RULE of ROSE

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RULE of ROSE」を以下のとおり復元します。
<p><strong>RULE of ROSE</strong></p>
<p>part43-84~98</p>
<hr /><dl><dt>84 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
03:58:28 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>登場人物<br />
ジェニファー &lt;不幸な少女&gt; 19歳。このゲームのプレイヤーキャラ。<br />
ブラウン &lt;汚らわしい犬&gt; 茶色い犬。ジェニファーに懐いている。アイテムの匂いを覚えさせ、追跡させることができる。<br />
ウェンディー &lt;さみしがりやなお姫様&gt; 孤児院の子供。病弱。ジェニファーには友好的。<br />
ダイアナ &lt;勝気なお姫様&gt; 孤児院の子供の中ではリーダー格。侯爵夫人。<br />
メグ &lt;賢そうなお姫様&gt; 孤児院の子供。メガネっ娘。伯爵夫人。<br />
エレノア &lt;冷ややかなお姫様&gt; 孤児院の子供。無口なタイプ。男爵夫人。<br />
アマンダ &lt;小さな心のお姫様&gt; 孤児院の子供。太っている。ミシンを使うのが好き。<br />
ホフマン &lt;きびしい先生&gt; 孤児院の院長先生。<br />
その他の孤児院の子供たち。クララ、ニコラ、オリビア、クサビエ、トーマス。<br /><br /><br />
リトルプリンセスの章 March,1930<br /><br />
ジェニファーを乗せたバスは人里を離れた山道に差しかかる。<br />
乗客は少ない。<br />
「ねぇ、絵本を読んで、ジェニファー」<br />
ジェニファーに絵本を差し出す白い服の少年。<br />
その絵本の表紙は、しわだらけの黄ばんだ紙。【リトルプリンセス】と下手くそな字で書いてある。<br />
糸で適当に縫っただけの装丁。どうやら誰かの手作りらしい。<br />
ジェニファーが絵本を受け取ると、バスが止まる。<br />
白い服の少年は降りてしまった。ジェニファーは少年を追いかけようとしてバスを降りた。<br />
バスは発車する。少年の姿はもう見えない。<br />
ジェニファーは一人ぼっちになってしまった。<br /><br />
絵本を読んでみる。<br />
墨一色で書かれていて、ところどころに黒い染みがついていて不気味だ。<br />
―昔々あるところに 可愛い少女がおりました<br />
―少女はいつも 赤い薔薇の姫と一緒でした<br />
―ある日突然に パパとママが死んでしまいました<br />
―赤い薔薇の姫もいなくなり 少女は一人ぼっちになりました<br />
それ以降のページは白紙だった。<br /><br />
山道を進んでいくと納屋がある。その中には犬の首輪が落ちている。<br />
内側に「ブラウン」となまえが書いてある。<br />
それからしばらく行くと大きなお屋敷があった。「ローズガーデン孤児院」と表札があった。<br />
表門は閉ざされていた。覗いてみると、紙袋をかぶった子供たちが遊んでいた。<br />
棒で布袋を叩いている。あまりの恐ろしさにジェニファーは走り出した。<br />
屋敷を囲む塀をぐるっと回って裏門から中へ。遊んでいた子供たちはいなくなっていた。<br /><br /><br /></dd>
<dt>85 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:00:39 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>建物の中へ入ると、白い服の少年が走り去るのが見えたので、追っていく。<br />
階段を上って屋根裏部屋へ。<br />
そこは暗い部屋。床にはたくさんの蝋燭の炎がゆれていた。<br />
奥には白い布をかぶせた祭壇のようなものがあり、その上から少年はジェニファーを見下ろしている。<br />
「絵本を読んでよ」<br />
少年に促されるままに、ジェニファーは絵本を開く。<br />
―そして少女は 知らないお家につれてゆかれました<br />
空白だった場所に、続きが書かれていた。<br />
