アイドルマスター ディアリースターズ

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アイドルマスター ディアリースターズ - (2010/01/01 (金) 05:35:14) の1つ前との変更点

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<p><strong>アイドルマスター ディアリースターズ</strong></p> <p>part49-47~62</p> <hr /><dl><dt>47 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:01:49 ID:XC25qICy0</dt> <dd>☆★☆ 秋月涼(15)の場合<br /><br /> ある日の、高校の放課後のことだった。<br /> 「なあ、秋月、話があるんだけど…」<br /> 僕は男子生徒に呼び止められた。<br /> 「オレの彼女になってくれ!ってか、お前、本当は女なんだろ?」<br /> ――ええっ!僕は男だよー!<br /> ソッコーで学校から逃げ出した。まただ。また男にコクられちゃった。<br /> やっぱり、このまんまじゃダメだ。<br /> よーし、今日こそ、ずっと考えてたアレ、実行するぞー!<br /><br /> というわけで、僕は765プロへとやってきた。<br /> ここには僕の従姉妹の、有名アイドルの律子姉ちゃんがいるんだ。<br /> ――ねえ、律子姉ちゃん、僕も律子姉ちゃんみたく、アイドルになりたい!<br />   僕、イケメンになりたいんだ。<br /> 「無理言わないで。そんなナヨナヨなルックスでイケメンになれるわけないでしょ」<br /> 律子姉ちゃんはそう言うけど、ここで引き下がるわけにはいかない。<br /> 「わかったわ。うちの事務所じゃダメだけど、なんとかしてくれそうなところ、紹介してあげる」<br /><br /> 律子姉ちゃんの紹介で、僕は876プロに所属させてもらうことになったけど…。<br /> 「女の子アイドルとしてデビューしなさい。それが出来ないなら、うちには置けません」<br /> 社長はそう言った。そんな、僕はイケメンになりたいのに。<br /> 「どうしても男の子でデビューしたいなら、女の子として成功してみせなさい。<br /> 女の子アイドルとして成功出来たら、男の子へのコンバート、手伝ってあげるわ」<br /><br /> こうして僕…秋月涼は、女の子アイドルとしてデビューすることになった。<br /> すごく不安だけど、いつかイケメンになるためだ!頑張ろー!<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>48 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:02:57 ID:XC25qICy0</dt> <dd>★掟破りのデビュー(ランクF)<br /><br /> 僕は女の子の格好をする。スカートをはいて、胸にはパットを入れて…。<br /> 下着まで女の子の物だ。<br /> お仕事中はもちろん、事務所の中でも女の子として振舞う。<br /> 僕が男だって知ってるのは、社長と、まなみさんっていうマネージャーだけ。<br /> 僕と同期のアイドルの、愛ちゃんと絵理ちゃんも、僕のこと女の子だって思ってる。<br /><br /> 「涼、あなたがまずすることは、女装に慣れること。<br />  そして、新人オーディションに合格することよ」<br /> 社長の言いつけに従って、僕はまず、女装したままで近所を散歩することになった。<br /> 歩くとスースーするし、こすれるし、変な感じだ。<br /> それから、女の子らしい話し方をするよう気をつける。<br /> 一番抵抗があったのが、女子トイレに入ることだ。<br /> そしてついに、水着を着てプールに行くことに…。<br /> 僕が着てる水着はもちろん女物だけど、スカート付きだから一応、前は大丈夫。<br /> よし、これで度胸はついた。次はオーディションだ!<br /><br /> 歌とダンスのレッスンを積み重ねて、オーディションに合格することができた。<br /> 「おめでとう、涼。これで新人は卒業。今日から一人前のアイドルよ」<br /> 事務所に帰ると、社長がほめてくれた。<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>49 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:05:25 ID:XC25qICy0</dt> <dd>★仲間?ライバル?同期と勝負(ランクE)<br /><br /> 「とあるTV番組の出演枠を1人分だけもらったの。3人で勝負して、勝った子に出てもらうわ」<br /> 社長がそう言った。同期の愛ちゃん、絵理ちゃんとオーディションで勝負することになった。<br /> 一緒に頑張ろうって、仲間だって思ってたのに、勝負することになるなんて。<br /> でも、イケメンになるためには、逃げずに正々堂々と勝負して、勝ちたい。<br /> 今の僕じゃ、女の子に化けるのに精一杯で、とても2人に勝てそうにない。<br /><br /> 僕は律子姉ちゃんに相談してみることにした。