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バハムート戦記 - (2006/06/13 (火) 23:06:04) の1つ前との変更点
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<br></font></div>
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<basefont size="2">
<table bgcolor="#000000" cellpadding="2" cellspacing="1">
<tbody>
<tr>
<td><font color="#FFFFFF">バハムート戦記<br>
まとめ人(>>4-265</font></td>
</tr>
<tr>
<td bgcolor="#FFFFFF">
<p><b>265 バハムート戦記(OP1) sage 04/03/03 20:35 ID:tp8xC9js</b><br>
遥かな昔、このバハムート大陸が出来て間もないころ、<br>
そこには偉業の者達が、法も秩序も無く暮らしていた。<br>
やがてその中から、強大な暗黒の力を思うままに操る邪悪な一団が生まれた。<br>
大魔王クリムトが率いる悪魔族である。<br>
悪魔達はその後、長きにわたり大陸を邪悪な強権によって支配し続け、<br>
抵抗する者はことごとく滅ぼされた。<br>
しかし、時の流れは、このような一方的悪の支配をいつまでも許してはいなかった。<br>
悪魔族に最後まで抵抗した巨竜ベルフレイムとその一族の討伐に、クリムトが手を焼いていた頃、<br>
その隙をつくように、それまで抑圧されていた善の力が、人間族を中心に広がり始めた。<br>
人々を統率したのは、後に、大陸に平和と安定の時代をもたらしたフォーリア王家の創始者達だった。<br>
彼らは、悪の根源、大魔王クリムトを倒すべく、暗黒魔法に対し、地の精霊魔法を使う聖騎士団を組織し、来るべき戦いの日に備えた。<br>
ベルフレイム達ドラゴン族を葬ったクリムトは、その様な人間の動きを知るやいなや、直ちに全軍を引き連れてこれを潰そうとした。<br>
無数の悪魔を迎え撃つ聖騎士団は、偉大な魔術師であり、また一流の剣士でもある二人の英雄、<br>
レイモンド卿とバルマー卿に指揮され、勇敢に立ち向かった。<br>
そして、幾多の戦いが繰り返され、多くの血が流れた。<br>
いつしか戦況は硬直化し、人々に焦りの色が見えるようになったその時、レイモンドとバルマーは最後の決断を下した。<br>
それは、古来より、暗黒の力の結晶として恐れられ、<br>
レイモンドの善なる白き力によって地下に封じられていた、妖刀ベサルスネーガの復活であった。<br>
ベサルスネーガは相手の精気を吸い取る魔法の剣であるが、それは同時に、使い手の命をも奪ってしまうと言われていた。<br>
しかし、クリムトを倒すにはもはやこれを使うしかないと考えたバルマーが、<br>
反対するレイモンドを説き伏せ、自ら剣を取ってクリムトに決戦を挑んだ。<br>
かくして、壮絶な戦いの末、ついにクリムトは倒れた。<br>
だが、妖刀の暗黒の力を一身に受けたバルマー卿もまた命を落としてしまったのだった。<br>
<br>
<br>
<b>266 バハムート戦記(OP2) sage 04/03/03 20:36 ID:tp8xC9js</b><br>
それから長い年月が過ぎ去った。フォーリア王家はクリムトを滅ぼした後、<br>
フォーリア聖騎士団に治安を守らせ、およそ二千年余り、大陸を平和に治めていた。<br>
ところが、ここに至って、再び、暗黒の力の影がバハムートを脅かした。<br>
