かまいたちの夜

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<b>かまいたちの夜<br></b>&gt;&gt;16-169~177・205~213・215~216・392~398・400~404・445~446、&gt;&gt;17-43~45、&gt;&gt;18-283~295</p>
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169 かまいたちの夜1 sage 2005/06/22(水) 15:20:48 ID:964+6anK<br>
登場人物紹介<br>
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透・・・主人公。中肉中背の大学生。真理とは友達以上恋人未満<br>

真理・・ヒロイン。透と同じ大学。スポーツ万能、スタイル抜群<br>

小林二郎・・・ペンション「シュプール」オーナー。真理の叔父(以下、小林さんと記載)<br>

小林今日子・・小林さんの奥さん。気さくで面倒見のいい人(以下、今日子さんと記載)<br>

香山誠一・・・社長。ハゲ、小太り、関西弁と典型的キャラ(以下、香山さんと記載)<br>

香山春子・・・香山さんの奥さん。おしとやかで清楚な日本美人(以下、春子さんと記載)<br>

久保田俊夫・・シュプールのアルバイト。長身のスポーツマンタイプ<br>

篠崎みどり・・シュプールのアルバイト2。20代、ポニーテールのスポーツマンタイプ<br>

美樹本洋介・・カメラマン。ひげもじゃのがっちり体型の山男<br>

渡瀬可奈子・・OL三人組その1。痩せ型、長髪の派手めなお姉さん<br>

北野啓子・・・OL三人組その2。ぽっちゃり型、いつも片手にスナック菓子<br>

河村亜希・・・OL三人組その3。ショートカットでボーイッシュな女性。ちなみに全員18歳<br>

田中一郎・・・謎の男。ロングコートに帽子、サングラスといかにも怪しい人物<br>

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ペンション「シュプール」の構造<br>
1階・・・玄関、談話室、食堂、スタッフたちの部屋<br>
2階・・・客室<br>
地下室・・ワイン倉庫<br>
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○○の部屋とか、部屋という表現は大抵2階の客室だと思って下さい<br>

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170 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:22:45ID:964+6anK<br>
その1<br>
透と真理はスキー場に来ていた。スキーに不慣れな透は転んでばかり、<br>

一方の真理は雪国育ちでその腕前を存分に披露していた。<br>

そして透がクタクタになってきたころ、空模様もあやしくなってきたため、<br>

二人はペンション「シュプール」へと帰ることにした。<br>
透と真理は大学の同級生。透が果敢にアタックをしてきたものの一人相撲のようであったが<br>

なんと今回は真理からスキー旅行へ行かないかと誘われたのだ。願ってもないチャンスを<br>

断る理由もなく、二人で旅行へ来たのであった。<br>
「シュプール」は真理の叔父の小林さんが経営しているため格安で泊めてくれるそうだ。<br>

シュプールへ着く頃には空は吹雪はじめていた。<br>
透と真理はスキーウェアの着替えを済ませたあと、1階の談話室へ降りてきた。<br>

そこでOL三人組・可奈子、啓子、亜希と出会う。カメラのシャッターを頼まれる透、<br>

そのまま自己紹介しあい談笑していると、そこへ新たな客・香山夫妻がやって来た。<br>

香山さんは小林さんとは旧知の仲で、着くなり関西弁であれやこれやとまくし立てるのであった。<br>

奥さんの春子さんはおしとやかで何処か影があるような印象を透は受けた。<br>

その後、みどりさんから夕食の準備が出来た事を聞き、食堂へ向かった。<br>

食堂にはペンションには似つかわしくない客・田中がいた。田中はサングラス、コート、帽子と<br>

ヤクザのような格好であった。しかし、食事が運ばれると美味しさにそんなことを忘れのであった。<br>

食後、真理がナイターへ誘ってきたものの、俊夫さんとみどりさんに吹雪のことを聞き断念する。<br>

談話室に戻ってみると小林さんとOL三人組がなにやら言い争っている。<br>

どうやらOL達の部屋に『こんや 12じ だれかが しぬ』と書かれた紙が投げ込まれたようだ。<br>

気味悪がるOL達ではあったがテレビがその部屋にしかないこと、そして部屋に入らずともドアの隙間から<br>

紙を投げ入れられることで納得し、誰かのイタズラということでその場は収まった。<br>

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171 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:23:33ID:964+6anK<br>
その2<br>
その後、透と真理は談話室でくつろいでいると香山夫妻がやって来て、透を自分の会社へと誘ってきた。<br>

やんわりと断るも香山さんは一人で話し続けるのであった。<br>

ちょうど小林さんがビールを持ってきてくれたとき、外に何かが落ちる音がして驚く透。しかしそれは<br>

ただ屋根に積もった雪が落ちただけであった。そのまま窓を眺めていると、車の音が聞こえてきた。<br>

そして、遅れてやって来た客・美樹本が現れた。外の吹雪がひどいらしく美樹本さんは大変苦労したと言う。<br>

実際、今までにないほどの吹雪だそうだ。<br>
美樹本さんは荷物を置いてくると談話室に現れ、自己紹介を始めた。陽気な性格らしく大声で話す人である。<br>

皆でビール、紅茶などを飲んでいると小林さんが他の人達も誘うようにみどりさんに言った。<br>

田中さんは人付き合いが良さそうでないということで、誘わなかったもののOL三人組はお茶を飲みに<br>

談話室へと降りてくる。俊夫さんはテレビを見てるということで現れなかった。<br>

人が増え騒々しくなる談話室。みなで楽しくお茶をしているときに突然「ガシャン」とガラスが<br>

割れる音が響く。小林さんが一階を見て回るも異常はなく、俊夫さんを部屋から連れ出して戻ってきた。<br>

そして各自、自分たちの部屋の窓が割れてないか確かめに行く。小林さん曰くほおっておくと<br>

冷凍庫になってしまうらしい。透、真理、香山夫妻、美樹本さん、OL三人組ともに異常は見当たらなかった。<br>

すると残る部屋は一つしかない。田中の部屋だ。<br>
ふと真理があの脅迫状は田中の仕業ではないかとつぶやく。いやな予感がする透。<br>

小林さんが田中の部屋をノックするも返事がない。強くノックするもやはり返事はない。<br>

ノブを回すも鍵がかかっていたため、小林さんのマスターキーを使い部屋に入る。<br>

部屋を開けた途端ひどい寒気が吹き抜ける。案の定、窓が開け放たれていた。<br>

小林さんが田中さんを呼ぶが見当たらない。窓ガラスは割れ、枠だけになった窓が外壁に叩きつけられてた。<br>

窓を調べようと近づくと、そこにはバラバラに切断された田中の死体が床に転がっていた・・・<br>

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172 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:24:08ID:964+6anK<br>
その3<br>
その後、殺害された田中を除く全員が談話室に集まっていた。<br>

透はそこで、死体が発見されたこと、脅迫状のことを皆に話す。<br>

かまいたち、プラズマのせいだと異常事態に混乱していると、香山さんが警察に連絡を入れるべきだと言う。<br>

早速、小林さんが電話をかけてみるも繋がらない。どうやら電話線が切れてしまったようだ。<br>

携帯電話を試すも電波が入らない。電話が使えない、外は吹雪、完全に閉じ込められてしまった。<br>

人殺しがどこかにいるかもしれないのに…。<br>
全員に不安が広がる。このペンションにすでに人殺しが隠れているかもしれない。<br>

いつ襲われるか分からない状況だ。そんな時、真理が武器を持ったほうがいいのでは、と提案する。<br>

賛同する一同。モップや果物ナイフ、スキーのストックを持ち、男性5人、透、美樹本、小林、香山、俊夫<br>

で犯人が隠れていそうな所を点検してまわる。一階、二階と調べてまわるも何も見つからない。<br>

そして香山さんがふと物置を指差す。その時、ガタッと中で物音が聞こえる。緊張が走る。<br>

意を決して物置を開けると同時に何かが飛び出してきた。<br>

なんと、猫であった。その猫はペットのジェニーだそうで、シュプールで飼われているそうだ。<br>

その後も調べるも結局なにも見つからなかった。ほっとしたような不安なような気持ちになる一同。<br>

談話室に戻り、とりあえず皆でコーヒーを飲む。そのとき透は疑問を抱く。<br>

犯人は本当に外から窓を割って入ってきたのだろうか?<br>
窓が割れる音がしてから田中の部屋に行くまでは、15分程度だ。そんな時間で人を殺害しバラバラに出来るのだろうか?<br>

なにか短時間で出来る方法があるのだろうか?<br>
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173 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:25:31ID:964+6anK<br>
その4<br>
窓が割れる音がしたとき一人だけ談話室にいなかった人間を透は思い出す。<br>

俊夫さん。透のなかで疑念がうずまく。いや犯人は外部の人間である、<br>

そうあるべきだと無理に思い込もうと透はするのであった。<br>

すると小林さんがふいに立ち上がり外を見てくると言う。何か痕跡を見つけられるかもしれない。<br>

猛吹雪の中、小林、俊夫、美樹本たちで外を見回りに行った。<br>

談話室で待っていると香山さんが携帯を試しに二階へ、OL三人組はトイレに行くといい二階へ行った。<br>

裏口のベルが鳴り今日子さんは裏口へ、それについていく透と真理。<br>

裏口には小林さんたちが戻ってきていた。何と美樹本さんが何者かに殴られ、頭から血を流していた。<br>

美樹本さんを治療し二階の部屋へ運び、部屋を出ると香山さんと出くわし電話のことを聞くも<br>

やはり駄目だったようだ。談話室へ戻り、小林さんから事情を聞く。<br>

外へ出るなり、はぐれてしまい気付いたときには美樹本さんは襲われていて、犯人の顔も見ていないようだ。<br>

俊夫さんが襲った?再び俊夫への疑念が浮かび上がる。<br>
美樹本さんは意識はあるものの医者に見せねば安心は出来ない状態だと言う。<br>

そこへ俊夫さんが戻ってきた。そして、みどりさんがいないことに気付く。<br>

みどりさんは気になることがあると言って、死体のある部屋に行ったらしい。<br>

OL三人組もトイレに行ったきり帰ってこないのも気になる。<br>

俊夫さんが見に行くと言う。透は迷った、俊夫さんを一人で行動させていいのか。<br>

考えていると真理が行くという。また透は迷った、俊夫さんを見張るべきか真理を守るべきか…<br>

迷っていたら真理はさっさと二階へと行ってしまった。もし犯人が二階に隠れていたら…<br>

心配になったところで真理は二階から降りてきた。<br>
OLたちは誰も信用できないと言う。つまり、このペンションの中の誰かが犯人だと思っている。<br>

誰もが考えていた可能性だ。疑心暗鬼。<br>
しかし小林さんは反論する。人を殺しバラバラにする時間があった人間がいるか?と。<br>

人を殺しバラバラにするのに30分かかるとする…夕食が終わったのが8時頃<br>

食堂を出ると脅迫状の件でOL達が騒いでいた。その後、香山夫妻・小林夫妻・OL達が談話室へ来る。<br>

そして美樹本さんが到着したのが8時半頃。これ以降、俊夫さん以外の全員が事件まで談話室にいた。<br>

俊夫さんにもギリギリ犯行ができた?<br>
透は疑問に思う、犯人はいつ犯行を行った?いつペンションに入り田中を殺害したのか?<br>

窓は閉まっていた。正規の入り口はひとつ。田中が自ら招き入れた可能性もある。<br>

色々と推理していると、みどりさんがまだ帰ってこないことを俊夫さんが気にする。<br>

真理が行った時みどりさんは見当たらなかったらしい。とにかく危険なのには間違いない。<br>

OL達もふくめ全員でまとまっていたほうが安全ではある。そこで全員でみどりさんを探すことにした。<br>

二階に行くとジェニーが物置に向かって鳴いている。<br>
小林さんが物置を開ける。そこにみどりさんがいた、すでに息絶えた姿で・・・。<br>

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174 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:25:54ID:964+6anK<br>
その5<br>
みどりさんは殴り殺されていた。その姿を見た俊夫さんは怒りわめく。狂ったがごとき怒り<br>

そして悲しみ。透は真理にOL達を呼ぶように言い、自分は美樹本さんを呼んだ。<br>

皆で談話室に一緒にいるほうが安全であるからだ。俊夫さんとみどりさんを残し談話室へと向かった。<br>

数分後、俊夫さんはみどりさんを抱き一階の自室へと連れて行った。<br>

俊夫さんが戻ってきたあと、第二の事件の皆に話した。<br>
自分たちの中に犯人がいる可能性、ペンションの中にいる可能性。どちらにせよ全員でいれば犯人も<br>

ヘタに行動はできないということ。しかしお互いを疑う状態は続く。<br>

醜く罵りあい、泣きわめく結果、重い空気が流れてしまった。<br>

空気を変えるべく香山さんがテレビをつけた。銀行強盗のニュースがやっていた。<br>

香山さんは気分をほぐそうとニュースについてコメントした。透もそれに乗っかった。<br>

真理、俊夫も乗ってきた。少し空気がやわらいだ。<br>
そして透は何故みどりさんは殺されたのかについて考えた。「気になること」とは?<br>

何かを知ってしまったから殺されたのではないか。<br>
透は田中の部屋を調べてみることにした。<br>
田中の部屋はユニットバスなどを使った様子はなく、また荷物も何も入っていなかった。<br>

透は推理してみるもまだ分からない。そこでとりあえず消去法を使って考えてみる。<br>

第一の事件(田中殺し)・・・結果、香山夫妻だけが犯行できる時間を持っていたことが分かる。<br>

第二の事件(美樹本殴り)・・・香山さんだけは携帯を試すと言い一人になる時間があった。<br>

みどりさんも同時に殺すことが出来た。<br>
理にかなった推理だ。香山さんに全員から恐怖・怒り・悲しみさまざまな感情がぶつけられる。<br>

香山さんは当然否定するも推理を覆すようなことはできない。その場ではとりあえず地下のワイン庫へ<br>

閉じ込めておく事にした。香山さんにすれば真犯人から身を守れる、他の人にすれば犯人を監禁できる<br>

ということで香山さんも了承した。<br>
明日になれば吹雪がやみ警察が来る、そう信じて皆、自室へ戻っていった。<br>

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175 かまいたちの夜1、長いよ sage
2005/06/22(水)15:26:20ID:964+6anK<br>
その6<br>
犯人は捕まえた…とはいえ本当の犯人かは分からない。不安が残るなか透と真理は二人で透の部屋にいた。<br>

身も心も疲れていた透と真理はそのまま眠ってしまった。・・・ふと眼を覚まし、時計を見ると午前3時50分。<br>

夜明けまでまだ時間がある。そして透は真理がいないことに気付く。真理は今一人だ、不安がよぎる。<br>

廊下にでるもしんと静まりかえっている、真理の部屋へと向かう。すると突然、悲鳴が聞こえてきた。<br>

真理の悲鳴だ、そして再び悲鳴が聞こえた。<br>
透は真理のもとへ急いだ。真理は一階にいた。小林夫妻が殺された、真理の様子から透はそれを察した。<br>

…まさか香山さんが、と思い地下室へ向かうと鍵をかけておいたはずなのに地下室の扉が開いていた。<br>

おそるおそる中に入るとそこには香山さんまでもが殺されていたのだった。<br>

透はもはや正常な思考ができなくなってきた。とにかく生き残る、それだけを考えた。<br>

二人は二階へ戻り生き残った人たち(透、真理、春子、俊夫、美樹本、可奈子、亜希、啓子)に新たな被害を伝えた。<br>

しかし美樹本だけは出てこない。心配になり様子を見に行く透。呼んでも返事がない…ドアに鍵はかかっていない<br>

部屋に入ると美樹本はベットにいた、がすでに手は冷たく脈が完全に止まっていた。<br>

おそらく怪我で脳内出血でもしたのだろうと透は思った。<br>

透にはやはり俊夫が犯人としか考えられなかった。田中さんとみどりさんを殺したのは香山。<br>

みどりさんの復讐のため、小林夫妻を殺し、地下室の鍵を手にいれ、香山さんを殺害した。<br>

そう考えればつじつまは合う。<br>
その後、真理、春子さんはOL達の部屋でまとまっていた。透は一人で小林夫妻の様子を見に行った。<br>

小林夫妻の部屋に入ると、小林さんが包丁で刺され死んでいた。そしてバスルームには今日子さんの死体。<br>

部屋から出ると裏口のドアノブに血がついてるのに透は気付いた。ドアは鍵がかかっていた。<br>

透は覚悟を決め外に出ると血痕が雪の上に落ちていた。吹雪の中、透は突如、俊夫に襲われた。<br>

しかし、透だと気付くと俊夫は手を緩めた。俊夫はひどい怪我をしていた。「あいつだよ・・・」<br>

『あいつ』にやられた。そう言い残して俊夫は死んだ。透は混乱した、俊夫は犯人ではなかった。<br>

あいつとはいったい・・・?<br>
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176 かまいたちの夜1、バッドエンド編
sage2005/06/22(水)15:27:34 ID:964+6anK<br>
その7-1<br>
生き残っているのは透と真理、春子とOL三人だけだ。<br>
果たして女性にあんな殺人ができたのだろうか?もしや香山が本当は生きていて犯行を行ったのでは?<br>

