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Papers,Please - (2018/10/18 (木) 12:04:14) の1つ前との変更点
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<p><strong>Papers,Please</strong></p>
<p>part71-472~477</p>
<hr /><p>472 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:57:01.32
ID:sGyflw280 [1/6]<br />
数々の賞を取ったり2018年に実写映画が作られたりした<br />
架空の国の入国管理官として働く大ヒットインディーズゲーム<br />
『Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)』行きます。<br />
私がプレイしたのはsteamで購入したPC版です。<br />
いつも通り端折ったりいい加減な部分もありますがご容赦を。<br />
ちなみにペーパーズプリーズの意味は、入国希望者に最初に言う<br />
「書類を渡してください」という意味です。</p>
<p>『登場人物』<br />
(主人公)<br />
家族を自分の賃金のみで養う苦労人。<br />
国境検問所に勤める入国管理間として働くようになった。<br />
ゲーム中名前を入力する事も、名前で呼ばれる事もない。<br />
冷徹なまでに厳格な仕事をするか、時には人情を見せるか、<br />
国に尽くすか、国を裏切るか、全てはプレイヤー次第。</p>
<p>(母・妻・娘・叔父・姪)<br />
主人公の家族たち。主人公は大事に思っているとは思うが<br />
正直言ってゲームシステム上で何かの役に立つことはほぼ無い上に<br />
彼らのために食費等がかかるのでお荷物でしかない。<br />
そのため、とあるゲーム紹介記事の中で<br />
「適度に家族を殺して維持費を減らそう」と書かれる始末。<br />
とはいえ、自分以外の家族が全滅すると<br />
「仕事は養う家族がいる者に優先的に与えられるので君はクビだ」<br />
という事でバッドエンドになるので、ある意味欠かせない。</p>
<p>(ジョルジ)<br />
憎めない奇妙なおじさん。始めて入国してきた際には<br />
「アルストツカは最高の国だ、だからパスポート必要ないだろ?」<br />
とか言うので問答無用で追い返したのだが、<br />
その後なんと作りのパスポートで入国しようとしてきたり<br />
ようやく必要書類を揃えてきたかと思ったら<br />
薬物を密輸しようとしていたので捕まえると<br />
数日後にまた何事も無かったかのように入国しようとしたりとする。</p>
<p>『本編』<br />
西暦1982年のある日。共産主義国家アルストツカに住んでいた主人公は、<br />
こんな手紙を受け取った。<br />
「おめでとう、君は勤労抽選に当選した。<br />
速やかに、グレスティンにある国境検問所に向かうように。<br />
君たち一家にはグレスティン8等級の住居が割り当てられる。<br />
アルストツカに栄光あれ!」<br />
勝手に仕事を決められるという共産主義ならではのシステムにより、<br />
いきなり入国管理官という難しそうな仕事をすることになった主人公は<br />
一家で引っ越した。</p>
<p><br />
473 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:57:48.74
ID:sGyflw280 [2/6]<br />
入国管理官という仕事は特殊な知識や技術は必要ないらしく<br />
いきなり初日から入国希望者を審査する事になる。<br />
ちなみに給料は共産主義には珍しく歩合制。<br />
一人を正確に入国許可もしくは拒否する度に5クレジットの給料が入る。<br />
そんな入国管理官の仕事は、1日目だけは<br />
『今日の所はアルストツカ人だけを入国させるように。<br />
入国しようとする人がアルストツカのパスポートを渡してきたなら<br />
緑の入国許可スタンプを渡して返し、<br />
それ以外の国のパスポートなら赤い入国拒否スタンプを押して返すように』<br />
という子供のお手伝いレベルだった。<br />
だが2日目になると<br />
『今日から外国人でも入国できるようになった。<br />
今日からはパスポートに問題が無いか確認すること』<br />
という内容になり、調べる事が一気に増す。<br />
・性別や顔写真が目の前に居る本人と食い違ってないか<br />