すると、律子姉ちゃんから謎のメールが届いた。<br /> 『私は無理。PM20:00 町外れの神社。半休暇中だから、手伝ってくれるかも?』<br /> メールの通りに神社に行くと…。<br /> 「やあ、おはよう。キミが涼?律子から話は聞いてるよ」<br /> そこにいたのは、人気アイドルの菊地真(まこと)さんだった。<br /> 話は聞いてるって言っても、僕が男だっていうことは知らないみたいだけど。<br /> こうして、律子姉ちゃんのかわりに、真さんが僕を特訓してくれることになった。<br /><br /> 人目を避けるように、夜に真さんと一緒にランニングしたりする。<br /> 真さんはボーイッシュな外見で、男と間違われることもあるけど、<br /> 本当は女の子らしくなりたいと思っている人だ。ある意味、僕とは逆だ。<br /> そんな真さんとふとした拍子に手が触れたりすると、思わずドキッとしてしまう。<br /> 真さんは女の子なんだと強く意識してしまう。落ち着け、今の僕は女の子なんだ!<br /> 「どうしたの、涼。そんなに気負うことはないよ。仕事やレッスンを続けているうちに、<br />  身も心もだんだんアイドルになっていくんだ」<br /> ――身も心も…。いつか、私も?<br /> 「うん、きっとね」<br /><br /> そんなある日のこと。ゴシップ誌に真さんの記事が載った。<br /> 『あの菊地真、駆け出しアイドルを引っ掛け夜のラブラブデート!』<br /> 見出しはこんな感じ。駆け出しアイドルって…僕のことだ。<br /> 「涼、ボクたちにはやましいことは何もない。堂々と胸を張っていればいいんだ」<br /> 一番やましいのは僕の心の中です。ごめんなさい。<br /> こうして僕と真さんは記者会見を開くことになった。<br /> 僕の前にいる大勢の記者たち。緊張したけどなんとか釈明することができた。<br /> 「どうだい、度胸がついただろ。これでオーディションもバッチリだよ」<br /><br /> そしてオーディションの日。会場に真さんが来てくれた。<br /> 「涼、怖がらないで。勝っても負けても、仲間は仲間だ。何もなくすものなんてあるもんか。<br />  それだけはボクが保証する。だから、行ってこいって!」<br /> 真さんの励ましのおかげか、僕は勝って、番組に出演することになった。<br /><br /> 収録が終わった後のこと。<br /> ――もう行っちゃうんですか?<br /> 「そんな顔するなよ。アイドル続けてる限り、またどこかで会えるって」<br /> 真さんは去っていった。<br /> 真さんが一瞬だけ見せてくれた、雲の上の世界。<br /> いつか僕も、そこにたどり着けるかな。もし、たどり着けたら…。<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>50 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:07:04 ID:XC25qICy0</dt> <dd>★小さな騎士様(ランクE)<br /><br /> 最近、僕の追っかけ…もとい、ストーカーをしてる男の人がいるらしい。<br /> 「身の回りには気をつけなさいね、涼」<br /> 社長に注意された。それを聞いていた愛ちゃんが言う。<br /> 「あの、あたし、ボディーガードします!涼さんの学校まで迎えに行きます!」<br /> ええっ?それは困る。学校を出て、事務所に行く前にどこかで着替えをしなきゃいけないのに。<br /> 断ろうとしたけど、うまい言い訳が見つからなかった。<br /><br /> ある日の放課後、僕が校門を出ると、怪しい男の姿が見えた。あれが僕の追っかけ?<br /> でも、今は男の子の格好だから、僕が涼だって気がついてないみたい。<br /> とそのとき、愛ちゃんがやってきた。本当に学校に来ちゃったよ…。<br /> 「あなたが涼さんを狙う犯人ですねっ!」<br /> ――ちょっと待って、僕は何も…!<br /> 「問答無用!待てーっ!」<br /> 僕は逃げ出した。愛ちゃんはしばらく追いかけてきたけど、なんとか振り切った。<br /><br /> その数日後。まなみさんがついに追っかけの男の人を特定して、呼び出した。<br /> 僕は女の子の格好をして、追っかけの男の人に、ストーカーしないように説得する。<br /> ――あのね、あの学校には、私と同姓同名の人がいるだけで、私は通ってないから。<br />   他の人に迷惑がかかるから、もう行かないでね。<br /> 「うん、わかった。涼ちゃんがそう言うなら…」<br /> 男の人はもうストーカーはしないと約束してくれた。これで問題解決、ですよね。<br /><br /> そのまた数日後。<br /> ――うわっ、愛ちゃん?<br /> 愛ちゃんはまた学校に来ていた。<br /> 「また現れたな、ストーカーめ!」<br /> 愛ちゃんは、すっかり僕をストーカーだと思い込んでいる。ここは何かうまい言い訳を…。<br /> ――ごめんなさい。実は僕、秋月涼の生き別れの弟なんです。<br /> 「そういえば、よく見ると似てますね…。わかりました。信じてあげますぅ。<br />  あたしってば、事情も知らずに…ごめんなさい」<br /> あーあ。つきたくないのに、嘘が増えてくよ…。