ぼくのなつやすみ

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ぼくのなつやすみ - (2010/08/17 (火) 09:27:59) の1つ前との変更点

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<p><b>ぼくのやつやすみ</b><br> &gt;&gt;7-161~165、&gt;&gt;9-224~228・459~465</p> <hr> 161 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:06 ID:ysaQlHZ/<br> ボク:好奇心旺盛な小学3年生。 <p>空野家の人々<br> おじさん:都会から引っ越してきた陶芸家。<br> おばちゃん:ボクの父親の妹。若い頃は都会でカメラマンの助手をしていた。<br> 萌:高校受験を控えた中学3年生。思春期で色々悩みを抱えている。<br> 詩:小学2年生。マセガキ。</p> <p>悪ガキたち<br> ガッツ:秘密基地仲間のリーダー。小学5年生。兄貴肌。<br> ファット:でぶ。小学4年生。萌が好き。<br> メガネ:小学2年生。詩にいじめられている。</p> <br> <p>162 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:09 ID:ysaQlHZ/<br> あれは、とてもとても暑い夏の日のことだった。<br> あの日の暑さはまるで、地上の全ての営みが絡まり<br> こんがらがって、手に負えなくなったやけくそな神様が<br> この世のどこかにいて、何もかも熱の中に溶かし<br> 子供のような無邪気さで次なる世界への夢を描いている<br> そんな目眩のするような、不思議な暑さだった…<br> あの日は、弟が生まれた年の8月の最初の日で<br> 当時9歳になったばかりの私は<br> その日から夏休みが終わるまでの間<br> 臨月を迎えた母親の負担を減らすために<br> 北関東の田舎町に住むおじのところに預けられることになった。<br> そのとき私は、入道雲が8月の強い日差しを浴びて沸き立ち<br> きらきらと白く輝いている様がなんだか嬉しくて<br> 父親が驚かない程度にほんの少し、車窓から身を乗り出した。<br> 「この夏はボクに<br>     いったいどんな思い出を<br>            残してくれるんだろう…」<br> 私が車のシートに身を沈め、ちょっとだけ深呼吸すると、<br> まるで、頭の真ん中で、光の点がチカチカと明滅したような…<br> 不思議な感じがした。</p> <br> <p>163 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:12 ID:ysaQlHZ/<br> 8月1日<br> おじちゃんの家に着いたボク。お互いの自己紹介も済み、部屋に案内された。<br> 夕飯までの間、暇なので家の中や庭を散歩することにした。<br> でも、今日はもう遅いから、山の中に入ってはいけないらしい。<br> おじちゃんちの決まりみたいだ。<br> 庭に出ると詩が一人で遊んでいた。話しかけてみたものの、<br> 何故か少し怒ってるみたい。<br> 晩ご飯の時間になったら、おじちゃんが迎えに来てくれた。<br> 今日はカレーライスだった。<br> 晩ご飯の後、おじちゃんが昆虫採集セットをくれた。<br> おじちゃんの子供のおさがりらしい。<br> 明日がとても楽しみだ。<br> 今日はもう遅いので絵日記を描いて寝た。</p> <p> 「こうして、あの夏休みの最初の一日が終わったのだった。」</p> <br> <p>164 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:14 ID:ysaQlHZ/<br> 8月2日<br> 朝はラジオ体操の音楽で目が覚めた。<br> 朝ご飯のとき、朝顔の水やり当番に任命されてしまった。<br> 今日は辺りを探検することにした。<br> 家をでて森のほうへ向かうと、途中道が2つに分かれていた。<br> とりあえず左に曲がってみた。<br> この道がどうやら森への道らしい。<br> しかし、大きな蜂の巣があって怖いので引き返すことにした。<br> 今度は分かれ道を右に曲がってみた。<br> 途中高速道路の下に秘密基地のようなものを見つけた。<br> 先に進むと、大きな池がありその先には川が流れていた。<br> しかし橋が落ちていて先に進めないので家に戻ることにした。<br> 川岸に生えている樹を切り落とせば橋が作れそうだ。</p> <p> 晩ご飯のときに、おじちゃんがスイカ泥棒の話をしていた。<br> おじちゃんの作っているスイカがよく盗まれるらしい。<br> でも、おじちゃんも小さい頃は味瓜っていう小さいスイカを<br> 盗んでいたらしいし、どっちも犯罪だ…<br> 今日の晩ご飯はハンバーグだった。</p> <br> <p>165 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:18 ID:ysaQlHZ/<br> 8月3日<br> 朝、おじちゃんが納屋に釣竿があることを教えてくれた。<br> 今日は遊びに行く前におばちゃんの手伝いをした。<br> とうもろこし畑で片っ端からとうもろこしをもいで、籠に入れた。<br> 収穫したとうもろこしは明日のお昼に茹でてくれるらしい。<br> 手伝いが終わったあとは遊びに出かけた。<br> 森への道にある蜂の巣を、もらった釣竿でつついてみた。<br> あと何回かつつけば落ちそうだけど、蜂が出てきて怖いので<br> 今日はここまでにしておく。</p> <p> 晩ご飯のときに、おじちゃんがホタルの話をしてくれた。<br> 近くの雪乃川にはホタルがいるらしい。<br> でも、夜道は危ないからってことで、見に行くのは禁止された。<br> 今日はトンカツだった。<br> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんが縁側でクラリネットを吹いていた。<br> 最近習い始めたんだって。秋の文化祭で2人で発表するらしいんだけど<br> まだまだヘタクソ。</p> <p><br> 224 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:01 ID:YF727naO<br> 8月4日<br> 今日は詩が色んな場所を案内してくれた。<br> 分かれ道にあるお地蔵様は占い地蔵というらしい。<br> 頭を叩いて占うんだって。