・パスポートに書かれた発行都市が、本当にその国にある発行都市なのか<br />
・パスポートの有効期限は切れていないか<br />
これら全てに問題無ければ入国許可、少しでも問題あれば入国拒否する。<br />
そして4日目になると<br />
『今日からアルストツカ人はIDカードが、<br />
外国人は入国許可証が必要になるので、全て確認すること』<br />
となる。こうなると、以前までの項目に加え、<br />
・パスポートとIDカード又は入国許可証の両方に書いてある<br />
同一の項目(名前・ID番号・誕生日)が同一かどうか<br />
・外国人に直接尋ねた滞在目的・滞在期間と<br />
入国許可証に書かれているそれらと矛盾してないか<br />
まで調べる必要が出てくる。<br />
それ以降も日を追う毎に<br />
『外国から働きに来た労働者は労働許可証が必要となる。』<br />
『テロや密輸を防ぐため、書類の体重の項目より<br />
体重が増えている者はX線検査せよ、<br />
それと今日から外交官は専用の書類が必要なので調査せよ』<br />
『書類に押されるハンコの偽者が出回ったので<br />
偽者のハンコを見破るために手帳にある正式なハンコと見比べよ』<br />
『今日から外国人は身分証明補足書も必要となる』<br />
『日報に指名手配犯の写真が掲載されるので、<br />
入国希望者の中に指名手配犯がいないか注意せよ』<br />
『麻酔銃を支給するので、テロリストが襲撃してきたら撃て』<br />
『理由を言われず入国拒否される事へのクレームが多いので、<br />
今日から書類の不審点を発見したら本人に直接尋ねること。<br />
また、入国拒否する際には入国拒否理由のスタンプも押すように』<br />
『亡命希望者は専用の書類を持っているのでそれも調査せよ』<br />
『伝染病を防ぐため、今日から入国には<br />
ワクチン摂取証明書が必須となる。<br />
3年以内にポリオワクチンが摂取されているか確認せよ』<br />
『今日から外国人は入国証明証と身分証明補足書の代わりに<br />
入境許可証という新しい書類が必要になった』<br />
と、条件がどんどん増えていくのだ。</p>
<p><br />
474 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:58:23.68
ID:sGyflw280 [3/6]<br />
しかもこれだけ仕事が難しくなっても、<br />
給料は以前と同じ『正確に一人処理する毎に5クレジット』<br />
で変わらない。このままでは家賃・食費・暖房費が払えず<br />
自分や家族が空腹や寒気による病気で倒れてしまう。<br />
そのためにも、主人公は給料以外でお金を稼ぐ必要があった。</p>
<p>例えば、入国希望者の「頼む、お金あげるから許可して!」<br />
とか、入国してきた会社の社長の<br />
「もしエンジニアが入国してきたらこの名刺を渡して下さい。<br />
これを見て電話をかけてきた人の数に応じて報酬を支払います」<br />
というお願いを聞いたり。</p>
<p>それ以外にも、仕事仲間の警備員からこんな話を持ちかけられる。<br />
「なあ、実は俺たち警備員はお前が犯罪者を2人捕まえる度に<br />
5クレジットのボーナスが入るんだ。<br />
だから、ただの書類の不備とかじゃない<br />
偽造書類を渡してきたり密輸をしようとする犯罪者を見つけたら<br />
面倒くさがって入国拒否で帰したりせず捕まえてくれよ。<br />
そうしたらボーナスの半分を渡すからさ」<br />
実際には「すまない、妻がインフルエンザで金が必要なんだ」<br />
とか言って約束より少ない金額しか渡してくれないが<br />
本来渡す必要の無い金を少しでもくれるだけでもありがたい。</p>
<p>そして、問題は金銭面だけではない。<br />
主人公が勤める国境検問所は<br />
アルストツカが数年前に戦争でコレチアという国から奪った領土に<br />
建てられたもので、コレチアにとって因縁がある場所なのだ。<br />
そのため、たった1ヶ月の間に何度もテロリストに狙われる。<br />
主人公はそれに対応するために前述の麻酔銃で応戦したり<br />
時には爆弾を解体する事もあった。</p>
<p>テロリストの脅威がアルストツカ全体に広まり<br />
アルストツカ国民にも疑いの目を向けた政府は<br />
『アルストツカ人が入国しようとしてきたら<br />
許可・拒否に関わらずパスポートを没収するように。<br />
一切の例外は無い』<br />
と命令してきた。主人公は日々の生活のため仕方なく従い<br />
何人ものパスポートを没収し、<br />