香山の死を確かめに透は再び地下室へと戻る。だが確かに香山は死んでいる。<br>

となると犯人は…真理?信じられない、信じたくない、透はそんな気持ちだった。<br>

そしてモップを持ち、透は二階のOL達の部屋へ行く。ドアを開けると予想通りの光景だった。<br>

可奈子、亜希、啓子、三人とも殺されていた。<br>
廊下に出ると透は真理と出くわした。真理が透へ向かって足早に歩いてくる。何か握っているのが気になる。<br>

真理はぼくまでも殺すつもりなのか?絶望する透。真理はこちらに向かって飛び掛ってくる。<br>

透は真理めがけてモップを振り下ろした。真理の頭から血が噴出す。<br>

真理を問いただす透だが、ふと真理の傍に落ちているネックレスを見つけた。真理はこれを握っていたのだ。<br>

真理は透に抱きつこうとしただけだった。真理はそのまま息絶えた。<br>

これは夢、ただの夢なんだ。朝、眼が覚めれば真理が起こしに来てくれて、またスキーの特訓をするんだ。<br>

このあと真理とは公認のカップルになて、何年後かには結婚したりしてたりして…楽しいことを考えているのに<br>

透の目から涙が止まらなかった。これは夢なんだ…空想にふけった透が我に帰ると目前に人影があった。<br>

人影が透を襲う。これで夢が終わる。長い夢が終わって真理が起こしにきてくれる。早く起こしに来てくれ…<br>

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177 かまいたちの夜1、バッドエンド編
sage2005/06/22(水)15:30:56 ID:964+6anK<br>
その7で分岐(その6までは一緒ってことです)<br>
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その7-2<br>
生き残っているのは透と真理、春子とOL三人だけだ。<br>
果たして女性にあんな殺人ができたのだろうか?もしや香山が本当は生きていて犯行を行ったのでは?<br>

香山の死を確かめに透は再び地下室へと戻る。だが確かに香山は死んでいる。<br>

となると犯人は・・・春子さん?香山さんと共犯だったとすればありえる話だ。<br>

透はOLたちの部屋に戻った。しかし、そこには春子はいなかった。そして響く悲鳴。<br>

春子のワナだろうか?迷う透に真理が見殺しにできないと飛び出す。<br>

春子の部屋は鍵がかかっていた。マスターキーを取りに行く透。一階に下りると突如、部屋の電気が全て消えた。<br>

真理が気になり透は二階へと戻ると廊下に真理がいた。透を心配してきたらしい。<br>

急いでOL達の部屋に戻った二人、すると電気が回復した。そこには惨殺されたOLたちの姿があった。<br>

そこで透はある考えが浮かぶ。透が心配だからといって一人で出歩いたりするだろうか?<br>

OL達と一緒だったのは真理しかいないのでは?疑う透に気付いた真理。真理は怒り自分の部屋へと帰ってしまう。<br>

透も自分の部屋へと戻った。透はもう眠ってしまいたい気分だった。<br>

真理が透を殺す可能性、真理が真犯人に殺される可能性。どちらも最悪である。<br>

そこへ響く真理の悲鳴。ワナ?<br>
透はすべてがどうでもよくなってしまった。もはや生きている意味はない。<br>

透は部屋の鍵を開け、そのままベットで眠りについた…目覚めれば真理に会えると信じて<br>

                                                          終<br>

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205
かまいたちの夜1、殺人事件編ハッピーエンドsage2005/06/24(金)
20:47:42 ID:5ACLjtXu<br>
その4解決編<br>
その3から分岐<br>
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透は考えた。じつは犯人はずっと前からペンションに入り込んでいたのではないかと。<br>

いつ?何処から?戸締りがしていた以上、正面玄関などの人目につく所しかない。<br>

とすると…犯人は正面から入ってきたが誰も見えなかったのだ。<br>

透には真相が見えた。この事件の謎、そして犯人が。<br>
透は皆に犯人が分かったと告げる。驚く一同。全員が見守る中、透はそっと話す。<br>

「犯人は、美樹本さんだ」<br>
しかし、美樹本さんはシュプールに着てからは、ほとんど談話室にいた。<br>

荷物を自室へ持っていく数分の間だけを除いては。どうやって殺害したのか、疑問を言う一同。<br>

確かにその時間では犯行は出来ない。透はあっさり認めた。だが透は「田中さんは殺せずとも<br>

鈴木さんなら殺せたんじゃないかな」と言い添えた。理解できない様子の一同。<br>

「つまり、あの死体は誰かは分からないが田中さんではない」と言い切る透。<br>

誰にも田中さんは殺せなかった、が死体は確かにある。ということは死体は田中さんではない。<br>

犯人が分かった代わりに被害者が分からなくなった、と俊夫さんは鼻で笑う。<br>

では被害者はどこから入ってきたのか?と小林さんは眉をひそめる。<br>

透は答える。「もちろん、正面玄関からですよ」<br>
正面から入ればチャイムがなり、スタッフには分かるようになっていると小林さんは反論する。<br>

一人で入ってくれば気付かれる。しかし、田中さんと被害者が一緒に入ってくれば別である。<br>

田中さんは間違いなく一人だったと断言する小林さん。<br>
「スキーバックの中を確かめましたか?被害者はその中にいたんですよ。すでにバラバラになってね」<br>

透がそう言うと全員が息を呑んだ。<br>
死体をバラバラにした理由、それは運びやすくするためであった。<br>

そして脅迫状、あれも犯人が書いた物で、12時ごろ死体を発見されるだろうと犯人は予想していた。<br>

死体発見のきっかけとなった窓が割れる音。あれも犯人のしわざで、わざと死体を発見するように<br>

窓が割れる仕組みを仕掛けたのだ、アリバイ工作のために。<br>

窓は外開きのタイプだ。犯人は外へ出た後、ロープを窓につけ、そしてロープの反対側には平べッたい<br>

板のようなもの…バックの底板など…を繋いでおく。窓と板をロープで繋いだ後、その板を屋根の雪に<br>

突っ込んでおく。すると時間が経つと積もった雪が屋根から滑り落ち、板も一緒に落ちる。<br>

ロープで繋がった窓は勢いよく引っ張られ、外壁に叩きつけられて窓が割れるという仕組みだ。<br>

板とロープはそのまま雪に埋もれてしまう。この計画ではいつ雪が落ちるか分からない不確実なものだ。<br>

そこで犯人はいつ窓が割れてもアリバイが作れるように、服も髪型も変えてペンションに戻ってきて<br>

透たちとともに死体を発見する方法を使った。<br>
美樹本はまず田中の格好をして顔を隠してペンションに来る。一緒にバラバラ死体を部屋に置いて、<br>

窓が割れる仕掛けを作り、窓から逃走する。近くに隠しておいた車などで着替え、再び美樹本として<br>

ペンションへやってくる。そして、皆と死体を見つけることでアリバイを作ろうとしていた。<br>

自分の推理を話し終えた透は美樹本へ話しかけた。もしその髭が本物なら謝ると。<br>

真偽を見極めるために透は美樹本の髭をぐいと引っ張る。するとベリッという音とともに髭が剥がれた。<br>

「やっぱり…」透が呟くとともに美樹本は透の腕をねじあげた。<br>

美樹本は本性を現した。透の腕を人質に美樹本は全員を威嚇する。<br>

透は自分に構わず、美樹本を捕まえるようにと叫ぶ。それを聞いた美樹本は透の腕を折った。<br>

苦しみわめく透。それを見て楽しんでるかのような美樹本。<br>

すると真理が透を助けに美樹本へ飛び掛る。もみ合う二人、大柄な美樹本に真理がかなうはずないと<br>

思いながら何もできない自分を透は歯がゆく思った。<br>
しかし次の瞬間、美樹本が高く飛び上がりテーブルに叩きつけられた。何と真理が美樹本を投げ飛ばしたのだ。<br>

驚く一同。護身用に合気道をならっていたのが役立ったらしい。呆然としていた一同も我に帰り<br>

今のうちに美樹本を縛り付けた。透は応急処置をしてもらい、ようやく皆の緊張がとけた。<br>

みんな無事だったことを素直に透は喜んだ。真理はかっこよかったと言ってくれている。<br>

そして皆が見ていないのを確認してから二人はそっとキスをした。<br>

                                         完<br>

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206
かまいたちの夜1、殺人事件編バットエンドsage2005/06/24(金)
20:48:43 ID:5ACLjtXu<br>
その6解決編<br>
その5>透は田中の部屋を調べてみることにした。<br>
   >田中の部屋はユニットバスなどを使った様子はなく、また荷物も何も入っていなかった。<br>

から分岐<br>
<br>
談話室に戻り犯人が分かったと皆に告げる透。<br>
犯人は…美樹本だと透は言った。外へ見回りに行った時に殴られた。あれは自作自演であった。<br>

死体をバラバラにするほど手間をかける犯人である、それぐらいやるだろう。<br>

透は自分の推理を話し始める。透は最初、死体をバスルームで切断した後、部屋に放置したのだろうと<br>

思っていた。しかし、バスルームを使った様子はない。つまりすでにバラバラの状態で持ってきたのだ。<br>

田中=美樹本だと言う透。全員に動揺が走る。そして反論する美樹本。<br>

透は「つけひげでしょう?外れかかってますよ」言うと、美樹本は思わず手をアゴに当てた。<br>

かまをかけたのだ、美樹本は見事に引っかかった。ニヤリと笑う美樹本。<br>

そして透は事件の謎を解き始める。バラバラだった理由。窓ガラスを割る仕掛け。脅迫状。(内容は前と共通)<br>

自作自演の襲われたふりは、あまり外を調べられたくなかった、窓を割る仕掛けが発見される可能性があるからだ。<br>

全てを語った透は美樹本へ動機を聞く。美樹本は話始めた、いつの間にかその手には銃が握られていた。<br>

みどりさんはやはり真相に気付いてしまった、そのために殺された。<br>

実はバラバラ死体は美樹本の相棒であった。美樹本と南(バラバラ死体)はニュースでやっていた<br>

銀行強盗犯だったのだ。誰もが驚いた。分け前の分配で揉め、美樹本は南を殺した。<br>

盗んだ金は宅配便でシュプールに届けられる予定だとも言う。死体をうまく処分する方法として<br>

手の込んだ、この事件を起こしたのだ。<br>
全てを話し終えた美樹本は金が届くまで待って逃げるつもりだと言う。そのために他の人間を縛らせた。<br>

拳銃で脅されながら縛られていく一同。透は俊夫さんと一緒に後ろ手で縛られていた。<br>

何とかしなきゃ、俊夫さんがささやく。透がとまどっていると俊夫さんはズボンに果物ナイフがあると言う。<br>

ナイフを抜いた俊夫さんは透の縛られているロープを少しずつ切り始める。<br>

透のロープが切れる、俊夫さんのロープを切っている時間はあるのだろうか?<br>

と、そのとき真理が美樹本へストックを振りかざしていた。透は真理の手を汚させまいと美樹本へ<br>

体当たりを食らわせる。勢いで美樹本の手から離れた拳銃は、真理の足元へと転がる、拾う真理。<br>

美樹本は透の急所へケリを入れると、真理に向かって歩き出した。<br>

拳銃を美樹本へ向ける真理。声が震え、腕も震えている。透は目を閉じた。次の瞬間、銃声が鳴り響いた。<br>

そして静寂。透はおそるおそる目を開けた。そこには真理が座り込んでいて、美樹本は首をかしげていた。<br>

美樹本の後ろには俊夫さんがいて、まだ腕は縛られているのにモップを握っていた。<br>

真理の弾ははるか天井の方へあり、美樹本は俊夫さんがモップで殴ったのだ。<br>

俊夫さんは後ろ手で縛られていたのに、手は前に来ていることを不思議に透は思った。<br>

俊夫さんは体が柔らかく、両手の間から足を通して手を前に持ってきたのだった。<br>

美樹本を縛りつけ、一安心する一同。みどりさんさえ生きていれば・・・悔やむ透。<br>

真理が落とした拳銃を俊夫さんが拾い上げ、美樹本を見つめていた。美樹本を殺そうとでも考えているのだろうか?<br>

そこで透は思い出す、美樹本が盗んだ金がシュプールへ届けられることを。人の命を奪ってまで欲しい大金。<br>

まさか、と透は俊夫さんを見ると、俊夫さんは拳銃をスッと操作し弾倉をはずす。<br>

それを透に預ける。俊夫さんはみどりさんところへ行くと言い、自室へ戻っていく。<br>

透はおぼろげながらAT拳銃の知識を思い出す。一発撃った後、新たな弾が本体へ送り込まれることを。<br>

嫌な胸騒ぎを感じる。その時、どこからか銃声が聞こえた。<br>

なぜ?なぜ?殺人犯が生きているのに、なぜ俊夫さんが死ななければならないのか?<br>

透以外は誰も理解できない様子でいる。透はもう説明する気もなかった。<br>

どうしてこうなったのか、透はただただ悲しむしかなかった…<br>

                                     終<br>

<br>
<br>
207
かまいたちの夜1、殺人事件編バットエンドsage2005/06/24(金)
20:49:28 ID:5ACLjtXu<br>
その7解決編<br>
<br>
透は『あいつ』の正体に気付いた。あいつは美樹本だ。<br>
すべてを理解した時、悲鳴が鳴り響く。あせる透。<br>
階段を昇ると、春子さん倒れていた。周りにあいつの姿は見えない。<br>

近づくと春子さんはもうすでに助からない状態なのが分かる。<br>

犯人が分かった今、透は恐怖や悲しみより怒りの気持ちがはるかに強かった。<br>

そして透は美樹本の部屋へと向かう。美樹本の死体へ透は話しかける。<br>

すると美樹本は死体のふりを止め、起き上がった。手の冷たさは雪を触って冷やした。<br>

脈は脇の下にタオルを強く挟んで血行を止めたために無かった。自分の推理を美樹本に聞かせた後、<br>

透は怒りをぶつけた、なぜ皆を殺したのかと。はぐらかす美樹本、そして立ち上がり透へゆっくり近づく。<br>

透はモップを持っていたが、美樹本の異様な殺気に押される。覚悟を決め、モップで殴りかかった。<br>

しかし、美樹本は攻撃をかわし透の首を後ろから絞めつけた。その手にはナイフが握られている。<br>

喉へ冷たいナイフが当たる。その時、「透?」と声が聞こえ、どんと音がして美樹本がふらついた。<br>

透はそのときうまく美樹本から逃れた。が、すぐに美樹本によって押し倒され両手で首を絞められた。<br>

苦しみ、意識が遠のいていく透。だが、ふと美樹本の力がなくなる。そして眼を開けるとドアには<br>

真理が立っていた。真理の両手は血まみれであった。<br>
真理は透を助けるべくナイフで美樹本を刺したのだ。長い悪夢が終わったと透は思った。<br>

しかし、なぜ美樹本はこんなことをしたのか?どうやって田中を殺したのか?<br>

今となっては誰も答えられない。だが、今は真理と生きていることを喜ぶのだった。<br>

                                      終<br>

<br>
<br>
208 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:50:09ID:5ACLjtXu<br>
その2スパイ編<br>
その1の夕食後>談話室に戻ってみると小林さんとOL三人組がなにやら言い争っている。<br>

から分岐<br>
<br>
どうやらOL達の部屋に『こんや かまいたちが あらわれる』と書かれた紙が投げ込まれたそうだ。<br>

その言葉を聞き、青ざめる真理。気にする透だったが真理は答えてくれなかった。<br>

誰かのイタズラ…もしくは誰かへのメッセージだが間違えてOL達の部屋に入れたのでは?<br>

どちらにせよ気にするものではない、と小林さんは言った。透もそうだろうと思っただろう、真理の<br>

青ざめた表情さえ見ていなければ。ますます気にする透だったが、真理は透を置いて二階の自室へと戻っていく。<br>

透が真理を追おうとすると、小林さんがお茶でもしないかと話しかけてきた。断るのも妙なため透は<br>

そのまま談話室にてお茶を飲むことにした。だが、やはり透は真理のことを気にかけていた。<br>

あのメッセージ…もし真理へ当てたものだとすれば?真理が青ざめてもおかしくない…などと<br>

考えていたところ、真理が二階から降りてきた。真理は何事もなかったごとき様子だ。<br>

透はただの思いすごしだ、そう思いこんだ。<br>
その時、外から車の音が聞こえた。遅れてやって来た客・美樹本が現れた。<br>

美樹本さんが二階の自室へと昇っていくとき、OL達が鋭い目つきで彼を見ていたようだった。<br>

お茶が入り、透、真理、OL三人、美樹本、小林夫妻、みどり、俊夫と談話室に人が増えにぎやかになった。<br>

夜も更け、そろそろ寝ようと各自部屋へと戻っていく。<br>
透は真理を部屋に誘うも断られる、やはり何かを気にしている様子だ。<br>

部屋に戻り透は一人、真理のことを気にする。するとノックの音が聞こえる。真理?と喜んだ透。<br>

しかし、ドアを開けるとそこには可奈子がいた。とまどう透をよそに可奈子は部屋に入り<br>

ワインを飲まないかと誘う。そして可奈子は透を誘惑する。色仕掛けに迷う透・・・<br>

そして透は可奈子へと飛びかかった。・・・ふと気がつくと、そこには真理がいた。<br>

透はいつの間にか眠っていたようだ。真理に起こされ、あたりを見回すと<br>

そこには可奈子の死体があった。<br>
<br>
<br>
209 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:50:36ID:5ACLjtXu<br>
その3スパイ編<br>
<br>
可奈子は喉元を真一文字に切り裂かれ死んでいた。驚く透に対し、真理は冷静に死体を観察する。<br>