でも、ばちが当たりそうだなぁ…<br> ひまわりの前でおばちゃんに写真を撮ってもらった。<br> 橋が落ちててそれ以上は進めなかったから今日はこれで解散した。<br> 帰り道、スイカ畑でスイカ泥棒を発見。<br> もう少しで見つかるところだったけど<br> ちょうど聞こえた鳴き声のおかげでなんとか助かった。<br> あの悲しそうな鳴き声はなんだったんだろう…犬かな?<br> 晩ご飯の後におばちゃんがかき氷を作ってくれた。</p> <p>8月5日<br> 朝、例の秘密基地に行ったら昨日のスイカ泥棒がいた。<br> 泥棒のことを秘密にする代わりに仲間に入れてくれた。<br> ガッツっていうんだって。<br> 晩ご飯のあと、おじちゃんが麓の鷺の里村の集会に出かけたから、<br> こっそり家を抜け出してホタルを見に行った。<br> 蛍を見るのは初めてだったからすごくドキドキだった。<br> 黄色いホタルがたくさん飛んでた。キレイだったな。</p> <p><br> 225 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:08 ID:YF727naO<br> 8月6日<br> 今日は寝坊しちゃった。昨日夜更かししたからかなぁ。<br> 昨日ホタル沢に行ったことがおばちゃんにばれちゃった。なんでだろう?<br> 理由を聞いたら、虫かごの中を見ればわかるって。…ん??<br> ついに蜂の巣を遂に落とした。これで森まで行けるようになった。<br> 秘密基地に行ったら、ガッツがファットとメガネを紹介してくれた。<br> 普段は虫相撲をして遊んでるらしい。<br> 晩ご飯のあと、おじちゃんたちにカブトムシ捕り方を教えてもらった。<br> 台所で早速砂糖水を作ってみた。これでムシムシ大量ゲットだ!</p> <p>8月7日<br> 森の花畑で萌姉ちゃんを発見。スペシャルな押し花を作るんだって。<br> せっかくだから花摘みを手伝ってみた。<br> 萌姉ちゃんとあんなに話したのは初めてだ。<br> 手伝いが終わったあと、森の中でクヌギの木を見つけた。<br> 昨日作った砂糖水を塗っておいた。明日が楽しみだ。<br> そのあと、クヌギの木の近くに丘を見つけた。<br> 思いっきり辺りを見渡せて気持ちよかったな。</p> <br> <p>226 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:15 ID:YF727naO<br> 8月8日<br> 昨日見つけた丘のことを話したらおじちゃんが<br> 凧を作ってくれることになった。<br> 朝ご飯のあと、おじちゃんが薪割りをしてた。<br> 新しい斧を使うから古くなった斧はいらないんだって。<br> せっかくだからあとでこっそりもらっておいた。<br> これで木を切って橋を作ろう。<br> 今日から萌姉ちゃんの部屋に入れてもらえるようになった。<br> ぼくが部屋に入ったときは勉強中だった。<br> 萌姉ちゃんは英語が嫌いなんだって。<br> 先生ががんばりすぎちゃうかららしい。<br> 夜、萌姉ちゃんがクラリネットを吹いてた。少しだけ上手になったかな?<br> 寝る前にぼくの部屋の窓から花火が見えた。</p> <p>8月9日<br> 昨日は麓の村で花火大会があったんだって。<br> この家のお兄ちゃんも花火が好きだったらしい。<br> 木を切りに行く途中、月夜野池で大きな魚を見た。<br> ボクにもあの魚が釣れるのかな?<br> 何か材料があればおじちゃんが大きな毛バリを作ってくれるって。<br> ケン坊には悪いけど、少々毛をもらうことにしよう。</p> <p><br> 227 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:18 ID:YF727naO<br> 8月10日<br> 萌姉ちゃんは大事な大事なものを熱烈執筆中なんだって。<br> 何回も書き直してるみたいだけど、なにを書いてるんだろう…?</p> <p>8月11日<br> 明日はお兄ちゃんの命日だからお坊さんが来るらしい。<br> 朝ご飯のあと、萌姉ちゃんが麓の鷺の郷に手紙を出しに行ったみたい。<br> 昨日の手紙は上手く書けたのかな?<br> おばちゃんはなにか知ってるみたいだけど…<br> やっと朝がおが咲いた。おばちゃんに知らせたら<br> あとで写真を撮ってくれるって。<br> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんが買ってきた花火をした。<br> みんなで浴衣を着て楽しかったな。</p> <p>8月12日<br> 朝ご飯のあと、お坊さんが来た。なんか変なお坊さんだったな。<br> ここのお兄ちゃんは3年前に死んじゃったんだって。<br> ボクは病気でお葬式には出られなかったみたい。<br> 丘に凧をあげに行ったら空に人工衛星が飛んでるのが見えた。</p> <p><br> 228 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:23 ID:YF727naO<br> 8月13日<br> 今日やっと木を切り終わった。丸太橋を渡って森に入ったら<br> 変な動物みたいなのが光ってた。<br> 瞬きしたら消えちゃったけど、あれはなんだったのかな?<br> 晩ご飯のあと、詩が雲の話をしだした。<br> 明日二人で風の岬へ最新型の雲を探しに行くことになっちゃった。</p> <p>8月14日<br> 朝ご飯のあと、詩と風の岬へ行った。途中ひまわりがたくさん咲いてた。<br> ここのお兄ちゃんはひまわり好きだったんだって。<br> ボクもひまわり大好きだけどね。<br> 海岸の先の坂を上がってようやく風の岬に到着。ずいぶん遠かったな。<br> 気持ちよくてつい居眠りしちゃった。<br> お母さんに似た雲を見つけてちょっとだけお母さんに会いたくなった。</p> <p>8月15日<br> ぼくのなつやすみも残り半分になった。<br> 今日はおじちゃんたちはお兄ちゃんのお墓参りに行った。<br> ボクは一人でおるすばん。<br> 暇だから風の岬まで行ったら、海岸で変な石ころを見つけてしまった。<br> 晩ご飯のあとにおじちゃんに聞いたら<br> クジラの耳の骨だって教えてくれた。<br> クジラの耳の骨は他の骨とつながってないから<br> 耳の骨だけ海岸に打ち上げられることがあるんだって。</p> <br> <p>459 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:45 ID:fpfCjZAH<br> 8月16日<br> 朝おじちゃんが木にブランコを吊るしてくれた。<br> ブランコで遊んだ後に秘密基地に行って虫相撲をした。