その日の仕事を終えて自宅に帰ると<br />
自分自身と家族のパスポートを没収されてしまった。<br />
そう、パスポートの没収に一切の例外は無いのだ</p>
<p>そして翌日、テロリストを調査する秘密捜査官が来た。<br />
「近いうち、入国管理官をテロリスト調査する事になった。<br />
君は私が調査しよう。何、恐れる事は無い」<br />
数日後の調査を知った主人公の行動は…</p>
<p><br />
475 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:58:41.76
ID:sGyflw280 [4/6]<br />
(亡命エンド)<br />
それを聞いた主人公は不安になった。<br />
テロリストの手助けをしてしまったかも知れないし、、<br />
まったくの無実でも、疑わしいだけで捕まるかも知れない。<br />
しかし国を出ようにも、パスポートは没収されている。</p>
<p>そう悩みながら仕事をしていると、<br />
ジョルジという見知ったおじさんがこんな事を言ってきた。<br />
「アルストツカ、最近おかしいな。<br />
なあ、オブリスタンという国に来ないか?<br />
寒いけどいい国だよ。ほら、これ見ろよ」<br />
と言って見せてきたのは、なんと書類偽造業者のチラシ。<br />
なんでも、誰の物でもいいから<br />
本物のオブリスタンのパスポートを持ってくれば<br />
依頼者のパスポートとして書き換え<br />
その他の書類も準備してくれるとの事だ。<br />
そしてジョルジは、なんと自分のパスポートを渡してきた。<br />
「このオブリスタンのパスポート、お前にやるよ。<br />
俺は大丈夫だ、今までどおりなんとでもなる。<br />
家族も一緒に亡命するならもっと必要だろうけど、<br />
お前ならなんとかできるだろう。じゃあな」<br />
そう言ってジョルジは去っていった。</p>
<p>さて、オブリスタンのパスポートをもっと手に入れるには<br />
どうしたらいいのだろうか。<br />
…入国してくるオブリスタン人から没収すればいいのだ。<br />
もちろん、そんな事が仕事上認められるはずはないが<br />
勝手にパスポートを没収しても、その罰則はごく軽い。</p>
<p>こうして家族全員分のパスポートと<br />
書類偽造業者へ支払う代金を得た主人公は家族と共に<br />
朝早くに町を抜け出し、国境付近にある業者の元へ向かう。<br />
そして偽造してもらった書類は、酷い出来だがもう後には引けない。<br />
主人公たちは国境へ向かい、オブリスタンの入国審査を受けた。<br />
入国審査官は全員の書類に入国許可のスタンプを押すと<br />
「オブリスタンへようこそ!」<br />
と言って通してくれた。亡命に成功したのだ。</p>
<p>ところで、偽造されたオブリスタンのパスポートを使って<br />
オブリスタンに入国したわけであって、<br />
つまりは書類を信じるのならば自国に戻ってきた事になる。<br />
しかし彼は、まるで外国人が訪れた時のような声をかけてきた。<br />
つまり、偽造されたものと知った上で通してくれたのだろうか?<br />
ともかく、安堵した主人公はこう叫んだ。<br />
「オブリスタン万歳!」</p>
<p><br />
476 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:59:26.20
ID:sGyflw280 [5/6]<br />
(革命エンド)<br />
それを聞いた主人公は強烈な危機感を覚えた。<br />
何しろ主人公は、本当に反政府組織に協力していたのだ。<br />
反政府組織『エジック』は、腐敗したエルストツカを倒し<br />
新しい国を作るために戦っている。<br />
そのエジックから手紙を受け取った主人公は、<br />
ある時は暗号を解読して出てきた名前の人物を無条件で入国させ、<br />
ある時はエジック構成員を暗殺しようとする殺し屋を<br />
パスポートに毒の粉末をつけて毒殺し、<br />
ある時はコレチアとの会合を妨害するべく<br />
会合に来た外交官のパスポートを没収し<br />
外交官に成りすまそうと整形手術を受けた人に渡したりと、<br />
革命のために協力していたのだ。</p>
<p>亡命エンドと同様にジョルジから偽造業者の話を聞いて<br />
オブリスタン人のパスポートを没収していたのだが、<br />
テロリスト調査の前日に<br />
エジック工作員がこんな手紙を渡してきた。<br />
『今日、国境の壁は破壊される。君は安全だ。発砲は控えよ』<br />
これを読んだ主人公はとりあえず仕事をしていると、<br />