一部の魔術師達がフォーリア王家に背き、忘れ去られた暗黒の力を求めて、禁断の暗黒魔法を使ったのだ。<br>
これらの活動はフォーリア聖騎士団による厳しい弾圧を受けたものの、王家の威光はこれを機に少しずつ落ちていった。<br>
それとともに、大陸に満ちていた善なる白き力も衰退し、善と悪のバランスが崩れると、<br>
瞬く間に、邪悪を呼ぶ暗黒の力がバハムートを包み込んだ。<br>
あらゆる天災が大地を襲い、人も土地も荒廃した。後に言う「闇の時代」の到来である。<br>
そして人々が混乱の中で目の当たりにしたものは、遠い昔に滅びた者達の蘇る姿であった。<br>
東の湿原にクリムト、北東の火山にベルフレイム、<br>
さらに、かつてフォーリア聖騎士団が地下に封じ込めた巨人族までも、ガイラムという王を掲げて地上に再び現れた。<br>
けれども、それにもまして忌まわしいのは、フォーリアの王城の下で永遠の眠りについていたあの英雄バルマー卿が、<br>
「闇の時代」がもたらした力により、恐怖のアンデッドとして蘇ったことだった。<br>
これにより王家は崩壊し、大陸の指導者は消え去った。<br>
<br>
そうして、時代は、新たなバハムートの指導者を求め、戦乱の世へと移っていく・・・<br>
<br>
<br>
<b>267 バハムート戦記(キャラ別END1) sage 04/03/03 20:39
ID:tp8xC9js</b><br>
・聖戦士ジーク=フォーリア<br>
バハムートの法と秩序を二千年にわたって守ってきたフォーリア家の若き王。<br>
闇の時代以降父王バーフの後を継ぎ、忠臣レイモンド卿と共に王家復興と大陸の平和を目指して立ち上がった。<br>
幼少より剣士の訓練を受けた彼は、既に聖戦士の称号を持ち、剣の腕はレイモンド卿に勝るとも劣らないという。<br>
また槍の使い手でもある。<br>
<br>
レイモンド卿<br>
バルマー卿が生きていたころからフォーリア王家と関わり、王家の繁栄に貢献してきた。<br>
善なる白き力を極めている彼は、永遠の命を得ていると言われるが、その白き力の正体は知られていない。<br>
<br>
ENDING<br>
聖戦士ジーク=フォーリアは大陸に蘇った混沌たる邪悪をうち滅ぼし、闇の時代は終わりを告げた。<br>
そして崩壊した王国を復興させ、新たなる時代の王として再び秩序ある平和な世界を導いたのである。<br>
<br>
・狂戦士バストラル=バインドアウト<br>
闇の時代の到来前、フォーリア王家に対抗し、蛮人達の帝国が築かれた。<br>
皇帝ボルマンは、その後フォーリアの討伐軍によって倒されたが、落ち延びた残党が密かに皇帝の血を引く子供を連れ出した。<br>
それがバストラルである。<br>
成人後、真実を知った彼は、帝国再建を誓い、闇の時代の混乱に乗じて挙兵。ジークと反目することになる。<br>
<br>
ディーン=レスティア<br>
バストラルの義弟ディーンは、闇の時代到来と同時に、あたかも生まれ変わったかのように頭角をあらわした。<br>
ある意味でバストラル以上の実力を持つ彼だが、何故か義兄の補佐に徹している。<br>
<br>
ENDING<br>
闇の時代に自らの力で帝国を築き上げた狂戦士バストラル=バインドアウトは、<br>
大陸を平定後、ディーンを始めとする魔術師達を討ち滅ぼした。<br>
そして力が時代を支配する時が訪れたのである。<br>
<br>
<br>
<b>268 バハムート戦記(キャラ別END2) sage 04/03/03 20:41
ID:tp8xC9js</b><br>
・エル=モア(エルフロード)<br>
大陸の東の森に古くから住むエルフ族の勇者。<br>
森一番の弓の腕と魔法の力を見込まれて、エルフ元老院の勅命を受けた彼は、<br>