<br> やっとのことで虫相撲でガッツの100勝カブトムシに勝てた。やった!</p> <p>8月17日<br> 朝、おおかみむすめの話を聞いた。毎年、夏の間山にこもっていて<br> おじちゃんちにお風呂を借りにくるらしい。<br> 今年は龍神池の辺りにテントを張ってるんだって。<br> おばちゃんに狼娘のことを聞いたら、<br> 育ちのいい好青年みたいな美人のお姉さんだって…おかま?<br> 龍神池に行ったら途中でへんてこりんな機械が置いてあった…??<br> 萌姉ちゃんが何かを待ってるみたいだけど一体なんだろう?</p> <p>8月18日<br> 朝ご飯の後、郵便が届いた。萌姉ちゃんが慌てて取りに行った。<br> 後で萌姉ちゃんの部屋に行ったらすごく元気がなさそうだった。<br> どうしたのかな?おばちゃんに聞いたら、女の人はデリケートなんだって。<br> あの変な装置のところに行ったら、変なお姉さんがいた。<br> この変な機械でニホンオオカミを撮るんだって。<br> どうやらこのお姉さんが狼娘だったみたい。</p> <p><br> 460 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:49 ID:fpfCjZAH<br> 8月19日<br> 朝ご飯に萌姉ちゃんがいなかった。具合が悪いのかな?<br> 水をあげようとしたら、朝顔が枯れていた。ちょっと寂しい。<br> 秘密基地に行ったらガッツが秘密兵器を投入してきた。<br> カマキリは反則だと思うなぁ…なんとか勝ってボクも正式に仲間入り。<br> てっぺん山への秘密の抜け道を教えてくれた。<br> 萌姉ちゃんは晩ご飯もあまり食べる気がしなかったみたい。<br> おじちゃんは萌姉ちゃんは思春期だって言ってた。</p> <p>8月20日<br> 朝ご飯のあと、おじちゃんとおばちゃん、萌姉ちゃんが複雑な話をしてた。<br> 萌姉ちゃんは高校も大学も行かないつもりで<br> とにかくやる気がないらしい。ボクにはよくわかんなかったけど。<br> 森に行く途中でまた変なのに遭遇。<br> びっくりして砂糖水を落としたら、砂糖水をなめだした。<br> 甘いの好きなのかな?<br> 晩ご飯のあと、狼娘がお風呂を借りにきた。<br> おじちゃんもなんだか悩んでるみたい。<br> おじちゃんが30歳を過ぎるまでは両親は完璧に近い人だったけど<br> 今度はおじちゃんがが親をやる番になったら<br> 15歳の萌姉ちゃんに負けちゃったんだって。<br> ボクにはよく意味がわからなかったけど。</p> <p>8月21日<br> 朝ご飯のあと、秘密基地に行ったら爆竹が置いてあった。<br> 誰もいなかったからこっそりもらっておいた。<br> 龍神池に行ったらトンボがたくさん飛んでた。<br> 狼娘が小さいころの話をしてくれた。<br> 狼娘は昔この麓の町に住んでいて<br> 今のボクよりも小さいときにこの辺りに<br> 家族でハイキングに来たことがあって<br> いつの間にか迷子になって泣いていたら、突然鳴き声が聞こえた。<br> 怖くなって逃げ出したら、いつの間にか山道に出ていて<br> 気がつくと探しにきた青年団の人に保護されていた。<br> そのときの鳴き声がニホンオオカミだった。<br> だから狼娘を助けてくれたニホンオオカミを探してるんだって。<br> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんにお風呂に誘われた。<br> お姉ちゃん失恋しちゃったんだって。<br> なんだかドキドキしてのぼせちゃった。</p> <br> <p>461 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:53 ID:fpfCjZAH<br> 8月22日<br> 今日はおじちゃんとおばちゃんの結婚記念日だった。<br> おばちゃんは忘れてたみたいだけど。<br> 家を出て森に向かう途中ヘビに遭遇した。<br> びっくりしてたら、おじちゃんが来て追い払ってくれた。<br> そのあと狼娘のところへ行ったらヘビのことでからかわれた。<br> 正直に怖かったって答えたら、<br> ちょっとぐらい怖がりなほうが魅力的だって言ってキスしてくれた。<br> 晩ご飯はすしだった。デラックス!<br> 萌姉ちゃんと詩にプレゼントをもらって二人とも嬉しそうだった。<br> 一生の宝物にするって。萌姉ちゃんが学校の教頭先生が<br> 戦争中に自分の大事な宝物を裏山に隠したらしいって話をしてくれた。</p> <p>8月23日<br> 狼娘に会いに行ったらボクの写真をくれた。<br> 写真のお礼に、なんとかあのお化けを狼娘の機械の前に<br> あのお化けを誘いだせないかなぁ?<br> 池の滝の裏に洞窟を発見。中にはカゴに入った本が置いてあった。<br> 本は変な文字で書いてあって読めなかった。<br> う~ん、あなあなぼぼん?<br> 大事なものかもしれないから、一応持って帰った。<br> 家に帰る途中、機会の前に砂糖水を置いておいた。<br> これで来るかな?へんてこお化け。<br> 帰って萌姉ちゃんにあなあなぼぼんを見せたら<br> 英語の辞書と手紙だって教えてくれた。<br> 宇宙人の本じゃなかったのかぁ…手紙は晩ご飯までに訳してくれるって。<br> 「春、大河の流れ 咲き誇る花々の香り…<br>  今、マークトウェインの冒険小説で読んだ夢の国アメリカと<br>  私の生まれた国…この愛すべき祖国、日本は戦争をしています<br>  トムソーヤ ハックルベリーフィン<br>  彼らが遊んだ野山に咲いている風を、日差しを…<br>  私はいつか自分の肌で感じてみたかった…<br>  今日まで、密かに、そしてひたむきに<br>  彼らの言葉を学んできた私ですが…<br>  それも、そろそろ限界のようです<br>  英語の辞書もここに隠さなければいけなくなりました<br>  もし、この戦争が終わってまだ、私が生のびていたならば<br>  今の、清水のようなこの無垢の志しを…<br>  そして、春の到来を告げる南風のような高揚感を…<br>  未来の自分へ伝えたいと思います<br>                   昭和十七年、春… 」<br> この手紙を読んで萌姉ちゃんは元気になったみたい。<br> 明日から頑張るんだって。</p> <p><br> 462 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:57 ID:fpfCjZAH<br> 8月24日<br> 暇だったのでアリの巣に爆竹を仕掛けて爆破してみた。<br> そのあと、月夜野池でぬしと対決。