いきなりテロリストが突っ込んできて警備員を全滅させ<br />
その中の一人が爆弾を仕掛け、壁を爆破した。<br />
それを見た入国希望者たちは壁の穴に殺到した…<br />
こうなったらもうテロリスト調査どころではないだろう。<br />
主人公は助かったのだ。後日エジックからこんな手紙を受け取る。</p>
<p>『素晴らしい日だ!国境が爆破されて以来<br />
アルストツカの勢力は衰え、エジックはさらに勢いを増した。<br />
さて、君たち一家には今よりも良い待遇を用意してある。<br />
我々には入国管理官ではなく革命のためのエージェントが必要だ。<br />
さあ、我々と共に革命を成功させようではないか!<br />
新アルストツカに栄光あれ!』</p>
<p><br />
477 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:59:55.51
ID:sGyflw280 [6/6]<br />
(忠実エンド)<br />
それを聞いた主人公は、おとなしく調査を受けることにした。<br />
反政府組織なんかに協力していないから<br />
調べてもらえば無実が証明されると信じたのだ。<br />
革命エンド同様にエジックが壁を爆破しようとするのを<br />
主人公は麻酔銃で狙撃して防いだ。<br />
そしてテロリスト調査当日。<br />
調査の様子は描写されないが、<br />
多分色んな話を聞かれて答えたりしたのだろう。<br />
そして調査の最後に、秘密捜査官は言った。<br />
「君の過去20年も含めて色々調べてみた結果<br />
いくつかおかしい所もあったが、問題ないという結論に至った。<br />
君は国家のために尽くしてくれたし、細かい罪は見逃そう。<br />
そうそう、コレチアとの話し合いも上手くまとまったようで、<br />
近いうちにアルストツカは元に戻るようだ。<br />
そうしたら、また入国管理官として働いてくれたまえ。<br />
アルストツカに栄光あれ!」</p>
<p>以上です。レトロなグラフィックに<br />
入国管理官という特別な仕事を題材としたこのゲームは<br />
オンリーワン的な魅力があります。<br />
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。</p>
<p><strong>Papers,Please</strong></p>
<p>part71-472~477</p>
<hr /><p>472 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:57:01.32
ID:sGyflw280 [1/6]</p>
<p>数々の賞を取ったり2018年に実写映画が作られたりした<br />
架空の国の入国管理官として働く大ヒットインディーズゲーム<br />
『Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)』行きます。<br />
私がプレイしたのはsteamで購入したPC版です。<br />
いつも通り端折ったりいい加減な部分もありますがご容赦を。<br />
ちなみにペーパーズプリーズの意味は、入国希望者に最初に言う<br />
「書類を渡してください」という意味です。</p>
<p> </p>
<p>『登場人物』<br />
(主人公)<br />
家族を自分の賃金のみで養う苦労人。<br />
国境検問所に勤める入国管理間として働くようになった。<br />
ゲーム中名前を入力する事も、名前で呼ばれる事もない。<br />
冷徹なまでに厳格な仕事をするか、時には人情を見せるか、<br />
国に尽くすか、国を裏切るか、全てはプレイヤー次第。</p>
<p> </p>
<p>(母・妻・娘・叔父・姪)<br />
主人公の家族たち。主人公は大事に思っているとは思うが<br />
正直言ってゲームシステム上で何かの役に立つことはほぼ無い上に<br />
彼らのために食費等がかかるのでお荷物でしかない。<br />
そのため、とあるゲーム紹介記事の中で<br />
「適度に家族を殺して維持費を減らそう」と書かれる始末。<br />
とはいえ、自分以外の家族が全滅すると<br />
「仕事は養う家族がいる者に優先的に与えられるので君はクビだ」<br />
という事でバッドエンドになるので、ある意味欠かせない。</p>
<p> </p>
<p>(ジョルジ)<br />
憎めない奇妙なおじさん。始めて入国してきた際には<br />
「アルストツカは最高の国だ、だからパスポート必要ないだろ?」<br />
とか言うので問答無用で追い返したのだが、<br />
その後なんと作りのパスポートで入国しようとしてきたり<br />
