「1. 誤った観察が身近にしばしばあるという話」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

1. 誤った観察が身近にしばしばあるという話 - (2008/08/25 (月) 19:01:44) の編集履歴(バックアップ)


独立性・相関といった話題の導入部分です。

以下レジメ

誤った調査から誤った結論を導き出すことは、日常の身近な観察の場合にしばしばみられる。

予防注射の効果

ある地区の保健所が、200人の住民について調査したところ、その中の80人が冬の間に流感*にかかったことがわかった。その80人のうち、予防注射を受けていたものは40人で、受けていなかったものも40人であった。受けたものも受けなかったものも同数であるということから、予防注射の効果はないと考えてよいか?
    *流感:流行性感冒(インフルエンザ)

独立性の検定

流感にかかった人、かからなかった人双方について、予防注射の有無を調べると表55のようなデータが得られた。

流感にかかった 流感にかからなかった
予防注射を受けた 40 100 140
予防注射を受けなかった 40 20 60
80 120 200
55. 独立性の検定(実際のデータ)

このような表は分割表と呼ばれ、この場合、流感のかかり方と注射の有無が各々2つのクラスにわけられているので、特に2×2の分割表と呼ぶこともある。
分割表をみると、流感にかかった人のうち、予防注射を受けた人と、受けない人が同数であっても、注射の効果が無いとはいえないことがわかる。

注射の効果があるということは、注射の有無と流感のかかりかたに関係があるということと同じである(=注射と流感は独立ではない)。また、注射の効果がないということは、注射の有無と流感のかかり方が無関係だということである(=注射と流感は独立である)。
したがって、注射の効果を確かめることは、注射と流感が独立かどうかを確かめることになる。つまり「注射と流感は独立である」という帰無仮説を立て、この仮説が捨てられるかどうかを検定すればよい。仮説が捨てられれば、注射の効果を認めることになる。この検定法を独立性の検定、または分割法による検定と呼ぶ。

独立性検定の考え方

「注射と