「さあジェニファー、お葬式だよ。キミの大切なモノのね」<br />
少年は部屋から消えた。ジェニファーはまた少年を追って、中庭に着いた。<br />
中庭には何かを埋めた跡があった。掘り返すと、棺桶が出てきた。<br />
棺桶の蓋をそっと開けて中を覗くと、何かが入っている布袋が入っていた。<br />
ジェニファーは後ろから突き飛ばされて、棺桶の中に入ってしまった。<br />
紙袋をかぶった子供たちが棺桶の蓋を釘で打ち付けた。<br />
子供たちは棺桶を運んでいった。<br /><br /><br />
不幸なクローバー畑の章 April,1930<br /><br />
――昔々あるところに 不幸な少女がおりました<br />
――少女は幸せさがして クローバー畑へ<br />
―― 一つ葉のクローバー探したけれど 道に落として見つからない<br />
―― 二つ葉のクローバー探したけれど 影に隠れて見つからない<br />
―― 三つ葉のクローバー探したけれど 魔女が隠して見つからない<br />
―― 四つ葉のクローバー探したけれど 不幸な少女にゃ見つけられない<br /><br />
ジェニファーは目を覚ました。そこは小さな部屋だった。<br />
傍らには空になった布袋と、棺桶が転がっていた。<br />
「キミは悪い子だね。悪い子にはお仕置きが必要だよね」<br />
どこからか少年の声が聞こえてきた。どうやら放送らしい。<br />
部屋を出て歩き回る。ここは船の中のように見える。<br />
窓があったのでふと外を見て驚く。<br />
空を飛んでいる…この船は飛行船だった。<br /><br />
飛行船内を探索し、ダイアナ、メグ、エレノア、ウェンディーなど、<br />
子供たちに会ったが、口々に「汚らわしい」とか「どっか行っちゃえ」などと罵られる。<br />
その中でウェンディーだけがジェニファーに友好的だった。<br />
乗組員の姿は見当たらない。<br /><br /><br /></dd>
<dt>86 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:03:22 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>階段室の前に、子供たちが貼った張り紙がある。<br />
”貴族の社交界にご招待! 赤いクレヨンの貴族”<br />
階段を上がった先は客室が並んでいた。ここにも張り紙が何枚かある。<br />
”貴族の階級表”。薔薇の姫、クマの王子が最高で、以下侯爵夫人、伯爵夫人、男爵夫人と続く。<br />
そして貴族のランクが書かれた表。<br />
伯爵夫人:ダイアナ、公爵夫人:メグ、男爵夫人:エレノア。<br />
そして貧民のアマンダ。そして、最下層にジェニファーの名前が書いてある。<br />
子供たちは貴族ごっこをしているらしい。ジェニファーも付き合うことになった。<br />
客室が並んだ場所の奥に扉がある。<br />
そこには「貢ぎ箱」と呼ばれる木で作った新聞受けみたいなものが取り付けてある。<br />
”今月の貢物:綺麗な蝶。一人一匹”という張り紙が張ってある。<br />
下層階級は貢物を捧げなければならないルールらしい。<br /><br />
犬が縛られてもがいていた。ジェニファーは犬を助けた。<br />
納屋で拾った首輪をかけ、「ブラウン」と名前を呼ぶと、犬は返事をした。<br />
心強い相棒が出来た。<br />
床には鍵が落ちていた。クローバーの葉が一枚だけついている鍵だ。<br />
鍵のにおいをブラウンに覚えさせ、追跡させると、一つ葉が落書きされているドアの前についた。<br /><br />
鍵を使って扉を開け、その先を探索。<br />
二つ葉の鍵、三つ葉の鍵を入手し、さらにその対応する扉の先を探索する。<br />
(四つ葉の鍵はクリア特典で、二週目以降隠れコスに着替えられます)<br />
客室の一つにアマンダがいた。彼女は手にした標本箱の中から蝶の標本を取り出して持って行った。<br />
後には空の標本箱が残った。<br />
ブラウンに標本箱のにおいを嗅がせて追跡させると、綺麗な青い蝶が飛んでいるのを発見した。<br />
蝶は電球に当たり、その熱のせいで死んだ。ジェニファーは蝶の死骸を拾って、<br />
貢ぎ箱の中に入れた。<br />
扉が開きジェニファーは中に招きいれられた。<br />
  <br />
  「ようこそ社交界へ」<br />