闇の時代の邪悪と混沌に終止符をうつ為、軍勢と共に森を出た。<br>
妹のエル=ウィンは、彼の心の支えであり、他のエルフ達は、エル=モア兄妹が必ず、世界を救ってくれると信じている。<br>
<br>
エル=ウィン(エルフロード)<br>
エルフ族の勇者、エル=モアの妹にして最強の精霊使い。<br>
弓や剣の腕こそ兄エル=モアに一歩譲るものの、<br>
その精霊使いとしての力は大魔術師シェルファに勝るとも劣らない。<br>
<br>
ENDING<br>
闇の時代にエルフの兄妹エル=モアとエル=ウィンは森の軍勢を率いて邪悪を討ち滅ぼし、<br>
大陸を平和に導くことに成功した。<br>
やがてエルフを中心とする秩序ある共和制が取られ新たな時代が始まるのである。<br>
<br>
・大魔術師シェルファ=フレイア<br>
闇の時代と共に、流星のように現れた混沌の女魔術師。<br>
かつてフォーリア王家に背いて弾圧された魔術師達の末裔を率い、大魔術師団を結成。<br>
永遠の魔術王国を創る為戦陣に立ったと言われるが、真相は分からない。<br>
彼女に関しては謎が多く、その氏素性も不明。彼女自身、悪魔の化身ではないかと言う噂もある。<br>
<br>
ENDING<br>
大魔術師シェルファ=フレイアは遂に大陸の覇者となり、女帝として人々をひざまづかせた。<br>
彼女は永遠の命を堪能し、己の意のままに行き、闇の時代が果てることは無かった。<br>
<br>
<br>
<b>269 バハムート戦記(キャラ別END3) sage 04/03/03 20:43
ID:tp8xC9js</b><br>
・ガイラム=グリンダム(巨人族)<br>
巨人族のモットーは「世界の中心は俺達だ」である。<br>
だが、欲の無い彼らは、自分達の領域さえ守られればそれで満足する種族だった。<br>
しかし、巨人族の土地の資源に目をつけたドワーフが、<br>
フォーリア王家を騙して彼らを地下に閉じ込めさせてからは、<br>
ドワーフと人間を憎悪する凶暴な集団へと変化した。<br>
復活した彼らの怒りはもう誰にも止められない。<br>
<br>
ENDING<br>
大陸を制覇したガイラム=グリンダム公は満足であった。<br>
ドワーフに続いて、エルフ、人間どもを滅ぼし、<br>
巨人族だけの世界を確立させ、バハムートの王として君臨したのである。<br>
<br>
・大魔王クリムト<br>
最も古くから大陸に存在する悪魔族の王。強大な暗黒の力を使って、一度は大陸支配に成功したが、<br>
フォーリア王家の英雄バルマー卿によって、葬られた。<br>
しかし、今、大陸に暗黒の力が蘇るとクリムトもまた、<br>
亡霊のように地の底から復活し邪悪な野心の下に殺戮を開始した。<br>
一説では、暗黒の力とクリムトとは同じ起源を持つとも言われているが定かではない。<br>
<br>
ENDING<br>
かつて英雄バルマー卿によって葬られた大魔王クリムトは、<br>
再び大陸の覇権を我が手に掌握し、混沌たる闇の時代を存続させた。<br>
そして、バハムートの復活を夢見るのであった。<br>
<br>
<br>
<b>270 バハムート戦記(キャラ別END4) sage 04/03/03 20:44
ID:tp8xC9js</b><br>
・巨竜ベルフレイム(ドラゴン族)<br>
かつて、大魔王クリムトと対立し、激しい戦いの末に命を落とした、ドラゴン族の女王。<br>
クリムトを呪い、復讐を誓って死んだ彼女の怨念は、<br>
闇の時代の暗黒の力に呼応して、再びその力を天空に示すこととなった。<br>
<br>
ENDING<br>
天空を舞う強大な赤きドラゴン、ベルフレイムにはもう敵はいない。<br>
ベルフレイムは人間達に生贄を捧げさせ、邪悪なドラゴンとして君臨し恐れられ、<br>
