<p><strong>ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト</strong></p> <p>part39-246~250,457~463</p> <hr /><dl><dt>246 :<a href="mailto:sage"><strong>FFCC リング・オブ・フェイト</strong></a>:2008/06/06(金) 20:37:27 ID:guS84ymZ0</dt> <dd>ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト、<br /> とりあえず今書けている分だけ行きます。<br /><br /> まずはプレイヤーキャラの紹介から。<br /><br /> ■ ユーリィ :クラヴァット族♂<br /> 双子の弟の方。姉のチェリンカと対照的に恐いもの知らず。<br /> クリスタルから引き出された力を制御する能力を持つが、チェリンカと一緒でないと魔法を使うことが出来ない。<br /><br /> ■ チェリンカ :クラヴァット族♀<br /> 双子の姉。ユーリィに対して姉らしく振る舞おうとするが、実はとても恐がり。<br /> 魔法の第一段階としてクリスタルの力を引き出すことが出来るが、ユーリィがいないと魔法として意味をなさない。<br /> 彼女は実際の戦闘には一切参加しない。<br /><br /> ■ アルハナーレム :ユーク族♂<br /> 双子が幼い頃から家族同然に暮らして来た人物で、薬草学と魔法学に精通している。<br /> 通称アル。ユーク族はヘルメットのような仮面を身に付けているため素顔は不明。<br /> 一人称は「我」、語尾は「~である」。<br /><br /> ■ ミース :リルティ族♀<br /> アルとともに双子の師匠のような存在。リルティ族は成人しても子供のような外見。<br /> 錬金術を得意とし、元素をポットに溶かすことで魔石(魔法を使うために必要なアイテム)を錬成することが出来る。<br /> 外見の印象とはかけ離れたエキセントリックな発言が多い。語尾は「~なのです」。<br /><br /> ■ ナッシュ :セルキー族♂<br /> 森で生まれ育った野生児。鋭い勘と、敏捷なセルキーの中でもずば抜けた身体能力を持つ。<br /> 犬や猫とも会話できるらしい。正直陰が薄い。<br /><br /><br /> ちなみにこの世界では月は真っ赤で、まがまがしい星だとされています。<br /><br /></dd> <dt>247 :<a href="mailto:sage"><strong>FFCC リング・オブ・フェイト</strong></a>:2008/06/06(金) 20:39:25 ID:guS84ymZ0</dt> <dd>大雨の降る、山間の小さな村。<br /> 不気味な仮面をつけた人物が、高台から村をじっと見下ろしている…。<br /><br /> 冒頭とはうって変わって快晴の空。<br /> 幼い双子の姉弟、ユーリィとチェリンカは父ラトフの薪割りの様子をじっと眺めている。<br /> 双子の無言の催促に押されて、ラトフは薪割りを子供達にやらせてみることにした。<br /> どちらが先にやるかで言い合いをするユーリィとチェリンカ。<br /> チェリンカは自分が先に生まれたのだから自分が先だと主張し、ユーリィは双子に姉も弟もないと言い張る。<br /> 結局二人で協力して薪割りをすることに。<br /> しかし、薪割り用のナタは二人がかりでも持ちあがらない。<br /> そこへ双子の師でもあるアルハナーレム(以下、アル)とミースがやって来た。<br /> アルへタックルして抱き付くチェリンカと、ミースの頭をなでなでするユーリィ。<br /> 「子供扱いするなですー」と言いつつもミースはうっとりした表情をする。<br /> 力に頼りすぎだ、とアルとミースは魔法の原理を教えるが、双子の子供にはまだ理解できない。<br /> 実践するのが一番だと、今度はラトフに支えてもらい、再び薪割りに挑戦する。<br /> 目を閉じて集中する双子に、ラトフは強い心に出来ないことなどない、と言う。<br /> 出来ないとあきらめた時、すべての道が閉ざされるが、<br /> 出来ると信じた時、世界のすべてが力を貸してくれる。<br /> こっそりラトフが手を離したのにも気付かず、ユーリィとチェリンカがナタを振り降ろすと見事に薪が割れた。<br /> 驚いている二人に、ラトフは今使ったナタをくれた。双子は早速そのナタを持って遊びに行くことにする。<br /> そんな二人を遠くから見ながら、ラトフ達は密かに二人の能力に舌を巻いていた。<br /> これではすぐに追い越されてしまう、とラトフは嬉しそうだ。