<br> なんとか釣り上げた。<br> 晩ご飯のあと萌姉ちゃんと話した。<br> 高校へ行くとここを離れなきゃいけないから寂しいんだって。<br> でも卒業したら絶対帰ってくるって。<br> 明日おじちゃんが登り窯に火を入れるらしい。</p> <p>8月25日<br> 朝ご飯のあと、おじちゃんが<br> 今年の夏はいつかまたなにかのきっかけでいきなり思い出しそうな<br> なんともいえない印象的な夏だったって言ってた。<br> そういえばここに来てからまだ一度も雨が降ってないなぁ。<br> 夕方、おじちゃんが窯に火を入れた。<br> 徹夜の作業になるんだって。大変そう。<br> 今日も晩ご飯のあと萌姉ちゃんと話した。<br> 今年の夏が楽しかったからずっと中学生のままでいたかったんだって。<br> 来年じゃ駄目なの?って聞いたら今年の夏は今年だけだって。<br> これをモラトリアム?って呼ぶんだって。<br> ボクには全然意味が分からないや。</p> <p>8月26日<br> 朝ご飯のあと、狼娘が来た。<br> ニホンオオカミの写真が撮れたんだって。やったね!<br> あとで狼娘に会いに行ったら、なんだかあんまり嬉しくないみたい。<br> なぜでしょう?<br> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんと20年後の話をした。<br> きっと月に人が住んだり、車が空を飛んだりしてるんだろうな。</p> <br> <p>463 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:59 ID:fpfCjZAH<br> 8月27日<br> 狼娘は明日山を降りるらしい。全然寂しくなんてないし。<br> 高速道路の下を通ったとき、突然雨が降り出した。すぐやんだけど<br> ここへ来てから初めての雨。<br> てっぺん山へ向かう途中の神代杉に耳を当てたら水が流れる音がした。<br> 晩ご飯のあと、焼きあがった陶器を見に行った。おじちゃんごくろうさま。</p> <p>8月28日<br> 龍神池に行くともうテントはなくて、ボク宛の書置きが残してあった。<br> なんだか食欲がなくて晩ご飯が食べれなかった。どうやら熱があるみたい。<br> なんだかホヘホヘって感じ。おばちゃんが看病してくれた。<br> おばちゃんちにいた男の子はとっても幸せだったんじゃないかな。<br> ボクはそのこの代わりできるかな…?<br> おばちゃんに聞いたらボクはボクだって。</p> <p>8月29日<br> 朝ご飯のあと、おばちゃんが朝顔の写真をくれた。<br> そしたら詩が、ボクの一番好きな花はひまわりだからねって。<br> 秘密基地へ行ったらみんながボクを励ましてくれた。<br> みんなとはなんだか前からずっと一緒にいるみたいな感じだけど<br> ボクは明後日には帰るんだよなぁ。<br> 晩ご飯のあと、お父さんから電話がかかってきた。<br> 男の子だって。今日からボクもお兄ちゃんだ。<br> おじちゃんに早く帰って赤ちゃんの顔見たいでしょ?って聞かれたけど<br> う~んそうでもないや…</p> <p><br> 464 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 09:07 ID:fpfCjZAH<br> 8月30日<br> 朝ご飯のあと、詩がいなくなった。<br> おじちゃんたちも探し回っていたけど見つからない。<br> ひょっとして、と思ってひまわり畑に行ってみたらやっぱり詩がいた。<br> みんな心配して探してるのに何してるんだか。<br> 晩ご飯の前に詩が帰ってきた。<br> どうやらボクにひまわりを渡すために海まで行ったみたい。<br> 詩、ありがとう。</p> <p>8月31日<br> 朝ご飯のあと、お父さんが迎えに来た。<br> 久しぶりに見るお父さんはなんだかすごく元気だった。<br> そろそろ帰る時間になったから<br> 思い切っておばちゃんに最後のお願いをしてみた。<br> 「だっこして。」って。なんだかとても悲しくて泣いちゃった。<br> そしたら、おばちゃんが男の子は泣いちゃ駄目だって<br> これはおばちゃんちのきまりなんだからねって<br> 泣きながらだっこしてくれた。最後におばちゃんが写真を撮ってくれた。<br> 詩は車のあとをいつまでも追いかけて手を振っていた。<br> 車の窓をふと見上げたら、ガッツたちが<br> 木の上から見送ってくれているのが見えた。</p> <p><br> 私はあの夏に起こった出来事をいつまでもけして忘れないだろう</p> <p>これが、私が覚えているあの夏のすべてだった…<br> その後、小説家として成功した私は<br> 今ではNYのブルックリン橋が見えるホテルに住み<br> そしてこの幼き日の物語の最後を彩るエピローグの言葉を探しているのだ。<br> そういえば、2001年のカウントダウンの時には<br> 詩や萌も久しぶりに日本から遊びに来るらしい。</p> <p>さよなら、20世紀…         <br> END</p> <br> <p>465 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 09:09 ID:fpfCjZAH<br> エンディングは5種類ありボク君がこの夏に経験した出来事の数によって<br> 未来が変わってきます。<br> 小説家EDは最高のもので、他には月夜野がダムに沈むED、<br> ソフト会社のプログラマーになるED、萌と詩が平凡な結婚をしたと聞くED、<br> おじの影響で会社を退職し陶芸家を目指すEDがあります。<br> ちなみに萌姉ちゃんの声は坂本真綾が担当しています。<br> スレ汚しスミマセンでした。<br></p> <br> 8月32日〈裏技にて出現〉<br> テクスチャーやキャラクターがバグっている<br> 存在しないはずの日付ゆえなのか・・・<br> 永遠にぼくはなつやすみにいる事を選んでしまったのか<br> <br> 状況によって36日あたりまでプレイ可能<br> 最後はフリーズする・・・<br>