ようやく必要書類を揃えてきたかと思ったら<br />
薬物を密輸しようとしていたので捕まえると<br />
数日後にまた何事も無かったかのように入国しようとしたりとする。</p>
<p> </p>
<p>『本編』<br />
西暦1982年のある日。共産主義国家アルストツカに住んでいた主人公は、<br />
こんな手紙を受け取った。<br />
「おめでとう、君は勤労抽選に当選した。<br />
速やかに、グレスティンにある国境検問所に向かうように。<br />
君たち一家にはグレスティン8等級の住居が割り当てられる。<br />
アルストツカに栄光あれ!」<br />
勝手に仕事を決められるという共産主義ならではのシステムにより、<br />
いきなり入国管理官という難しそうな仕事をすることになった主人公は<br />
一家で引っ越した。</p>
<p> </p>
<p>473 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:57:48.74
ID:sGyflw280 [2/6]</p>
<p>入国管理官という仕事は特殊な知識や技術は必要ないらしく<br />
いきなり初日から入国希望者を審査する事になる。<br />
ちなみに給料は共産主義には珍しく歩合制。<br />
一人を正確に入国許可もしくは拒否する度に5クレジットの給料が入る。<br />
そんな入国管理官の仕事は、1日目だけは<br />
『今日の所はアルストツカ人だけを入国させるように。<br />
入国しようとする人がアルストツカのパスポートを渡してきたなら<br />
緑の入国許可スタンプを渡して返し、<br />
それ以外の国のパスポートなら赤い入国拒否スタンプを押して返すように』<br />
という子供のお手伝いレベルだった。<br />
だが2日目になると<br />
『今日から外国人でも入国できるようになった。<br />
今日からはパスポートに問題が無いか確認すること』<br />
という内容になり、調べる事が一気に増す。<br />
・性別や顔写真が目の前に居る本人と食い違ってないか<br />
・パスポートに書かれた発行都市が、本当にその国にある発行都市なのか<br />
・パスポートの有効期限は切れていないか<br />
これら全てに問題無ければ入国許可、少しでも問題あれば入国拒否する。<br />
そして4日目になると<br />
『今日からアルストツカ人はIDカードが、<br />
外国人は入国許可証が必要になるので、全て確認すること』<br />
となる。こうなると、以前までの項目に加え、<br />
・パスポートとIDカード又は入国許可証の両方に書いてある<br />
同一の項目(名前・ID番号・誕生日)が同一かどうか<br />
・外国人に直接尋ねた滞在目的・滞在期間と<br />
入国許可証に書かれているそれらと矛盾してないか<br />
まで調べる必要が出てくる。<br />
それ以降も日を追う毎に<br />
『外国から働きに来た労働者は労働許可証が必要となる。』<br />
『テロや密輸を防ぐため、書類の体重の項目より<br />
体重が増えている者はX線検査せよ、<br />
それと今日から外交官は専用の書類が必要なので調査せよ』<br />
『書類に押されるハンコの偽者が出回ったので<br />
偽者のハンコを見破るために手帳にある正式なハンコと見比べよ』<br />
『今日から外国人は身分証明補足書も必要となる』<br />
『日報に指名手配犯の写真が掲載されるので、<br />
入国希望者の中に指名手配犯がいないか注意せよ』<br />
『麻酔銃を支給するので、テロリストが襲撃してきたら撃て』<br />
『理由を言われず入国拒否される事へのクレームが多いので、<br />
今日から書類の不審点を発見したら本人に直接尋ねること。<br />
また、入国拒否する際には入国拒否理由のスタンプも押すように』<br />
『亡命希望者は専用の書類を持っているのでそれも調査せよ』<br />
『伝染病を防ぐため、今日から入国には<br />
ワクチン摂取証明書が必須となる。<br />
3年以内にポリオワクチンが摂取されているか確認せよ』<br />
『今日から外国人は入国証明証と身分証明補足書の代わりに<br />
入境許可証という新しい書類が必要になった』<br />
と、条件がどんどん増えていくのだ。</p>
<p> </p>
<p><br />
474 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:58:23.68
ID:sGyflw280 [3/6]</p>
<p>しかもこれだけ仕事が難しくなっても、<br />
給料は以前と同じ『正確に一人処理する毎に5クレジット』<br />
で変わらない。このままでは家賃・食費・暖房費が払えず<br />