<br /> そして子供達の成長を実感しながら、あれからずいぶん経つのか、と何かを思い出しているラトフであった。<br /><br /> ユーリィの提案により、双子は「いつものところ」、裏山の洞窟に行くことにする。<br /> 洞窟の中は暗く、何も見えなかったが、ユーリィはチェリンカに「あれをやってよ」と催促する。<br /> チェリンカがポケットからクリスタルを取り出すと、クリスタルは強い光を放って輝き出した。このクリスタルはチェリンカが触れたときだけ輝くらしい。<br /> クリスタルの光で辺りがよく見えるようになり、二人は洞窟の奥へと進む。<br /> 内心は恐くてたまらないチェリンカは、そろそろ帰ろうと言い出した。<br /> この洞窟は昔、死者を埋葬した場所であるらしい。しかしユーリィはそんなのただの抜け殻じゃん、と気にしない。<br /> そしてお腹が減ったから帰る前に、あの特大の箱を開けようと言い出した。<br /> それはどう見ても棺桶。慌てるチェリンカ。<br /> しかもユーリィが何か仕掛けを踏んだような音がして、棺桶がふっ飛び、<br /> いきなりサソリ型の巨大なモンスターが飛び出して来た。<br /> サソリの針にあたる部分には、気持ち悪い紅い色のクリスタルが。<br /> 無事サソリを倒すと、ユーリィは「おもしろかった」とけろりとしている。<br /> 二人が帰ろうとした時、目の前に見知らぬ少女の幻影が現れた。<br /> 悲しげな表情で何か言いたげにユーリィ達を見つめる少女。<br /> チェリンカは「でたぁぁ!」と絶叫。有無を言わさずユーリィの手を引っ張り、その場から逃げ帰るのであった。<br /> 幻影の少女も、人の気配を感じると消えてしまう。それは、あの仮面の男だった。<br /><br /></dd> <dt>248 :<a href="mailto:sage"><strong>FFCC リング・オブ・フェイト</strong></a>:2008/06/06(金) 20:42:48 ID:guS84ymZ0</dt> <dd>その日の晩、一旦はベッドに入ったユーリィとチェリンカだが、ユーリィは家の外へ出ていってしまったラトフを追って外へ出ることにした。<br /> 戸口にモーグリのスティルツキンを置いて、チェリンカを閉じ込めるユーリィ。<br /> ラトフは丘に立って遠くを眺めている。<br /> ユーリィがラトフに声をかけると、いつの間にかチェリンカが後に付いて来ていた。<br /> ラトフが眺めていたのは、遠くに見えるシエラ湖の上を舞うたくさんの光だった。<br /> あれは鬼火と呼ばれ、以前にあそこで死んだたくさんの人達の魂らしい。<br /> あれだけ燃えても燃えつきない光だから、きっと心の強い人達だったんだろうと言うユーリィ。<br /> ユーリィは死んだ母、アーチェスのことをラトフに聞く。<br /> アーチェスは代々の巫女の家系に生まれ、その中でも希代の力を持っていたらしい。<br /> 家に戻る途中、ラトフは冬ごもりの準備のために明日は王都に行くと告げた。<br /> そして、ユーリィとチェリンカも王都へ連れていってもらえることになった。<br /><br /> 翌朝、ユーリィはチェリンカより寝坊したことを悔しがる。<br /> 戸口を塞いだまま眠っているスティルツキンを「強い心」でふっ飛ばすラトフ。<br /> 一方、チェリンカはアルとミースの家にいた。<br /> チェリンカはアルに頼まれ、自分のクリスタルを貸す。チェリンカはこのクリスタルを握りしめて生まれて来たらしい。<br /> アルは彼女のクリスタルをペンダントにしてくれた。<br /> チェリンカにしか使えない最高のものだから、なくさないようにということらしい。<br /> さらに、彼女に本格的に魔法を教えようとする。<br /> ユーリィと二人なら力の生成も制御も思いのままなのに、一人だけだと何故か全く魔法が使えないらしい。<br /> クリスタルの力を意志の力で制御し、意味付けをすることで初めて魔法が発動する。<br /> 教わった通りにやろうとするチェリンカだが、うまく出来ない。<br /> ラトフとユーリィが待っているからと、アルの家を出て行くチェリンカ。<br /> アルは、そのクリスタルはそう簡単には使えない、なぜならそれの魔力許容量は天体並みの…とつぶやく。<br /> その時、チェリンカが出ていった扉の外からまぶしい光があふれて来た。<br /> 同時に、力を解放されたクリスタルが放つ澄んだ音が聞こえて来たのだった。<br /><br /> 家の外で待つ父とユーリィに、チェリンカは嬉しそうにペンダントを見せる。<br /> 全員そろったところで、王都レベナ・テ・ラに出発する。<br /> 初めて見る大きな街にユーリィとチェリンカは興奮気味。