<p><strong>ぼくのやつやすみ</strong><br /> &gt;&gt;7-161~165、&gt;&gt;9-224~228・459~465</p> <hr /><p>161 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:06 ID:ysaQlHZ/<br /> ボク:好奇心旺盛な小学3年生。</p> <p>空野家の人々<br /> おじちゃん:都会から引っ越してきた陶芸家。<br /> おばちゃん:ボクの父親の妹。若い頃は都会でカメラマンの助手をしていた。<br /> 萌:高校受験を控えた中学3年生。思春期で色々悩みを抱えている。<br /> 詩:小学2年生。マセガキ。</p> <p>悪ガキたち<br /> ガッツ:秘密基地仲間のリーダー。小学5年生。兄貴肌。<br /> ファット:でぶ。小学4年生。萌が好き。<br /> メガネ:小学2年生。詩にいじめられている。</p> <p> </p> <p>162 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:09 ID:ysaQlHZ/<br /> あれは、とてもとても暑い夏の日のことだった。<br /> あの日の暑さはまるで、地上の全ての営みが絡まり<br /> こんがらがって、手に負えなくなったやけくそな神様が<br /> この世のどこかにいて、何もかも熱の中に溶かし<br /> 子供のような無邪気さで次なる世界への夢を描いている<br /> そんな目眩のするような、不思議な暑さだった…<br /> あの日は、弟が生まれた年の8月の最初の日で<br /> 当時9歳になったばかりの私は<br /> その日から夏休みが終わるまでの間<br /> 臨月を迎えた母親の負担を減らすために<br /> 北関東の田舎町に住むおじのところに預けられることになった。<br /> そのとき私は、入道雲が8月の強い日差しを浴びて沸き立ち<br /> きらきらと白く輝いている様がなんだか嬉しくて<br /> 父親が驚かない程度にほんの少し、車窓から身を乗り出した。<br /> 「この夏はボクに<br />     いったいどんな思い出を<br />            残してくれるんだろう…」<br /> 私が車のシートに身を沈め、ちょっとだけ深呼吸すると、<br /> まるで、頭の真ん中で、光の点がチカチカと明滅したような…<br /> 不思議な感じがした。</p> <p> </p> <p>163 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:12 ID:ysaQlHZ/<br /> 8月1日<br /> おじちゃんの家に着いたボク。お互いの自己紹介も済み、部屋に案内された。<br /> 夕飯までの間、暇なので家の中や庭を散歩することにした。<br /> でも、今日はもう遅いから、山の中に入ってはいけないらしい。<br /> おじちゃんちの決まりみたいだ。<br /> 庭に出ると詩が一人で遊んでいた。話しかけてみたものの、<br /> 何故か少し怒ってるみたい。<br /> 晩ご飯の時間になったら、おじちゃんが迎えに来てくれた。<br /> 今日はカレーライスだった。<br /> 晩ご飯の後、おじちゃんが昆虫採集セットをくれた。<br /> おじちゃんの子供のおさがりらしい。<br /> 明日がとても楽しみだ。<br /> 今日はもう遅いので絵日記を描いて寝た。</p> <p>「こうして、あの夏休みの最初の一日が終わったのだった。」</p> <p> </p> <p>164 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:14 ID:ysaQlHZ/<br /> 8月2日<br /> 朝はラジオ体操の音楽で目が覚めた。<br /> 朝ご飯のとき、朝顔の水やり当番に任命されてしまった。<br /> 今日は辺りを探検することにした。<br /> 家をでて森のほうへ向かうと、途中道が2つに分かれていた。<br /> とりあえず左に曲がってみた。<br /> この道がどうやら森への道らしい。<br /> しかし、大きな蜂の巣があって怖いので引き返すことにした。<br /> 今度は分かれ道を右に曲がってみた。<br /> 途中高速道路の下に秘密基地のようなものを見つけた。<br /> 先に進むと、大きな池がありその先には川が流れていた。<br /> しかし橋が落ちていて先に進めないので家に戻ることにした。<br /> 川岸に生えている樹を切り落とせば橋が作れそうだ。</p> <p>晩ご飯のときに、おじちゃんがスイカ泥棒の話をしていた。<br /> おじちゃんの作っているスイカがよく盗まれるらしい。<br /> でも、おじちゃんも小さい頃は味瓜っていう小さいスイカを<br /> 盗んでいたらしいし、どっちも犯罪だ…<br /> 今日の晩ご飯はハンバーグだった。</p> <p> </p> <p>165 ぼくのなつやすみ sage 04/04/23 08:18 ID:ysaQlHZ/<br /> 8月3日<br /> 朝、おじちゃんが納屋に釣竿があることを教えてくれた。<br /> 今日は遊びに行く前におばちゃんの手伝いをした。<br /> とうもろこし畑で片っ端からとうもろこしをもいで、籠に入れた。<br /> 収穫したとうもろこしは明日のお昼に茹でてくれるらしい。<br /> 手伝いが終わったあとは遊びに出かけた。<br /> 森への道にある蜂の巣を、もらった釣竿でつついてみた。<br /> あと何回かつつけば落ちそうだけど、蜂が出てきて怖いので<br /> 今日はここまでにしておく。</p> <p>晩ご飯のときに、おじちゃんがホタルの話をしてくれた。<br /> 近くの雪乃川にはホタルがいるらしい。<br /> でも、夜道は危ないからってことで、見に行くのは禁止された。<br /> 今日はトンカツだった。<br /> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんが縁側でクラリネットを吹いていた。<br /> 最近習い始めたんだって。秋の文化祭で2人で発表するらしいんだけど<br /> まだまだヘタクソ。</p> <p><br /> 224 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:01 ID:YF727naO<br /> 8月4日<br /> 今日は詩が色んな場所を案内してくれた。<br /> 分かれ道にあるお地蔵様は占い地蔵というらしい。<br /> 頭を叩いて占うんだって。でも、ばちが当たりそうだなぁ…<br /> ひまわりの前でおばちゃんに写真を撮ってもらった。<br /> 橋が落ちててそれ以上は進めなかったから今日はこれで解散した。<br /> 帰り道、スイカ畑でスイカ泥棒を発見。<br /> もう少しで見つかるところだったけど<br /> ちょうど聞こえた鳴き声のおかげでなんとか助かった。<br /> あの悲しそうな鳴き声はなんだったんだろう…犬かな?<br /> 晩ご飯の後におばちゃんがかき氷を作ってくれた。</p> <p>8月5日<br /> 朝、例の秘密基地に行ったら昨日のスイカ泥棒がいた。