混沌たる闇の時代が終わることは無かったのである。<br>
<br>
・バルマー卿(アンデッド)<br>
フォーリア王家の創始者バルマー=フォーリアはクリムトと戦って絶命した後、王家の城の地下で妖刀ベサルスネーガと共に長い眠りについていた。<br>
だが、闇の時代、彼は暗黒の力に操られ恐怖のアンデッドと化して、自らの王家を滅亡に追いこみ、王城を死者の群で埋め尽くした。<br>
死者達の目的を知るものはいない。<br>
<br>
ENDING<br>
かつて大魔王クリムトを葬ったバルマー卿は、皮肉にも闇の時代の力で邪悪なアンデッドとして蘇り、<br>
ついには大陸に生きているものを葬り去り、バハムートの歴史は彼によって闇に閉ざされた。</p>
<b>284 バハムート戦記(真章1) sage 04/03/04 19:17
ID:BFdzzxaI</b><br>
闇の時代の到来とともに崩壊したフォーリア王家。しかし、若き国王ジーク=フォーリアはフォーリア聖騎士団、<br>
そして忠臣レイモンド卿とともに再びこの大陸に平和をもたらすべく立ちあがった。<br>
<br>
大陸の覇権を握ろうとする他勢力と戦いを続ける毎日。そんな最中、レイモンドはジークに対し、<br>
レイモンド単身でアンデッドと化したバルマーを倒しに行きたいと願い出る。<br>
ジークはこれを受け入れ、レイモンドはバルマー討伐の旅に出た。<br>
しばらくして、ジークの下に「バルマー落つ」との知らせが入る。その後、レイモンドが到着し、<br>
バルマーを倒したことを改めてジークに伝え、自らは再び軍師としてジークに仕えるのであった。<br>
<br>
やがて、レイモンド卿は軍師としてではなく、一剣士として前線でジークと共に戦うことを望む。<br>
かつてはバルマー卿と共に大魔王クリムトを倒し、この大陸に平和を呼び込むことに成功した白き善の力の使い手にして、<br>
ジークにとっては剣の師匠でもあるレイモンド。その彼の望みを無碍に断ることも出来ず承諾したジークではあるが、<br>
一方で一抹の不安を捨てきれずにいた。<br>
バルマー討伐から帰還したレイモンドが、理由は不明ながら、明らかに以前より衰弱していることに気付いていたのだ。<br>
<br>
そのジークの不安は不幸にして現実のものとなる。<br>
再びクリムトを葬るべく戦いを挑んだフォーリア聖騎士団。しかし、戦いの最中にレイモンドがクリムトに深手を受けてしまう。<br>
クリムトはジークの手により撃破されたものの、その時には既にレイモンドは虫の息であった。<br>
自らの死を悟ったレイモンドは言う。<br>
「私はもう駄目だ、ジークよ。よいか、バハムートを目覚めさせてはならん。大いなる邪気は奴のハラを満たしてしまう。<br>
最悪のときは、奴の心臓を、この剣ベサルスネーガで貫け。最後に、わしの命をお前に託す。ジーク=フォーリア…」<br>
そして、ジークにかつてバルマーと共にあった妖刀ベサルスネーガを渡すと静かに息を引き取った。<br>
ベサルスネーガ。本来ならば相手の精気を吸い取ると同時に使い手の命をも奪い取ると言われた妖刀。<br>
しかし、ジークの手に握られたその妖刀が彼の命を奪うようなことは何故か無かった。<br>
これ以降、ジークはベサルスネーガと共に、レイモンドの遺志を継ぐべく戦いを続けることになる。<br>
<br>
<br>
<b>285 バハムート戦記(真章2) sage 04/03/04 19:19
ID:BFdzzxaI</b><br>
数ヶ月後、ジークとフォーリア聖騎士団の活躍により、バハムート大陸は統一寸前の状態にあった。<br>
しかし、彼らの前には狂戦士バストラル=バインドアウト率いる蛮人の帝国軍が立ちはだかる。<br>
そして決戦の時が来た。ジークはバストラルに対し一騎討ちを申し込む。バストラルはこれを承諾し、<br>
