131 - 参 - 本会議 - 1号 平成06年09月30日


国務大臣(村山富市君)
 行政改革の推進は、中央政府の問題にとどまりません。中央と地方の関係で、一層の地方分権の推進が必要であることは先ほども申し上げたとおりでありますが、官と民との関係では、国民生活の向上はもとより、経済の活性化や国際的調和の観点に立って規制緩和を断行することが不可欠であります。規制の妥当性を厳しく見直すため、近く改めて内外からの要望も把握し、本年度内に今後五年間の規制緩和推進計画を策定し、実施してまいります。また、決定済みの規制緩和措置の早急な実施の観点からも、許認司一括法案の早期成立をお願いいたします。
 政府としては、これらの課題について、行政改革委員会を設置することにより、従来にも増して厳正かつ強力な体制で改革を推進してまいる所存であります。
 行政と財政の改革は密接不司分の問題であります。本格的な高齢社会を控え、財政が新たな時代のニーズに的確に対応していくには、公債発行残高が二百兆円を超える見込みであるなど一段と深刻さを増した状況にある財政の健全化に努め、その対応力を回復させる必要があり、このため財政改章を強力に進めてまいります。
 活力ある福祉社会の実現のためには、行財政改革を一層推進をし、歳出の削減に努力するとともに、税負担の公平確保に努めつつ、税制改革を実現させなければなりません。このため、中堅所得者層を中心とする税率構造の累進緩和等による三兆五千億円の個人所得税減税を行うとともに、国民が広く税負担を分かち合えるよう、消費税については現行制度の抜本的改革を行い、地方税源充実のため創設する地方消費税と合わせた税率を五%に引き上げることとし、関係法案を今国会に提出することとしております。なお、当面の経済状況に配慮する観点から、二兆円の特別減税を加え五兆五千億円の減税を継続するほか、消費税の改正及び地方消費税の導入は平成九年四月からの実施とすることとしております。また、真に手を差し伸べるべき方々にしわ寄せがなされることがないよう、きめ細かな配慮を行ってまいります。
 経済は、このところ明るさが広がってきており、緩やかながら回復の方向に向かっておりますが、設備投資は総じて減少が続いており、雇用情勢についても厳しさが見られます。また、急激な円高など懸念要因もあります。できる限り早く本格的な回復軌道に乗せるため、設備投資や雇用、中小企業等の動向に引き続き細心の注意を払っていく必要があります。また、国際社会との調和ある発展を図り経常収支黒字の十分意味のある中期的縮小を達成するためにも、引き続き内需主導型の経済連営を行ってまいります。
最終更新:2013年09月15日 19:49