自分や家族が空腹や寒気による病気で倒れてしまう。<br />
そのためにも、主人公は給料以外でお金を稼ぐ必要があった。</p>
<p> </p>
<p>例えば、入国希望者の「頼む、お金あげるから許可して!」<br />
とか、入国してきた会社の社長の<br />
「もしエンジニアが入国してきたらこの名刺を渡して下さい。<br />
これを見て電話をかけてきた人の数に応じて報酬を支払います」<br />
というお願いを聞いたり。</p>
<p> </p>
<p>それ以外にも、仕事仲間の警備員からこんな話を持ちかけられる。<br />
「なあ、実は俺たち警備員はお前が犯罪者を2人捕まえる度に<br />
5クレジットのボーナスが入るんだ。<br />
だから、ただの書類の不備とかじゃない<br />
偽造書類を渡してきたり密輸をしようとする犯罪者を見つけたら<br />
面倒くさがって入国拒否で帰したりせず捕まえてくれよ。<br />
そうしたらボーナスの半分を渡すからさ」<br />
実際には「すまない、妻がインフルエンザで金が必要なんだ」<br />
とか言って約束より少ない金額しか渡してくれないが<br />
本来渡す必要の無い金を少しでもくれるだけでもありがたい。</p>
<p> </p>
<p>そして、問題は金銭面だけではない。<br />
主人公が勤める国境検問所は<br />
アルストツカが数年前に戦争でコレチアという国から奪った領土に<br />
建てられたもので、コレチアにとって因縁がある場所なのだ。<br />
そのため、たった1ヶ月の間に何度もテロリストに狙われる。<br />
主人公はそれに対応するために前述の麻酔銃で応戦したり<br />
時には爆弾を解体する事もあった。</p>
<p> </p>
<p>テロリストの脅威がアルストツカ全体に広まり<br />
アルストツカ国民にも疑いの目を向けた政府は<br />
『アルストツカ人が入国しようとしてきたら<br />
許可・拒否に関わらずパスポートを没収するように。<br />
一切の例外は無い』<br />
と命令してきた。主人公は日々の生活のため仕方なく従い<br />
何人ものパスポートを没収し、<br />
その日の仕事を終えて自宅に帰ると<br />
自分自身と家族のパスポートを没収されてしまった。<br />
そう、パスポートの没収に一切の例外は無いのだ</p>
<p> </p>
<p>そして翌日、テロリストを調査する秘密捜査官が来た。<br />
「近いうち、入国管理官をテロリスト調査する事になった。<br />
君は私が調査しよう。何、恐れる事は無い」<br />
数日後の調査を知った主人公の行動は…</p>
<p> </p>
<p>475 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:58:41.76
ID:sGyflw280 [4/6]</p>
<p>(亡命エンド)<br />
それを聞いた主人公は不安になった。<br />
テロリストの手助けをしてしまったかも知れないし、、<br />
まったくの無実でも、疑わしいだけで捕まるかも知れない。<br />
しかし国を出ようにも、パスポートは没収されている。</p>
<p> </p>
<p>そう悩みながら仕事をしていると、<br />
ジョルジという見知ったおじさんがこんな事を言ってきた。<br />
「アルストツカ、最近おかしいな。<br />
なあ、オブリスタンという国に来ないか?<br />
寒いけどいい国だよ。ほら、これ見ろよ」<br />
と言って見せてきたのは、なんと書類偽造業者のチラシ。<br />
なんでも、誰の物でもいいから<br />
本物のオブリスタンのパスポートを持ってくれば<br />
依頼者のパスポートとして書き換え<br />
その他の書類も準備してくれるとの事だ。<br />
そしてジョルジは、なんと自分のパスポートを渡してきた。<br />
「このオブリスタンのパスポート、お前にやるよ。<br />
俺は大丈夫だ、今までどおりなんとでもなる。<br />
家族も一緒に亡命するならもっと必要だろうけど、<br />
お前ならなんとかできるだろう。じゃあな」<br />
そう言ってジョルジは去っていった。</p>
<p> </p>
<p>さて、オブリスタンのパスポートをもっと手に入れるには<br />
どうしたらいいのだろうか。<br />
…入国してくるオブリスタン人から没収すればいいのだ。<br />
もちろん、そんな事が仕事上認められるはずはないが<br />
勝手にパスポートを没収しても、その罰則はごく軽い。</p>
<p> </p>
<p>こうして家族全員分のパスポートと<br />
書類偽造業者へ支払う代金を得た主人公は家族と共に<br />
朝早くに町を抜け出し、国境付近にある業者の元へ向かう。<br />