<br /> 泥棒のことを秘密にする代わりに仲間に入れてくれた。<br /> ガッツっていうんだって。<br /> 晩ご飯のあと、おじちゃんが麓の鷺の里村の集会に出かけたから、<br /> こっそり家を抜け出してホタルを見に行った。<br /> 蛍を見るのは初めてだったからすごくドキドキだった。<br /> 黄色いホタルがたくさん飛んでた。キレイだったな。</p> <p><br /> 225 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:08 ID:YF727naO<br /> 8月6日<br /> 今日は寝坊しちゃった。昨日夜更かししたからかなぁ。<br /> 昨日ホタル沢に行ったことがおばちゃんにばれちゃった。なんでだろう?<br /> 理由を聞いたら、虫かごの中を見ればわかるって。…ん??<br /> ついに蜂の巣を遂に落とした。これで森まで行けるようになった。<br /> 秘密基地に行ったら、ガッツがファットとメガネを紹介してくれた。<br /> 普段は虫相撲をして遊んでるらしい。<br /> 晩ご飯のあと、おじちゃんたちにカブトムシ捕り方を教えてもらった。<br /> 台所で早速砂糖水を作ってみた。これでムシムシ大量ゲットだ!</p> <p>8月7日<br /> 森の花畑で萌姉ちゃんを発見。スペシャルな押し花を作るんだって。<br /> せっかくだから花摘みを手伝ってみた。<br /> 萌姉ちゃんとあんなに話したのは初めてだ。<br /> 手伝いが終わったあと、森の中でクヌギの木を見つけた。<br /> 昨日作った砂糖水を塗っておいた。明日が楽しみだ。<br /> そのあと、クヌギの木の近くに丘を見つけた。<br /> 思いっきり辺りを見渡せて気持ちよかったな。</p> <p> </p> <p>226 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:15 ID:YF727naO<br /> 8月8日<br /> 昨日見つけた丘のことを話したらおじちゃんが<br /> 凧を作ってくれることになった。<br /> 朝ご飯のあと、おじちゃんが薪割りをしてた。<br /> 新しい斧を使うから古くなった斧はいらないんだって。<br /> せっかくだからあとでこっそりもらっておいた。<br /> これで木を切って橋を作ろう。<br /> 今日から萌姉ちゃんの部屋に入れてもらえるようになった。<br /> ぼくが部屋に入ったときは勉強中だった。<br /> 萌姉ちゃんは英語が嫌いなんだって。<br /> 先生ががんばりすぎちゃうかららしい。<br /> 夜、萌姉ちゃんがクラリネットを吹いてた。少しだけ上手になったかな?<br /> 寝る前にぼくの部屋の窓から花火が見えた。</p> <p>8月9日<br /> 昨日は麓の村で花火大会があったんだって。<br /> この家のお兄ちゃんも花火が好きだったらしい。<br /> 木を切りに行く途中、月夜野池で大きな魚を見た。<br /> ボクにもあの魚が釣れるのかな?<br /> 何か材料があればおじちゃんが大きな毛バリを作ってくれるって。<br /> ケン坊には悪いけど、少々毛をもらうことにしよう。</p> <p><br /> 227 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:18 ID:YF727naO<br /> 8月10日<br /> 萌姉ちゃんは大事な大事なものを熱烈執筆中なんだって。<br /> 何回も書き直してるみたいだけど、なにを書いてるんだろう…?</p> <p>8月11日<br /> 明日はお兄ちゃんの命日だからお坊さんが来るらしい。<br /> 朝ご飯のあと、萌姉ちゃんが麓の鷺の郷に手紙を出しに行ったみたい。<br /> 昨日の手紙は上手く書けたのかな?<br /> おばちゃんはなにか知ってるみたいだけど…<br /> やっと朝がおが咲いた。おばちゃんに知らせたら<br /> あとで写真を撮ってくれるって。<br /> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんが買ってきた花火をした。<br /> みんなで浴衣を着て楽しかったな。</p> <p>8月12日<br /> 朝ご飯のあと、お坊さんが来た。なんか変なお坊さんだったな。<br /> ここのお兄ちゃんは3年前に死んじゃったんだって。<br /> ボクは病気でお葬式には出られなかったみたい。<br /> 丘に凧をあげに行ったら空に人工衛星が飛んでるのが見えた。</p> <p><br /> 228 ぼくのなつやすみ sage 04/08/15 04:23 ID:YF727naO<br /> 8月13日<br /> 今日やっと木を切り終わった。丸太橋を渡って森に入ったら<br /> 変な動物みたいなのが光ってた。<br /> 瞬きしたら消えちゃったけど、あれはなんだったのかな?<br /> 晩ご飯のあと、詩が雲の話をしだした。<br /> 明日二人で風の岬へ最新型の雲を探しに行くことになっちゃった。</p> <p>8月14日<br /> 朝ご飯のあと、詩と風の岬へ行った。途中ひまわりがたくさん咲いてた。<br /> ここのお兄ちゃんはひまわり好きだったんだって。<br /> ボクもひまわり大好きだけどね。<br /> 海岸の先の坂を上がってようやく風の岬に到着。ずいぶん遠かったな。<br /> 気持ちよくてつい居眠りしちゃった。<br /> お母さんに似た雲を見つけてちょっとだけお母さんに会いたくなった。</p> <p>8月15日<br /> ぼくのなつやすみも残り半分になった。<br /> 今日はおじちゃんたちはお兄ちゃんのお墓参りに行った。<br /> ボクは一人でおるすばん。<br /> 暇だから風の岬まで行ったら、海岸で変な石ころを見つけてしまった。<br /> 晩ご飯のあとにおじちゃんに聞いたら<br /> クジラの耳の骨だって教えてくれた。<br /> クジラの耳の骨は他の骨とつながってないから<br /> 耳の骨だけ海岸に打ち上げられることがあるんだって。</p> <p> </p> <p>459 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:45 ID:fpfCjZAH<br /> 8月16日<br /> 朝おじちゃんが木にブランコを吊るしてくれた。<br /> ブランコで遊んだ後に秘密基地に行って虫相撲をした。<br /> やっとのことで虫相撲でガッツの100勝カブトムシに勝てた。やった!</p> <p>8月17日<br /> 朝、おおかみむすめの話を聞いた。