  ダイアナ、メグ、エレノアの三人が高い位置に陣取っている。<br />
  ふいにアマンダコールが始まった。アマンダがジェニファーの前に進み出て、<br />
  ジェニファーに嫌がらせをした。ジェニファーは気絶した。<br /><br />
―お家には 薔薇の掟に支配された 貴族たちの社交界がありました<br />
―それでも少女は ひとりぼっちのままでした<br />
―少女に 新しい大切なともだちができました<br />
―少女はともだちと 薔薇の掟に従いました<br /><br /><br />
紳士のピーターの章 May,1930<br /><br />
――紳士のピーター のんびりおさんぽ<br />
――紳士のピーター 檻に入れられ トイレを我慢<br />
――紳士のピーター トイレを探して大慌て<br />
――紳士のピーター トイレに行けずに袋詰め さようなら<br /><br /><br /></dd>
<dt>87 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:04:54 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>目を覚ますとまたあの小さな部屋だった。<br />
床に手紙が落ちていた。アマンダからの手紙だ。<br />
”お空が見えるところで待っています”<br />
そう書かれていた。ジェニファーはエレベーターで上層へ上がり、<br />
さらにはしごを上って飛行船の外に出た。そこにアマンダは待っていた。<br />
アマンダはジェニファーの手を取って、<br />
「今までごめんなさい。これからは協力しましょうね」<br />
と言った。下層階級同士仲良くしようということらしい。<br /><br />
貢ぎ箱へ。”今月の貢物:紳士のピーター”<br />
医務室の続きの病室でウェンディーが寝ていた。<br />
ウェンディーはジェニファーに、ウサギのピーターが逃げ出したので捕まえてくれと頼んだ。<br />
病室の壁にはウェンディーが描いた絵が張られている。空飛ぶ魚やお菓子の家の絵。<br /><br />
ピーターを追っていく。袋に入ったピーターの落し物(つまりフン)を拾った。<br />
落し物のにおいをブラウンに辿らせると、生暖かい何かが入った麻袋に行き着いた。<br />
麻袋には赤い染みがついていた。<br />
麻袋を貢ぎ箱に捧げる。扉が開いたので、中へ。<br />
 <br />
  貴族たちが揃っていた。高いところに玉座よろしく椅子がすえられており、<br />
  その上には赤い服を着た人形が座っていた。あれがバラの姫らしい。<br />
  ダイアナが前に出て、言った。<br />
  「バラの姫様のお言葉を伝えます。『ジェニファー、今月のあなたの活躍は素晴らしかったわ』」<br />
  ジェニファーの階級は一つ上がり、アマンダが最下層となった。<br />
  先月とは逆にジェニファーがアマンダを嫌がらせ。だがそれに耐えられずにジェニファーはまた気絶。<br /><br />
―貴族たちの社交界の中で 薔薇の掟は絶対でした<br />
―赤い薔薇の姫が だれより一番えらいのでした<br /><br /><br />
しあわせの小鳥の章 July,1930<br /><br />
――大きな箱がありました<br />
――大きな箱の中には 幸せの小鳥がいるのでした<br />
――小鳥は少女を 幸せの国に連れて行ってくれるはずだったのに<br />
――小箱の中には小箱しかありません<br />
――狭くて暗いその場所で やっと見つけた少女の小鳥<br />
――小鳥は狭い部屋で野垂れ死んだ<br />
――血まみれになって かわいそう<br />
――”永遠に変わらぬ”幸せは無い<br /><br />
目を覚ますとそこは客室の一つ。エレノアの部屋だ。<br />
エレノアは空の鳥かごを携えて部屋を出て行った。<br />
後には赤い鳥の羽が残された。<br /><br /><br /></dd>
<dt>88 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:06:35 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>”今月の貢物:幸せの赤い鳥”<br />
赤い鳥の羽のにおいを辿ると、たくさんの赤い羽根が通路に降り積もっているところに出た。<br /><br />
