偽典・女神転生 ~東京黙示録~

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偽典・女神転生 ~東京黙示録~ - (2008/04/03 (木) 00:26:58) の編集履歴(バックアップ)


偽典・女神転生 ~東京黙示録~

part37-441~446


441 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:19:21 ID:QHxZZNAI0
この物語は、真・女神転生で、主人公たちが金剛神界に行っている間の話とされている。
ICBMが新宿に投下され、わずかに残った人々はシェルターに避難し、生き延びていた。
再び地上に出た人々は絶望した。東京は悪魔が徘徊する地獄のような場所になっていた。

プロローグ:
通信が入っているようだ・・・。
”デビルバスター入隊試験の申し込みを受け付けました。
これから適正検査を開始します”
心理テストのような適性検査を受け、モニターの前から離れる。
彼は葛城史人。
ここ、初台(はつだい)シェルターの居住区の部屋で一人暮らししている、B級市民だ。
母親は彼を悪魔から庇って死んだ。父親はデビルバスター(DB)だったが、
制服の上着だけを残し、消息不明になってしまった。
彼が今着ている真っ赤な上着こそ、父親の形見のDBブルゾンだ。
明日は試験だ。休む前に、皆に挨拶しておこう。部屋を出て、居住区内の知り合いの部屋へ行く。
「いよいよ明日だな。頑張れよ」
西野義雄。史人の父親の元部下。今はDBの隊長だ。奥さんと息子と一緒に住んでいる。
史人に家族のように接してくれる。
「大丈夫、お前なら受かるって!」
早坂達也。史人の親友。背が高い。DBの隊員。
「今、こいつの改造で手が離せないんだ。またな」
山瀬勇。DBの隊員でメカオタク。アームターミナルの改造が趣味らしい。
扉を抜けた先はA級市民が住む、広い部屋が並ぶ場所だ。
「あ、葛城くんが来るなんて珍しいね」
桐島英美。ショートボブのチャーミングな女性。早坂と付き合ってる。
DBの悪魔データの解析担当。
そしてその隣の部屋は・・・。
「葛城くん、明日はお互いに頑張りましょうね」
橘由宇香。栗色のロングヘアーに、優しい眼差し。史人の恋人。
明日は、由宇香と一緒に試験を受けることになっている。
由宇香と少し話をした後、自室に戻って、休む。
翌日。自室の端末の前で筆記試験を受ける。悪魔に関する知識、戦闘に関する知識、
魔法に関する知識、コンピュータに関する知識が問われる。4択だが、かなり難しい。
それから係員に連れられて、バーチャルトレーナーへ。実技試験だ。
二人ずつ組になって、仮想空間を進んで、ボスを倒す。史人は由宇香と組むことになった。
全ての試験が終わって、受験者は控え室で待たされる。一人ずつ呼び出され、試験結果の通知を受ける。
由宇香の方が先に呼び出され、戻ってきた。合格したらしい。史人の受けた通知は、不合格。
早坂たちに、落ち込むことは無い、まだチャンスがあるじゃないかと励まされた。

442 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:23:03 ID:QHxZZNAI0
数日後、史人は自室の前で、DBの制服に身を包んだ由宇香を見つける。足元には大きい荷物が置かれている。
由宇香の細腕には厳しそうだ。史人は自分が持つよと言って、荷物を持ち上げた。
「ありがとう、葛城くん。男の人って、力持ちなのね。ちょっと感動しちゃった」
荷物をDBの詰め所に運び入れる。他の隊員は出払っているようで、誰もいない。
「あ、今、お茶をいれるね」
試験に合格していたら、DBの隊員としてここにいたんだろうな、などと複雑な思いに駆られながら、
由宇香がいれてくれたお茶を飲む。
そうしていると、通信機が鳴り出した。由宇香が通信機に駆け寄り、相手と話そうとしたが、返答は無い。
由宇香は連絡係として詰め所に残るので、隊員たちの様子を見てきてほしいと頼まれる。
IDカードと通信機を渡された。階段を使って上の階層へ。地上へ出るドアの前に来た。
ドアの向こうでは、聞こえてくる音から、激しい戦闘が繰り広げられているらしいことが解る。
いきなり通信が入った。隊員が助けを求めている。史人がドアを開けると、隊員たちがドッと入ってきた。
どうやら、犠牲者は出なかったらしい。
翌日、史人はDBの詰め所に呼び出された。行ってみると、西野たちが待っていた。
「今回の功績により、君の特別合格が認められた。夢が叶ったな、おめでとう、史人」