毎年、夏の間山にこもっていて<br /> おじちゃんちにお風呂を借りにくるらしい。<br /> 今年は龍神池の辺りにテントを張ってるんだって。<br /> おばちゃんに狼娘のことを聞いたら、<br /> 育ちのいい好青年みたいな美人のお姉さんだって…おかま?<br /> 龍神池に行ったら途中でへんてこりんな機械が置いてあった…??<br /> 萌姉ちゃんが何かを待ってるみたいだけど一体なんだろう?</p> <p>8月18日<br /> 朝ご飯の後、郵便が届いた。萌姉ちゃんが慌てて取りに行った。<br /> 後で萌姉ちゃんの部屋に行ったらすごく元気がなさそうだった。<br /> どうしたのかな?おばちゃんに聞いたら、女の人はデリケートなんだって。<br /> あの変な装置のところに行ったら、変なお姉さんがいた。<br /> この変な機械でニホンオオカミを撮るんだって。<br /> どうやらこのお姉さんが狼娘だったみたい。</p> <p><br /> 460 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:49 ID:fpfCjZAH<br /> 8月19日<br /> 朝ご飯に萌姉ちゃんがいなかった。具合が悪いのかな?<br /> 水をあげようとしたら、朝顔が枯れていた。ちょっと寂しい。<br /> 秘密基地に行ったらガッツが秘密兵器を投入してきた。<br /> カマキリは反則だと思うなぁ…なんとか勝ってボクも正式に仲間入り。<br /> てっぺん山への秘密の抜け道を教えてくれた。<br /> 萌姉ちゃんは晩ご飯もあまり食べる気がしなかったみたい。<br /> おじちゃんは萌姉ちゃんは思春期だって言ってた。</p> <p>8月20日<br /> 朝ご飯のあと、おじちゃんとおばちゃん、萌姉ちゃんが複雑な話をしてた。<br /> 萌姉ちゃんは高校も大学も行かないつもりで<br /> とにかくやる気がないらしい。ボクにはよくわかんなかったけど。<br /> 森に行く途中でまた変なのに遭遇。<br /> びっくりして砂糖水を落としたら、砂糖水をなめだした。<br /> 甘いの好きなのかな?<br /> 晩ご飯のあと、狼娘がお風呂を借りにきた。<br /> おじちゃんもなんだか悩んでるみたい。<br /> おじちゃんが30歳を過ぎるまでは両親は完璧に近い人だったけど<br /> 今度はおじちゃんがが親をやる番になったら<br /> 15歳の萌姉ちゃんに負けちゃったんだって。<br /> ボクにはよく意味がわからなかったけど。</p> <p>8月21日<br /> 朝ご飯のあと、秘密基地に行ったら爆竹が置いてあった。<br /> 誰もいなかったからこっそりもらっておいた。<br /> 龍神池に行ったらトンボがたくさん飛んでた。<br /> 狼娘が小さいころの話をしてくれた。<br /> 狼娘は昔この麓の町に住んでいて<br /> 今のボクよりも小さいときにこの辺りに<br /> 家族でハイキングに来たことがあって<br /> いつの間にか迷子になって泣いていたら、突然鳴き声が聞こえた。<br /> 怖くなって逃げ出したら、いつの間にか山道に出ていて<br /> 気がつくと探しにきた青年団の人に保護されていた。<br /> そのときの鳴き声がニホンオオカミだった。<br /> だから狼娘を助けてくれたニホンオオカミを探してるんだって。<br /> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんにお風呂に誘われた。<br /> お姉ちゃん失恋しちゃったんだって。<br /> なんだかドキドキしてのぼせちゃった。</p> <p> </p> <p>461 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:53 ID:fpfCjZAH<br /> 8月22日<br /> 今日はおじちゃんとおばちゃんの結婚記念日だった。<br /> おばちゃんは忘れてたみたいだけど。<br /> 家を出て森に向かう途中ヘビに遭遇した。<br /> びっくりしてたら、おじちゃんが来て追い払ってくれた。<br /> そのあと狼娘のところへ行ったらヘビのことでからかわれた。<br /> 正直に怖かったって答えたら、<br /> ちょっとぐらい怖がりなほうが魅力的だって言ってキスしてくれた。<br /> 晩ご飯はすしだった。デラックス!<br /> 萌姉ちゃんと詩にプレゼントをもらって二人とも嬉しそうだった。<br /> 一生の宝物にするって。萌姉ちゃんが学校の教頭先生が<br /> 戦争中に自分の大事な宝物を裏山に隠したらしいって話をしてくれた。</p> <p>8月23日<br /> 狼娘に会いに行ったらボクの写真をくれた。<br /> 写真のお礼に、なんとかあのお化けを狼娘の機械の前に<br /> あのお化けを誘いだせないかなぁ?<br /> 池の滝の裏に洞窟を発見。中にはカゴに入った本が置いてあった。<br /> 本は変な文字で書いてあって読めなかった。<br /> う~ん、あなあなぼぼん?<br /> 大事なものかもしれないから、一応持って帰った。<br /> 家に帰る途中、機会の前に砂糖水を置いておいた。<br /> これで来るかな?へんてこお化け。<br /> 帰って萌姉ちゃんにあなあなぼぼんを見せたら<br /> 英語の辞書と手紙だって教えてくれた。<br /> 宇宙人の本じゃなかったのかぁ…手紙は晩ご飯までに訳してくれるって。<br /> 「春、大河の流れ 咲き誇る花々の香り…<br />  今、マークトウェインの冒険小説で読んだ夢の国アメリカと<br />  私の生まれた国…この愛すべき祖国、日本は戦争をしています<br />  トムソーヤ ハックルベリーフィン<br />  彼らが遊んだ野山に咲いている風を、日差しを…<br />  私はいつか自分の肌で感じてみたかった…<br />  今日まで、密かに、そしてひたむきに<br />  彼らの言葉を学んできた私ですが…<br />  それも、そろそろ限界のようです<br />  英語の辞書もここに隠さなければいけなくなりました<br />  もし、この戦争が終わってまだ、私が生のびていたならば<br />  今の、清水のようなこの無垢の志しを…<br />  そして、春の到来を告げる南風のような高揚感を…<br />  未来の自分へ伝えたいと思います<br />                   昭和十七年、春… 」<br /> この手紙を読んで萌姉ちゃんは元気になったみたい。<br /> 明日から頑張るんだって。