<br /> さらに、ラトフから神殿の鐘が3回鳴るまで自由に街を見て回ってもいい、買い物もおkと言われ大喜びする。<br /> 最後にラトフは、「神殿には決して近づいてはならない」と厳しく注意するのだった。<br /> 早速いろいろと街を見て回る。<br /> 広場にはこの国を治める王様の銅像があり、王様の名前はコルカというらしい。<br /> 名君として有名だったが、一人娘を亡くしてからはあまり人前に姿を現わさないそうだ。<br /> 街を見て回るうちに鐘が3回鳴ったので、集合場所の広場に行く。<br /> しかし、時間が過ぎて夕方になってもラトフは姿を現わさない。その時、待ちくたびれた二人の視界に、ラトフと思しき姿が。<br /> ラトフの後を追う二人。街の人達の様子も何だかおかしい。<br /> 父の姿は、レベナ・テ・ラの旧市街に入っていったので、二人もその後を追う。<br /><br /></dd> <dt>249 :<a href="mailto:sage"><strong>FFCC リング・オブ・フェイト</strong></a>:2008/06/06(金) 20:44:34 ID:guS84ymZ0</dt> <dd>レベナ・テ・ラの旧市街には住む人の姿もなく、魔物がうろついていた。<br /> 街のすぐ近くに魔物がいることに驚くユーリィとチェリンカ。<br /> それでも父を探すために旧市街の奥へと進んで行く。<br /> 二人が一番奥までたどり着いたとき、神殿から鐘の音が聞こえて来た。<br /> それを聞いて何故か気分が悪くなり、ユーリィはその場にうずくまってしまう。<br /> そこへ牛のような姿のボス(ベヒーモス)登場。その身体には例の紅いクリスタルが。<br /> 鐘がやむとユーリィも頭痛から開放されたので、早速ボスを倒す。<br /> 敗北したボスは逃げ出す。ボスが広場に行けば大変なことになると、二人もその後を追う。<br /> ボスを追いかける二人の前に、裏山の洞窟で出会った少女の幻影が現れる。<br /> おびえるチェリンカ。しかし、少女は何も言わずに消えてしまう。<br /> 騒ぐ二人の前に、今度はラトフが現れた。彼も時間通りに広場に行ったはずなのだが、なぜ自分がここにいるのか記憶にないらしい。<br /> ともかく親子3人無事に再会できたので、村に戻ることにした。<br /><br /> 紅い月に照らされたテラスに、いかにも悪役面の人物が立っている。<br /> その後ろには、仮面の男の姿が。<br /> 二人はよい素材が見つかった、アレがいくら優秀でもそろそろ…と思わせぶりな会話をする。<br /> さらに仮面の男は主の命を受け、どこかへ行ってしまうのだった。<br /><br /> 朝、ユーリィとチェリンカはアルとミースの家に遊びに行く。しかし、家にアルの姿はなかった。<br /> 巨大ポットでスティルツキンを煮込んでスープのだしにしようとしているミースに尋ねると、「ついさっき、ヴァール山に薬草を取りに出かけた」という。<br /> アルは物陰に隠れて双子をやりすごしたのだが、結局あっさりと二人に見つかってしまった。<br /> 仕方なくアルはユーリィとチェリンカをヴァール山に連れて行くことにしたのだった。<br /> 雪の降り積もったヴァール山に到着した三人。この山はユーク族の修行の場でもあるそうだ。<br /> この山にはモーグリそっくりの姿をしたモーグリ草という草が生えている。<br /> この花は開花するとモーグリそっくりの姿になり、成分も変化して貴重な回復薬の原料になるらしい。<br /> 今回は、その中でもひときわ大きいデカモーグリ草が目的。この季節なら頂上近くに生えているだろうという話なので、三人は頂上を目指して山を登ることに。<br /> 頂上で目的のデカモーグリ草を回収した三人の前に、鳥型のボスが出現する。<br /> ユーリィとチェリンカがボスの紅いクリスタルに見覚えがあることにアルは驚くが、ボスは問答無用で襲いかかって来る。<br /> ボスを倒した後、アルはあの紅いクリスタルについて説明してくれた。<br /> 通常、クリスタルは淡い青色をしており、紅い色のものは存在しない。<br /> しかし邪悪な意志によってねじ曲げられたクリスタルは、拒否反応によって紅くなるらしい。<br /> こういったクリスタルに気をつけるように注意するアルだが、ユーリィは楽天的に考えているようだった。<br /> 三人が村に帰ると、旅に出るらしいスティルツキンをラトフとミースが見送りに出ているところだった。スティルツキンを見送った後、皆は食事を取りに家の中に帰っていく。<br /> しかしアルだけが今にも降り出しそうな空を見上げて、「…イヤであるな」とつぶやくのだった。