<br /><br /> その後、着替えた僕は事務所に行った。<br /> 「涼さん、ストーカーの正体なんですけど、弟さんでした」<br /> 苦しい嘘だと思ったけど、愛ちゃんは信じているみたいだ。<br /> ――そう。あの子も元気でいるのね。<br /> 「あの、あたし、少しは涼さんのお役にたてましたか?」<br /> ――そうだね。愛ちゃんは今回、小さな騎士さまだったね。<br /> 「よかった~。涼さんを守れて。これからも、一緒に頑張りましょうね!」<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>51 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:08:44 ID:XC25qICy0</dt> <dd>★ドキドキ?キュートなライバル登場(ランクD)<br /><br /> 僕は今、オーディションの説明会に来ている。<br /> 最近ランクアップしたし、今回は、少し規模が大きなオーディションを受けてみることにした。<br /> 「審査は3回に分けて行います。それでは、今日は解散」<br /> 解散になったあと、僕は女の子に呼び止められた。<br /> 「あの、秋月涼さんですか?」<br /> 髪が長くて、けっこうかわいい子だ。<br /> 「私、今回同じオーディションを受けさせてもらうことになりました、<br />  桜井夢子って言います」<br /> 僕は夢子ちゃんとしばらく話した後、アドレスを交換して別れた。<br /><br /> 『秋月さん、さっそくメールしちゃいました。聞きました?<br />  第一次審査の会場、変更になったって』<br /> 数日後、夢子ちゃんからメールが来た。教えてくれてありがとう、と返信しておく。<br /> そして第一次審査の日。夢子ちゃんが教えてくれた場所に行ってみるとそこは…神社?<br /> 夢子ちゃん、間違ったのかな…。<br /> 少し遅刻してしまったけど、第一次審査は合格することができた。<br /> 「秋月さん、すみません。私、なんか勘違いしちゃって…」<br /> 夢子ちゃんがそう言って僕に頭を下げる。<br /> ――夢子ちゃん、気にしないで。それより、次、がんばろ?2人とも合格できたんだし。<br /><br /> そして二次審査はダンス。<br /> 「ここの床、滑りやすくて。これ、シューズに塗っとくといいですよ」<br /> 夢子ちゃんは僕に何かを差し出す。<br /> ――これ、何?<br /> 「滑り止めです」<br /> ――ありがとう。じゃあ、もらうね。<br /> 僕の番がやってきて、審査員の前でダンスを披露…するんだけど、あれ?おかしいな?<br /> こうなったら、乱暴だけど、シューズを脱ぐしか!<br /> とっさの機転で、最下位だったけどなんとか合格した。<br /> ――夢子ちゃん、その、説明してくれる?あの滑り止め使ったら、<br />   余計に滑りやすくなった気がしたんだけど…。<br /> 「フフッ、まだ気づかないの?決まってるでしょ。わざと転ばせようとしたの」<br /> まさか、そんな…。<br /> ――じゃあ、前回のときも?<br /> 「もちろん、遅刻させるために仕組んだに決まってるでしょ。<br />  でも、悪いのはあなたよ。この世界、油断するほうが悪いの」<br /> ――始めからだます目的で、私に近づいたの?ひどいよ、夢子ちゃん。信じてたのに…。<br /><br /><br /></dd> <dt>52 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:17:10 ID:dslqBYB70</dt> <dd>数日後のこと。<br /> 「聞いてきたわよ、桜井夢子のこと」<br /> 社長が言うには、夢子ちゃんは勝つためなら手段は選ばない子なんだって。<br /> ライバルを蹴落とすために、他にも嫌がらせを何回かやったことがあるらしい。<br /> ――僕、夢子ちゃんに言ってみます。もう他人の足を引っ張るのはやめて、って。<br /><br /> 最終審査の日がやってきた。審査の前に、夢子ちゃんと話すことにした。<br /> ――聞いたよ。嫌がらせ、他にもしたこと、あるんだってね。<br />   ねぇ、夢子ちゃん、そういうのやめにしない?<br />   人の邪魔するんじゃなくて、自分で努力すべきだと思うんだ。<br /> 「私はね、夢があるの。その夢のためなら手段は選ばないわ」<br /> ――どんな夢?<br /> 「『オールド・ホイッスル』よ。知ってるでしょ?」<br /> 昔からやってる、有名な歌番組だ。オールド・ホイッスルに出るには、<br /> 知名度はもちろん、相当の実力がないとダメだって聞いたことがある。<br /> 「私は、それに出たいの。小さい頃からの夢だから、叶えるためなら、何でもする」<br /> 夢か。僕の夢は…イケメンになるために女の子アイドルとして成功すること。<br /> イケメンになるなんて、夢子ちゃんのそれに比べたらちっぽけな夢だ。<br /> でも、たとえちっちゃな夢しかない僕でも、ズルする夢子ちゃんには負けたくない!<br /><br /> そして、僕は夢子ちゃんに勝った。<br /> 「そんなバカな。私がこんな子に後れを取るなんて…」<br /> ――あのね、夢子ちゃん。私、今まで、受け身だった。