</p> <p><br /> 462 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:57 ID:fpfCjZAH<br /> 8月24日<br /> 暇だったのでアリの巣に爆竹を仕掛けて爆破してみた。<br /> そのあと、月夜野池でぬしと対決。<br /> なんとか釣り上げた。<br /> 晩ご飯のあと萌姉ちゃんと話した。<br /> 高校へ行くとここを離れなきゃいけないから寂しいんだって。<br /> でも卒業したら絶対帰ってくるって。<br /> 明日おじちゃんが登り窯に火を入れるらしい。</p> <p>8月25日<br /> 朝ご飯のあと、おじちゃんが<br /> 今年の夏はいつかまたなにかのきっかけでいきなり思い出しそうな<br /> なんともいえない印象的な夏だったって言ってた。<br /> そういえばここに来てからまだ一度も雨が降ってないなぁ。<br /> 夕方、おじちゃんが窯に火を入れた。<br /> 徹夜の作業になるんだって。大変そう。<br /> 今日も晩ご飯のあと萌姉ちゃんと話した。<br /> 今年の夏が楽しかったからずっと中学生のままでいたかったんだって。<br /> 来年じゃ駄目なの?って聞いたら今年の夏は今年だけだって。<br /> これをモラトリアム?って呼ぶんだって。<br /> ボクには全然意味が分からないや。</p> <p>8月26日<br /> 朝ご飯のあと、狼娘が来た。<br /> ニホンオオカミの写真が撮れたんだって。やったね!<br /> あとで狼娘に会いに行ったら、なんだかあんまり嬉しくないみたい。<br /> なぜでしょう?<br /> 晩ご飯のあと、萌姉ちゃんと20年後の話をした。<br /> きっと月に人が住んだり、車が空を飛んだりしてるんだろうな。</p> <p> </p> <p>463 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 08:59 ID:fpfCjZAH<br /> 8月27日<br /> 狼娘は明日山を降りるらしい。全然寂しくなんてないし。<br /> 高速道路の下を通ったとき、突然雨が降り出した。すぐやんだけど<br /> ここへ来てから初めての雨。<br /> てっぺん山へ向かう途中の神代杉に耳を当てたら水が流れる音がした。<br /> 晩ご飯のあと、焼きあがった陶器を見に行った。おじちゃんごくろうさま。</p> <p>8月28日<br /> 龍神池に行くともうテントはなくて、ボク宛の書置きが残してあった。<br /> なんだか食欲がなくて晩ご飯が食べれなかった。どうやら熱があるみたい。<br /> なんだかホヘホヘって感じ。おばちゃんが看病してくれた。<br /> おばちゃんちにいた男の子はとっても幸せだったんじゃないかな。<br /> ボクはそのこの代わりできるかな…?<br /> おばちゃんに聞いたらボクはボクだって。</p> <p>8月29日<br /> 朝ご飯のあと、おばちゃんが朝顔の写真をくれた。<br /> そしたら詩が、ボクの一番好きな花はひまわりだからねって。<br /> 秘密基地へ行ったらみんながボクを励ましてくれた。<br /> みんなとはなんだか前からずっと一緒にいるみたいな感じだけど<br /> ボクは明後日には帰るんだよなぁ。<br /> 晩ご飯のあと、お父さんから電話がかかってきた。<br /> 男の子だって。今日からボクもお兄ちゃんだ。<br /> おじちゃんに早く帰って赤ちゃんの顔見たいでしょ?って聞かれたけど<br /> う~んそうでもないや…</p> <p><br /> 464 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 09:07 ID:fpfCjZAH<br /> 8月30日<br /> 朝ご飯のあと、詩がいなくなった。<br /> おじちゃんたちも探し回っていたけど見つからない。<br /> ひょっとして、と思ってひまわり畑に行ってみたらやっぱり詩がいた。<br /> みんな心配して探してるのに何してるんだか。<br /> 晩ご飯の前に詩が帰ってきた。<br /> どうやらボクにひまわりを渡すために海まで行ったみたい。<br /> 詩、ありがとう。</p> <p>8月31日<br /> 朝ご飯のあと、お父さんが迎えに来た。<br /> 久しぶりに見るお父さんはなんだかすごく元気だった。<br /> そろそろ帰る時間になったから<br /> 思い切っておばちゃんに最後のお願いをしてみた。<br /> 「だっこして。」って。なんだかとても悲しくて泣いちゃった。<br /> そしたら、おばちゃんが男の子は泣いちゃ駄目だって<br /> これはおばちゃんちのきまりなんだからねって<br /> 泣きながらだっこしてくれた。最後におばちゃんが写真を撮ってくれた。<br /> 詩は車のあとをいつまでも追いかけて手を振っていた。<br /> 車の窓をふと見上げたら、ガッツたちが<br /> 木の上から見送ってくれているのが見えた。</p> <p><br /> 私はあの夏に起こった出来事をいつまでもけして忘れないだろう</p> <p>これが、私が覚えているあの夏のすべてだった…<br /> その後、小説家として成功した私は<br /> 今ではNYのブルックリン橋が見えるホテルに住み<br /> そしてこの幼き日の物語の最後を彩るエピローグの言葉を探しているのだ。<br /> そういえば、2001年のカウントダウンの時には<br /> 詩や萌も久しぶりに日本から遊びに来るらしい。</p> <p>さよなら、20世紀…         <br /> END</p> <p> </p> <p>465 ぼくのなつやすみ sage 04/08/31 09:09 ID:fpfCjZAH<br /> エンディングは5種類ありボク君がこの夏に経験した出来事の数によって<br /> 未来が変わってきます。<br /> 小説家EDは最高のもので、他には月夜野がダムに沈むED、<br /> ソフト会社のプログラマーになるED、萌と詩が平凡な結婚をしたと聞くED、<br /> おじの影響で会社を退職し陶芸家を目指すEDがあります。<br /> ちなみに萌姉ちゃんの声は坂本真綾が担当しています。<br /> スレ汚しスミマセンでした。</p> <p><br /> 8月32日〈裏技にて出現〉<br /> テクスチャーやキャラクターがバグっている<br /> 存在しないはずの日付ゆえなのか・・・<br /> 永遠にぼくはなつやすみにいる事を選んでしまったのか<br /><br /> 状況によって36日あたりまでプレイ可能<br /> 最後はフリーズする・・・</p>

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