二人は互いの軍勢が、そしてバストラルの義弟にして蛮人帝国の軍師ディーンが見守る中、戦い始める。<br>
バストラルは決して騎士の礼などというものにこだわってジークの申し出を受けたわけではなかった。<br>
彼には一騎討ちならば絶対に勝てるという自信があってのことだった。彼の自信を裏付けるもの、<br>
それは彼の手にする伝説の戦斧、ウインドバーグにあった。<br>
バストラルがかの戦斧を手にして以来、彼は常勝無敗を誇っていたのだ。<br>
<br>
しかし、バストラルの余裕はやがて焦りに変わる。<br>
今まで無類の強さを見せ付けていたウインドバーグの力が、ジークの持つ剣には通用しない。<br>
その焦りをジークに付けこまれ、徐々に追いこまれていくバストラル。<br>
「わが弟ディーンよ、助けてくれ!」<br>
バストラルの声に反応し、魔法の呪文を唱え始めるディーン。<br>
これを見たフォーリア聖騎士団は憤慨し、ジークを守るべく突撃を開始する。<br>
しかし、これに呼応して蛮人帝国軍も進撃を開始した。戦場に怒りが、憎悪が、狂気が満ちはじめた。<br>
<br>
この様子を見たジークの脳裏に、レイモンドの遺言が蘇った。<br>
『バハムートを目覚めさせてはならん。大いなる邪気は奴のハラを満たしてしまう』<br>
バハムートの目覚め、それが如何なる事象を指すのかは分からなかったが、<br>
この状況はまさしくレイモンドが危惧していたものだということは理解できた。<br>
「いかん、争ってはいかん!!」<br>
しかし、ジークの言葉は遅きに失した。<br>
「時、既に満ち足り」<br>
ディーンの言葉と共に閃光が、衝撃が戦場を走った。<br>
そして、閃光が薄らいだあとのジークの目に映ったものは、バストラルとディーンの二人だけであった。<br>
<br>
<br>
<b>286 バハムート戦記(真章3) sage 04/03/04 19:20
ID:BFdzzxaI</b><br>
あれだけの軍勢が一瞬にして何処に?状況が理解できないジーク。しかし、それはバストラルも同様であった。<br>
「オレ様の軍隊はどこだ?ディーンよ、何をした!」<br>
バストラルの詰問に対し、ディーンは淡々と驚愕の事実を述べる。<br>
自分はバストラルの義弟ディーンなどではないこと、本当のディーンは既に自ら葬り去ったことを。<br>
自らの義弟を殺された恨み、そして今まで自らを欺いた怒りから、バストラルはディーンに突進、ウインドバーグを振りかざす。<br>
しかし、いざディーンに戦斧を振り下ろそうとしたその瞬間、バストラルは忽然と姿を消した。後にウインドバーグのみを残して。<br>
「ようやくバハムートが目覚め始めたか…。バーサーカーとは良く言ったものよ。<br>
バストラルも所詮はただの気の荒い人間であったか。なあ、ジークよ。」<br>
「バハムートの目覚めがそんなにうれしいか?レイモンドさえ警告したことを。<br>
貴様は一体何者だ。バハムートの目覚めとは?答えろ、ディーン!」<br>
「レイモンドが惚れこんだ割には感情的だな、ジークよ。わたしは人間でも悪魔でもない。<br>
神だ。ディーンというのも本当の名ではない。<br>
本当の名は別にある。もっともお前に名乗るほどでも無いがな」<br>
神。この世界には、神が地上に現れたとき、世界が終わるという伝説がある。しかも、神には如何なる攻撃も通用しないと。<br>
<br>
ただ1人この平原に残ったジークに対し、ディーンは語り始める。<br>
かつて最高の神が世界の終わりに備え、清き心の人間のために食料を確保する手段とすべく生み出されたバハムート。<br>
かの存在は巨大過ぎるため、神の世界には置いておけない。<br>
