放派及び青年インターというふうに、おおむね五つのグループに分かれておるわけでございます。
 その中でまず中核派でございますが、現在の委員長は秋山という男でございますけれども、この三派系全学連の中の主勢力は、いま申しました中核派と社単同、そういうものが勢力比から申しますれば大宗を占めておるわけでございます。そこで、まず
中核派、これらの考え方に共通しておりますことは、一言で申しますと、いわゆるトロツキストの思想を持っておる団体といって間違いではないわけでございます。
その中で、特に三派系全学連の中に、いま申しました中核派その他のそれぞれのイデオロギーの細部につきましては、中核派と社学同あるいは社青同との間にはそれぞれ相違はございます。相違はございますけれども、いま申しましたように、共通のイデオロギーとしては、トロツキズムを信奉しておる、そういうような団体でございます。
 これらの団体につきましては、それぞれ親団体と申すべき政治的な団体が背後において指導しておることは、お尋ねのとおりでございます。
 三派系の中核派について申しますならば、いわゆるマルクス主義革命的共産主義者同盟――革共同と略しておりますけれども、この革共同という政治的団体が、背後におって指導しております。具体的に言えば、この革共同が出しておりますいわゆる「前進」という機関誌がございますが、この中に詳細に、たとえば羽田事件の前後あるいは佐世保事件の前後には、それぞれ理論的な解明なりあるいは今回の事件を引き起こすために必要であると思われるいろいろないわば扇動、宣伝というものが多量に登載をされ、配付されておる実情でございます。
 次に、社青同、社学同のほうでございますが、これは御案内のとおりに、かつて六全協当時日本共産党から分かれまして、当時日共の中央におりました学生が中核になってつくった団体でございます。この親団体と申しますのは、いわゆる共産主義者同盟、いわゆるブンド、こう言っておりますが、共産同、これが親団体でございますが、これが「戦旗」という機関誌を発行いたしまして、これまた先ほど申しました革共同と同様の指導を常時いたしておるわけでございます。
 そのほかに社青同解放派でございますが、この社青同解放派と申しますのは、これはまた因縁がございまして、いわゆる社会党の社青同といいますのは三十五年の十月に結成されたものでございますけれども、これより約四カ月前に社青同解放派というものが誕生しておったわけです。これは、三十四年の第四インター日本支部、ここから分かれていったものでございまして、これらの彼ら社青同解放派でつくっておりますグループは、要するに社会党の中にいわば潜入をして、社会党の中で栄養分を吸って、やがて大きくなったら飛び出すのだということをみずから言っておりますけれども、そういうのが社青同解放派でございます。
 それから第四インターは、初めに申しました三十四年にできました第四インター日本支部、その流れをそのままくんでおるグループでございます。
 いずれもイデオロギー的にはそういうような思想を信奉し、具体的な行動の面では、十月八日の羽田事件が起きました直後に、一部新聞にも報道されておりますので先生もお読みになっておると思いますが、秋山委員長が記者会見をいたしました場合に、新聞記者のほうで、こういうような事件は、君たちは法律を認めないのかという問いに対しまして、われわれは現体制を認めないのだ、したがってもちろん法律も認めない、そういうことをはっきりと公言いたしておるわけでございます。そういうふうな行動の基本的な方針のもとに、昨年五月二十八日の第一の砂川、あるいは七月九日の第二号の砂川、十月八日の第一の羽田、十一月十二日の第二の羽田、それから今回の佐世保、さらには先ほど御指摘のいわゆる三里塚におきます反対闘争、一連の闘争の中で三派系全学連自身がみずから語り、さらにまた、いま申しましたような方法で組織内に宣伝をしております内容をしさいに検討いたしますると、一応次のようなことが結論づけられるだろうと思います。
 と申しますのは、在来、特に羽田事件がその一つの転機であろうと言っておりますけれども、砂川事件の場合にも、パトカーが破壊され、あるいは付近の商店街のショーウインドーがこわされるということがたくさんございます。あの場合にも、百人になんなんとする警察官がけがをしたのでございますけれども、まだ砂川事件の場合までは、彼らの使うところの、称しておるところの武器というものは、大体石がおもであったわけでございますが、羽田事件を契機にいたしまして、今度は二メートル大の角材、それから全員がヘルメットをかぶり覆面をするという覆面スタイル、さらには石あるいは道路の敷石、側溝のふたをこわすというような方法で瓦れき、そういうようなものを十分準備をする。そういうようなことで、彼らは在来の常識的なデモからそういう武装デモに移り、直接行動ということばをしきりに実は使っております。
 さらにつけ加えさせていただきたいのは、今回の成田におきます反対闘争の場合には、いまいろいろ捜査をしておる最中でございまして、最終的な鑑定の結果は出ておりませんけれども、十種類に及ぶ農薬が使われておることは事実でございます。中でも千葉の警察官、巡査が一名そのために気道が閉鎖いたしまして、気道の切開手術をいたしまして、いまだに重体のまま経過いたしておる実情でございます。彼らは、先般来、そのことにつきましても常に新しい武器を開発することを公言しておりますので、今後彼らが使いますいま申しましたいわゆる凶器の内容につきましても、彼ら自体といたしましてはいろいろとくふう、研究をこらしておる。とにかく万事すべて力で、武装で戦うのだ、国家権力に対決するのだということを公言してはばからないのが、現在の三派系全学連の実態でございます。