可奈子に誘惑されたことを真理に話した透は、床に血文字が書かれているのを見つける。<br>

「かまいたち」<br>
ダイイングメッセージなのだろうか?あの手紙との関係は?考える透に真理は気にするなと言い放つ。<br>

慌てふためく透に真理は苛立ちながら、冷静に事を対処していた。そのことを透は不審に思った。<br>

そして真理は小林さんを呼びに一階へ向かう。小林さんが透の部屋へ来ると、突然ベットの下などを<br>

探し始めた。やがて小さな黒い物=盗聴器を見つけて外へ捨てた。<br>

その後、小林さんは透が飲んだワインを調べ自白剤が入っていたと言った。<br>

透を無視し話し始める小林さんと真理。フランス情報部がなんとかとか盗聴器がどうとか…<br>

なにがなんだか分からない透。小林さんは心を決め、透へ話し出した。<br>

実は小林さん、真理も日本の諜報機関なのだと。他国のスパイの動向を探る役目らしい。<br>

そう可奈子もまたフランスのスパイで透を重要な人物と勘違いして自白剤を飲ませたようだ。<br>

その重要人物が「かまいたち」という伝説のスパイ集団なのだ。「かまいたち」は昔、ソ連のスパイで<br>

重要な機密を握っていた。しかしソ連が崩壊した今、彼らは居場所がなくなってしまった。<br>

しかし重要な機密を持ったまま行方がしれなくなったため、様々な国がその情報を得たいがために<br>

彼ら「かまいたち」を手に入れるべく暗躍しているということを。<br>

「かまいたち」が今夜このシュプールに現れる、そんな情報を日本は手にいれ「かまいたち」を<br>

捕まえるべく、このペンションを借りて小林さんはオーナーの姿をして探していたのだ。<br>

真理もまた普通の大学生という姿でカモフラージュし、ここへ来たのだ。透はそれに利用されただけ<br>

だったのだ。悲しむべきか怒るべきかも分からない透だった。<br>

そんな透をよそに話は続く。ダイイングメッセージ・『こんや かまいたちが あわられる』という手紙。<br>

これらは「かまいたち」をあぶり出すために行われたことだと小林さんが言う。<br>

あの手紙はOL達の自作自演で、「かまいたち」という言葉に反応するかどうか確かめたのだ。<br>

真理は反応してしまったために一緒にいた透を可奈子は狙ったのだった。<br>

そして小林さんは死体をバスルームへ隠し、透に朝まで何事もなかったごとくしろと<br>

言い放つと出て行った。真理も出て行き、部屋には透と死体だけになってしまうのだった。<br>

<br>
<br>
210 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:51:31ID:5ACLjtXu<br>
その4スパイ編<br>
<br>
死体のことを気にしつつ、何とか時間を潰した透。朝6時ごろに部屋から出て一階に行くと<br>

みどりさんがいて、透に話しかけた。俊夫さん、みどりさんも小林さんの部下だと言う。<br>

それを聞いた透は少し安心し、談話室でコーヒーを飲んでいた。すると真理もやって来て<br>

ごく自然に話しかけてきた。その時、OL達二人も談話室へやって来て透と真理に可奈子のことを聞く。<br>

はたしてスパイなのか透と同じくカモフラージュ要員なのか…当然知らないふりをする透たちであった。<br>

その後、香山夫妻、美樹本さんもやって来て朝食まで時間を潰した。<br>

朝食の時間、食堂には可奈子以外来ていた。あの怪しい田中も相変わらず顔を隠し食事を取っている。<br>

このなかの誰かが「かまいたち」なのか…疑いだすとキリが無く、食事風景すら腹の探り合いのようだった。<br>

そして最初に食べ終え二階へと向かったのは田中だった。<br>

真理は何気ないふりをして田中の後をつけていった。透は食堂に残り他の人間の様子を見ていた。<br>

次に美樹本が食事を終え二階へと行く。透はつい立ち上がり後をつけた、自分の部屋に盗聴器を<br>

仕掛け、殺人をした相手のことを腹を立てていたのだろう。<br>

二階につき、さり気なく美樹本を見ていると彼は普通に部屋に入っていった。が、すぐに出てきて<br>

透のほうへ向かってやって来た。自室へと逃げ込む透、だがドアを閉めようとした所で美樹本に<br>

力ずくで開けられ、透へと襲い掛かってきた。<br>
体を押さえつけられる透、美樹本は透から情報を聞き出そうとする。<br>

しかし突如、美樹本の力がなくなる。見ると真理が立っている、手刀一発で気絶させたようだ。<br>

美樹本を縛り上げると、真理は透を連れ立ち美樹本の部屋へと向かう。<br>

部屋で真理は手慣れた様子で、バックから様々な物を見つける。無線機、信号弾、パスポート<br>

どうやら彼はアメリカのスパイなようだ。美樹本は「かまいたち」ではなかった。<br>

一方、田中は部屋でおとなしくしているようだ、彼が怪しいことには変わりはないが。<br>

美樹本の部屋を出ると真理はすぐに透の部屋へ向かった。透もそれにつづく。<br>

部屋に着くとまず気絶させた美樹本の様子を確認すると、つぎにバスルームへと向かう。<br>

バスルームを開けた瞬間、何者かが真理を襲った。それは河村亜希だった。彼女がアイスピックを持ち<br>

真理を狙っている。透が助けようとしたとき、背後から北野啓子が透の狙った。<br>

啓子は透の首にピアノ線を巻き、絞め始めた。かろうじて指を食い込ませた透だが、このままでは<br>

指も首もピアノ線によって切断されてしまう。嫌だと思う透、すると真理が透は関係ない人だと言った。<br>

そして真理はOL二人…フランスのスパイ達に素性を話す、日本の諜報機関のものだと。<br>

OL二人は可奈子を殺したのは透たちだと勘違いして、襲ってきたのだ。<br>

事情を話した結果、二人ともおとなしくなってくれた。その時、部屋をノックする音がした。<br>

OL二人はバスルームへ隠れる、そしてドアを開けるとみどりさんがいた。<br>

<br>
211 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:51:53ID:5ACLjtXu<br>
その5スパイ編<br>
<br>
どうやら小林さんが見当たらないらしい。真理はみどりさんに何か告げ、一緒に出て行く。<br>

透は部屋に残っていると、またしてもノックする音が。出てみると春子さんがいた。<br>

春子さんは小型銃を持っていた。またしても狙われる透。「かまいたち」について問いただす春子さん。<br>

そこへ真理が戻ってきて、春子さんと格闘する。真理はあっさり春子さんをのしてしまった。<br>

春子さんも縛りあげた後、田中の部屋へ行くと真理は言う。<br>

OL三人、美樹本、香山夫妻がスパイであった今、残るは田中しかいない。<br>

部屋を出た透はバスルームに隠れたOL達を気にする、が真理はみどりさんに催眠ガスを仕込むように<br>

告げておいたから安心だと言った。<br>
田中の部屋をノックする。ドアを開ける田中、部屋の中だというのにまだ帽子、サングラスの格好だ。<br>

話があると告げると、田中は全てを悟った様子で部屋へ二人を招いた。<br>

田中が何者であるか分かったと言い、金の取引を持ちかける真理。<br>

それを聞いた田中は少し考え込む、すると突然ドアから声が聞こえる。<br>

そこには香山夫妻が大型銃をこちらに向けていた。驚く田中に香山さんも取引を持ちかける。<br>

どうやら香山夫妻はイスラエルのスパイのようだ。春子さんが透に真理を縛るよう脅す。<br>

だが次の瞬間、バスルームが開き何かが飛び出してきた。<br>

意外にも河村亜希と北野啓子だった。<br>
香山夫妻が持っていた銃は二人によって奪われてしまった。<br>

バスルームに閉じ込めておいたのだが、バスルームの天井裏が隣と繋がっていたため出てこれたのだ。<br>

一体何がどうなっているんだ!悲痛な叫びを上げたのは田中だった。<br>

その田中はこのままOL二人ことフランスに連れて行かそうになる。<br>

亜希は啓子に迎えの連絡を入れるように指示し、啓子は部屋から出て行った。<br>

悔しがる真理は唇を噛んでいた。しかし今度はドアから声が聞こえた。<br>

ドアを開けるとそこには、みどりさんが啓子に拳銃を突きつけていた…<br>

<br>
<br>
212 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:52:39ID:5ACLjtXu<br>
その6スパイ編<br>
<br>
間一髪助かり、真理は亜希から銃を取り上げ、そして田中を外へ連れだそうとした。<br>

香山夫妻、OL二人はみどりさんに任せ、透と真理は一階へと向かう。<br>

そしてボスである小林さんに伝えようと小林夫妻の部屋に入るも誰もいない。今日子さんも見当たらない。<br>

困惑しているとそこへ俊夫さんがやって来て、田中を外へ連れ出すのは自分の役目だと告げる。<br>

そんなこと聞いていないと食い下がる真理だったが、小林さんがそう決めたと聞くとしぶしぶ承知した。<br>

田中は俊夫さんに連れられていく、しかし透はそこで違和感に気付く。<br>

俊夫さんの格好が薄着すぎるのだ。冬の雪山に行くのだから普通は厚着するはずなのに<br>

俊夫さんは部屋着のまま田中を連れ出した。そのことを真理に告げると真理は俊夫さんを追い、裏口にいた<br>

俊夫さんに銃を突きつけた。驚く俊夫さんに対して真理は冷たくあしらう。<br>

真理は透に小林夫妻の部屋および俊夫の部屋を調べるように指示する。小林夫妻の部屋を再度調べる透。<br>

そしてバスルームを開けると…そこには死体があった、今日子さんだった。<br>

今日子さんは可奈子と同じく喉を真一文字に切り裂かれていた。その様子を見た真理は俊夫を問いただす。<br>

しかし俊夫は自分が殺したのではないと、否定した。すると、部屋の外で様子を伺っていた田中が何者かに<br>

連れ去られてしまった。慌てて田中を追う俊夫。しかし、飛び出した俊夫はマシンガンに餌食となり、絶命した。<br>

意外な展開に驚く透と真理。透が壁からそっと覗き込むと、そこには何とみどりさんが田中とともに<br>

マシンガンを持っていた。可奈子を殺し、今日子さんも殺し、今また俊夫さんを殺した…全ての犯人はみどりだった。<br>

彼女はダブルスパイだったようで、真理たちを裏切ったのだ。そして、田中を連れたみどりはスノーモービルに乗り<br>

ペンションから逃げ出そうとしていた。急いで追いかける透と真理。<br>

二人もまたスノーモービルを使い、みどりを必死に追いかけた。荒れた雪道を全速力で駆け抜けていく二人。<br>

透はまるでロデオのごとく飛び回るスノーモービルから落ちないようにするだけで必死だった。<br>

そうこうしている間にみどりのスノーモービルに追いついた。スノーモービルを運転しながらマシンガンは<br>

さすがに撃てない、そのチャンスを狙って真理は近づくも、みどりは車体をこちらにぶつけて来た。<br>

何とかみどりの攻撃をかわし、ふたつのスノーモービルは横に並んだ。<br>

そこで真理は透に田中に飛びつくように指示をし、透は言うとおり飛びついた。<br>

田中とともにスノーモービルから転げ落ちる透。雪の上とはいえ、かなり冷たく痛かった。<br>

その後、スノーモービルがぶつかる音、そして壊れたような音が聞こえた。<br>

透が雪の中から這い出てくると、そこにはみどりがいた。しかもマシンガンをコチラに向けている。<br>

みどりは田中以外に用はない、まして余計な秘密を知った透は邪魔な存在。<br>

マシンガンの引き金をみどりは引いた…<br>
<br>
213 かまいたちの夜1、スパイ編 sage
2005/06/24(金)20:53:50ID:5ACLjtXu<br>
その7スパイ編完結<br>
<br>
透に向けマシンガンを撃つみどり。<br>
…しかし、弾が出ない。何度やってもカチリ、カチリと音がするだけで弾が出なかった。<br>

「凍り付いているのよ」どこからか真理の声が聞こえた。<br>

ここぞとばかりに透はみどりに飛び掛っていく、しばらく転がりあう二人。<br>

だが、結局みどりが透の体を押さえつけたのだった。<br>
みどりの手から現れる鋭いナイフ、その刃先には血の跡がついていた。これで皆を殺したのだろう。<br>

今度こそ絶体絶命、透がそう思い覚悟を決めた時銃声が鳴った。<br>

みどりの胸から血が流れる。信じられない様子のまま、みどりは死んだ。<br>

真理が撃ったのだ。真理も服があちこち破け、顔には血がついている。<br>

それでもお互いが生きていることに安堵すると、そこへ一台の車がやって来た。<br>

降りてきたのは小林さんだった。驚く二人、そして小林さんは透、真理、田中、そして死んだみどりを<br>

見てから「…済んだようだな」と呟く。<br>
真理は事情を小林さんに聞く、その声は怒りを必死に抑えているようだった。<br>

小林さんは言う。仕方がなかった、と。実はこの作戦は全て偽りで、『かまいたち』を捕らえる任務と<br>

称して、内部の裏切り者を見つけ出す作戦だったのだと言う。真理も含め裏切り者の可能性のある者が<br>

この作戦に参加させられたのだ。さらに、『かまいたち』なんて存在しないとも言った。<br>

伝説のスパイ『かまいたち』は日本の諜報機関が長い間をかけ、作り上げた幻想だった。<br>

その幻想を内部にも外部にも信じ込ませることで、何かに利用するために作られたものであった。<br>

結果として内部の裏切り者を見つけ、さらに各国のスパイを一網打尽することは出来た…<br>

だが、真理の気持ちは怒りに満ちた。皆をだました挙句、死人まで出ていることが許せなかったのだ。<br>

小林さんはそんな様子にも気付かず、嬉々として話を続けていた。<br>

そして、透と真理は同時に小林さんを殴り飛ばした。<br>
二人は同じ気持ちだったらしく、互いを見て笑い出した。小林さんは怒りをあらわにしている。<br>

しかし、二人はそんなことはお構いなしに、小林さんが乗ってきた車に乗り込んだ。もちろん田中も一緒だ。<br>

そして、小林さんを置きざりにし、そのまま車を走らせた。<br>

透はふと疑問に思った。田中は一体何者なのか?取引に乗ったのは何故なんだ?<br>

その疑問を口にすると田中は泣きながら答えた。<br>
実は田中は、客のふりして宿泊しペンションのランク付けをする旅行雑誌のライターだった。<br>

取引とは金を貰うかわりに評価をあげてやるということだったのだ。<br>

それを聞いた透と真理は笑い出した。一番怪しい田中が普通の人で、後は全員スパイだったのだ。<br>

こんな冗談があるのだろうか?透は馬鹿馬鹿しく思い、とてつもない疲労感に襲われるのだった…<br>

                                                  完<br>

<br>
<br>
215 かまいたちの夜1、ゲーム編 sage
2005/06/24(金)21:27:45ID:5ACLjtXu<br>
その2ゲーム編<br>
その1>透と真理はスキーウェアの着替えを済ませたあと、1階の談話室へ降りてきた。<br>

から分岐<br>
<br>
談話室に来た透と真理はそこにゲーム機があるのに気付く。<br>

面白そうだと思い、さっそく透はゲームを手に取った。<br>
「弟切草」と「かまいたちの夜」の二つのソフトがある。透は「かまいたちの夜」をゲーム機に<br>

セットし早速始めるのだった。ゲームが始まる。<br>
…透と真理はスキー場に来ていた。スキーに不慣れな透は転んでばかり、<br>

…一方の真理は雪国育ちでその腕前を存分に披露していた。<br>

…そして透がクタクタになってきたころ、空模様もあやしくなってきたため、<br>

…二人はペンション「シュプール」へと帰ることにした。<br>

ゲームの内容が自分たちの行動と全く一緒なことに違和感を感じる二人。<br>

…談話室に来た透と真理はそこにゲーム機があるのに気付く。<br>

…面白そうだと思い、さっそく透はゲームを手に取った。<br>

ここまで同じな事に透は不気味さを感じていた。<br>
…「弟切草」と「かまいたちの夜」の二つのソフトがある。透は「かまいたちの夜」をゲーム機に<br>

…セットし早速始めるのだった。ゲームが始まる。<br>
……透と真理はスキー場に来ていた。……ゲームの内容が自分たちの行動と全く一緒なことに違和感を感じる二人。<br>

さきほどの現実の会話さえ、ゲームのなかに出てきた。透の手は震えていた。<br>

しかし、ここで止めると本当に気持ち悪いままになってしまう、透はむりやり続けた。<br>

………透と真理はスキー場に来ていた。………ゲームの内容が自分たちの行動と全く一緒なことに違和感を感じる二人。<br>

………しかし、ここで止めると本当に気持ち悪いままになってしまう、透はむりやり続けた。<br>

予想通り現実とゲームの中の透と真理は同じ会話を繰り返している。<br>

ゲームの中にゲームがあり、さらにゲームが…と終わらないループ。<br>

ゲームの中の「透」が、さらにゲームの中の「透」をプレイしていた。<br>

………透と真理はスキー場に来ていた。……どうせここにゲーム機があるんだぜ、そう言ったのは<br>

現実の「透」だろうか?それともゲームの「透」?<br>
……ゲームの中で透と真理は当然スキーをしシュプールへ来て、ゲームをする…<br>

……真理が言った、ゲームより話をしようと。それに「透」はうなずいた。<br>

……談話室には関西弁の社長と奥さん、それとOL三人がいた。<br>

……社長は釜井だと名乗った。それを聞いた透は驚いた、透も苗字はカマイ(鎌井)だと言う。<br>

……そして女の子や、黒メガネの怪しい人も加え宴会になった。<br>

……「実はわたしもカマイで…」「ノルウェーのノヨル・カマーイです」・・・<br>

……皆で酔っ払い大騒ぎし、実に楽しい夜だった、透はそう思った。<br>

……『鎌井 達の夜』   完<br>
…「なんだ、このゲーム?」そう言って「透」はゲームの電源を切った。<br>

…「ひどいな、こりゃ」そう言って「透」はゲームの電源を切った。<br>

…「どうなってんの?」そう言って「透」はゲームの電源を切った。<br>

ゲームの中の「透」は次々と電源を切っていく。「透」はそれを呆然と見つめていた。<br>

そして「透」の手が誰かに操られたようにスイッチを切る…<br>

我に返った気がして透は辺りを見回した。そして透は気付いた。<br>

・・・テレビの向こうで電源を切ろうと手を伸ばす、もう一人の「ぼく」の姿を・・・<br>

(画面は砂嵐に)                                終<br>

<br>
<br>
216 かまいたちの夜1、ゲーム編 sage
2005/06/24(金)21:33:06ID:5ACLjtXu<br>
分かりにくいと思うので、ちょっと解説。<br>
文中…三点リーダはゲームの世界の話です。<br>
元祖SFC版「かまいたち」は、オートセーブでした。<br>
つまり最後に電源を切ったのはテレビの前のプレイヤーということです。<br>

この話はリセットしないと話が終われない、先に進めなかったので、<br>

電源を落とさざる終えませんでした。<br>
あと最初に名前入力が出来て「ぼく」=「透」というわけです。<br>

<br>
<br>
392 かまいたちの夜1、悪霊編 sage
2005/07/02(土)11:43:31ID:OITnqTYZ<br>
その2悪霊編<br>
その1>食後、真理がナイターへ誘ってきたものの、俊夫さんとみどりさんに吹雪のことを聞き断念する。<br>