さらに、バハムートはエネルギー源としてオーラを、それも勢いのある負のオーラを欲する。<br>
そこで、負のオーラの供給源として、バハムートの背にありとあらゆる生き物を生み出し、<br>
争いを起こさせることでバハムートを餓えさせないようにした。<br>
当然バハムートに負のオーラを与えなければ衰弱しやがては死に至るが、<br>
反面オーラを与えすぎれば暴れ出して手におえなくなる。<br>
実際バハムートはクリムトという存在を自ら生み出し、戦争を起こし負のオーラを供給するよう目論んだ。<br>
<br>
やがて、世界の終わりが近づいたため、ディーンは黄金のドラゴンに乗り、<br>
充分に育ったバハムートを最高神に引き渡すべくこの地にやってきた。<br>
ところが、ディーンと同じく神であり、バハムートを暴れさせぬよう管理すべく遣わされたはずのレイモンドは、<br>
ここの人間と親しむうちに、この地に生まれた人間こそが心清き人間だとして、<br>
彼らを守るために平和な世界を作り出すことでバハムートを餓死させようとしていた。<br>
故にディーンは各地に邪悪を呼び起こし、戦乱を起こしバハムートを再び目覚めさせるべく働きかけたのだ。<br>
<br>
<br>
<b>287 バハムート戦記(真章4) sage 04/03/04 19:22
ID:BFdzzxaI</b><br>
「私は闇の時代を巻き起こし、人間を堕落させ、脅威と殺戮を起こすことに、見事成功した。<br>
クリムトやベルフレイムを復活させ、更にはレイモンドの親友であったバルマーを邪悪なアンデッドとして復活させた。<br>
そして、バハムートは見事に目覚め始めたのだ。」<br>
「バハムートとはもしや…」<br>
「その通りよ。バハムートとはこの大陸そのもの。お前達は奴の背の上で歴史をかたどっていたのよ。<br>
そしてバハムートの目覚めと共にお前達の歴史は幕を閉じる。バストラルのようにどんどん消えていくのだ。<br>
だが、レイモンドの心を受け継ぎ、人間から神になったお前は除いてだが」<br>
<br>
そして、レイモンドの力を受け継ぎ神となったジークに対し、自らとともにバハムートを最高神の手に引き渡すよう要求する。<br>
しかし、ジークはレイモンドの遺志、そして自らの意思によりこれを拒絶し、ベサルスネーガをディーンに向ける。<br>
「なるほど、ベサルスネーガを持っているのか。バハムートの心臓を打ち砕き、神すらも切り裂く恐るべき剣。<br>
普通の人間が持てばオーラを奪われ死んでしまうが、レイモンドの力を受け継ぎ神となったお前には関係無いか。<br>
神々の武器を持ったものに神の技は通用しない。先の光でお前とバストラルが生き残ったのはそのためだ。<br>
面倒だが直接倒すしかない」<br>
<br>
ディーンは魔術師姿から一転、黄金の甲冑に身を包み、剣をジークに向ける。<br>
「元は人間であった神などが、生粋の神たる私に敵うと思うのか?」<br>
既にバストラルとの戦いで疲労の極地であったジークは、それでもディーンの猛攻になおしばらくは耐えぬいた。<br>
しかし、もはやジークに勝ち目は無いように思われた。<br>
勝利を確信したディーンに対し、うち捨ててあったウインドバーグを掴み背後から急襲する人影が!<br>
「貴様、何故生きている。死んだはずではなかったか、バルマー!」<br>
<br>
呪われしアンデッドの姿などではなく、生ある人間の姿でディーンと対峙したバルマー卿は語る。<br>
「レイモンド殿はこの日を予見していた。<br>
クリムト掃討戦のとき、クリムトを葬った私に全てを打ち明けられたレイモンド殿は、<br>
我が魂を邪悪から守るため、私をクリムトと相討ちしたことにして、我が魂をベサルスネーガに封印した。<br>