<br />   もっと自分から積極的にいかなきゃって、思った。<br />   それを気付かせてくれて、ありがとう。出会えてよかった。<br /> 夢子ちゃんはそっぽを向く。<br /> 「何よ、もう…。次会うときはおぼえてらっしゃい!」<br /> 新しいライバルが1人、現れた。<br /> 僕も夢子ちゃんに負けない、大きな夢を持ったアイドルにならないと、な。<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>53 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:19:14 ID:dslqBYB70</dt> <dd>★試される心・チャンスをつかめ(ランクC)<br /><br /> 女の子アイドルとして順調に成功して、ランクCになった僕だけど…。<br /> 毎日仕事に追われているうちに、本当の僕が飲まれちゃうんじゃないか、と思う。<br /> そんなあるとき、TV局のロビーで、夢子ちゃんとバッタリ会った。<br /> 「あなた、まだ芸能界に残ってたのね」<br /> ――久しぶりに会って、いきなりそれはないんじゃない?<br /> 立ち話していると、男の人の声がする。<br /> 「君たち、ロビーの真ん中で、邪魔だ。どいてくれないか?」<br /> 僕と夢子ちゃんは声の方を向く。30代くらいのイケメンが、立っていた。<br /> どこかで見たことあるぞ?<br /> 「あ、あなたは…!」<br /> 夢子ちゃんはイケメンを見て驚いている。あっ、まさか…。<br /> ――オールド・ホイッスルのプロデューサーの、武田蒼一さん…?<br /> 「そう、僕だ」<br /> やっぱり!<br /> 「あの、私、桜井夢子って言います。こうしてお目にかかれて光栄です」<br /> 「君たち2人のことは知ってるよ。君たちの歌も聞かせてもらってる」<br /> 夢子ちゃんはとてもうれしそうだ。この人のこと、尊敬してるんだな…。<br /> 「あの、一度、音楽についてお話しませんか?私にぜひアドバイスを…」<br /> 夢子ちゃんはここぞとばかりに、武田さんにアピールしている。<br /> 「いいよ。それじゃあ今度、時間があるときにでも。また会おう、桜井くん、秋月くん」<br /> 「は、はい」<br /> 武田さんが行ってしまった後、しばらく夢子ちゃんはボーっとしていた。<br /> 武田蒼一さんっていったいどんな人なんだろう。<br /><br /> 数日後、僕と夢子ちゃんは武田さんに招待された。<br /> そこはTV局の、武田さん専用の部屋だった。<br /> 「よく来たね、2人とも。実は、最近気になっていることがあってね。<br />  流行の歌の偏りについてだ。ヒットチャートには、宣伝費をかけた歌だけが並んでいる。<br />  誰もが愛する歌というものは、いつの間にかなくなってしまった」<br /> 「そういう流行に流されない歌を取り上げるのが、オールド・ホイッスルなんですよね」<br /> 「そうだ。僕は、愛されるのならば、歌のジャンルなんて何でもかまわないと思ってる。<br />  たとえアニメソングやアイドルソングであってもね。歌にとっての悲劇は、<br />  歌われなくなることだ」<br /> 武田さんの言ってることは、僕にもよくわかる。<br /> 夢子ちゃんはまたしても武田さんに猛プッシュをかける。<br /> 「あの、私、自分の歌でオールド・ホイッスルに出てみたいかな、って」<br /> 「可能性がないではない、けど、まだ時期尚早かな。君に足りないのは、<br />  実力ではなく、心だ。歌うことを楽しむ心、歌を聞く人を楽しませたいという心。<br />  いつだって、一流と二流の差は、思いの強さだ」<br /> 夢子ちゃんは少し落ち込んだみたいだ。武田さんは話を続ける。<br /> 「君たちにチャンスを与えよう。とある歌手と一緒に仕事をしてみるといい。<br />  そして、同じオーディションに出るんだ」<br /><br /><br /></dd> <dt>54 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:19:58 ID:dslqBYB70</dt> <dd>というわけで、武田さんの紹介で、僕と夢子ちゃんは野外ライブ会場へ行った。<br /> 「こんにちはー!高槻やよいでーす!」<br /> 人気アイドルのやよいさんは、小さい体でステージの上を縦横無尽に駆け回る。<br /> なんて元気な人なんだろう。僕たちも飛び入りで歌うことになってしまった。<br /> 「楽しかったね、涼ちゃん!ハイ、ターッチ!いぇい!お疲れ様でしたー」<br /> ライブが終わった後も、やよいさんはちっとも疲れてないみたいだ。<br /> この人、どこまですごいんだろう。<br /><br /> 僕たちは、やよいさんの家に招かれることになった。<br /> 「いらっしゃーい!涼ちゃん、夢子ちゃん!」<br /> そこで僕たちは、やよいさんが家族のためにアイドルやっていることを聞いた。<br /> 帰り道、僕と夢子ちゃんは、とぼとぼと歩く。<br /> ――やよいさんは、いろんなものを背負ってるから、きっと強いんだろうね。<br /> 「ちっぽけよね、私たちは。やよい先輩の半分の覚悟もできてない」<br /> ――でも、追いかけていこうよ。