から分岐<br>
<br>
夕食後、透は思い切って真理を自分の部屋へと呼んだ。談話室では何かもめてるようだが気にせず部屋へ向かった。<br>

部屋に戻ると二人はいい雰囲気になる。そのとき、透は窓の外に何か人の姿がこちら見ている気がした。<br>

驚く透は窓から外を調べてみた。この部屋は二階で外は吹雪だ、いるはずはない…が不安が拭えなかった。<br>

真理が先ほど談話室で覗かれたとか、もめていたことを思い出す。気味が悪くなった二人は談話室で話を<br>

聞くことにした。談話室へ戻ると、まだOL達と小林さんがもめていた。やはりOL達も二階の部屋で<br>

人の姿をしたものに覗かれたようだった。透は小林さんの態度が怪しいことを感じていた。<br>

OL達はしぶしぶながら、あきらめ二階へと戻っていく。小林さんに事情を聞こうとするも、<br>

客商売として幽霊だのの話はご法度であると、たしなめられた。しかし、小林さんは小さな声で教えてくれた。<br>

実はこのペンションには時々、幽霊が出ると。目撃してしまった以上、それが嘘とは思えない二人。<br>

小林さんも始めは幽霊などいるはずないと思い、様々な要素を検討したらしい。だが、誰かのイタズラなど<br>

ではないことは確実であったようだ。すると、そこで小林さんは話を打ち切った。<br>

ちょうど遅れて新しい客がやって来たのだ。その客は透と真理に挨拶をかわすと、早速話しかけてきた。<br>

何か変わったことがなかったか?意味ありげな質問をする客に対し、二人は知らないふりをした。<br>

ちょうど小林さんが戻ってきて、青ざめた表情でその会話に割り込んできた。<br>

遅れてきた客は美樹本と名乗った、フリーライターらしい。このペンションにはある噂を聞いて<br>

やってきたらしい。その噂は…幽霊だと言う。その言葉を聞いた透たちは凍り付いてしまった。<br>

その雰囲気を察した美樹本は、透と真理から情報を聞き出そうとした。<br>

次の瞬間、女の人の悲鳴が響き渡った。美樹本さん、小林さん、透、真理は二階へと急いだ。<br>

すると二階の一部屋から香山さんが出てきて、春子に何かがあったと言う。<br>

部屋に入ると春子さんが倒れていた…<br>
<br>
393 かまいたちの夜1、悪霊編 sage
2005/07/02(土)11:43:51ID:OITnqTYZ<br>
その3悪霊編<br>
香山さんに事情を聞くと、春子さんは窓の方を見ていたところ突然、悲鳴を上げ倒れたらしい。<br>

透たちはやはり幽霊…と思った。香山さん曰く春子さんは自分は霊感が強いと言っていたようで、<br>

それで何かを見てしまったのだろう。しかし、小林さんはそれを強く否定しようとした。<br>

すると、春子さんが目覚めた。春子さんもまた、窓に何かをみたと言うと、不穏な空気が流れた。<br>

この事態に気付いたOL達も部屋に来ていた。小林さんは慌てて誤魔化し、部屋のドアを閉めてしまった。<br>

美樹本さんがいよいよ本物を見つけたと言うと、小林さんはかたくなに否定する。<br>

美樹本さんは小林さんをさえぎるように、話し始めた。二十年前、クリスマスイブここで何かが起きたと。<br>

話を聞き、うろたえる小林さんは話させまいと真理を連れて部屋を出ようとする。<br>

しかし、美樹本さんは真理は事件の当事者だから聞く権利があると言った。真理はとまどい、小林さんは<br>

怒り叫ぶ。真理の実の親が事件と関係あるとも言った。真理の心は揺れ動く。<br>

小林さんに激しく問い詰める真理。小林さんは悲しげな表情を浮かべ、顔をそらした。<br>

再び美樹本さんが話しを始める。二十年前はここはペンションではなく、大地主の炭焼小屋であった。<br>

大地主には三人の子供がいた、一郎、二郎、純子という名だった。<br>

真理が驚き口を出す。純子は母の名だと、しかし母には二郎しか兄弟はいないと聞かされていた。<br>

なおも美樹本さんは話を続ける。長男の一郎は炭焼小屋の雇い人の娘・美雪と恋に落ち、子供を宿した。<br>

それを知った大地主は激怒した、それでも一郎は父である大地主に説得を続けた。<br>

そして、ある吹雪の日に一郎は父に呼び出されていた。しかし、父の態度を不審に思った一郎は慌てて<br>

炭焼小屋へと向かい、そこで彼は血まみれの美雪とその両親を見つけた。<br>

しかし、奇跡的に当時九ヶ月ごろの胎児の命は助かった。<br>

その胎児は「真理」と名づけられ、子供のいない純子夫妻に引き取られることとなった…<br>

だが、この殺人事件は犯人は捕まらずウヤムヤになり、そして一郎は首を吊って死んだ…<br>

事実を知り、衝撃を受け悲しむ真理。そんな真理を透はどうしてやることも出来なかった。<br>

<br>
<br>
394 かまいたちの夜1、悪霊編 sage
2005/07/02(土)11:44:12ID:OITnqTYZ<br>
その4悪霊編<br>
<br>
小林さんは美樹本さんと睨みあう、すると真理が突然部屋から飛び出していった。<br>

慌てて追いかける透、だがその前に皆へ怒りをぶつけてから追いかけていった。<br>

真理は部屋にこもっていた、透はドア越しに話かけても、素っ気な返事ばかりだった。<br>

そのため今は一人にしてあげようと思い、透もまた自室へと戻っていった。<br>

しかし、真理が気にかかる。そばにいてやろうか、一人にさせとくべきか、迷っていたところに<br>

突如、ガシャーンというガラスの割れる音で透は我に返った。<br>

音を聞いて皆が部屋から出てきて集まる。しかし、真理と田中だけは出てこない。<br>

呼んでも返事がない。すると今度は男の叫び声がした、今いないのは田中しかいない。<br>

美樹本さんがいち早く田中さんの部屋をノックし呼びかける。ただならぬ感じに小林さんも<br>

マスターキーを使い部屋を開ける。すると、部屋の中から冷たい空気が流れ出した。<br>

田中さんの部屋は赤くなっていた。血が壁一面に飛び散り、田中はベットの上で痙攣していた。<br>

その様子に皆、絶句していると春子さんが頭を抱え倒れた、何か危険なものがいると呟いて。<br>

春子さんはみどりさんに任せると透と美樹本さんは田中さんを調べた。窓が割られ、そこから<br>

入ってきた何かにズタズタに切り裂かれたのだろう。その何かとは…?<br>

悪霊…真理の両親の話を聞いた透はその考えが正しく思えてきた。<br>

そして真理を思い出す、この騒ぎでも彼女は部屋から出てこない。気になる透は真理の部屋へと向かう。<br>

激しくノックをし大声で真理を呼ぶ。ドアが開き真理がバスタオル姿で立っていた。<br>

どうやらシャワーを浴びていたようだ。透は田中が殺されたことを真理に告げ、談話室へ集まろうと言った。<br>

真理は着替えたらすぐに向かうと言ってドアを閉めた。<br>
そして談話室にて、小林さんは警察へ電話をしようとするが通じない。透も試すが何も聞こえない。<br>

何回か試すと何かが聞こえた。「真理…」電話からおぞましい声で真理を呼ぶ声が聞こえた。<br>

透の背筋は凍りつく。するとまだ降りてこない真理が気になった。<br>

その時、まさに二階から「やめて」という女性の声と意味不明の叫び声が聞こえた。<br>

透は急いで二階へと向かう。すると香山夫妻の部屋から何かが争う声が聞こえる。<br>

ドアを開けるとそこには香山さんと春子さんが血まみれで倒れていた。<br>

そしてもう一人、全裸で返り血を浴びている女性…真理がいた。<br>

<br>
<br>
395 かまいたちの夜1、悪霊編 sage
2005/07/02(土)11:44:26ID:OITnqTYZ<br>
その5悪霊編<br>
<br>
真理に呼びかける透、すると「真理…」透が電話で聞いたおぞましい声が再び聞こえた。<br>

透は真理へと近づいていく、その時、真理の髪の毛がムチのように襲い掛かる。<br>

透は痛みを感じ、胸元を見ると洋服ごと切り裂かれ、血がにじみ出ていた。<br>

田中さんをやったのもこの髪の毛だろう。<br>
再び襲い掛かる髪の毛、だが間一髪、美樹本さんが透を助けてくれた。<br>

真理を呼ぶ透、しかし小林さんが呆然とした様子で言った。「美雪さんなのか?」<br>

真理こと美雪は悲しく恐ろしい声で叫ぶ。「ムスメヲ…カエシテ」<br>

美雪の霊は、真理の身体を媒体にしていると美樹本さんは言う。<br>

やはり、これは真理なのだ。そう透が思った時、髪の毛が小林さんの首を締め付ける。<br>

小林さんの顔色が紫になっていく、透は真理に呼びかける。<br>

突然、真理の動きが止まり、そしてくずれおちた。<br>
美樹本さんが手早く真理を毛布に包み、部屋へと連れて行った。<br>

そして真理を部屋のベットに寝かせると美樹本さんは突然、透に向かって真理のことをどう思っているか<br>

聞いてきた。彼女への素直な気持ちを言うと、美樹本さんはあとは任せると言って、お守りを透の首にかけた。<br>

そのお守りには古今東西、ありとあらゆるお守りがくっ付いていた。<br>

どれかしらが悪霊に効くだろう、そう言って美樹本さんは部屋から出て行った。<br>

それから透は真理についた返り血を拭いてやろうと思い、バスルームを開けるとそこもまた血で<br>

壁が染まっていた。…田中さんの返り血だろう。田中さんを殺した後、血を消すため真理はシャワーを<br>

浴びていたのだ。そしてその後、何食わぬ顔で透と話をしていた…<br>

ふと気配を感じ振り返ると真理が立っていた。そして髪の毛で透の首を締め付けてくる。<br>

が、突如異常な悲鳴をあげると真理の髪の毛が燃え上がった。<br>

まさか、このお守りが効いたのだろうか?そう思いながら透はまた真理に呼びかけた。<br>

すると、美樹本さんと小林さんが部屋に飛び込んできた。<br>

しかし、突風が巻き起こり、部屋に壁に全員叩きつけられて動けなくなった。<br>

割れる窓ガラス、割れる蛍光灯、怪奇現象が次々と起こる。<br>

「ユルサナイ…」「ヒトゴロシ…」「ナゼコロシタ…」真理=美雪はそう言った。<br>

それを聞いた小林さんは慌てて「手違いだった。私は手切れ金を持っていっただけだ、私のせいじゃない」と言い返す<br>

美樹本さんが「あんたが殺したのか」と呟く。小林さんは懺悔するがごとく「私のせいじゃない」と繰り返すばかり。<br>

透は目の前の怪奇現象より、真理の母親を殺したのが小林さんだったという事実の方に驚いていた。<br>

ふと気がつくと部屋の怪奇現象は止み、恐ろしいほどの沈黙に包まれていた。<br>

「ユルサナイ」「ゼッタイニユルサナイ」美雪は小林さんを責め、そして髪の毛で小林さんの首を絞め始めた。<br>

お守りを投げるように、と美樹本さんが叫ぶ。慌てた透は首のお守りをバラバラにしてしまった。<br>

散らばるお守り、様々な種類がある。どれが効果があるか分からない、透は手元に落ちてた安産のお守りを<br>

真理に向かって投げつけた。しかし、お守りは軽く真理に届かない。しかたなく透は十字架、モアイ像<br>

青い玉…全てのお守りを投げつけるも、全て効き目がなかった。小林さんはすでに限界である、絶望する透。<br>

そんな時、美樹本さんが叫ぶ「もうやめるんだ、姉さん!」<br>

<br>
<br>
396 かまいたちの夜1、悪霊編 sage
2005/07/02(土)11:44:50ID:OITnqTYZ<br>
その6悪霊編完結<br>
<br>
透は意外な言葉に呆然とした。美樹本さんが弟?疑問に思いつつ透がお守りを探していると<br>

なおも美樹本さんは叫び続けた。たまたま叔母の家にいた美樹本さんはあの事件に巻き込まれなかった。<br>

まだ小さかった美樹本さんに周囲の人間は事実を教えなかった。しかし、事実を知った美樹本さんは<br>

自分の手で仇を取ると決意をした。その言葉を聴いた美雪は、仇を美樹本さんに託そうした。<br>

だが美樹本さんは「殺す」という復讐ではなく、事実を明らかにする形で仇を取るつもりだと言う。<br>

すると、美雪は猛り怒った。建物全体が大きく唸りがごとく、床がきしみ、壁がたわみ、天井が揺れた。<br>

天井がひび割れだし、再び部屋中に突風がうずまいた。美樹本さんがお守りを、と叫ぶ。<br>

しかし、もう手元には安産祈願しかない。透が言い返すと美樹本さんが、そのお守りは真理が生まれるとき<br>

美雪が持っていたお守りだと言った。これこそが復讐の憎悪を溶かすものだと確信した透はお守りを<br>

持つ。が、部屋が波うち、お守りは遠くへ飛ばされる。走って拾う透に対し、美雪は髪の毛で絞めつける。<br>

動けない透。美樹本さんが「真理の幸せを願うなら、もうやめるんだ!」と叫ぶ。<br>

「真理」、その言葉を聞いた途端、絞めつける力が弱まった。それを機に、透はお守りを拾うことが出来た。<br>

そして、お守りを真理の身体へと近づけていく。どんどん弱まっていく悪意。<br>

真理の身体から力が抜けていく。透は真理の名を叫び、真理の身体を抱きしめた。<br>

すると強い衝撃と熱さが透の身体をかけぬけたが、それでも透は強く真理を抱きしめた。<br>

「イやヤあああアあー!!」真理とも美雪ともつかない声が響き渡る。<br>

真理の身体から完全に力が抜け、崩れ落ちた。そして、何かが真理から抜け出るのを透は見た気がした。<br>

美樹本さんも同じものを見たようで姉さん、と呟きながら涙を流していた。<br>

全てが終わり、部屋が嘘のように静まり返っていた。小林さんもまだ息があるようだった。<br>

真理をベットに寝かせると透は美樹本さんに疑問をぶつける。<br>

美樹本さんは小林一族の誰かが犯人であると思い、証拠を探していた。ある時、シュプールの幽霊騒ぎを<br>

聞きつけた、それをネタにうまく自白を引き出せないかと思い、ここへ来たようだ。<br>

しかし、あの事件を真理に聞かせたせいで、ショックを受けた真理と美雪の憎悪がシンクロしたせいで<br>

あのような事態が起こったのではないかと美樹本さんは言った。<br>

そして、透は一番気になることを聞いた。真理はいままでのことを覚えているのだろうか?<br>

覚えていれば…二人の人間を殺し、実の叔父まで殺しかけた…この事実に耐えられるだろうか?<br>

美樹本さんは、もし覚えていれば立ち直ることは出来ないだろうと言った。<br>

しかし、透なら、真理を立ち直らせることが出来るかもしれない、とも言った。<br>

真理のことを頼まれたが、透にはその自信がない。しかし、自分の出来ることをしようと透は思った。<br>

まだ手に持ってた安産祈願を眠っている真理の手に握らせる。<br>

透は真理の眼が覚めたら言ってあげようと思うことがあった。<br>

『お母さんは君を愛していた』と…   <br>
                      完<br>
<br>
<br>
397 かまいたちの夜1、その他 sage
2005/07/02(土)11:50:13ID:OITnqTYZ<br>
エンディング集<br>
  <br>
殺人事件編<br>
<br>
その4解決編の美樹本が透の腕を折ったで分岐、透は腕を折られ苦しんだ。そこへ真理が透を助けに<br>

美樹本へ飛び掛った。透は真理を助けようと痛みをこらえ、必死で美樹本へ体当たりした。<br>

すると真理が蹴り、俊夫さんが殴り、小林さんが絞め、みんなで美樹本へ襲い掛かった。<br>

騒がしいなか透は意識を失う。気がつくとベットにいた。あの後何があったのだろうか?<br>

しかし、そんな事はどうでも良かった。隣で真理がいてくれるだけで…   完<br>

<br>
その4解決編の窓を割るトリックの話で分岐、透は猫のジェニーを使って窓を割る仕組みを作ったの<br>

ではと考えた。しかし、それはすぐに否定されてしまう。すると突然、真理が窓を割るトリックが分かった<br>

と言い、見事に推理してみせた。全てを明かされた美樹本は真理を襲う。次の瞬間、真理の一本背負いで<br>

美樹本は吹っ飛んだ。そして美樹本を縛り上げると、全員で真理を褒め称えた。香山さんが探偵になったら<br>

どうかと薦めた。真理もまんざらでない様子であった。ふと透は思った。美樹本は何故こんなことを<br>

したのだろうか? が、警察が調べることだと思い、特に気にしなかった…   完<br>

<br>
その7で分岐、犯人がわからずOL達を疑う透。すると錯乱した可奈子が透を襲う。<br>

抵抗し、可奈子を撲殺する透。しかし、それを目撃した真理が「人殺し!!」と言うと<br>

ストックを透めがけて突き刺してきた。透はそのまま息絶えた…     終<br>

<br>
その7で分岐、犯人がわからずOL達を疑う透。しかし、俊夫は『あいつ』と言ったことに気付く。<br>

OL達なら『あいつら』と複数形になるはずだ。OL達に部屋から出ないよう指示した透だが、<br>

次の瞬間、悲鳴が聞こえた。部屋に戻ると真理が死んでいた。そして透の背後から犯人が…   終<br>

<br>
その6の真理の悲鳴から分岐、真理のもとへ向かう前に他の人の助けを呼ぶ透。しかし誰も部屋から<br>

出てこない。すると階段を上がってくる音がする。透は犯人だと思い、階段から突き落とした。<br>

その人は死んだ。その人は…真理だった。透は壊れた。そして全てから逃げ出そうとして、<br>

吹雪の中をひたすら駆け抜けた。しかし、逃げ出せるはずもなく雪山で静かに眠りにつくのだった。   終<br>

<br>
その5の田中の部屋を調べるから分岐、田中の部屋を美樹本と一緒に調べに行く。<br>

田中の部屋に入ると、一緒にいた美樹本がいない。まさか…と思い部屋の外を覗く透。<br>

すると何者かに透は殴られた。何者かによって透は殺されてしまった…   終<br>

<br>
その2の香山に就職を誘われるから分岐、透はそのまま香山さんの会社に就職した。<br>

真理とは二度と会うことはなかった。数十年後、透は結婚をし会社の社長にもなった。<br>

幸せだった。そして思い出のシュプールを訪れる、まさか、ここで事件に巻き込まれるともしらず…   終<br>

<br>
その6解決編より分岐、透は犯人が分かったと皆に告げた。「犯人は…ぼくです」驚く全員。<br>

真理は無実を訴える、しかし透は自分が犯人と言い張る。すると俊夫さんが透の腹へナイフを突き刺した。<br>

…悪趣味な…冗談だったのに…後悔しながら透は死んだ…      終 <br>

<br>
<br>
398 かまいたちの夜1、その他 sage
2005/07/02(土)11:50:39ID:OITnqTYZ<br>
エンディング集<br>
<br>
スパイ編<br>
<br>
その5の春子に狙われるで分岐、真理が戻ってきて春子へ重圧をかける。<br>