赤い羽根が落ちている道は、客室の一つで消えていた。<br />
その客室の中には、大きな箱が入っていた。<br />
”王国”と書かれている。パズルを解いて箱を開けると、その中には”町”と書かれた箱が。<br />
さらにその中には”家”、そして”夫婦”と入れ子になっていた。<br />
最後の小さな箱には”ひとり”と書かれていた。その箱を開けると、中には赤い鳥の人形が入っていた。<br /><br />
  エレノアは赤い鳥の人形をジェニファーの手からひったくって鳥かごの中に入れた。<br />
  階段を上り、屋根裏部屋のドアの前へ。そこに設置されている貢ぎ箱に赤い鳥を無造作に入れた。<br />
  ドアが開く。エレノアの他、貴族たちは中に入った。ジェニファーは外に残された。<br /><br />
エレノアの部屋で目を覚ます。ジェニファーは大切な約束を思い出した。<br />
”everlasting(永遠に変わらぬ)”<br /><br />
―少女は 薔薇の掟に従いました<br />
―少女は 伯爵夫人に嫌われました<br />
 <br /><br />
こやぎの姉妹の章 September,1930<br /><br />
――妹山羊がお手紙出した めぇめぇ<br />
――姉さま山羊が お手紙食べた めぇめぇ<br />
――妹山羊がノートで勉強 めぇめぇ<br />
――姉さま山羊が ノートをひきちぎる めぇめぇ<br />
――手紙を読ませたい妹は 姉さま殺して手紙をとりかえす<br />
――けれども姉さま死んじゃった 死んじゃったら読めないよ めぇめぇ<br />
――”愛に誓って”も ケンカでご破算<br /><br />
そこはどこかの倉庫だった。メグが考え事をしながら椅子を立って、出て行った。<br />
椅子の上にはメグの鉛筆があった。<br />
鉛筆を使ってメグを追う。その途中でダイアナに会った。<br />
メグからダイアナへと送られたラブレターを、ダイアナはヤギに食べさせようとした。<br />
ラブレターは半分に引き裂かれたが、ヤギはかじっただけで食べなかった。<br />
そのままその半分は行方不明になってしまったので、探してほしいとのこと。<br />
ダイアナから残った半分のラブレターを受け取り、ブラウンににおいをかがせる。  <br /><br />
ラブレターは物置の古い柱時計の中にあった。<br />
柱時計の蓋を開けると、おなかに石を詰められたヤギの人形が出てきて、<br />
その人形と一緒にラブレターは出てきた。ジェニファーは手持ちの半分と合わせてみた。<br />
そこへダイアナとメグが来ていた。<br />
「なんであんたが手紙を…?」<br />
メグは、ジェニファーが手紙を破ったと思い、ダイアナに泣きついた。<br />
「…たまねぎ袋にしてやる!」<br />
メグは憎しみの篭った目でジェニファーを睨んだ。<br /><br /><br /></dd>
<dt>89 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:07:27 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>  たまねぎ袋とはメグが考案した拷問だ。<br />
  ジェニファーはたまねぎ袋の中に入れられた。細く開いた口から、<br />
  子供たちが虫を次から次へと放り込む。<br /><br />
元の倉庫に戻ってきた。ジェニファーは大切な約束を思い出した。<br />
”true love(愛に誓って)”<br /><br />
―少女は 薔薇の掟に従いました<br />
―少女は 男爵夫人にお仕置きを受けました<br /><br /><br />
にんぎょ姫の章 August,1930<br /><br />
――昔々 海の国の人魚姫は 人間の王子様に恋をしました<br />
――人魚姫は何年たっても片思いでした<br />
――そしてついには お婆さんになってしまいました<br />
――死ぬまで 一人ぼっちの人魚姫<br />
――人魚の国の娘たちは とても哀れみました<br />
――あんなお婆さんには 絶対なりたくないと思いました<br />
――たとえ死んでも ”あなたに従います”<br /><br />
そこはVIPルーム。ダイアナの部屋だ。魚のいない水槽が置かれている。<br />
ダイアナは探している物があると言って出て行った。<br />