だって、私たち、後輩なんだし。<br /><br /> そしてオーディション。僕たちは、やよいさんにはかなわなかった。<br /> オーディションを見に来ていた武田さんは言う。<br /> 「残念だったね、2人とも。どうかな?高槻くんと同じステージに立って、<br />  学んだもの、あったかな?<br />  男は、敗戦から何かを学んで、強くなっていくものだ」<br /> えっ、男、って…?<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>55 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:21:25 ID:dslqBYB70</dt> <dd>★玉砕覚悟!?新しい力を手に入れろ(ランクC)<br /><br /> 「久しぶりね、秋月涼」<br /> 夢子ちゃんと会った。<br /> 「まぁ、聞きなさい。私、オールド・ホイッスルに出られるかもしれないわ。<br />  この前、武田さんに会って、聞いたわ。次のオーディションに勝てたら、<br />  オールド・ホイッスルのこと、検討してくれるって!<br />  そうすれば、お姉さまも喜んでくれるわ!」<br /> 夢子ちゃんはうれしそうに去っていった。夢子ちゃん、すごいなー。<br /> ところで、お姉さまって誰だろう?<br /> って、そんなことより、僕も夢に向かって、がんばらないと。<br /> 「あなたの次の相手、かなりの強敵よ。<br />  脅威の歌唱力で人をうならせ、感動させ続けてきたアイドル、如月千早よ」<br /> 社長からそう聞かされた。<br /><br /> その数日後、武田さんから、千早さんのライブに誘われた。<br /> 行ってみて、千早さんの力量に圧倒されてしまった。<br /> なんで、こんな難しい歌を、やすやすと歌えるんだ?<br /> ライブが終わってから、武田さんと一緒に、楽屋に行って、千早さんにあいさつした。<br /> 「あの、武田さん、例の件、考えてくれました?」<br /> 千早さんは武田さんに言った。<br /> 「いや、君にふさわしいものはとても…」<br /> 世間にはあんまり知られていないみたいだけど、武田さんは曲を作ったりもするんだって。<br /> それで、千早さんは武田さんに曲を作ってもらうように頼んでいたらしい。<br /> 「単純なメロディーの積み重ねが、素晴らしいハーモニーを生み出す。<br />  武田さんの曲は、まるで魔法のようです」<br /> 「僕はただ、聞きやすい曲を作っているだけだよ」<br /> 武田さんは謙遜してそう言う。僕も武田さんがどんな曲を作るのか、いつか聞いてみたいな。<br /> 「今日はどうだったかな」<br /> 帰り道、武田さんは僕にたずねた。<br /> ――差を感じちゃいました。<br /> 「でも、絶望することはない。君のほうが勝っているものがある」<br /> 武田さんはそう言うけど…どうなんだろう。<br /><br /> 夢子ちゃんに、千早さんとのことを相談してみることに。<br /> 「バッカじゃないの?あんな人と戦うなんて」<br /> ――でも、私、勝ちたいんだ。<br /> 「なら、玉砕覚悟でやるしかないわね。飛び道具を用意するのよ。<br />  あなたのチカラを高める何かを。勝機があるとしたら、そこにしかないわ」<br /> そうだ、新曲!僕に一番合う歌!<br /> 可能性は低いけど…あの人に頼んでみよう。<br /><br /><br /></dd> <dt>56 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:22:50 ID:dslqBYB70</dt> <dd>僕はTV曲の、武田さんの部屋へ行った。<br /> ――武田さん、私に曲を作ってください!どうしてもほしいんです。<br />   私にピッタリなのが。<br /> 「なぜ、急にそんな依頼を?」<br /> ――千早さんはすごい人です。私、たとえわずかでも、追いつきたいんです。<br /> 「影響されすぎでは?君たちくらいの年齢のときにはよくあることだよ。<br />  …それで?君は僕の歌を手にして、何をしようとしている?<br /> ――私は、千早さんと比べると薄っぺらです。<br />   だから、私と一緒に育っていく歌がいると思うんです。<br />   お願いです、武田さん、先へ進ませてください。<br /> 「なるほど、言いたいことはわかった。そこまで未来を見据えているなら、<br />  いつかは曲を提供すると約束しよう。でも、僕はインスピレーションがわかないと<br />  曲が作れないんだ」<br /><br /> それから、武田さんから何の連絡もないまま、オーディションの日になってしまった。<br /> 控え室で待っていると、僕宛にバイク便が届いた。<br /> これは…。よし、行くぞ!<br />   ♪前に 進めない これ以上 そんな時には<br />    いつも 心で 呼ぶよ あなたの名前<br />    抱いた 憧れ 今も 変わらないわ<br />    過ごした 日々は 優しく 溶け出してゆく<br />    一緒にいる それだけで この世界は<br />    まぶしいほどに 光り輝く<br /> 練習する時間がほとんどなかったけど、僕は、武田さんからもらった歌に賭けた。