透も真理を手伝おうと、春子へ襲い掛かる。…しかし、無情にも春子の銃によって<br>

透は撃たれ、そのまま息絶えるのだった。      終<br>

<br>
その6の俊夫が撃たれたで分岐、俊夫がマシンガンで死んだ。何があったのか透も慌てて<br>

飛び出した。すると、そこにはみどりさんがマシンガンを持っていた。<br>

透もマシンガンの餌食となって死んでしまうのだった。    終<br>

<br>
その6のみどりを追いかけるで分岐、透はやはり自分はこんなことに巻き込まれたくないと言った。<br>

真理もそれを承知する。みどりを追いかけていく真理。透は真理の部屋に隠れていた。<br>

外から銃声のような音が聞こえた気がする…一時間…二時間…透は部屋で待ち続けるのだった…  終<br>

<br>
悪霊編<br>
<br>
その5の美樹本から真理への気持ちを聞かれるところから分岐、透は照れくさく、真理のことをどうとも<br>

思っていないと嘘づく。それを聞いた美樹本さんは、他人を巻き込むわけにはいかないと言う。自分も他人では?<br>

といぶかしむ透だったが素直に部屋から出て行った。そして、香山さんの部屋をのぞくと俊夫さんとみどりさんが<br>

香山夫妻の手当てをしていた。助かる可能性は低そうだった。ふと部屋の隅でうずくまっている小林さんを見つけた。<br>

小林さんを問い詰める透だったが、小林さんはただ震えているばかりだった。<br>

次の瞬間、誰かの叫び声がして、建物全体が揺れ始めた。真理と関係があるのか?そう思った透は真理の元へと<br>

急いだ。すると、真理の部屋から美樹本さんが血を流して出てきた。その途端、建物の揺れがおさまった。<br>

美樹本さん曰く、真理=美雪は外へ飛び出していったらしい、そして誰か無防備な人間を見つけたら<br>

襲い掛かるつもりである。だから全員でどこかに集まるべきだと言った。<br>

透と美樹本さんは皆を談話室へと集めた。そして談話室で皆、いら立ちながら話をしていると<br>

突然、俊夫さんが浮かび上がった。おどろき見つめると、そこには真理がいて髪の毛で俊夫さんの首を絞めている。<br>

悲鳴と泣き声が響き渡る。「コロシテヤル」そんな真理の声に小林さんは悲鳴をあげ、玄関へ逃げた。<br>

小林さんはそのまま外へと逃げるつもりらしい、真理はそんな小林さんを睨みつけると<br>

俊夫さんへの攻撃を止め、今度は小林さんへと襲い掛かる。<br>

小林さんをいたぶるように、何度となく切りつける、あたりに血しぶきが飛び散る。透は動くことすら出来なかった。<br>

そして、小林さんがあの事件を自白する。その後、美樹本さんが美雪の弟だと話し、透がお守りを使い<br>

美雪を徐霊する。(その6と一緒)<br>
真理に記憶が残るかどうかを話し、美樹本さんから真理を頼まれる。<br>

透は自分に何ができるか分からない。だが今はそばにいてあげようと思った、笑顔が戻るその日まで… <br>

                                            完        <br>

<br>
<br>
400 かまいたちの夜1,迷路編 sage
2005/07/02(土)14:24:26ID:OITnqTYZ<br>
その2迷路編<br>
その1&gt;透と真理はスキー場に来ていた。で分岐<br>
<br>
真理はもう一回滑ろうとねだる。しぶしぶ付き合う透だが、真理によって無理やり中級者コースへと<br>

連れてかれる。しかし、途中で透は転倒し足を捻挫してしまう。この足では車の運転が出来ない。<br>

仕方なく、真理がシュプールまで運転することになった。だが真理は運転に自信がないようだ…不安に透は思った。<br>

<br>
その1&gt;食後、真理がナイターへ誘ってきた、で分岐<br>
<br>
俊夫さんとみどりさんが外は吹雪くらしい、と注意をするも大丈夫だろうと思い行くことにした。<br>

ナイターに付き合うことにした透は、さっそく用意をし車でスキー場へと向かう。<br>

<br>
(以後、共通です)<br>
二人の乗った車の前を何かが横切った。慌ててハンドルを切ると車は横転してしまった。<br>

激しい衝撃が二人を襲う。真理のうめき声が聞こえる。二人は何とか車から脱出すると、歩いて<br>

帰ることにした、幸い車にはハンドライトが積んであった。しかし、外は完全に吹雪だ。<br>

不安をかき消しながら、二人は猛吹雪の中を歩き始めた。ここがどこか分からないが、とにかく進むしかなかった。<br>

途中で分かれ道になった。透は自分のカンだけを頼りに、東に西に、北へ南に、ひたすら歩いた。<br>

真理がボーッとしたところを叩き起こしたり、道に迷いながら進んだ。<br>

行き止まりの池、道が途切れ進めない、そのたびに二人は引き返し進んだ。<br>

防寒具を通しても寒さが伝わる、温かいものが欲しい。身体の感覚が少しずつなくなっていく。<br>

ハンドライトの光はほとんど役立たない。もう自分が何処へ向かうのか良く分からない。<br>

寒さと疲労で二人とも今にも倒れそうになっていた。この道があっているのか、疑心にかられる透たち。<br>

引き返すべきか、進むべきか…透は進む道を選んだ。すると、遠くに明かりが見える。<br>

…シュプールだ。間違いなくシュプールだった。生還できたことを喜ぶ二人、助かったのだ。<br>

急いで玄関へと向かうと、奇妙な違和感を感じた。気のせいだろうと思い玄関へと向かうと<br>

そこに人が倒れていた。…俊夫さんだった。頭からは血を流し、確実に死んでいた…<br>

とにかく中へ入った二人が、大声で呼びかけるも誰からも返事がない。<br>

何かあったのだろうか?そう思いつつ、とりあえず着替えようと思い、二階の部屋へと向かうと<br>

廊下にまたしても死体を見つけた、香山さんの奥さんだ。やはり死んでいる。<br>

せっかく助けを求めてきたのに、ここでも新たな恐怖が透を襲った。<br>

緊張と不安の連続で透の頭は麻痺していた。むしろ吹雪の中に戻ろうかと思ったくらいだ。<br>

ここは何かがいる。逃げ出したい気持ちを何とかおさえ、小林夫妻の部屋へと向かった。<br>

二人とも殺されていた。混乱する真理を落ち着かせる透。二人は部屋へと戻り鍵を掛ける。<br>

ただの悪い夢だと思いたい二人だったが、現実は厳しかった。<br>

突如、鳴り響く女の悲鳴、もう一度響く悲鳴。悲鳴が消え静寂が戻ると、何者かが床を歩く音がする。<br>

ゆっくりとコチラの部屋へ向かってくる。透は真理の手を握った、すると足音が部屋の前で止まった。<br>

ドアをガチャガチャと音を立てる。無理に開けようとしているようだ。<br>

そして、軽いノック…次に乱暴に叩くようにノックされる。悪夢はまだ終わらないようだった… <br>

                                            終<br>

<br>
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401 かまいたちの夜1 sage 2005/07/02(土) 14:27:08 ID:OITnqTYZ<br>
その2 Oの喜劇編<br>
その1&gt;透と真理はスキー場に来ていた。から分岐<br>
<br>
真理がもう一回滑ろうと透を誘う。透はやけくそになって、一晩中滑ってやると叫んだ。<br>

二人で山頂へ昇り、ウルトラ・エキスパート・スペシャル・サンダー・ドラゴン・ウオリャー!・<br>

トリャー!・ソリャー!・コースという上級コースに挑戦することにした。<br>

そのコースは凄まじく、垂直の斜面にコブだらけ、そしてアイスバーンとなっていた。空には<br>

稲妻が走っている。落雷で黒コゲになったスキーヤー達があちこちに転がっている。<br>

透はにやりと笑うと、飛び出していった。「ウオリャー!」コブをかわし「トリャー!」大きくジャンプ<br>

「ソリャー!」周囲のスキーヤーからおどろきと賞賛がわく。実は透は天才プレーヤーで今は五輪に<br>

出ているのだ、あと少しで金メダルだ。「しっかりして!」真理の応援が聞こえる。もう少しでゴールだ…<br>

…「しっかりしなさいよ!」真理に頬を叩かれて、透は目覚めた。<br>

透は雪の中で倒れていた、どうやらコースを外れ転倒したらしい。頭を打って気絶していたようだ…<br>

心配した真理が運転をすると申し出る。しかし、透はそんなことしたら遭難しちゃうよ!と悲鳴をあげた。<br>

いや、そんなわけないか。と何となく感じた嫌な予感をよそに、真理に運転を任せた。<br>

真理が緊張しているのが気になり、免許持ってたよな?と透は聞く。…原付なら、と真理は答える。<br>

驚く透をおかまいなしに車は飛び出していく。車を止めさせようとする透に対し、真理はゲーセンで<br>

「究極レーサー」を完走したから大丈夫だと言い放つ。<br>
ゲームと現実は違うと透が言い、無理やり車を止めさせ、その日はタクシーでペンションへと帰った。<br>

二人は着替えると談話室へと向かった。そこには香山夫妻やOL三人組がいて談笑していた。<br>

真理がどの子が好みなの?と意地悪く聞いてくる。だが、透は真理しか目に入らないとキザに言う。<br>

見つめあう透と真理、二人だけの世界…そばにゲーム機があったが眼もくれず見つめあった。<br>

その時、鳩時計が7時を告げる。すると小林さんが夕食の準備が出来たといった。<br>

すでに腹ペコだった透は喜んで食堂へ向かった。食堂に着くと、隅の方にいる怪しい雰囲気の男が目についた。<br>

可愛いフリルの付いた超ミニの赤いワンピースを着て、紫のアイシャドーと口紅をつけている。<br>

頭には巨大な水玉リボンがある。真理が声をひそめ、ホモじゃないか?と聞いてくる。<br>

「ホモ?」と透が聞き返すと、その声が聞こえたらしく低いしゃがれ声が隅から聞こえてきた。<br>

「アタシはホモじゃなくてよ。オカマなの、オカマ。一緒にしないでよね、失礼しちゃうわ」<br>

ホモとオカマは全然違う、失礼なことを言った真理をオカマさんに謝らせる透。<br>

真理が謝ると、透は心の中で真理の成長を喜んでいると料理が運ばれてきた。<br>

料理はおいしく、メインのステーキはとても美味しかった。何の肉だろうか?そう思い透はみどりさんに<br>

質問すると、みどりさんの顔色が青ざめた。そのまま、みどりさんは逃げるようにキッチンへと行ってしまう。<br>

<br>
<br>
402 かまいたちの夜1 sage 2005/07/02(土) 14:27:26 ID:OITnqTYZ<br>
その3 Oの喜劇編<br>
<br>
余計に気になる…そう思った透たちはみどりさんの後をつけた。すると、どこからか女性の悲鳴が聞こえる。<br>

謎の悲鳴…正体不明の肉…青ざめたみどりさん…まさかと思う透。さらに一階の廊下の奥へと進むと<br>

また悲鳴が聞こえた。怯える二人はさらに進む。しかし、廊下の奥は物置になっていて行き止まりだった。<br>

その時、猫のジェニーが現れた。嫌な予感を感じ物置を開けると、そこにはまた扉があって、それ開けると<br>

地下へと続く階段があった。慎重に降りてく二人、その時、またしても悲鳴が聞こえた。はっきりと<br>

階段の下から聞こえてくる。降りてみると、そこは食料品の貯蔵庫になっていた。<br>

「クックック…素晴らしい…一体どんな料理にしてやろうかね…」<br>

部屋の奥から聞こえる小林さんの声、その声は今までになく不気味な声だった。<br>

「お願いです…もうやめてください…ひどすぎます…」みどりさんの声だ。<br>

そっと覗き込む透。すると悪魔のような笑みを浮かべ包丁を握っている小林さん。<br>

その小林さんの前には…にわとりがいた。<br>
小林さんが包丁でにわとりの首を切り落とす。叫ぶみどりさん<br>

…なんてことない事実に拍子抜けし、食堂へと二人は戻った。食後のコーヒーを飲むと全員で談話室へと<br>

集まった。いや、あのオカマさんだけいない。小林さん曰く、オカマさんは化粧を直しに部屋へ戻ったようだ。<br>

と、その時すべての明かりが消えた。女の子達が悲鳴をあげる。小林さんが慌てずに今日子さんにロウソクを<br>

持ってくるように言うと、今日子さんがどこかへ行った気配を感じた。<br>

5分ほどして今日子さんがロウソクを持って戻ってきた。「準備ができたわよ」今日子さんが言う。<br>

見ると今日子さんは驚いたことに、黒いブーツを履き、黒い革のボンテージファッションに身を包んでいた。<br>

おまけにロウソクと一緒に革で出来たムチを持って…<br>
小林さんが慌てて、ロウソクだけでいいんだと言うと、今日子さんはロウソクを置いて戻っていった。<br>

ロウソクに照らされていると、不気味な集会のようだ。すると、ふいに可奈子が話し始める。<br>

友達の妹の話で、彼女は数学が不得意なため夏休みに補習を受けていた。皆、固唾を呑んで話を聞き入る。<br>

課題の出来た人から先に帰っていって、結局彼女は最後まで残っていた、そして恐ろしいことが起きた。<br>

課題が終わって、彼女がトイレに行き、慌てて入った個室には何と…紙がなかったのだ…<br>

そして彼女は数学で赤点を取ってしまい、それ以来「呪いのトイレ」と呼ばれているらしい。<br>

予想もしていなかった恐ろしい話に、皆しばらく黙っていると、突然<br>

二階から男とも女ともつかぬ悲鳴が聞こえた。小林さんを先頭に数人で様子を見に行く。<br>

田中さん=オカマさんを呼ぶ小林さん。しかし、返事がなくドアを開けてみた。鍵はかかっていない。<br>

部屋は暗くロウソクの明かりで中を照らすと、人間の足が見えた。<br>

明かりがふいに戻り、電気が再びついた…「彼女」は赤いハイヒールを履き倒れていた…<br>

<br>
<br>
403 かまいたちの夜1 sage 2005/07/02(土) 14:28:40 ID:OITnqTYZ<br>
その4 Oの喜劇編<br>
<br>
「彼女」は血のように赤いイブニングドレスに着替えていた。深い襟元からは筋肉質な胸が見えていた。<br>

太い足はストッキングを履いていて、毛深いのが分かった。青アザのようなアイシャドーに彩られた目は<br>

おどろいたように見開かれていた。小林さんが近寄り、話かけるも返事がない…やはり死んでいるようだ<br>

「彼女」は左手に小さな板を持っていた。その板はべったりと血がついていた。<br>

ダイイング・メッセージ?透の頭にある一つの考えが浮かんだ。<br>

オカマ、板、血…かまいたち…<br>
いや、ただたんにそれだけのことである。<br>
透は全員を見回すと、こういうときはこの中に犯人がいるのが相場だと言い、とりあえず談話室に<br>

皆を集めた。透は一人一人の顔を見回した、ふと玄関を見ると、一人の男がしのび足で出て行こうと<br>

していた。黒ずくめの格好をしてスキーマスクを被り、手には血のついた包丁を持っている。<br>

まったく知らない人だった。透はその人に大声で呼びかける。<br>

すると男はしどろもどろになった。透はそこで謎の男の正体を言い当てる。<br>

血まみれの包丁を見れば明白である…通りすがりの魚屋さんだ!!自信満々で答える透。<br>

「い・・・いや、俺はあいつの後をつけて来ただけで…」と否定する魚屋さんに対して、透は<br>

この吹雪の中、魚を配達するのは大変なためスキーマスクをつけていると推理する。<br>

それで全て説明がつくため魚屋さんは除外していいだろうと言った。<br>

まさか、通りすがりの魚屋さんがペンションの客をころすはずがないと、完全に透は言い切った。<br>

透はまず、悲鳴が聞こえたときアリバイがないものを探し始める。<br>

小林さん、OL三人組…次々とアリバイを調べるも、不思議なことに全員にアリバイがあった。<br>

すると、黒ずくめの魚屋さんが、そわそわし始めた。「それは…俺が・・・」と言う魚屋さんに<br>

透はアナタには関係ないことですから、と言い黙らせた。<br>

次に、何かトリックを使って犯行をしたのではと推理するも、あっさり否定されてしまう。<br>

今度はあのダイイング・メッセージについて考えて始めた。<br>

またしても関係ない魚屋さんが「そ、それは俺の…」と口をはさむので透は睨んでやった。<br>

「かまいたち」と何か関係があるのか?それを考えていると俊夫さんとみどりさんが同時に話始めた。<br>

「かまいたち」は三匹で一組の妖怪だと言うらしい。皆の目がOL三人組に集中する。<br>

みどりさんと亜希はお互い顔のことをけなしあう。…そんな二人を無視して、さらに推理を続けた。<br>

香山誠一…カヤマセイイチ。なんとなく「かまいたち」に似てるのでは?香山さんは反論する<br>

<br>
<br>
404 かまいたちの夜1 sage 2005/07/02(土) 14:28:58 ID:OITnqTYZ<br>
すると突然、魚屋さんがわめきだした。<br>
魚屋さん曰く、俺があいつを殺したと言う。包丁もキッチンから取ってきたのだと言った。<br>