”今月の貢物:人魚”<br />
貴族たちは、さすがに人魚は無理だろうと噂していた。<br /><br />
拾った魚のうろこのにおいを辿ると人形の足が見つかった。<br />
さらに人形の足を辿ると、人形と魚を組み合わせた人魚が落ちていた。<br /><br />
  院長室に置かれた水槽の中に魚はいなかった。<br />
  ホフマン先生はダイアナを叱り付けている。<br />
  先生が去っていったあと、ダイアナは手にした雑巾を水槽に浸した。<br />
  「あら、こんなところも汚れているわ」<br />
  ダイアナはその雑巾をジェニファーに…。<br /><br />
ハッとして起き上がるとVIPルームだった。<br />
ジェニファーは友達と交わした大切な約束を思い出した。<br />
”I am yours(あなたに従います)”<br /><br />
―少女は 薔薇の掟に従いました<br />
―少女は 侯爵夫人になじられました<br /><br /><br /><br /></dd>
<dt>90 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:09:09 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>おかしの家の章 June,1930<br /><br />
ふいにジェニファーは、何者かに担ぎ上げられた。<br />
運ばれていった先は、赤いバラが咲き乱れる庭だった。<br />
あたりを見回したが、ブラウンの姿が見当たらない。<br />
  <br />
ジェニファーを運んできた大男が歩み去るのが見えた。<br />
男を追って、平屋建ての家へ。家の中は荒れていた。<br />
書斎には日記があった。あの大男はグレゴリーと言う名前らしい。<br />
グレゴリーは息子がいて、息子に絵本を書いてやったりしていたらしい。<br />
その日記は1930年6月27日で終わっていた。<br /><br />
  ジェニファーは地下室のドアを開けた。<br />
  「ああ、お帰り。もうおねむの時間だね。おやすみ、ジョシュア」<br />
  グレゴリーはジェニファーを地下室に置き去りにした。<br />
  <br />
地下室はベッドやタンスがあり、誰かが生活していたらしい跡がある。<br />
壁には1929年4月25日の新聞記事が貼ってあった。<br />
”わが国最大の飛行船がついに完成。初飛行はカーディントン発でインドへ向かう予定。”<br />
ウェンディーからジョシュアに宛てた手紙が見つかった。<br />
4月ごろから始まり、最後の一通は6月27日。<br />
”明日、そこから出してあげる。大丈夫よ、あの恐ろしい道具の場所はわかってるから。”<br />
ベッドには白い服と半ズボンがきちんと並べてあった。<br />
タンスの上には熊のぬいぐるみがあった。<br /><br />
  「おじさんが帰ってくる前に逃げましょう」<br />
  はるか上方の窓からウェンディーが話しかけてきた。<br />
  ジェニファーは地下室から逃げ出し、ウェンディーが待つ赤いバラが咲く庭へ。<br />
  「ねぇ、そのぬいぐるみを頂戴。その代わり、このブローチをあげるわ」<br />
  ジェニファーは熊のぬいぐるみを渡し、ブローチを受け取った。<br />
  赤いバラが彫りこんであるブローチだった。<br />
  「そうねぇ、名前は、ジョシュアがいいわ」<br />
  ぬいぐるみを抱きながらウェンディーが言った。<br />
  ふたりは誓い合った。<br />
  ”永遠に変わらぬ、愛に誓って、あなたに従います”<br /><br /><br /><br /></dd>
<dt>91 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:15:29 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>ぞうきん姫の章 October,1930<br /><br />
――娘は毎日毎日 ぞうきんをぬうのが仕事でした<br />
――ぞうきんの匂いが染み付いて とても臭かったといいます<br />
――娘の姉たちは 美しいドレスを着て 社交界に 出かけてゆくというのに<br />
――自分だけいつも 家でお留守番<br />
――娘は嫉妬で一杯でした<br />
――ある日 魔法使いが現れて 娘に魔法をかけて言いました<br />