<br /> この歌は千早さんが言っていたみたいに、まるで魔法のようだった。<br /> そして僕は、千早さんに勝った。武田さん、やりました!<br /><br /> 夢子ちゃんに、千早さんに勝ったことを報告する。<br /> 「そう、あの如月千早に…。私も、勝ったの!<br />  これで、武田さんに堂々と、オールド・ホイッスルに出してください、ってお願いしに行ける」<br /> それから数日後、千早さんはニューヨークに帰るというので、空港に見送りに行った。<br /> 「ありがとう、見送りに来てもらって。秋月さん、あなたに会えていい刺激になったわ。<br />  最後にひとつ。あなたの周りには支えてくれる人がいるはず。絆を大切にね」<br /> 千早さんは、鳥のように飛び去っていった。<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>57 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:41:25 ID:56hPhCbH0</dt> <dd>★夢、歪みの果てに(ランクB)<br /><br /> 「あの…、次のオーディションでは、ご一緒させてもらいますので、よろしくね」<br /> 次の相手は、いやし系アイドル、三浦あずささんに決まった。<br /> それにしても、夢子ちゃん、どうしたんだろう。<br /> 『私、アイドルやめることにした。じゃあね』<br /> そんなメールが来たのが最後で、最近、連絡が取れない。<br /><br /> 夢子ちゃんがよく自主レッスンする公園へ行ってみることにした。<br /> ――あっ、いた、夢子ちゃん!<br /> 「何しに来たのよ?」<br /> ――どうしたの?アイドルやめる、って…。<br /> 「私の夢が消えたの。武田さんが言ったの。君みたいな人間を<br />  オールド・ホイッスルに出すわけにはいかない、って」<br /> 夢子ちゃんが他のアイドルに嫌がらせしてたことが、武田さんの耳に入ったらしい。<br /> 「夢子ちゃん、やっぱり、ここにいたのね」<br /> 「お姉さま!会いに来てくれたんですか?」<br /> あずささんがやって来た。<br /> 夢子ちゃんが言うお姉さまとは、あずささんのことだった。<br /> 「何で、私がこんな目にあわなきゃならないの…」<br /> 夢子ちゃんはとうとう泣き出してしまった。あずささんがなぐさめたけど、泣きやまない。<br /> ――夢子ちゃん、私、なんとかやってみる!<br />   夢子ちゃんの夢が、また少しでも動き出せるように。<br /><br /> 武田さんに直訴しに行く。<br /> ――武田さん、今日は、お願いがあって着ました。夢子ちゃんのこと、考え直してくれませんか?<br /> 「ふむ、あの子のことを、ね」<br /> ――夢子ちゃんの才能は本物だと思います。夢子ちゃんにとって、オールド・ホイッスルに出ることは、<br />   何より大切な夢なんです。その夢を奪わないでください。<br /> 「何と言われようが、僕は彼女に機会を与えるわけにはいかない」<br /> ――どうしてですか?<br /> 「オールド・ホイッスルは、歌を通じて、皆の心を満たす番組だ。<br />  そもそも彼女の生き方は、番組のコンセプトに反している。<br />  僕は、人を欺くような歌い手を自分の番組に出したくない。<br />  そういう意味では、今の君も同様に、ね」<br /> ま、まさか…。<br /> 「秋月くん、君は男なのだろう?」<br /> ――いつから、気付いてたんですか?<br /> 「初めてTVで見たときから。体の線の細さに比べて、スタミナと声質に違和感を覚えた。<br />  僕は、君を男性として、見ていた。…なぜ、女性のふりをする?」<br /> ――社長の方針なんです。女の子の方が受けるだろうって。<br />   僕だって、本当は、男のアイドルになりたかった。<br /> 「それならば、なぜ事務所を飛び出してでも、そうしない?」<br /> ――社長や、これまで応援してくれてきたファンに悪いかな、って思って…。<br /> 「自分の夢も追えない君が、人の夢のためにこうしてやってくるのは、とても不自然に感じるが」<br /> ――それは…そうかも知れません。わかりました。自分でよく考えてみます。<br /><br /><br /></dd> <dt>58 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:42:15 ID:56hPhCbH0</dt> <dd>お互い、忙しいスケジュールの合間を縫って、あずささんと会う。<br /> ――あ、どうですか、夢子ちゃん。<br /> 「それが、何を言っても、ぜんぜん聞いてくれなくて…」<br /> ――そうですか…。ところで、あずささんには夢ってありますか?<br /> 「実はね、今度のオーディション、私の夢をかけたオーディションなの。<br />  勝つことが出来れば、夢へ歩き出す勇気がわいてきそうな気がして…」<br /> ――あずささん、ありがとうございました。おかげで目が覚めました。<br />   私も、自分の夢に向かって、もっと真剣になってみようと思います。<br /><br /> 事務所へ戻るなり、僕は社長に言った。