<br /><br /> (続く)<br /><br /></dd> <dt>250 :<a href="mailto:sage"><strong>FFCC リング・オブ・フェイト</strong></a>:2008/06/06(金) 20:47:26 ID:guS84ymZ0</dt> <dd>今回はとりあえずここまで。<br /> ストーリーはこの後雰囲気が一変します…。<br /> 次からはもっと簡潔に書くつもり。<br /><br /></dd> <dt>457 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:06:20 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>続き行きます。<br /> 全然簡潔になってないのはご勘弁を…orz<br /><br /> 夜、村は予想通り大雨になった。ラトフ達親子三人がくつろいでいると、ドアをノックする音が聞こえてきた。<br /> ユーリィがドアを開けに行くが、外には誰も見当たらない。<br /> その時、アルの「ラトフ様、神殿の者である!」という叫び声が。<br /> それを聞いてラトフはユーリィに戻るよう叫ぶが、次の瞬間ユーリィは何者かにふっ飛ばされ、家の中に転がりこんで来る。駆け寄るチェリンカ。<br /> ゆっくりと家の中に入って来た仮面の男を、ラトフは「クー・チャスペル」と呼んだ。<br /> アーチェスのみならず子供達までもと憤るラトフに、チャスペルは教皇は「予備」と望んでいると答える。<br /> 子供達を「予備」と呼ばれ激昂したラトフだが、逆にチャスペルから反撃を喰らう。<br /> しかし、隙をついたユーリィの一撃で仮面を傷つけられたとチャスペルは逆上。<br /> それを見たラトフはチャスペルに斬りかかるが、チャスペルはユーリィとチェリンカに向けて魔法を放つ。<br /> 子供達をかばって自ら魔法を受けるラトフ。<br /> さらにチャスペルは、背後からラトフが落とした剣を彼自身の背中に突き立てるのだった。<br /> チャスペルは笑いながらチェリンカを連れ去ろうとするが、倒れたはずのラトフの一撃で事なきを得る。<br /> あなたは化け物ですかとうろたえるチャスペルに、この子達を守るためなら何にでもなろうと言い放つラトフ。<br /> そしてラトフはユーリィとチェリンカに、辛い思いをさせてすまなかった、と謝るのだった。しかし、そこで彼は今度こそ力尽きてしまう。<br /> 崩れ落ちる父を呆然と見つめるユーリィとチェリンカ。<br /> チャスペルは狂ったようにラトフを嘲笑う。<br /> その時、強い光に気付いてチャスペルは笑うのをやめた。その光はユーリィとチェリンカからあふれていた。<br /> ぼくはお前をゆるさない、とつぶやくユーリィ。<br /> 強烈な力にチャスペルはうろたえ、その姿は二人の放つ輝きに飲み込まれていった。<br /><br /> ユーリィが気が付いたとき、既にチャスペルの姿はなかった。<br /> 目の前に横たわっているもの言わぬ父の姿が、あれが夢でなかったことを示していた。<br /> ユーリィは寒空の下、たった一人で家の近くに父を埋葬する。<br /> 家に帰って、チェリンカに食事を運ぶユーリィ。彼はチェリンカにいろいろと語りかけるが、彼女からの反応はない。<br /> あの時以来、チェリンカは心を失い、人形のようになってしまったのだ…。<br /><br /> 簡素な父の墓の前に立ち、ユーリィはラトフに語りかける。<br /> どうしたらいいか分からないけど、ぼくは大切な人を…チェリンカを守りたい、と。<br /> その時、ユーリィの脳裏にラトフの言葉がよみがえって来た。<br /> 「できないとあきらめたとき、すべての道が閉ざされるが、<br /> できると信じたとき、世界の全てがお前に力を貸してくれる。<br /> 強い心にできないことなどない」<br /> 父の言葉に励まされたユーリィは、父が遺した剣を手に取り、<br /> 「生きて、生きて、生き抜いてやる!」と誓うのだった。<br /><br /></dd> <dt>458 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:09:50 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>年月は流れ、ユーリィはたくましく成長していた。<br /> ある日、いつものように彼が剣の稽古をしていると、脳裏に(ユーリィ…)と呼びかける声が聞こえて来た。<br /> 気のせいだろうと再び稽古に励むユーリィ。<br /> しかし、再び自分に呼びかける声が聞こえ、後ろを振り返る。<br /> そこには、やはり美しく成長したチェリンカの姿が。彼女は戻って来たのだ。<br /> 成長したユーリィを見て、少しとまどうチェリンカ。