そして偽造してもらった書類は、酷い出来だがもう後には引けない。<br />
主人公たちは国境へ向かい、オブリスタンの入国審査を受けた。<br />
入国審査官は全員の書類に入国許可のスタンプを押すと<br />
「オブリスタンへようこそ!」<br />
と言って通してくれた。亡命に成功したのだ。</p>
<p> </p>
<p>ところで、偽造されたオブリスタンのパスポートを使って<br />
オブリスタンに入国したわけであって、<br />
つまりは書類を信じるのならば自国に戻ってきた事になる。<br />
しかし彼は、まるで外国人が訪れた時のような声をかけてきた。<br />
つまり、偽造されたものと知った上で通してくれたのだろうか?<br />
ともかく、安堵した主人公はこう叫んだ。<br />
「オブリスタン万歳!」</p>
<p> </p>
<p><br />
476 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:59:26.20
ID:sGyflw280 [5/6]</p>
<p>(革命エンド)<br />
それを聞いた主人公は強烈な危機感を覚えた。<br />
何しろ主人公は、本当に反政府組織に協力していたのだ。<br />
反政府組織『エジック』は、腐敗したエルストツカを倒し<br />
新しい国を作るために戦っている。<br />
そのエジックから手紙を受け取った主人公は、<br />
ある時は暗号を解読して出てきた名前の人物を無条件で入国させ、<br />
ある時はエジック構成員を暗殺しようとする殺し屋を<br />
パスポートに毒の粉末をつけて毒殺し、<br />
ある時はコレチアとの会合を妨害するべく<br />
会合に来た外交官のパスポートを没収し<br />
外交官に成りすまそうと整形手術を受けた人に渡したりと、<br />
革命のために協力していたのだ。</p>
<p> </p>
<p>亡命エンドと同様にジョルジから偽造業者の話を聞いて<br />
オブリスタン人のパスポートを没収していたのだが、<br />
テロリスト調査の前日に<br />
エジック工作員がこんな手紙を渡してきた。<br />
『今日、国境の壁は破壊される。君は安全だ。発砲は控えよ』<br />
これを読んだ主人公はとりあえず仕事をしていると、<br />
いきなりテロリストが突っ込んできて警備員を全滅させ<br />
その中の一人が爆弾を仕掛け、壁を爆破した。<br />
それを見た入国希望者たちは壁の穴に殺到した…<br />
こうなったらもうテロリスト調査どころではないだろう。<br />
主人公は助かったのだ。後日エジックからこんな手紙を受け取る。</p>
<p> </p>
<p>『素晴らしい日だ!国境が爆破されて以来<br />
アルストツカの勢力は衰え、エジックはさらに勢いを増した。<br />
さて、君たち一家には今よりも良い待遇を用意してある。<br />
我々には入国管理官ではなく革命のためのエージェントが必要だ。<br />
さあ、我々と共に革命を成功させようではないか!<br />
新アルストツカに栄光あれ!』</p>
<p> </p>
<p><br />
477 名前:Papers,Please(ペーパーズ、プリーズ)[sage] 投稿日:2018/07/18(水) 22:59:55.51
ID:sGyflw280 [6/6]</p>
<p>(忠実エンド)<br />
それを聞いた主人公は、おとなしく調査を受けることにした。<br />
反政府組織なんかに協力していないから<br />
調べてもらえば無実が証明されると信じたのだ。<br />
革命エンド同様にエジックが壁を爆破しようとするのを<br />
主人公は麻酔銃で狙撃して防いだ。<br />
そしてテロリスト調査当日。<br />
調査の様子は描写されないが、<br />
多分色んな話を聞かれて答えたりしたのだろう。<br />
そして調査の最後に、秘密捜査官は言った。<br />
「君の過去20年も含めて色々調べてみた結果<br />
いくつかおかしい所もあったが、問題ないという結論に至った。<br />
君は国家のために尽くしてくれたし、細かい罪は見逃そう。<br />
そうそう、コレチアとの話し合いも上手くまとまったようで、<br />
近いうちにアルストツカは元に戻るようだ。<br />
そうしたら、また入国管理官として働いてくれたまえ。<br />
アルストツカに栄光あれ!」</p>
<p> </p>
<p>以上です。レトロなグラフィックに<br />
入国管理官という特別な仕事を題材としたこのゲームは<br />
オンリーワン的な魅力があります。<br />
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。</p>