――灰色のドレスを おぬいなさい<br />
――そうすれば あなたも社交界にゆけることでしょう<br />
――娘は薄汚い布をぬい合わせて ドレスをつくりました<br />
――そうして娘は ぞうきん姫になりましたとさ<br /><br />
飛行船の小部屋で目を覚ます。<br />
ブラウンがいたのでホッと安心するジェニファー。<br />
物音がする倉庫へ入ると、アマンダがミシンで一心不乱に雑巾を縫っている。<br />
貢ぎ箱のところには、”緊急事態発生”という張り紙があった。<br />
熊のジョシュアが逃げ出したらしい。<br /><br />
ジョシュアのしっぽを見つけた。それをブラウンで追跡すると、<br />
アマンダに行き着いた。どうやらアマンダがジョシュアを盗んだようだ。<br />
熊のジョシュアを貢ぎ箱へ。扉が開く。<br /><br />
  「おめでとう。真っ赤なクレヨンをあげるよ」<br />
  貴族たちからクレヨンをもらった。<br />
  ジェニファーは赤いクレヨンの貴族の一員になった。<br /><br />
―少女はともだちとともに 薔薇の掟に従い続けました<br />
―赤い薔薇の姫は おもしろくありませんでした<br /><br /><br />
おそうしきの章 November,1930<br /><br />
――お庭に穴があいていました<br />
――妖精が現れて少女に言いました<br />
――今日はお前のお葬式 とりやめたければ 友達をささげなさい<br />
――少女は 生き埋めになりたくありませんでした<br />
――だから結局 友達を穴に埋めることにしました<br />
――あぁ とてもかわいそうな お友達<br /><br /><br /></dd>
<dt>92 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:17:48 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>孤児院の一室で目を覚ます。そこは汚れ物の部屋と呼ばれる、<br />
洗濯するものを置いておく部屋だった。<br />
なぜか柱に縛り付けられていた。そばにブラウンがいたので呼び寄せ、ロープを噛み切らせる。<br />
ジェニファーの服は赤いクレヨンで落書きされていた。<br /><br />
  院長先生の放送が聞こえてきた。<br />
  「さあさあ、子供たち、掃除の時間だ」<br />
  子供たちはやる気なさそうに掃除を始めた。<br />
  ダイアナは大部屋に、メグは図書室に、エレノアはバルコニーに、アマンダは裁縫部屋に向かった。<br />
  「キミか、ジェニファー。またそうやってすぐサボろうとする!」<br />
  院長先生に叱られてしまった。<br /><br />
ジェニファーは何者かに紙くずを投げつけられた。<br />
紙くずを拾って読む。”今月の貢物:汚らわしいジェニファー”<br />
掃除の時間が終わり、消灯時間となった。<br />
真っ暗な孤児院の中に邪悪な妖精さんが現れて、ジェニファーに襲い掛かる。<br />
ジェニファーとブラウンは必死で逃げて、中庭に着いた。<br /><br />
中庭にはウェンディーが立っていた。<br />
ウェンディーはジェニファーには目もくれず、ブラウンをなでた。<br />
気づいた時にはもう遅かった。ウェンディーとジェニファーは消えていた。<br />
ジェニファーは急いで屋根裏部屋へ行った。貢ぎ箱が付いている扉を開ける。<br />
そこには貴族たちの醜悪な笑いと、赤い染みのついた布袋があった。<br />
  <br />
  ジェニファーは幼い頃の姿になっていた。白いエプロンドレスを着けている。<br />
  扇で顔を隠した赤いドレスの少女が歩み寄ってきた。ウェンディーだった。<br />
  ウェンディーがプリンセスだったのだ。<br />
  「あたしの友達、返してよ!!」<br />
  ジェニファーはウェンディーをなじった。ウェンディーは泣き出した。<br />
  「あたしはあんたのことを許さない!」<br />
  着けていた赤いバラのブローチを外して投げ捨て、ジェニファーは部屋を出て行った。<br /><br />
―そんな少女の元に 最後の薔薇の掟が伝えられました<br />
―その掟は ともだちを差し出すことでした<br />