<br /> しかし、彼女は声を失っていた。(ユーリィとは心の声?みたいなもので会話している)<br /> それでもチェリンカが戻って来たことを喜ぶユーリィ。<br /> 彼はチェリンカが戻って来た喜びと安堵で、ついに泣きくずれてしまうのだった。<br /><br /> 夜、丘に立って鬼火を眺めているユーリィ。そこへチェリンカがやって来る。<br /> チェリンカからこれからどうしたいのか問われ、ユーリィは戦うつもりだと答える。<br /> あの時のアルの「神殿の者」という言葉から考えて、このまま彼らが自分達を見逃すとは考えられないというのだ。<br /> チェリンカは言う。自分は力を使うことは出来るが、それに意味を込めることができない。<br /> 力に意味を込めるのはユーリィの役目だというチェリンカ。<br /> ユーリィとチェリンカはどこまでも一緒にいることを誓うのだった。<br /><br /> 翌朝、チェリンカはこれからどうするつもりなのか尋ねる。<br /> ユーリィは村に墓がふたつ足りないことを指摘する。<br /> あれからアルとミースをいくら探しても、どこにも見つからなかったのだ。<br /> ユーリィには心当たりがあるらしく、二人は再びヴァール山に向かうことに。<br /> 久々に頂上に立った二人だが、辺りは猛吹雪で周囲がよく見えない。<br /> ユーリィが精神を集中して剣を振るうと、吹雪を切り裂いて周りがよく見えるようになった。<br /> すごい、と目を丸くするチェリンカに、ユーリィはこれくらいなら出来るようになったと言う。<br /> そして、チェリンカほどではないものの、近くに誰がいるか感じられるようになったとも。<br /> その視線の先には巨大な紅いクリスタルに囚われたアルの姿が。<br /> ユーリィはこの事に以前から気付いていたものの、チェリンカのそばを離れられなかったのだ。<br /> ユーリィはクリスタルが繰り出す魔法を避けながら、何とかクリスタルの破壊に成功。<br /> 解放されたアルがその場に倒れ込む。<br /> 目を覚ましたアルは、ユーリィとチェリンカから詳しい事情を聞き、<br /> 二人の成長に内心驚きながらも協力を申し出てくれた。<br /> アルはレベナ・テ・ラの王様にこの異変を直接報告するつもりらしい。<br /> というわけで、三人は一路レベナ・テ・ラへ。<br /><br /></dd> <dt>459 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:11:31 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>王都に到着したところで、アルはようやくチェリンカの声が本当に出ないことに気付く。<br /> 今までは恥ずかしがって念語を使っていただけだと思い込んでいたらしい。<br /> アルによると、大きな力を使うには、それなりの代償が必要となる。<br /> チェリンカの場合、力の代償と衝撃的な出来事に遭遇したせいで声を失ったので、<br /> 時間が経てば必ず元に戻るだろうとのことだった。<br /> さて、久々に訪れたレベナ・テ・ラだが、少々状況が変わっているようだった。<br /> 三人は街に入った途端、なんとクリスタルの持ち込みが禁止されていることを知った。<br /> どのクリスタルもいつ紅く変質し、魔物を呼ぶか分からないからだというのだ。<br /> チェリンカのクリスタルは見つかることなく、三人は城へ向かう。<br /> 王に会おうとするも、門番から阻まれどうしても通してもらえない三人。<br /> その時アルが、思い切った様子で自らの昔の肩書きを名乗る。<br /> 「我が名はアルハナーレム、かつて宮廷魔術師として王宮に仕えていたものである」と。<br /> アルの意外な過去に驚くユーリィとチェリンカ。<br /> しかし、それを聞いた門番は意外なことを口にする。<br /> アルハナーレムなら今でもコルカ王のそばに仕えているというのだ。<br /> 揚げ句の果てには目の前のアルは偽物扱いされ、三人は城から追い払われてしまった。<br /> 仕方なく城を離れるユーリィ達。<br /> そこへ、広場で王からのお触れが読み上げられた。<br /> 深淵の森と呼ばれる森で、凶悪な魔物が多数徘徊するという異変が起きており、<br /> 近くコルカ王は討伐隊を出すつもりらしい。<br /> そのために森の情報を必要としており、重要な情報を持っている者には王が直接会って話を聞くとのこと。<br /> ただし、森は非常に危険なため、一般人は立入禁止、ということだった。<br /> それを聞いてユーリィとチェリンカは当然のように森へ行こうとする。