冗談かと思ったが、どうやら違うらしい。どうみても魚屋にしか見えないのに。<br>

スナックでバーテンをやっていると反論する魚屋さん。<br>
動機を聞くと、ある日一人でお店に来た田中さんと恋に落ちたらしい。<br>

しかし、田中さんは自分が男であると一言も言わなかったようだ。<br>

あんなきれいな男がいるわけないと思ったらしい。どうやら美的センスが普通とはずれているようだ。<br>

本当は今でも愛していると後悔する魚屋さん改めバーテンさんは、おいおいと泣き始めた。<br>

美しくも悲しい愛の物語だったと締めくくる透。しかし、唯一分からないのが、あのダイイングメッセージだ。<br>

そのことを聞くとバーテンさんは、俺の名前だと言った。<br>

驚く全員。なんとバーテンさんは釜井達郎という名前だったのだ。全てを告白した釜井は泣き続けた。<br>

今回の事件はぼくがこれまで解決したなかで、もっとも難しく悲しい事件でした。<br>

ぼくはこの事件を「オカマの…」いや「Oの悲劇」と名づけたいと思います、と勝手にまとめる透。<br>

その時、階段から声が聞こえた。「あーら、みなさん何をやっていらっしゃるの?」<br>

何と死んだはずのオカマ…田中さんが降りてきた。田中さんは停電したときに釜井とぶつかり<br>

それで転んでしまい、ベットに頭をぶつけて気絶していたらしい。<br>

包丁は小林さんのもので、にわとりの血が付着していたのだ、そして、暗闇の中で釜井が刺したと思ったのは<br>

田中さんのブランドバッグだったのだ。あの板もにわとりの血だったのか?<br>

よく考えれば暗闇の中で顔も見えないのに、ダイイングメッセージなど残せない。そう真理に言われ透は<br>

何も言い返せなかった。そして、田中さんと釜井さんは見つめあう。<br>

「俺が悪かった、もう一度やり直そう」「私はあなたにふさわしい女じゃないわ」<br>

「はなから女じゃないだろう!!」と喉まで出かかった言葉を飲み込み皆、黙って二人を見ていた。<br>

二人は見つめあい、顔を近づける…全員顔をそむけた。ぶちゅ~スポン<br>

そうトイレのラバーカップのような音が部屋に響きわたる。<br>

透は心の中で「Oの喜劇」に改名しなければいけないな、と思っていた  <br>

                                完<br>

<br>
445 かまいたちの夜1,暗号編 sage
2005/07/05(火)21:35:02ID:6BKBEIi/<br>
その3暗号編<br>
その2>ノブを回すも鍵がかかっていたため、小林さんのマスターキーを使い部屋に入る。<br>

<br>
部屋を調べるのをためらう小林さんをよそに、透は田中の部屋へと入って行った。<br>

すると足元に丸められたメモ用紙を透は見つける。その紙を拾おうとして透は気付いた。<br>

血が付着している。血に触れないように透はその紙を広げてみた。中には…<br>

<br>
宝はシュプールの中ににある。<br>
1と3の間、<br>
冥土へと向かう道の途中。<br>
負け犬は去れ。<br>
車井戸がきしるから、 <br>
あの泥棒がうらやましい。<br>
あなたに似た人より早く、<br>
たからのありかを探りだせ。<br>
<br>
と、書かれていた。文章も気になるし、血も気になる。まずは田中の部屋を調べてみるも<br>

田中の姿は見えない。この血は田中のものなら…とにかく、一度談話室へと戻る一同。<br>

そして、談話室で透はあの謎の文章が書かれた紙を全員に見せた。<br>

田中がこれを残して失踪したこと…血がついていること…これらから宝をめぐって田中は何かに<br>

巻き込まれたと考えるのが妥当だと透は言った。<br>
あれこれ推測してみるが、よく分からない。業を煮やした俊夫さんが、とにかくこの文章を解けば<br>

分かるはずだと言い、メモを見る。『1と3の間、』は当然2である。二階のことか?と俊夫さんが口にすると<br>

それを聞くなり、香山さんはがばっと立ち上がり、春子さんとともに二階へと駆け抜けていった。<br>

そして、他の各自も二階を探すも何も見つからない。<br>
『冥土へと向かう道の途中。』…冥土は地獄のようなもの、つまり地下室では?と美樹本さんが言うと<br>

それを聞くなり、香山さんが飛び出し、春子さんとともに地下室へと向かった。が、当然見つからない。<br>

メモと睨めっこしながら、推理する一同。<br>
シュプールはペンション名でなく、スキー場のことでは?<br>

『あなたに似た人』は鏡に写った自分、つまり鏡の裏では?<br>

この言葉には意味がなくアナグラムなどでは?<br>
「むむむ…」「うーん…」「???」「☆*♂♀?」悩む一同。<br>

そして「分かった!!」透は叫んだ。宝は…<br>
<br>
<br>
446 かまいたちの夜1,暗号編 sage
2005/07/05(火)21:37:04ID:6BKBEIi/<br>
その4暗号編<br>
<br>
宝は談話室にある。そう透は明言した。<br>
すると、あるものは血まなこで辺りを見回し、あるものは半信半疑の様子だ。<br>

談話室のどこにあるのか?小林さんがそう聞くと、透は答えた。<br>

「頭の上です」全員で天井を見上げる。だが、透は別のところをみていた。<br>

透は頭上の鳩時計を見つめた。鳩が飛び出す扉を開き、中をのぞくとそこには小さな袋があった。<br>

透はそれを取り出し、中身を確かめる。赤や緑の宝石が光り輝いていた。宝石に混じって小さな紙もある。<br>

真理がそれを取り読み出す。『おめでとう。謎を解いたようだな。宝は君のものだ』<br>

透はまさか本当に宝が手に入るなどとは、思ってなくとても驚いた。<br>

香山さんが分け前を得ようとするも、春子さんに叱られてしまった。<br>

謎をどうやって解いたのか?真理が透にたずねる。<br>
実はあの文章を縦読みしただけだった。ただし二文字目であるが。<br>

は、と、土、け、井…鳩時計の中、となるのだ。真理は透を褒めた。<br>

すると、またしても香山さんが知り合いの宝石屋に売ってやるから預けないか、と言い出す。<br>

金でもせしめようとでもする気なのか、香山さんは驚くことを言い出す<br>

ので呆れる透たち。<br>
まったくとてつもない商魂の持ち主だ。<br>
「きっとそう言うと思いましたよ…」真理が突然話し出す。<br>

「これを売ることは出来ません」<br>
少しおおげさに真理は言った。<br>
「どうせ偽者なんだろう?」と透は真理に聞く。<br>
間をあけて真理は答えた。「あの手紙には最後こう付け加えてあるのよ」<br>

『追伸ただしこれは全部ただのガラス玉です。総額三百五十円也。あしからず…小林二郎』<br>

「小林さん!?」驚く一同。まさか小林さんの仕業とは誰も考えていなかったようだ。<br>

実はちょっとした余興のつもりだったらしい。偽者だと分かって香山さんは大喜びをする。<br>

小林さんは暗号みたいのを作るのが好きで、他にも色々作っているらしい。<br>

田中は小林さんの親友で、小林さんの部屋に隠れているようだ。<br>

小林さんを呼んでくると言って、部屋へと走っていった。皆で談笑していると小林さんが<br>

慌てて戻ってきた。すごく青ざめている。「…死んでいる…死んでるんだ!」小林さんがそう言うと<br>

皆息を呑んだ。「…またまた、小林さんたら」冗談かと思ったが、バラバラで死んでいるんだ、と<br>

小林さんが叫ぶ。バラバラ…?<br>
これが恐ろしい悪夢の始まりだった…  <br>
                    完<br>
<br>
<br>
43 PCが壊れたり大変だった… sage
2005/07/21(木)17:56:00ID:MDSY7cjb<br>
その4チュンソフ党の陰謀編<br>
<br>
その3暗号編<br>
&gt;金でもせしめようとでもする気なのか、香山さんは驚くことを言い出す<br>

&gt;ので呆 れ る透たち。<br>
&gt;まった く とてつもない商魂の持ち主だ。<br>
&gt;「きっとそう言うと思いましたよ…」真理が突然話し出す。<br>

&gt;「これ を 売ることは出来ません」<br>
&gt;少しお お げさに真理は言った。<br>
&gt;「どうせ偽者なんだろう?」と透は真理に聞く、から分岐<br>

<br>
わたしはまだ生きている。そのことを神に感謝すべきなのかもしれない。<br>

1994年、この『かまいたちの夜』がSFC用ソフトとして発売された時、原作者であるわたしは<br>

ある秘密文書をそのカセットの一部に忍び込ませることに成功した。<br>

恐ろしい陰謀を止めるために。<br>
<br>
当時の機密文書<br>
今これを読んでいるあなたが誰なのか、わたしには分からない。子供なのか、大人なのか、男なのか、<br>

女なのか…。このゲームの購買層を考えるなら、高校生くらいの男の子というのが可能性としては<br>

高いのかもしれない。<br>
いずれにしても、純粋にゲームを楽しもうとしてこのソフトを借ったごく普通の人であって、”彼ら”の<br>

仲間でないことを痛切に願う。<br>
あなたが誰なのか、私には分からない。わたしはさっきそう書いた。しかし、あなたの方はわたしの<br>

ことを知っているはずだ。少なくともその名前を、このゲームのパッケージなり、スタッフロールなりで<br>

見かけているに違いない。<br>
わたしの名前は我孫子武丸。いや、そういう名前で知られている人物の影にいる、本当の作者。<br>

それがわたしだ。パッケージやマニュアルに顔写真が出ているかもしれないが、それはわたしではない。<br>

わたしの名前を語っている”彼ら”の仲間だ。<br>
わたしはこの『かまいたちの夜』のストーリーのほとんどすべてをチュンソフトの社内の一室で<br>

書かされている。そしてわたしは今、仕事をしているふりをし、”彼ら”の目を盗みながらこれを<br>

書いている。そう、”彼ら”とはすなわちチュンソフトの社員達のことだ。<br>

<br>
44 名無しさん@お腹いっぱい。 sage
2005/07/21(木)17:56:54ID:MDSY7cjb<br>
正直に言うと、わたしも始めは”彼ら”の仲間、チュンソフトの社員だったのだ。しかし、この<br>

『かまいたちの夜』の制作に参加し、プロジェクトが進むにつれ、この会社の真の姿とその恐るべき<br>

陰謀に気がついたのだ。わたしはもちろん逃げ出そうとしたが、あと一歩のところで”彼ら”に<br>

取り押さえられてしまった。それ以来、ずっとこの部屋に監禁され、強制的に仕事をさせられている。<br>

”彼ら”にとって都合のいいことに、わたしには身寄りもなく、社外の友人も少なかったから、<br>

わたしの行方を探してくれる人もいないだろう。<br>
この仕事が終わると同時に、わたしは殺されるだろう。だから多分、あなたがこれを読んでいる今、<br>

わたしはもう”彼ら”の手によって抹殺されていることと思う。ここから何度も逃げ出そうとしたが<br>

そのたびにつかまり、思い出すのもおぞましい数々の拷問を受けた。<br>

わたしはもはや生き延びる希望など抱いてはいないが、”彼ら”の陰謀を世間に伝え、阻止してもらうため<br>

これを書いている。普通のゲームの背後に、暗号を解かなければ見つけることのできないように、この<br>

メッセージを隠しておく・・・そうすれば”彼ら”の目に触れずに、外の人間に情報を伝えることが<br>

できると考えたのだ。マスターのROMにこのメッセージを仕込む事ができればいいのだが、わたしの立場<br>

ではそれは不可能だ。一ケース分、あるいは二ケース分をすり替えるのがせいぜいだ。<br>

その何十本かのうち、果たしてこのメッセージにたどり着ける人間がいるのかどうか、そしてたとえ<br>

これを読んだとしても信じてもらえるのかどうか…わたしにはまったく分からない。そしてまた、出荷<br>

する前にチェックを受け、”彼ら”によって破棄されてしまうことがないという保証もない。<br>

…あれこれ心配するのはよそう。誰か善良な人間がこれを読んでくれていることを信じ、わたしはこれを<br>

書き続けることにする。<br>
あなたは多分どこかで、サブリミナル知覚という言葉を耳にしたことがあるだろう。<br>

気がつかない程度の刺激・・・潜在知覚とも呼ばれているものだ。聞こえないほどの小さな音、認識できない<br>

ほど短い時間だけ映し出される画像…そういった知覚できない刺激が、潜在意識に影響を及ぼす。<br>

”彼ら”はこのサブリミナル知覚をゲームソフトにおいて実験しようと試みた。その最初が『弟切草』<br>

というソフトだった。埋め込まれたメッセージは比較的他愛もないものだった。『チュンソフトのソフトは<br>

面白い』というものだ。<br>
メッセージを埋め込んだのと、そうでないソフトを別々の地方に出荷し、次回作の売れ行きを比べて<br>

結果を探ろうというものだった。そして『トルネコの大冒険』というソフトによって実験の効果は<br>

確かめられた。メッセージを埋め込んだ地域の売れ行きはめざましいものがあったのだ。<br>

この段階でも、商業モラル上若干問題があることはお分かりだろうが、”彼ら”の真の狙いはビジネスの<br>

成功などというささやかなものではなかった。やがては日本をになうことになる若者たちを子供のうちに<br>

洗脳し、熱狂的なチュンソフトの支持者にすること。<br>
<br>
45 名無しさん@お腹いっぱい。 sage
2005/07/21(木)17:58:01ID:MDSY7cjb<br>
このソフトをプレイした子供達が大人になる頃には、チュンソフトは単なるゲームソフト会社ではなく<br>

宗教法人、政治結社、多国籍企業の複合体となっているだろう。その時、洗脳された若者たちは中村光一を<br>

神と崇め、”チュンソフ党”に投票し、チュン食品のインスタント・フードを食べながら廃人のように<br>

なってチュンソフトのゲームをプレイし続けることだろう。<br>

それこそが”彼ら”の目的なのだ。経済、政治、信仰のすべてにわたって日本全体を支配すること。<br>

笑い話のように聞こえることは承知している。しかしこれは本当のことなのだ。<br>

現にこのソフトをすでに何度かプレイしているはずのあなたは、チュンソフトに対して奇妙な信頼感を<br>

覚えているはずだ。十回以内であれば、まだ洗脳されきってはいない。二十回、三十回目でこれを読んでいる<br>

のだとすると、おそらく何を言っても信じてはもらえないことだろう。<br>

しかし、これは真実なのだ。誰か”彼ら”の陰謀を暴いて欲しい。簡単なことだ、わたしがこれから教える<br>

電話番号に、電話を一本かけるだけでいいのだから。わたしが全面的に信頼できる唯一の友人の電話番号だ。<br>

彼にすべてを話してくれ。それだけでいい。<br>
危険なことは何もない。逆に、彼に伝えてしまうことであなたの危険度は下がるのだ。<br>

…恐がらせたくはないので黙っていようとも思ったが、そうもいかないようだ。<br>

もしわたしがこのメッセージを何十本かのソフトに忍び込ませ、正常なカセットにまぎれこませることが<br>

できたとしても、”彼ら”はいずれ本数が合わないことに気がつくだろう。<br>

そうすれば、”彼ら”が小売店までソフトを追跡するのは簡単だ。予約して買った人や、小さな店で買った<br>

人なら、”彼ら”はすぐにでも見つけ出すだろう。もし量販店で予約せずに買ったのだとしても、安心はできない。<br>

発売後一ヶ月…多分、それだけあれば”彼ら”の力ならすべてのソフトの行方を探り当てることだろう。<br>

購入して一ヶ月以上経っているのだとしたら、確実に今のあなたは”彼ら”の監視を受けている。<br>

高性能の指向性マイク、赤外線カメラ…そういったものがあなたの部屋のすぐ外であなたを狙っているに<br>

違いない。<br>
待って!窓から外をのぞこうなんて考えないほうがいい。ライフルの絶好の的になってしまう。<br>

窓際には絶対立たないこと。今あなたがすべきことは、床を這って電話にたどり着き、わたしの友人に<br>

かけることだ。”彼ら”はこのメッセージを見つけてしまったあなたの口を塞ぐべきかどうか、すぐ外で<br>

思案しているところなのだ。時間はない。電話をかけてすべてを伝えてしまえば、あなたを殺しても<br>

後の祭りだ。だからあなたが生き残るためには、電話をかけなければならないのだ。<br>

早く、早くしないと”彼ら”がやって来る。新聞の集金のふりをして。あるいは電気工事を装って<br>

・・・ああ、外で”彼ら”の足音が<br>
<br>
<br>
…これが四年前の機密文書だ。<br>
話を元に戻そう。<br>
当然のことながら発売数日も経たぬうちに、わたしの行為は”彼ら”に発覚し、社内にある拷問部屋で<br>