<br /> ――社長、すごく大事な話があるんです。私、女の子をやめます。<br />   そろそろ、男の子として活動させてください!<br />   僕、ファンのこととか、たくさん考えました。それでも、チャンスがほしいんです。<br />   たった一度でも。望み通りの自分に変わっていけるチャンスが。<br /> 「そうね。だったら、次のオーディションに勝ったら、男の子デビューのこと、考えてあげるわ」<br /><br /> さあ、ついにオーディションの日だ。男の子デビューがかかってる。<br /> ここで勝つか負けるかで、僕の運命、大きく変わる気がする。<br />   ♪転んで 立てない これ以上 そんな時には<br />    褒めて 撫でて ギュっと 抱きしめてよね<br />    抱いた 夢は 今も 変わらないわ<br />    過ごした 日々は 優しく 溶け出してゆく<br /> 武田さんからもらった新曲で、僕はあずささんに勝った。<br /> 「負けたのは残念だけど、でも、いいの。まだ夢へ踏み出すときではないのね」<br /> あずささんは、負けてもさっぱりとした顔をしていた。<br /><br /><br /><br /></dd> <dt>59 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:44:37 ID:56hPhCbH0</dt> <dd>★僕は男だ!(ランクA)<br /><br /> 僕はまた、武田さんのところへお願いしに行った。<br /> ――武田さん、僕、男の子だって公表します。それで、ファンのみんなに受け入れてもらったら、<br />   夢子ちゃんのこと、もう一度考え直してもらえないでしょうか。<br />   そして、もうひとつ。僕も、オールド・ホイッスルに出させてください。<br />   男の子アイドルとして!<br /> 「それでは、1つ課題を設けよう」<br /> アイドルアルティメイトという大会、その出場権をかけたオーディションに勝つこと。<br /> それが条件だった。<br /> 「君の歌声は、強さと愛らしさをあわせ持つ。<br />  男女双方の心に響く歌を歌えるのは、君しかいないんだ。<br />  歌の新時代のため、オーディションを突破してほしい」<br /> やるぞぉ!男の子デビューだ!<br /><br /> 男の子だと公表するために、僕はとある歌番組に出ることになった。<br /> トークコーナーで、僕はこう言った。<br /> ――僕、本当は、男なんです!!<br /> 「衝撃の事実が今ここに…なーんてね。あはは。まさか、涼ちゃんが<br />  そんな真顔で冗談言うなんてね」<br /> 司会者の人に軽く流されてしまった。<br /> その後のオンエアでは、僕がしゃべった部分がカットされてしまっていた。<br /> どこかから圧力がかかっているらしい。<br /><br /> 僕は久しぶりに、夢子ちゃんに会った。<br /> 「聞いたわよ。あなた、ヤバいことになってるらしいわね」<br /> ――うん。でも、僕は引かない!信じるもののために、夢を成し遂げる!<br /> 「やめなさい!にらまれて、私の二の舞になりたいの?<br />  この上、あなたまで活動停止になったら、私は…」<br /> ――それでも僕は、夢をあきらめたりしないよ。夢は僕たちを見捨てたりしない。<br />   それを夢子ちゃんにも見せてあげる!<br /> 「もしかして、あんた、男の子なの…?」<br /> 僕は、その問いには答えなかった。<br /><br /> 男の子だって公表する機会を探すけど、見つからない。<br /> 生放送は降ろされ、録画の番組でも好きなことは言えない。何か手はないのか?<br /> 僕は、武田さんに相談してみることにした。<br /> ――僕、どうしたらいいのかわからなくて。<br /> 「ふむ。手がないわけではない。不本意ではあるが…。<br />  それは、オールド・ホイッスルだ」<br /> オールド・ホイッスルの内容は武田さんに一任されていて、誰も口出しできないらしい。<br /> そのオールド・ホイッスルの番組内で、僕は男だと公表することになった。<br /> ――感謝します。僕にチャンスをくれて。<br /><br /><br /></dd> <dt>60 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:45:27 ID:56hPhCbH0</dt> <dd>武田さんから出された課題の、オーディションも突破した。<br /> 事務所に帰って、社長に報告する。<br /> ――社長、オーディション、勝ちました。<br />   僕、女の子アイドルを長くやってきたせいで、いつの間にか、<br />   男としての自身もついてたんです。<br /> 「涼、あなたは紛れもなく、時代を変えていける男の子よ!<br />  素顔のままのあなたで進んで行きなさい」<br /> ――ありがとうございます、社長。<br /><br /> あとは、オールド・ホイッスルに出るだけだ。<br /> 夢子ちゃんには、来週のオールド・ホイッスルを見るように言っておいた。<br /> そこで、言いたいこと、全て伝えるから。<br /><br /> 「今夜も、極上の歌をあなたに。オールド・ホイッスルにようこそ。