<br /> 慌ててアルが止めようとするが、王様に会うには情報を得るしかないと説得され、<br /> 渋々三人で森へ行くことを了承するのだった。<br /><br /> 森と言うよりジャングルのような雰囲気に変わってしまった深淵の森。<br /> ユーリィは久々に探検が出来るせいか、心なしか嬉しそうな様子。<br /> 森を進んで行くうちに、三人はセルキー族の少年が魔物に襲われているところに遭遇する。<br /> 魔物から毒を受けてピンチの少年。<br /> 三人は魔物を撃退し、少年の毒をアルの魔法で中和してやった。<br /> ユーリィ達から名前を聞かれ、少年は自分の名前がナッシュであることを思い出す。<br /> ナッシュの話によれば、森がヘンになったのはヘンな花が現れてかららしい。<br /> さっそくそのヘンな花を倒しに行こうとするユーリィ達。<br /> 自分がいなければ花は倒せない、とユーリィ達にナッシュも加わることになった。<br /> 野生児ナッシュの驚異の跳躍力と、謎の物体「矢じろべ」(食べるとうまいらしい)のおかげで、ユーリィ達は例の花のところへたどり着いた。<br /> 超巨大な花弁の中央には、やはりあの紅いクリスタルが。<br /> 花型のボスを倒してナッシュが耳を澄ますと、少しずつ森の動物達が戻って来る声が聞こえて来た。<br /> ユーリィ達は異変の情報を持ち帰るどころか、異変そのものを解決してしまったのだ。<br /> さっそくコルカ王に謁見するため、レベナ・テ・ラに戻ろうとするユーリィ達。<br /> するとナッシュも当然のようにユーリィ達について行こうとする。<br /> 命の恩人には、恩を返すまで絶対離れないつもりらしい。<br /> こうして、改めて森の野生児ナッシュが仲間に加わったのだった。<br /><br /></dd> <dt>460 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:13:21 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>レベナ・テ・ラでは、空の向こうに黒い雲が湧き起こり、今にも雨が降り出しそうな雰囲気。<br /> 四人となったユーリィ達が城に入ろうとすると、やはり門番達に止められる。<br /> 四人の、森の異変を解決したという主張を信じていない門番だったが、<br /> アルの半ば脅しのような言葉で、慌てて城の中に入ることを許可してくれるのだった。<br /> ようやく謁見かなったコルカ王だが、玉座に力なく座り、アルの言葉にも反応薄。<br /> おまけにアルのことも覚えてないらしく、仕方なくアルはユーリィとチェリンカを王に紹介する。<br /> この二人はラトフとアーチェスの忘れ形見である、と。<br /> ラトフ、アーチェスという名前にコルカ王は反応を示す。<br /> そして何かを思い出そうとするのだが、その直後頭痛に襲われ玉座に座り込んでしまう。<br /> 王の傍らに侍していたユーク族の人物は、王の体調不良を理由に、王に私室まで戻るように勧める。<br /> それに答えて私室へ戻ってしまうコルカ王。<br /> しかもそのユーク族を「アルハナーレム」と呼んだのだ。<br /> それを聞いて驚くアル。「アルハナーレム」と呼ばれた人物は、自分こそアルハナーレムだと胸を張る。<br /> 「しかしお前は女ではないか!」と仰天するこちらのアル。<br /> が、周囲には王のそばにいた人物が女性かどうかすら分かっておらず、<br /> むしろアルの言葉に驚いた様子。<br /> アルハナーレムを騙る人物は、魔術師を名乗る割には魔法の初歩すら分かっていない様子。<br /> アルは自分こそアルハナーレムであることを証明するため、<br /> 「我が我である証」を持ってくると宣言。<br /> そのためにアルの「置いて来た過去」があるというレラ・シエルに行くことになった。<br /><br /> かつてシエラ湖にあった都市、レラ・シエル。<br /> しかし、今では往時の繁栄の見る影もなく、ところどころ水没して廃墟と化していた。<br /> 雨の降る中レラ・シエルにやってきたユーリィ達だが、施設の入口にはカギがかかっていた。<br /> しかし、レラ・シエルのカギはアルが預かっているという。<br /> アルはこの大雨ではさらなる崩壊が近いと考え、四人は先を急ぐのだった。<br /> 仕掛けでスイッチを調節しつつ、レラ・シエルの奥へ急ぐユーリィ達。<br /> その途中、一行はまるで村のアルとミースの家のような雰囲気の部屋にたどり着いた。<br /> すると、ユーリィ達が入って来たのとは反対側の入口から、ひょっこりミースが入って来る。<br /> 「ただいまなのですー」「おかえりなのですー」と哀しい一人芝居をしては、結局寂しさでうなだれてしまうミース。