闇の時代の到来によりアンデッドにされたあと、レイモンド殿は剣より我が魂を解放し、<br>
あろうことか、私を復活させるために自らの力の半分を使い切ってしまったのだ。<br>
そして、完全に回復するまで、精霊の協力で大地の奥で眠っていたのだ。」<br>
<br>
<br>
<b>288 バハムート戦記(真章5) sage 04/03/04 19:24
ID:BFdzzxaI</b><br>
「レイモンド殿は最後に、ジークと言う若者を助けてくれ、彼は私の子孫だと教えてくれた。<br>
精霊の知らせで彼がクリムトに倒されたのを聞いて涙が止まらなかったよ。<br>
私のために力を使うようなことをしなければ、クリムト如きに遅れを取ることなど無かったものを。<br>
わたしのせいで死んだレイモンド殿のためにもお前を倒す!」<br>
<br>
そういうと、バルマーはウインドバーグを携えディーンに立ち向かう。<br>
「たかが人間がそんな玩具で私に敵うと思っているのか?」<br>
「そんなことは百も承知の上!」<br>
ウインドバーグを振りかざしディーンに突進するバルマー卿だが、<br>
たやすくかわされると同時にディーンの剣が彼の胸を貫く。<br>
しかし、そのまま彼はディーンを押さえ込んだ。<br>
「ジークよ、今だ、ディーンを叩ききれ!我が命尽きる前に・・・」<br>
「は、離せ、この野郎、離さんか!」<br>
ジークは勢い良くディーンに突進し、奴の心臓を貫いた。鮮血とともに断末魔を上げるディーン。<br>
やがて、彼の姿は消え去り、あとにはジークとバルマー卿のみが残った。<br>
<br>
急いでバルマー卿に回復の魔法をかけるジーク。しかし、バルマー卿の命脈は既に尽きていた。<br>
「良くやってくれた。誇り高い我が子孫よ。後のことは頼んだぞ・・・」<br>
「我が先祖よ、私は貴方のような素晴らしい英雄の血を受け継いだことを誇りに思います。」<br>
バルマー卿はもう一度満足げに笑みを浮かべると、静かに目を閉じ消えていった。<br>
その場に佇み、悲しみの涙を流すジーク。<br>
しばらくして後、全てに決着をつけるべく、歩み始めた。<br>
<br>
<br>
<br>
<b>289 バハムート戦記(真章6) sage 04/03/04 19:26
ID:BFdzzxaI</b><br>
バハムートの中心が眠る神殿。<br>
その最深部にあるバハムートの心臓の前にジークはいた。<br>
父王バーフの面影、レイモンドとの厳しい修行、愛する人との出会い、<br>
邪悪との戦いの日々、そして愛する者、信頼するものを失う悲しみ、<br>
様々な思いを胸に秘め、この戦いに終止符を打つべくベサルスネーガを心臓に向けるジーク。<br>
<br>
しかし、今まさに心臓を貫こうとしたその瞬間、目の前に黄金のドラゴンが立ちふさがるように舞い降りた。<br>
瞬間ディーンの言葉を思い出す。<br>
『私は黄金のドラゴンに乗りこの地に降り立った』<br>
剣をドラゴンに向けるジークに対し、ドラゴンは静かに語りかけた。<br>
「私は確かにディーンとともにこの地にやってきた。しかし、私の目的は彼とは違う。<br>
私は最高神の密命を受けここに来た。ジークよ、貴方に全てを話そう。」<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
その後、何が語られたかは誰も知らない。<br>
やがて、バハムートを葬るべく、孤空の彼方より神々の軍団が現れた。<br>
その前に、蒼き鎧をまとい、黄金のドラゴンに跨ったジークがただ1人立ちはだかったという。<br>
<br>
FIN<br></td>
</tr>
</tbody>
</table>
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