―ともだちを差し出した少女は プリンセスになりました<br /><br /><br />
ノライヌとうそつき姫の章 December,1930<br /><br />
――昔々 あるところに少女がいました<br />
――少女はいつもノライヌが来たぞと言っては 他の少女たちを怖がらせていました<br />
――けれども それは全部嘘だったので みんな少女のことを嫌いになりました<br />
――ある日少女が ノライヌが出たよと叫びながら お家に帰ってきました<br />
――みんなは また少女が嘘をついているのだと思いました<br />
――けれどもそれは本当だったので みんな食べられてしまいました<br />
――めでたし めでたし<br /><br /><br /></dd>
<dt>93 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:20:06 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>汚れ物の部屋で目を覚ましたが、ブラウンはいなかった。<br />
廊下で女の子たちと会ったが、どの子もスカートをちょっと上げて恭しくお辞儀をする。<br />
ジェニファーはプリンセスになったのだった。<br />
「外にウェンディーがいる!」<br />
女の子たちはせせら笑いを浮かべながら外に出て行った。<br />
しばらくすると、外から悲鳴が聞こえてきた。<br /><br />
ジェニファーが外に出ようとすると、白い服の少年…ジョシュアが、<br />
大きな犬を引き連れて立ちふさがった。<br />
ジョシュアはジェニファーに向かっていくように命じた。<br />
犬がやってきた。否、犬ではなく、四つんばいになったグレゴリーだった。<br />
ジェニファーは何とかグレゴリーを退け、外へ出た。<br /><br />
「あなたが私を愛してくれないから、あなたをここへ連れてきた。<br />
あなたがブラウンを愛してしまったから、私はノライヌを連れてきた」<br />
少年はかつらを取る。金髪がこぼれる。ウェンディーだった。<br />
ウェンディーは拳銃を差し出した。これが手紙に書いてあった、恐ろしい武器だ。<br />
「お願い、この銃でおじさんを止めて」<br />
拳銃を受け取ると、ウェンディーは後ろからグレゴリーに襲われて、殺された。<br /><br />
グレゴリーと再び対峙する。理性を完全に失っていたのかと思いきや、<br />
時折動きが止まる。ジェニファーはグレゴリーに拳銃を渡した。<br />
「済まない、ジョシュア…」<br />
グレゴリーはそう言って、拳銃でこめかみを打ち抜いて死んだ。<br /><br />
―薔薇の掟に縛られた ひとりぼっちのプリンセス<br />
―悲しくなったプリンセスは すべての思い出に鍵をかけましたとさ<br /><br /><br />
むかしむかし…の章 January,1930<br /><br />
私はベッドの上で目を覚ました。懐かしい、汚れ物の部屋。<br />
あのときの、小さかった自分。白いエプロンドレスを着けている。<br /><br /><br /></dd>
<dt>94 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
04:23:22 ID:GQg8NB3F0</dt>
<dd>私は全てを思い出した。<br />
私はカーディントンに住む普通の少女だった。<br />
あの飛行船の事故で、私は全てを失った。両親も、記憶も、全て。<br />
それからグレゴリーの家に連れて行かれて…。<br />
半ズボンをはかされて、私はグレゴリーの息子のジョシュアになった。<br />
本当のジョシュアがどうなったかは知らない。<br />
私はあの頃、髪を短くしていたし、きっとジョシュアに似ていたのだと思う。<br />
そのうち、ウェンディーから手紙をもらうようになった。<br />
私のことを男の子だとすっかり思い込んでいたみたい。<br /><br />
6月の終わりに、私はウェンディーと逃げ出し、バラの誓いを立てた。<br />
そして孤児院にやってきて、汚れ物の部屋で寝泊りして、洗濯係をやった。<br />
小間使いと言ってもいいかも知れない。<br />
ウェンディー以外の子供たちからは疎まれ、院長先生からは理由もなく叱られたっけ。<br />
貴族ごっこでも、私は一番下層の階級だった。<br /><br />