<br /> そこへユーリィ達が驚いて声をかける。<br /> 最初は成長したユーリィとチェリンカが分からなかったミースだが、<br /> 本当に二人と再会できたことが分かって、嬉しさのあまり泣きだしてしまうのだった。<br /> しかし、レラ・シエルの崩壊が近いため、先を急ぐしかないとアルが警告した途端、<br /> ユーリィ達が入って来た方の入口が崩れ去ってしまった。<br /> 仕方なく、ミースがやって来た方の入口から出口を探すことに。<br /> この先はミースしか通れないところがあるらしく、しばらくミースの単独行動になる。<br /> この時、仲間との会話で次のようなことが分かる。<br /> あの雨の日、ミースの前に仮面の男が現れ、彼女を錬金ポットに押し込めて、<br /> 村の崖から投げ落としてしまったらしい。<br /> ポットに詰め込まれたまま転がり落ちて、彼女は気が付いたらレラ・シエルの貯水槽にいたらしい。<br /> そして、出口が閉じられていたためあちこち出口を探し回るうちにすっかり迷ってしまったのだ。<br /> さらに、アルはミースに我が持っていた杖を見たことはないか、と尋ねる。<br /> それはかつてアルが王から賜ったものであるらしい。<br /> しかしミースの答えは「あるけどない」。<br /> なんとアルの錫杖は、ミースが燃料にするためにとっくの昔に燃やしてしまったらしい。<br /> アルはその杖を「我が我である証」と考えていたらしく、<br /> 「杖より命の方が大事」というミースの言葉に納得しつつも落ち込んでしまうのだった。<br /><br /></dd> <dt>461 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:16:13 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>さて、チュートリアルがてらミースが先に進むためのスイッチを押して、<br /> 改めてユーリィ達とミースが合流。出口を探しに先へ進むのだった。<br /> しかし、あるところで目の前の扉が開かず、それ以上進めなくなってしまう。<br /> その時アルとミースに、頭から水がぶっかけられる。<br /> 傍らの巨大水槽の中を泳いでいる、巨大な魚の仕業のようだ。<br /> まるでアルやミースに恨みでもあるかのような攻撃だった。<br /> 一方ミースは「これもゆとり教育の弊害なのです、近頃の若者はすぐキレやがるのです」と自分がキレまくり。<br /> ミースの宣戦布告でボスとの戦闘開始。<br /> 見事ユーリィ達が勝利すると、ボスはミースの復讐リストに名前を載せたまま逃げて行った。<br /> ようやく開いた扉をくぐり、まっすぐに伸びた通路を急いで進むユーリィ達。<br /> すでに多量の雨による崩壊が始まっており、周囲には不気味な轟音が。<br /> 途中で転んでしまったチェリンカをユーリィが助け起こした、まさにその時。<br /> ついに水圧に耐え切れなくなった天井が崩落、大量の水とともに瓦礫が五人の頭上へ降り注いだ。<br /> 自分に向かって落ちて来る瓦礫を見つめながら、ユーリィは「こんなところで終わりたくない」と強く思う。<br /> そしてチェリンカの制止を振り切って、チェリンカの介在なしに一人で魔法を発動させてしまう。<br /> ユーリィの魔法によって時が止まったかのように瓦礫や水流がその場に静止する。<br /> その隙に目の前の横穴に飛び込むユーリィ達。<br /> 横穴の先は円形の広間になっており、中央には光を失ってしまった巨大クリスタルがあった。<br /> ここはまだ施設の機能が生きているらしく、ひとまず崩壊の危機からは逃れ得た。<br /> しかし、今度はユーリィの様子がおかしい。<br /> 心配する仲間たちに大丈夫だと言いつつも、ついにその場に倒れ込んでしまうユーリィ。<br /> その身体はどんどん冷えて行く。<br /> どうやらチェリンカなしで魔法を使った結果らしい。<br /> 風前の灯のユーリィを前に、仲間たちには打つ手がない。<br /> その時、チェリンカが「誰かユーリィを助けて!」と叫び、彼女に声が戻って来た。<br /> そんなチェリンカの叫びに応えるように、クリスタルの前にあの少女の幻影が現れる。<br /> もはや少女を恐がることなく、必死にユーリィを助けてほしいと懇願するチェリンカ。<br /> チェリンカのクリスタルと呼応するように、広間のクリスタルも輝き始めた。<br /> 彼女はそばに落ちていた衣服を示すと、再び消え去ってしまった。<br /> その、少女が着ていたものと同じ服をユーリィに着せかけてやるチェリンカ。<br /> 服の不思議な力によるものか、チェリンカの呼びかけにユーリィが答え、<br /> 彼は命の危機を脱することができた。