<br />  こんばんは。武田蒼一です。今夜のゲストは、秋月涼さんです」<br /> ――こんばんは。よろしくお願いします。<br />   TVの前のみなさん、実は僕、秋月涼は、女性ではありません。<br />   これまで女性アイドルとして活動してきましたけど、<br />   僕、本当は男なんです。<br /> 「この発表が茶番でないことは、僕が証明します。<br />  多くのファンからすれば、もしかしたら、裏切られたと感じるかもしれません。<br />  彼に転身を勧めたのは、他ならぬ僕です。<br />  男性ボーカリストとしての彼の魅力を封じ込めてしまうのは、あまりにも惜しい」<br /> ――僕、悩みました。でも、僕が夢をあきらめてしまったら、人に夢を語ることなんてできない。<br />   皆さん、夢をあきらめないでください。<br /> 「それでは、聞いてください。彼の本当の歌声を。曲は『Dazzling World』」<br /> 『Dazzling World』…素晴らしい世界という意味だ。<br />   ♪キラキラ光る この気持ち<br />    大切なもの 見つけたのよ<br />    時が流れて 光りだす<br />    思い出一杯 幸せよ<br />    あなたと会えた 瞬間を<br />    わたしはずっと 忘れない<br />    手と手つないで 歩き出す<br />    あなたと生きる 素晴らしい世界!<br /> もう、女の子らしい歌い方をしなくてもいい。できるだけ男らしく歌ってみた。<br /><br /><br /></dd> <dt>61 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:46:17 ID:56hPhCbH0</dt> <dd>僕が男の子であることを公表した、その後。<br /> 周りの人…特に、ファンたちからは、全く予想外の反応が返ってきた。<br /> 『涼ちゃーん!男の子でもかわいい!萌え~♪』<br /> そして、新たに女の子のファンも多数。<br /> 『キャー!涼く~ん!』<br /> 「よもや、こんなことになるとはね。大きくなったね、涼」<br /> 律子姉ちゃんは、ほめてくれた。<br /> 前途は洋々。もう僕の前をさえぎるものは何もない。<br /> あとは、ただ1つ。<br /><br /> 「TV、見たわ。バカじゃないの?私に言いたいことをわざわざTVで放映するなんて…」<br /> 夢子ちゃんは、視線をそらしながら言った。<br /> 「それより、武田さん、小細工せずに勝ち上がってくれば、考え直してくれるってさ」<br /> ――戻ってきてくれるんだね?<br /> 「復帰するわよ。オールド・ホイッスルを目指して。すぐあなたに追いついてみせる。<br /> 覚悟しておきなさい!」<br /><br /> こうして僕は、最大の夢を叶えた。<br /> 男の子アイドルとして、頂点に立つという夢を。<br /> でも、まだこれからだ。<br /> そう、これから…。きっと、この先にもっと素晴らしい世界が、必ずあるから。<br /><br /> END<br /><br /><br /><br /><br /></dd> <dt>62 :<a href="mailto:sage"><b>アイドルマスターDS</b> ◆l1l6Ur354A</a>:2009/12/31(木) 03:58:48 ID:STMelYQB0</dt> <dd>★大告白!?進むべき道は(ランクB)<br />  (『★夢、歪みの果てに』にて、オーディションで負ける)<br /><br /> 僕は、男の子デビューするという夢を見失った。<br /> たとえ、夢が見えないままでも、アイドルとしての毎日は続いていく。<br /> このままでいていいの?<br /> そうだ、夢子ちゃんにだけは、打ち明けてみよう。<br /> ――実はね、私、男なんだ。<br /> 「は?あなた何言ってるわけ?そんな冗談言うために呼び出したの?私、帰る」<br /> それ以降も、誰に言ってみても、誰も冗談だと思って、信じてくれなかった。<br /><br /> 僕は、武道館ライブに武田さんを招待した。<br /> 女の子アイドルとして、最高のステージになるように、がんばった。<br /> 武田さん、見てください。これが、私のあるべき姿です。<br /> ライブの後、武田さんと話をする。<br /> 「…いいライブだった。掛け値なしに。たとえ仮面をかぶっていても、君はたいしたものだ」<br /> ――ありがとうございます。<br /> 「それで、これが君の答えだと受け取っていいんだね?」<br /> ――はい。<br /> 「そうか、残念だ」<br /><br /> イケメンになりたい、なんて、小さいことだよね。<br /> こうして僕…私は、女の子アイドルとして活動していくことになった。<br /> ――戻っておいでよ。アイドル、楽しいよ?<br /> 心から楽しそうな私の姿を見て、夢子ちゃんは復帰する気になったみたい。<br /><br /> さようなら、私の夢。<br /> こんにちは、私の夢。<br /><br /> END<br /><br /><br /></dd> </dl>

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