8月、私は子犬のブラウンと出会った。納屋で飼うことにした。<br />
首輪をつけて、リードを納屋の柱に縛り付けた。<br />
ウェンディーはブラウンに嫉妬するようになった。<br />
あてつけるように、ウェンディーはウサギのピーターを飼い始めた。<br />
でもピーターはやがて貢物になってしまった。<br />
ウェンディーの行動はエスカレートしていき、グレゴリーを犬として調教するようになった。<br />
ブラウンが貢物になり、私は悲しんだ。<br /><br />
12月の始め、院長先生が失踪した。理由は解らない。<br />
食事を作ってくれるお手伝いさんも後を追うように出て行った。<br />
孤児院から大人はいなくなった。<br />
そして運命の日。孤児院の子供たちはグレゴリーによって殺された。<br /><br />
私は鏡の中の私に問いかける。<br />
ねぇ、全てを思い出した今、あなたは幸せ?<br /><br />
THE END<br /><br /><br /></dd>
<dt>95 :<a href="mailto:sage"><strong>ゲーム好き名無しさん</strong></a>:2008/12/17(水)
13:26:46 ID:sBgQFnES0</dt>
<dd>ルールオブローズ乙です!<br /><br /></dd>
<dt>96 :<a href="mailto:sage"><strong>ゲーム好き名無しさん</strong></a>:2008/12/17(水)
14:02:18 ID:lfEf9Kb4O</dt>
<dd>うわあああ((((゚д゚;)))<br /><br />
ルールオブローズ乙です<br /><br /></dd>
<dt>97 :<a href="mailto:sage"><strong>ゲーム好き名無しさん</strong></a>:2008/12/17(水)
16:45:21 ID:hq3gFziJ0</dt>
<dd>乙。でももうちょっと続きなかったっけ<br /><br /><a target="_blank" href="http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/test/read.cgi/gsaloon/1229188647/94">
&gt;&gt;94</a>のシーンの後、なぜか緑豊かな場所で目覚める子供ジェニファー<br />
先ほどまでと違い、非常にのどかな光景<br />
孤児院を出ると、ウェンディーは悲しげに微笑み、門の中で一人遊びを始める<br /><br />
グレゴリーがベンチに座り、ジョシュアに作った物語の終わり方を考えていて、<br />
「一生友達でいました。めでたしめでたし。・・・でも、本当にこうやって終わると思う?<br />
裏切り、嘘をつき、勝手に忘れて知らん振り。永遠に変わらない友情なんてあるのかな?」<br />
とジェニファーに問う<br /><br />
小屋に行ってブラウンを見つけるジェニファー<br />
「私が絶対に守ってあげる。例えどんな事からも」<br />
悲しげに鳴くブラウンを無視し、ジェニファーは幸せそうに微笑みながら、<br />
重い音を響かせて小屋に鍵をかける<br />
(ここブラウン視点なので、ジェニファーの笑顔を見ながら自分が閉じ込められるような気分になって怖い)<br /><br /></dd>
<dt>98 :<a href="mailto:sage"><strong>ルール オブ ローズ</strong></a>:2008/12/17(水)
17:18:41 ID:2RaHVSoE0</dt>
<dd><a target="_blank" href="http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/test/read.cgi/gsaloon/1229188647/97">
&gt;&gt;97</a><br />
むかしむかし…の章は、それを含めて総合的に書いたッス<br />
ゲーム内の実際の進行とは順番が違うが<br />
時系列に沿って整理して書いてみたッス<br />
言ってる事は変わってないはず。<br /><br />
>なぜか緑豊かな場所で目覚める<br />
そこは孤児院の庭では?<br /><br /></dd>
</dl>

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