<br /> アルの話により、ここがクリスタルの間と呼ばれ、地上まで吹き抜けであること、<br /> さらに地上のスイッチを押せばワープが開くことを聞いたナッシュは、足掛かりすらない縦穴をジャンプして見えなくなってしまう。<br /> 一方ミースはその服に見覚えがあるらしく、激しく動揺し始めた。<br /> チェリンカとユーリィから、二人が子供の頃に何度か出会った少女の話を聞くミース。<br /> チェリンカは、ユーリィを助けてくれたのは彼女だと話した。<br /> 二人の話す少女の特徴から、ミースはそれがテテオと呼ばれる少女だと理解したらしい。<br /> テテオ様がおかわいそう、といきなり泣きだしてしまった。<br /> 詳しく話を聞くと、テテオはコルカ王の第一王女であり、優秀なクリスタル使いでもあったという。<br /> クリスタル使いとは、特異なまでにクリスタルの力を使うことの出来る人間のことであり、チェリンカや双子の母・アーチェスもそうだったという。<br /> 特にアーチェスはレベナ・テ・ラ最強のクリスタル使いとされ、<br /> 未来をも見通すことから星詠みの巫女と呼ばれていたらしい。<br /> そして、ミースはアーチェス付きの侍女兼テテオの教育係をしていたのだ。<br /> ミースはあの日、テテオのクリスタル制御の勉強を兼ねてレラ・シエルにやって来たと語る。<br /><br /></dd> <dt>462 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:17:54 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>話の続きを引き取るアル。<br /> クリスタルを制御する技術により、いにしえから栄えて来た国、レベナ・テ・ラ。<br /> そのレベナ・テ・ラがシエラ湖上に長い時間をかけて築き上げたのがレラ・シエルだった。<br /> 魔術師達はここのクリスタルを中心に複雑な魔法を張り巡らせ、シエラの水量を完全に制御することに成功。<br /> レラ・シエルは王都を水難から守ることと、学術機関としての二つの顔を持っていた。<br /> そしてラトフとアルはレラ・シエルの責任者だったらしい。<br /> ある日、連日の大雨でシエラの水量が増え、大事を取ってラトフとアルは人々を避難させ始めた。<br /> その時、クリスタルの間から真っ赤な光の柱が立ちのぼり、クリスタルは拒否反応を起こして暴走。<br /> 結果として多数の犠牲とともにレラ・シエルは崩壊したのだった。<br /> アルによれば、巨大クリスタルを暴走させるにはクリスタル使いレベルの者が介入しないとダメらしい。<br /> テテオが疑われていると誤解して、憤慨しながら話に割り込むミース。<br /> しかし、アルによればそこが謎らしい。<br /> クリスタル使いであることは、すなわち清浄な力に満たされているということ。<br /> それならクリスタルが邪悪な意志で紅く変質することは考えられないというのだ。<br /> アルは何かに思い当たったようにつぶやく。月…月…月の民、と。<br /> 「月の民」という言葉を聞いたミースは、はっとして現在の教皇の拝命式のことを思い出した。<br /> テテオが教皇を見るなりひどくおびえ、月の民だと言ったというのだ。<br /> もはや一連の黒幕が神殿と教皇であることが確定し、ミースは怒り心頭。<br /> アーチェス様だけでなくテテオ様まで…とつぶやいてしまう。<br /> すかさずチェリンカに突っ込まれ言葉を濁すアルとミースだったが、<br /> チェリンカに叱られ、仕方なく真実を話す。<br /> 双子の母であるアーチェスは、二人が生まれてまもなく神殿にさらわれたというのだ。<br /> しかし、二人に復讐に囚われて欲しくないという思いから、<br /> ラトフとアーチェスが子供達にこの事実を秘密にしておいたものらしい。<br /> 両親の願い通りまっすぐ育ったユーリィとチェリンカを喜ぶアルとミース。<br /> いつの間にか地上からナッシュが戻って来ており、<br /> このことを王に報告するためにも、彼が起動してくれたワープを通って五人は地上へ戻るのだった。<br /><br /> (続く)<br /><br /></dd> <dt>463 :<a href="mailto:sage"><b>FFCC リング・オブ・フェイト</b></a>:2008/06/21(土) 18:22:16 ID:u54AuVRq0</dt> <dd>補足<br /> ナッシュもミースもチェリンカの心の声は聞こえているらしい。<br /> 今後チェリンカは肉声で会話するのであんまり意味ないですが…。<br /><br /></dd> </dl>