様々な責め苦を受ける事となった。しかし何百人かのユーザーの手元には確実にメッセージは届いたはず<br>

だし、そのうちの何人かは陰謀を止めるために行動を起こしてくれたと信じている。<br>

しかし、チュンソフトの野望はいまだ潰えていないようだ。今回、『かまいたちの夜』をPS用ソフトと<br>

して再発売するというのだ。その結果、わたしも四年ぶりに地下の独房から引きずりだされ、移植作業<br>

を手伝わされる事となった。当然、以前告発文書を隠していた「リセット」の部分は使えない。<br>

やむなく文書を手直しするふりをして新たな隠し場所を作った。<br>

果たして何人のユーザーがここにたどり着いてくれるのだろうか?<br>

そして何人のユーザーが、立ち上がってくれるのか?<br>
…これがばれれば、今度こそわたしは殺されるだろう。<br>
後はただ運を天に託して祈るだけだ。<br>
今これを読んでいるあなたが無事に生き延びて、陰謀を止めてくれる事を…<br>

<br>
<br>
283 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:40:45 ID:tn3x55WK<br>
不思議のペンション編<br>
<br>
Oの喜劇編その2>真理が「究極レーサー」を完走したから大丈夫だと言い放つ。<br>

から分岐<br>
<br>
何だアレができるなら免許がなくても安心だ、と透は思った。…そんなわけねーだろ!と一人でノリ突っ込みを<br>

する透は悲鳴を上げた。すると車の前に黒い影がよぎった。あわててハンドルを切る真理、なんとか急停車した。<br>

「今の…見た?」真理が口にする。イタチだった、イタチが鎌を持っていたと答える透。<br>

アレがかまいたち?透は迷信だろうと思うことにして、再び車は走り出した。<br>

透たちは無事ペンションに戻ってきた。ペンションの名前は…「クヌルプ」<br>

「あれ?」と違和感を覚える透。しかし気のせいだと思い、ペンションへと入っていった。<br>

中へ入ると小林さんがいた。小林さんの顔もどことなく違うような?ペンションの内装も変わった気が?<br>

疲れてるんだな、と透は思い2階へと行く。すると驚いたことに部屋の位置までもが変わっていた!!<br>

「まさか!」透は叫んだ。<br>
「ここは入るたびにマップが変わるというあの伝説の…」<br>

<br>
「不思議のペンション!」<br>
<br>
透と真理は地下へと通じる扉を見つめた。地下深くに誰も持ち帰ったことがないという伝説のお宝があるという。<br>

「宝を見つけに行こう!」と高らかに言う透。どんな宝があるのか?と真理が尋ねると<br>

「確か、幸せが一杯詰まった『しあわせの箱』じゃなかったかな?」と透が言うと真理は素敵だと言い<br>

さっそく二人で誰も生還したことがないという迷宮へと降り立った。<br>

Level1<br>
階段を降りると、冷気がただよっていた。湿気を帯びた、気持ちの悪い冷気に真理は帰ろうと弱音を吐く。<br>

まだ1階じゃないか、と真理に言いかけたとき…<br>
モンスターが現れた。<br>
ゴブリンだ。見るからにゴブリンとしか言いようのない化け物だった。<br>

何とかして!と叫ぶ真理。よし、任せとけ!と透が言うと…<br>

<br>
284 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:42:24 ID:tn3x55WK<br>
不思議のペンション編その2<br>
<br>
透は攻撃をした。見事に攻撃が決まるとゴブリンは爆破した。<br>

透たちは経験値を得て、レベル2に上がった。<br>
ゴブリンはお金を持っていたのを真理が見つける。ゴブリンのガマグチ財布をあさり<br>

小銭ばかりね自販機の下でも探ってると思うと哀れね、とつぶやくと180円を手に入れた。<br>

さらに進むと階段があり、二人は降りていった。<br>
Level2<br>
2階は薄暗くよく見えなかった。すると突然明るくなった、と思いきや後ろを見ると炎の魔人が立っていた。<br>

「ちょ、ちょっと待て!2階に出てくるには怖すぎじゃないか?なめくじとかキノコぐらいだろ普通だろ?」<br>

透はゲームバランスの悪さを嘆いたがどうしようもなかった。<br>

そして透は…<br>
逃げ出した。二人は無事逃げることに成功し、奥へと進んでいくと別れ道になっていた。<br>

右の道は暗く、下水のような臭いがする。左は明るく、乾いていた。<br>

どっちに行く?真理が尋ねると、透は…<br>
右へと進んだ。<br>
すると階段が現れた。しかし後ろを見ると炎の魔人がいた。あわてて階段を二人は降りた。<br>

降りた先は小さな部屋で、12個もの扉がある。手当たり次第、調べようと思った透だったが<br>

突如、天から声が降ってきた。<br>
「愚か者どもめ、よく聞くがいい」<br>
真理は当たりを見回し「愚か者さーん、誰か呼んでますよ」と言った。<br>

「ばか者!お前たちのことに決まってるだろうが!」と天の声。<br>

あんた誰?とたずねるも、生きて私のところにたどり着ければ分かると天の声は言った。<br>

そして口調を変え、「さーて、ここで『十二の扉』の時間がやってまいりました」<br>

天の声いわく、一つの扉だけが正解で、それ以外は情け無用の一発死が待っているそうだ。<br>

どれが正解なのか、とまどっていると各扉には記号やら数字やらが刻まれていることに気づく。<br>

4、2、#、6、9、3、1、*、7、5、0、8<br>
何だよ、この数字は、と透は文句を言うと天の声はヒントを忘れていたと言い<br>

4の下の扉を開けるのじゃ、と言い残すともう声は聞こえなくなった。<br>

くっそー絶対生き残ってやる、透はそう決意すると目を皿のようにして各扉を調べた、そして…<br>

<br>
<br>
285 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:43:39 ID:tn3x55WK<br>
不思議のペンション編その3<br>
<br>
透は意を決して、『7』の扉を思いっきり開けた。<br>
すると、あの天の声が響き「ラッキーセブン!正解です!では賞品として…奈落の底へご招待!」<br>

突然、床が傾き二人は滑り台のようにして落ちていった。<br>

Level27<br>
「3階の次が27階かよ、キセルみたいなダンジョンだな」と透が言うと<br>

「思えば長い道のりだったわね…」と、真理は遠い目をしていた。<br>

「7階では死の迷路をさまよい歩いたし、12階では魔術師に捕まってカエルにされかけたわ」<br>

「…そ、そうだったかな…」と透がとまどうも真理はなおも続ける<br>

「そうよ!19階ではドラゴンの巣に迷い込んで丸焼きにされかけたし、21階ではスフィンクスのp<br>

謎を解かなきゃならなかった」<br>
透もそんな気がしてきた…<br>
「そうそう、25階じゃ大変だったよな!蛇の大群に囲まれて」透がそういうと真理は不思議そうに見つめた。<br>

「何言ってんの?そんなのなかったわよ。25階は意外と簡単だったのよ」真理はそう言い放つ。<br>

透はもう逆らわないことにした。<br>
真理はこれが最後の階だと言うので、二人は気を引き締めた。<br>

だだっ広い空間だが、特になにもなさそうであった。<br>
何もないみたいだと気を緩める透に対し、真理は甘い!油断させておいて意外なところから来るつもりだ、と言う。<br>

透は冗談半分に、まさかこの床の下とか?と言い床を踏みつけた。<br>

すると、部屋一面がグラグラと揺れ始めた。地震?だが天井や壁もグラグラと揺れている。<br>

まさかこの部屋自体がモンスターなのか?と透が叫ぶと、どこからともなく<br>

「当たらずといえども遠からず、というところか」と再び天の声がした。<br>

どういうことかと真理が聞くと天の声は「お前達は初めからわたしの中にいたのだ」と言う。<br>

透は嫌な予感を抱きつつ、その先をうながした。<br>
「わたしは業界初の意識を持った迷宮なのだ。人はわたしのことを恐れ敬意を込めて、こう呼ぶ<br>

…『迷宮くん』と」<br>
「どこに敬意がこもっとるんじゃ」透は思わず関西弁でツッコんだ。<br>

真理は迷宮くんになぜ意識を持つようになったか尋ねる。<br>

迷宮くんにも確証はないらしく、仮説として複雑な迷路をモンスターが行きかううち、それが一種の<br>

神経組織を形作ったらしい。モンスターの集合無意識ともいえる、それが迷路を作り変え、一つの意思と<br>

なって結晶化した、とされている。<br>
分かったような分からないような話ではあるが、納得せざるおえなかった。<br>

二人は迷宮くんに『しあわせの箱』について聞いた。<br>
すると迷宮くんは金色に輝く宝箱を出現させた…しかも二つ。<br>

片方は本物、しかしもう一方は『ふしあわせの箱』であって、そちらを選ぶと目覚ましは鳴らなくなり、<br>

テストのヤマははずれるわ、ゲームのデータは消えるわ、と恐ろしい出来事が起こるようだ。<br>

ヒントを天の声に求める二人、すると「弓を持つ手をつかさどるものは何か?」と言った。<br>

真理はもっとヒントを求めてジタバタするが、迷宮くんはもう聞いてくれず決断を迫った。<br>

そして透は…<br>
右の箱を選んだ。その箱を開けると中から…美しいメロディが流れ出てきた。<br>

さきほどのヒントは左手をつかさどるのが右の脳だという意味だったのだ。<br>

じつは適当に選んだだけだったが真理が褒めてくれるので、透は黙っていようと思った。<br>

『しあわせの箱』はオルゴールだったのか…<br>
美しいメロディに身を委ねていたが、真理は不服そうだ。<br>

迷宮くんは美しい音楽以上の何を求めるというが、真理は美味しいもの、きれいな服、お金と言い返す<br>

そんな真理に対し迷宮くんはロマンが無さ過ぎるとは思わんか?と諭す。<br>

が「ロマン?ロマンでお腹が一杯になりまっか?世の中銭でっせ、銭」と真理は言う。<br>

「真理…お前性格が変わってないか?」と透。<br>
迷宮くんも、おまけと称してしおりを金色にすればCDドラマが聞けると言った。<br>

どういうこっちゃと思いつついると、迷宮くんの気配が消えそうになる。<br>

「では、さらばじゃ!」と言い残すと空間がぐにゃりと曲がった。<br>

<br>
…気がつくと地下室の扉の前に二人はいた。夢?いや夢ではなかっただろう。<br>

一階に戻るとすでに夜が明け始めていた。その朝日を目を細めながら二人で見つめていた…<br>

               <br>
                                     完<br>

<br>
<br>
286 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:44:36 ID:tn3x55WK<br>
不思議のペンション編別ルート<br>
<br>
その2から分岐<br>
<br>
透は「あ、UFOだ!」と叫ぶと逃げようとした。<br>
が、ゴブリンと一緒に真理までもが引っかかり、身を乗り出しUFOを探している。<br>

「馬鹿!真理まで引っかかってどうすんだよ!」と言うとゴブリンも騙されていたことに気づき<br>

透に飛び掛ってきた。クビを絞められる透、すると真理が「あ、ネッシーよ!」と叫ぶ。<br>

するとゴブリンの力が弱まった、そこで透がゴブリンの腕をひねりあげてやった。<br>

「グゲゲゲ…助けて」なんとゴブリンは言葉をしゃべれたのだ。<br>

「ええまぁ、話の都合上。…というわけなんで助けてくださいよ」と言うゴブリンに対し<br>

「なにが『というわけで』だ。ただで助けるわけにはいかん」<br>

そこで透は…1万円をくれたら助けてやると言った。<br>
持ち合わせが180円しかないと言うゴブリンに対し、コーヒー代にもなんないじゃないか、と怒りを<br>

あらわにするも、ゴブリンはどこからか取り出したハンカチで額の汗を拭きつつ<br>

「そう言われましても、この業界も不況の波が押し寄せてましてね」と言った。<br>

透はモンスター業界も苦しいんだな、と納得し180円で許してやることにした。<br>

ゴブリンはお礼の代わりに地下5階にある泉には近寄るなと忠告を残し、去っていった。<br>

そして先に進むと階段が見えてきた、さっそく降りようとするが、真理があれを見てと言う。<br>

そこには『5階への直通エレベーターはこちら』とのこと。文明の利器を利用しない手はない。<br>

エレベーターにはB1とB5しかない。B5を押すとエレベーターは動き出した。<br>

エレベーターが開くと、そこには目のくらむようなネオンの洪水が待っていた。<br>

まるで歌舞伎町さながらの光景には『ミステリアス・ファウンテンへようこそ』と書かれ<br>

ネオンの矢印がおでむかえをしている。<br>
面白そうなので行ってみると、そこには小便小僧が立つ丸い泉があった。<br>

そこでゴブリンの忠告を思い出し、逃げ出そうとするも目の前に鉄の格子戸が現れ<br>

二人は閉じ込められてしまった。<br>
とにかく脱出するために、泉を調べてみることにした。すると泉には…<br>

『聖なる杯にて聖なる水を飲め。さすれば道は開かれるだろう』と刻まれていた。<br>

聖なる杯?そんなものは当然持ってない透…仕方ないリセットするしか、と思ったとき<br>

真理が小便小僧のそばにおいてある、洗面所用のコップのようなものを見つけた。<br>

これしかない以上これが聖なる杯なのだろう。では聖なる水は?<br>

普通なら小便小僧の大事なところから水が出てるはずだが、今はなにもでていない。泉も枯れている。<br>

透は何気なく小便小僧の大事なところにコップを差し出してみると、途端にコップに水が注がれた。<br>

意外に簡単なことに驚く透だったが、何だかコレを飲みたくなかった。<br>

しかし、真理がイライラしたようにせかしてくる。聖なる水はなんだか黄色っぽくて妙な臭いがする。<br>

悩んだが意を決して飲み干した。<br>
すると、小便小僧が突如として動き出した。「よく『聖水』を飲んだな。よし、今出してやる」<br>

小便小僧はそう言うと、壁ぎわの隠し扉を開け、なにやら操作した。<br>

鉄の格子戸が開いていく…「また気が向いたらおいで」小便小僧はそう言ってクックックと笑いながら<br>

また元の位置に戻った。呆然とする透。<br>
苦しさと悔しさで涙が出てきた。そんな透を真理は軽くなぐさめ、とっとと先に進むのだった。<br>

(この後は地下2階以降同じ展開)<br>
<br>
287 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:45:39 ID:tn3x55WK<br>
エンディング集<br>
<br>
不思議のペンション編<br>
<br>
>真理が「あ、ネッシーよ!」と叫ぶ。から分岐<br>
「え、ネッシーどこどこ?」と透が言うと「馬鹿!透まで引っかかってどうすんのよ!」<br>

しまった!と気づいたときには遅くゴブリンの爪で透の喉が切り裂かれた。<br>

薄れいく意識の中で透は、もしここに恐竜がいたら…不思議のペンションだから「フッシー」なのかな?<br>

などと考えながら死んでいった…  GAME OVER<br>
<br>
<br>
>「なにが『というわけで』だ。ただで助けるわけにはいかん」そして透は…から分岐<br>

強い武器をくれたら助けてやる、と言った。するとゴブリンは背中のリュックをおろし<br>

中を探り始める。危険なのでトゲを抜いた鉄球や、使うと幻覚や眠りを呼び起こす剣ハルシオンなど<br>

役に立たないものだった。だが透はリュックの中の村正という日本刀に目をつけた。<br>

ゴブリンはその刀は抜くと恐ろしいことが起きるから、絶対抜くなと必死に止めようとする。<br>

透は(ここで2つに分岐)<br>
<br>
抜いた<br>
ゴブリンのいうことは嘘だと思った。身をぬくと美しい刀身が出てきた。背筋がぞくぞくする。<br>

怯えるゴブリンに対し、透はニヤニヤしながら近寄り刀を振り下ろした。<br>

ゴブリンは真っ二つになった、透は今まで味わったことのない快感を覚えた。<br>

その透の雰囲気を恐れる真理、透は腕がむずむずした。すると村正から『人はもっといい…』という思考が<br>

流れ込む。人?人がいい?と理解できない透だったがふと真理と目が合った瞬間に理解した。<br>

透は気づかぬうちに刀を振りかぶっていた…<br>
気がつくとペンションの地下室にいた。ダンジョンからいつの間にでてきたんだろう?真理は?<br>

そう思いながら1階へと行くと、小林さんが透の血まみれの格好を見ておどろいた。<br>

『血を…もっと血を…』誰かが透を勝手に動かす。小林さんのクビが飛んだ。透と村正は歓喜にわいた。<br>

しかし、悲鳴がそれを乱す。…今日子さんだ。風のように透は今日子さんを切り裂いた。<br>

すべてを切り裂く自由な風。透は無我夢中で全てを切っていった。<br>

突然、刀が黙り込んだ。血を求める声もしない、刀は透の腕から落ち床に刺さった。<br>

透の頭の中にすべてがプレイバックする、ゴブリンに始まり真理、小林さん、ペンションの人たちを次々と<br>

切っていった記憶。悪い夢でもみたのだろうか?血まみれの両手を見ながら考える<br>

透はふらふらと歩き出す、あたりに死体が転がっている。夢ではなく現実だ。<br>

透はさとった。夢でも真実でもどちらでもいい。そして村正を自分の喉に押し当てた…  GAMEOVER<br>

<br>
<br>
抜かなかった<br>
仕方が無いのでハルシオンを貰っていくことにした、そして地下2階にて炎の魔人と遭遇。<br>

さっそくハルシオンを使ってみることにする。効果は絶大だった。剣を振るうやすぐに睡魔が襲った…透に。<br>

くそ、騙された!眠りにつきそうになりながら、透は自分が灼熱で焼かれていくのを感じた GAMEOVER<br>

<br>
<br>
>地下2階で炎の魔人と対峙し、そして透は…から分岐<br>
実は弱いのかもしれないと思い、向かっていった。が、あっさり焼き殺されてしまった。  GAMEOVER<br>

<br>
<br>
>右の道は暗く、下水のような臭いがする。左は明るく、乾いていた。<br>

>どっちに行く?真理が尋ねると、透は…<br>
左を選んだ。すると、炎の魔人に出くわした。しまった!こいつのせいで明るかったのか!と<br>

思ったのもつかの間、さきほどの魔人とはさみうちにされ、二人はクロ焦げになった…   GAMEOVER<br>

<br>
<br>
288 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:46:48 ID:tn3x55WK<br>
>4、2、#、6、9、3、1、*、7、5、0、8<br>
>くっそー絶対生き残ってやる、透はそう決意すると目を皿のようにして各扉を調べた、そして…から分岐<br>

