Rではデータを「ベクトル」として扱います.ベクトルというと例の矢印を思い浮かべるかもしれませんが,ここではもっと一般的な形のベクトルを指しています.複数の数字などを並べたモノだと思ってもらえれば結構です. 実数や複素数といった数値のほか,文字列,TRUE・FALSEで表される論理値などもベクトルとして取り扱われます. ともあれ,ベクトルを作ってみましょう.ベクトルはc()という関数で生成されます. > c(1,2,3) [1] 1 2 3 (ここで行頭の「>」は入力する必要はありません.コンソールの左端に最初から出ているヤツです.「>」が付いているのは入力,付いていないのは出力と解釈してください.) このように,ベクトルにしたい個々の要素を半角カンマ「,」で区切って並べるとベクトルができます. ここで[1]というのはその列の最初の数字がベクトルの1つ目の要素であることを示しています.今は大して有り難味がありませんが,ベクトルがもっと長くなって全ての要素の表示に改行が必要になったとき役に立つことがあるでしょう. また,公差1の等差数列(例えば,[1, 2, 3, 4, 5, ...])は関数[:]で簡単に作成できます.この関数は少々使い方が特殊ですが,例を見ればすぐに理解できるでしょう. >1:10 [1] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >10:1 [1] 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 1から1つずつ値を増やすベクトルというのはデータに番号を振ったり繰り返し処理のときの回数を数えたりと使い道が多いので覚えておいてください.