<br>
4の扉<br>
思い切って開けると中から黒いマントを着たガイコツがいた。鎌を持った死神はシュンと鎌を振り下ろすと<br>

透の首は飛んだ。透は首になっても意識があり、倒れていく自分の体を見つめていた…   GAMEOVER<br>

<br>
2の扉<br>
思い切って開けると中から「ガー」と巨大なアヒルが現れた。そのアヒルは透をひとのみで飲み込んだ。<br>

強力な胃液で透は溶けていった…    GAME OVER<br>
<br>
#の扉<br>
思い切って開けると中から、鋭くとがった槍が何本もとびだし、透は串刺しになってしまった… GAMEOVER<br>

<br>
6の扉<br>
思い切って開けると中から、美人な白装束の女性が現れた。が突然、クビがのび透の首を絞めていった… GAMEOVER<br>

<br>
9の扉<br>
思い切って開けると中から、巨大な鉄球が転がってきた。避ける間もなく下敷きになってしまった… GAMEOVER<br>

<br>
3の扉<br>
思い切って開けると中から、三船敏郎が現れた。三船さん生きていたんですか?と驚く透だったが<br>

とつじょ一閃、刀が走ると透は崩れ落ちた…サインが欲しかった…  GAMEOVER<br>

<br>
1の扉<br>
思い切って開けると中から、巨大なドーベルマンが現れ噛み付いてきた。そしてそのまま意識を失った… GAMEOVER<br>

<br>
*の扉<br>
思い切って開けると中から、大量のお米が飛び出した。お米の重みに圧迫され意識をなくした… GAMEOVER<br>

<br>
5の扉<br>
思い切って開けると中から、黒い闇が襲ってきた。正体はゴキブリだ。大量のゴキブリによって<br>

透は体を食いちぎられてしまった… GAME OVER<br>
<br>
0の扉<br>
思い切って開けると中から、…何もなかった。空気さえもなにもない無限の空間に投げ出された<br>

そしてそのまま意識をなくしていった… GAME OVER<br>
<br>
8の扉<br>
思い切って開けると中から、巨大なタコが現れた。タコの足に巻きつけられ意識をなくした… GAMEOVER<br>

<br>
<br>
>しあわせの箱は右か左か選ぶシーンから分岐<br>
そして透は…左を選んだ。「愚か者が!」迷宮くんは笑った。「すべてを消し去ってくれるわ!」<br>

透は真理を見ると、なんと真理の体が透けていく。ふと自分をみると自分も透けている。<br>

すべてが…無に…かえる…  GAME OVER<br>
<br>
<br>
289 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:47:37 ID:tn3x55WK<br>
真理の探偵物語編<br>
<br>
わたしは銃口を突きつけていた。ロバートが裏で組織と繋がっていることは、知っていた。しかし<br>

認めたくは無かった。涙を流しながらロバートを問い詰める。ロバートは君には銃を撃てないと言う。<br>

しかし、わたしは気丈な決意で引き金を引いた。<br>
<br>
「真理~コーヒー入ったよ~」<br>
透の声で現実へと戻される。真理はハードボイルド小説を読んで、主役になりきっていた。<br>

ため息まじりの真理は、とりあえず透のアゴに掌底を叩き込んだ。<br>

「あがっ」<br>
四年前にペンションで殺人事件をみごとに解いた真理は、大学卒業後に透を助手として<br>

探偵事務所を開いたのだった。だが浮気調査だのペット探しだのと安っぽい話は引き受けたくない<br>

小説の主人公のような裏で組織が…というような事件が欲しいのだ。<br>

そんなこんなでもう二ケ月も家賃を滞納していたりすることを透が指摘すると<br>

真理は透のスネに思いっきり蹴飛ばした。<br>
「いてててて…ごめん」<br>
ペンションでの事件のさいに透も一緒にいたため、当初二人はテレビなどにも出て、そこそこ有名ではあった<br>

しかし、大事件を望む真理のおかげで財政は圧迫していた。しかし、仕事が無くても探偵としての<br>

修行は忘れていなかった。<br>
「推理小説読んでるだけじゃないか…」と不服そうにツッコむ透に対し<br>

ミゾオチに正拳突きを決めてやった。<br>
「ぐふっ」<br>
当然これもイジメではなく格闘技の鍛錬の一環である。<br>
身体をくの字に曲げて膝をついた透の首筋に手刀を振り下ろそうとしたときだった。<br>

ノックとともにドアを開け現れたのは、捜査課の楠木警部補だった。<br>

この人とはよしみがあり、何かとアテにされることがある間柄だ。<br>

警察に恩を売って損はないだろうということで、楠木の相談に乗ってあげることにしていた。<br>

床にはいつくばっている透に対して、楠木はどうした?と聞くと真理が「コンタクトを落としたようで」<br>

とお茶を濁すと、真理はつま先で透をつついた。うめき声をあげながら透はゆっくり立ち上がった。<br>

そしてゾンビのようにヨロヨロとしながら透はコーヒーを用意した。<br>

三人は来客用のソファに座り、話始めた。<br>
<br>
<br>
290 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:49:23 ID:tn3x55WK<br>
A,Bの2パターンに分かれます<br>
その2A<br>
楠木は「さっそくだがおとぎ話を聞いてくれるか」と言う。これは守秘義務があるための方便である。<br>

「あるソフトウェアの会社の社長が自宅で殺された…と思ってもらいたい」楠木がそう言うと<br>

「そういや一週間ほど前、そんな記事が新聞に…」などと言う透の足を真理は思いっきり踏みつけた。<br>

まず現場の様子は、と言うと<br>
被害者は五十嵐鉄雄(イガラシテツオ)42才、コンピュータソフトの開発販売会社の社長<br>

事件は月曜日に発覚、11時には出社する彼が昼過ぎてもこなく、電話にも出ないため<br>

社員の一人が自宅のマンションに出向いた。ドアはロックされ、応答してもでなかったが<br>

気になり窓から様子を伺おうとした。現場のマンションは1階で、簡単なフェンスを乗り越えるだけで<br>

内庭に回ることができ、そこから窓が見る事ができた。<br>
そして窓越しにリビングでパジャマのまま、倒れている被害者を発見した。<br>

窓にも鍵がかかっていたため、警察を待って管理人に合鍵で部屋へと入っていった。<br>

被害者は自分のネクタイで首を絞められ、死んでいた。<br>
密室殺人かと思いきや、犯人は被害者を殺害後、被害者の鍵を使ってドアをロックしたようだ。<br>

死亡推定時刻は前日の日曜日の朝9時から12時頃までの間ということだ。<br>

<br>
つぎに被害者をめぐる人間関係について<br>
もともとはプログラマーだったが、ある日独立してブラウザを開発してヒットして急成長したようだ。<br>

その元いた会社の同僚の中島聡(ナカジマサトシ)が被害者が作ったソフトは自分のプログラムの<br>

多くを盗用したとして訴えている。現在も裁判は係争中で、どちらも譲らぬ気配で泥沼化している。<br>

<br>
この中島の元婚約者だった今村愛美(イマムラアイミ)である。この今村は被害者に言い寄られていたようで<br>

始めは気にもとめていなかったようだが、被害者が独立して成功したのを境に事情が変わったようだ。<br>

こっそり被害者と付き合うことにしたが、婚約者である中島にバレ、婚約解消された。<br>

さらにそれを機に被害者も興味をなくしたように、中村を捨てた。<br>

<br>
被害者の奥さんである徳子(トクコ)もまた、愛人である今村の存在を知ったときには包丁を持って<br>

被害者に怪我を負わせたことがある。そのときは軽い怪我で済んだため警察沙汰にはならなかった。<br>

しかし、その件以来、娘を連れて実家に帰っている。<br>
<br>
そして野崎和也(ノザキカズヤ)で被害者の会社の元社員。野崎は会社の金の使い込みがバレ<br>

クビになり、嫁さんにも逃げられてしまった。被害者を逆恨みし、殺してやると脅迫めいた電話をしたこともある。<br>

<br>
<br>
291 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:50:20 ID:tn3x55WK<br>
その3A<br>
<br>
この4人が容疑者である。各人のアリバイなど<br>
<br>
野崎聡<br>
33才、独身<br>
身長165センチ、体重83キロ。<br>
日曜日の朝は家にいて10時過ぎ以降昼過ぎまで母親が家を訪ねている。<br>

アリバイは確認済、しかし野崎の家から被害者宅までは40分程度<br>

<br>
今村愛美<br>
28才、独身<br>
身長168センチ、体重58キロ<br>
左手中指にダイヤの指輪、もとは野崎の婚約指輪。<br>
日曜日の朝は外でショッピングをしていたとのこと。<br>
10時半から友達と会い、夕方まで一緒。確認済み、犯行現場からデパートまでは1時間かかる<br>

<br>
五十嵐徳子<br>
38才、被害者の妻<br>
身長155センチ、体重43キロ<br>
日曜日の朝は家にいたとのこと。11時過ぎに娘が出かける。<br>

凶器のネクタイは娘のプレゼントで朝10時に着くように宅配便で送ったとのこと。<br>

<br>
野崎和也<br>
41才、独身、離婚歴あり<br>
身長171センチ、体重65キロ<br>
日曜日は寝てたという。<br>
<br>
楠木はこれらの資料から何か分かったか尋ねた。<br>
頭を抱える透にたいし、真理は犯人がわかったくらいね、と平然と言った。<br>

楠木も透も驚いた。そして真理は言った「犯人は…」<br>
<br>
<br>
292 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:51:13 ID:tn3x55WK<br>
その2B<br>
楠木は「さっそくだがおとぎ話を聞いてくれるか」と言う。これは守秘義務があるための方便である。<br>

「あるソフトウェアの会社の社長が自宅で殺された…と思ってもらいたい」楠木がそう言うと<br>

「そういや一週間ほど前、そんな記事が新聞に…」などと言う透の足を真理は思いっきり踏みつけた。<br>

まず人間関係からについて<br>
被害者は五十嵐鉄雄(イガラシテツオ)42才、コンピュータソフトの開発販売会社の社長で<br>

もともとはプログラマーだったが、ある日独立してブラウザを開発してヒットして急成長したようだ。<br>

<br>
その元いた会社の同僚の中島聡(ナカジマサトシ)が被害者が作ったソフトは自分のプログラムの<br>

多くを盗用したとして訴えている。現在も裁判は係争中で、どちらも譲らぬ気配で泥沼化している。<br>

<br>
この中島の元婚約者だった今村愛美(イマムラアイミ)である。この今村は被害者に言い寄られていたようで<br>

始めは気にもとめていなかったようだが、被害者が独立して成功したのを境に事情が変わったようだ。<br>

こっそり被害者と付き合うことにしたが、婚約者である中島にバレ、婚約解消された。<br>

さらにそれを機に被害者も興味をなくしたように、中村を捨てた。<br>

<br>
被害者の奥さんである徳子(トクコ)もまた、愛人である今村の存在を知ったときには包丁を持って<br>

被害者に怪我を負わせたことがある。そのときは軽い怪我で済んだため警察沙汰にはならなかった。<br>

しかし、その件以来、娘を連れて実家に帰っている。<br>
<br>
そして野崎和也(ノザキカズヤ)で被害者の会社の元社員。野崎は会社の金の使い込みがバレ<br>

クビになり、嫁さんにも逃げられてしまった。被害者を逆恨みし、殺してやると脅迫めいた電話をしたこともある。<br>

<br>
<br>
293 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:51:56 ID:tn3x55WK<br>
その3B<br>
<br>
この4人が容疑者である。各人のアリバイなど<br>
<br>
野崎聡<br>
33才、独身<br>
身長165センチ、体重83キロ<br>
右足にギブスをつけ松葉杖をついている。<br>
日曜日の夜は家にいたとのこと。足の骨折が完治していないことは確認済<br>

<br>
今村愛美<br>
28才、独身<br>
身長168センチ、体重58キロ<br>
右手人差し指に包帯。指は一週間ほど前につき指、利き腕ではなく傷も治りかかっている。<br>

日曜日の夜は家にいたとのこと。<br>
<br>
五十嵐徳子<br>
38才、被害者の妻<br>
身長155センチ、体重43キロ<br>
左手親指に絆創膏。包丁で指を切ったとのこと。日曜日は家にいた。<br>

<br>
野崎和也<br>
41才、独身、離婚歴あり<br>
身長171センチ、体重65キロ<br>
日曜日は居酒屋に9時半から11時半までいたのが確認。そこから現場までは40分必要<br>

<br>
楠木はこれらの資料から何か分かったか尋ねた。<br>
頭を抱える透にたいし、真理は犯人がわかったくらいね、と平然と言った。<br>

楠木も透も驚いた。そして真理は言った「犯人は…」<br>
<br>
<br>
294 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:52:51 ID:tn3x55WK<br>
その4A<br>
犯人は五十嵐徳子よ、そう言う真理。なぜわかるんだ、と尋ねると<br>

ひとつひとつ検証すれば分かると真理は言った。<br>
まず凶器のネクタイが届いたのが朝10時で犯行時刻はそれ以降、野崎のアリバイは証明できる。<br>

今村愛美にも犯行をしてから、10時半にデパートに行くのは不可能。<br>

野崎は脅迫をしていた人物にたいしてパジャマのまま招くとは考えにくい。<br>

となると残りは五十嵐徳子しかいない、ということである。<br>

それを聞くと楠木は目を輝かせながら、事務所を後にした。<br>

数日後、透が真理に新聞を見せた。『ソフトウェア会社社長殺害事件解決』とのことだ。<br>

その後、少しずつ依頼が増え始めた。はっきりとは言わないが楠木の紹介らしい。<br>

しかし、このときの二人にはあのペンションの殺人事件より恐ろしい事件に巻き込まれることに<br>

なろうとは思いもしていなかった…     <br>
                   完<br>
<br>
その4B<br>
犯人は五十嵐徳子よ、そう言う真理。なぜわかるんだ、と尋ねると<br>

ひとつひとつ検証すれば分かると真理は言った。<br>
まず、犯人は2階から飛び降りて逃げたということ。これは太っていて足を骨折した中島には無理である。<br>

右後頭部を殴られているということは、本人は右利きで左利きの今村では無理である。<br>

野崎は完全なるアリバイがある。となると残りは五十嵐徳子しかいない、ということである。<br>

それを聞くと楠木は目を輝かせながら、事務所を後にした。<br>

<br>
数日後、透が真理に新聞を見せた。『ソフトウェア会社社長殺害事件解決』とのことだ。<br>

その後、少しずつ依頼が増え始めた。はっきりとは言わないが楠木の紹介らしい。<br>

しかし、このときの二人にはあのペンションの殺人事件より恐ろしい事件に巻き込まれることに<br>

なろうとは思いもしていなかった…     <br>
                      完<br>
<br>
<br>
失敗編<br>
間違った犯人を言い当てる。<br>
あまり乗り気でなさそうに楠木は事務所を後にする。<br>
その後、楠木からの連絡はない   終<br>
<br>
<br>
295 かまいたいの夜だよ sage 2005/09/10(土) 00:54:06 ID:tn3x55WK<br>
おまけ<br>
ちょっとHなかまいたちの夜<br>
<br>
12時で消灯との小林さんの号令とともに、各自部屋へと戻っていく。<br>

OL達が汗をかいたからシャワーを浴びようという声を聞き、一人興奮を始める透。<br>

真理とともに部屋へと戻ると、透は今日こそ真理と結ばれる日だと思い、一人先走り<br>

前かがみになりながら部屋へと入っていった。<br>
そして、夜更け…誰にも見つからないように真理の部屋へと忍び足で行く透。<br>

一人妄想をふくらませつつ、喜びいそんで真理の部屋へと向かう途中<br>

なんと目の前にバスタオル一枚の真理が現れた。「真理…」と飛び掛ると、一発ビシッと<br>

食らわされた。よく見ると北野啓子であった。啓子の豊かな体つきに興奮する透。<br>

啓子は透を呼びに行こうとしたと言う。そして透はOL三人組の部屋へと案内される。<br>

みんな待っている、と啓子は言うと、まさか4人で…と興奮を抑えられない透であった。<br>

そして部屋ではネグリジェ姿の可奈子パジャマ姿の亜紀であった。<br>

緊張する透にたいし、やっぱり男の人がいないと駄目ねぇ、お願い早く、と急かされ<br>

興奮しながら透は服を脱ぎ始めた。全裸でベットに飛び込もうとした透に対し<br>

はやくシャワーを…といわれ、透は浴室へと向かうと、すでにシャワーが出ていた<br>

水!?そう実はただシャワーが壊れていて、それを直してもらうために透を呼んだのだ。<br>

シャワーを直し、OL達の部屋を後にする透。すっかり気持ちは萎えてしまっていた。<br>

しかし自分の部屋に戻ると、そこには可奈子がいた。可奈子は後ろ手でドアを閉めると<br>

透に今度は私の体をなおし欲しいの、とささやく。<br>
そして透と可奈子はベットにてギシギシアンアン始める。<br>

…なんてことはない、ただのマッサージであった。<br>
可奈子も部屋へと戻り、透は逆に居直り、真理に夜這いをかけてやる、と意気込み<br>

真理の部屋へと向かう。<br>
そして真理の部屋。ついに透は念願の真理と結ばれるのだ。<br>

透は真理のもとへと近づき、真理の体へと触れる…<br>
ちょっと毛深いんだね真理と、思いつつ真理の顔を見ると、そこには<br>

真理ではなく美樹本さんがいた。透のアプローチにとまどう美樹本であったが<br>

実は美樹本も透をひと目みたときから気に入っていて…<br>
一方そのころ真理は部屋で透が来るのを待っていた。気のせいか透の悲鳴が聞こえる。<br>

きっと透も疲れて寝ているんだろう、そう思い真理は寝ることにした。<br>

透と美樹本の熱い夜は続く…    終<br>
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