初台シェルター:
子供の頃からの憧れだったデビルバスター。父の後を継ぐように、史人は夢を掴み取った。
西野隊長以下、早坂、山瀬、英美、由宇香と同じ部隊に配属された。
アームターミナルが支給された。制服も支給されたが、DBブルゾンは父の物をまだ着ている。
それから数日は、バーチャルトレーニングで訓練をしたりして過ぎていった。
そんなある日、原宿シェルターが悪魔の襲撃を受けたとのことで、応援要請の通信が入る。
だが、DB管理部は行くなという命令を下した。西野たちは命令を無視して原宿シェルターに行った。
原宿シェルターの悪魔は強力で、何も出来ずに帰ってきた。
管理部に呼び出された。待っていたのは、管理部の長、橘兼嗣。デビルバスター全体を束ねる、由宇香の父親だ。
一通り説教された後、兼嗣は由宇香を殴る。由宇香は階級が高いのに、DBになったことが気に食わないらしい。
西野の部隊全員に謹慎が命じられた。管理部を出るとき、幼い少女にぶつかった。
「ねえねえおじさま、ファームに連れって行ってー!」
そう言いながら、少女は管理部に入っていく。彼女は橘美莉と言って、由宇香の腹違いの妹なのだそうだ。
兼嗣が由宇香の母親と別れる前に、浮気して出来た子だという。
それが許せなくて、由宇香は父親の元を離れて一人暮らししているのだ。
史人が自室に戻ると、端末に通信が入っていた。「悪魔撃退プログラム」というものが送られてきていた。
謹慎中だし、暇だから自分で解析しようと思い、ファイルを開く。
モニターを見ていると、身体に悪寒が走った。気がつくと、床に倒れていた。
気分が悪いので、ベッドに入ってそのまま寝た。
目を覚ますとそこは深夜の霊安室だった。鍵か掛けられている霊安ボックスを素手で開けようとして失敗したらしく、
指から血が出ている。気を失って再び目覚めると、部屋のベッドで元通り寝ていた。
霊安室に行ったのは夢かと思ったが、指には血がついていた。
それから数日、史人は寝込んだ。西野や英美がお見舞いに来てくれたが、無気力になって、何も考えられない。

443 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:24:34 ID:QHxZZNAI0
ある日、由宇香が泣きはらした目で部屋に来た。
「私の妹が・・・」
継いで早坂もやって来て言う。
「実はな、ファームの樹木エリアで、変死体が発見されたんだ。被害者は橘美莉。
死体から、血が全て抜き取られていた。だが、外傷はない。シェルター内の誰かの犯行だろう」
史人の心臓が跳ね上がる。もしかしたら・・・。
「葛城くん、その足!」
由宇香が叫んだ。史人の靴には土が付いていた。このシェルター内では、ファームにしかない土が。
「なあ、葛城、お前じゃないよな?」
早坂にそう言われたが、史人には否定できなかった。早坂は出て行った。
部屋に残った由宇香は言う。
「今日は、朝まで一緒にいていいでしょ?・・・私はひどい人間なのかも知れない。美莉が死んで悲しいはずなのに、
貴方を憎まなくちゃならないのに、こんなこと考えて。
私、貴方のことが好きだったの。出会ったそのときからずっと。
ねえ、私、今どんなにドキドキしているか、解る?止まらないのよ。この鼓動が・・・」
もう言葉はいらない。史人は由宇香の身体をベッドに横たえた。そして――。
翌朝、早坂が二人を迎えに来た。二人は詰め所へ行った。
詰め所には西野、英美、山瀬も揃っていた。
「マグネタイトはもう足りたのか?」
西野がそう言うと、史人の身体を悪寒が駆け抜けていく。気を失って倒れた史人の口から、煙が立ち昇る。
煙は形を成していき、鎧を着た悪魔の姿になった。
「なかなか面白い歓迎をしてくれましたね。甘美な味でしたよ、この少年の心は」
悪魔はムールムールという名前らしい。ムールムールは強く、西野たちの制止をものともせず、逃げていった。
意識が戻った史人は事情を聞かされる。ムールムールは生体マグネタイトを吸収すべく、
霊安室に行ったが死体が手に入らなかったらしい。だから、美莉を殺し、血と共にマグネタイトを奪った。
霊安室で悲鳴が上がる。美莉の死体が消えたらしい。どうやら、ZNVウィルスに侵されているらしい。
ZNVウィルスとは、感染した人をゾンビ化する恐ろしいウィルスだ。
蔓延するのを防ぐため、山瀬が市民をファームに避難させることになった。
そして残りの西野、早坂、英美、由宇香、史人でゾンビや悪魔を倒しながらムールムールを追う。
下の階層に降りていくが、安全だと思ったファームの周辺にまで悪魔が迫って来ていた。
史人たちはファームに行った。そこにいるはずの山瀬はいなかった。
そして、ゾンビ化してしまった西野の奥さんと息子が・・・。ゾンビたちを倒し、ファームを出て、管理部へ。
そこにムールムールが待っていた。
「お待ちしておりましたよ、お嬢さん」
ムールムールは由宇香にそう言った。史人たちはムールムールに襲い掛かったが、逆に倒されてしまう。
ムールムールは由宇香を軽々と抱き上げた。どこからともなく、強そうな悪魔たちが現れた。
イポス、ラマシュトゥ、アシラト、アスタルテ、アバドン、レラジエ、デカラビア。そしてムールムールも合わせて、
ソロモン72柱として、名の通った悪魔たちだ。
ムールムールは現れた悪魔たちに由宇香を差し出す。由宇香は悪魔たちに四肢を掴まれ、
別々の方向に引っ張られた。由宇香の身体は引き裂かれた。悪魔たちは由宇香の身体を喰らった。
満足したらしい悪魔たちは去っていった。最後に、血溜りの中に置かれた由宇香の首が残った。
「おっと、大切な首を忘れてはなりません。バエルさまにお届けしなければ」
そう言ってムールムールは由宇香の首を拾い上げた。
「このシェルター内に毒ガスを撒きました。無事に地上に出られた者を祝福しよう」
そう言ってムールムールは去っていった。

444 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:28:07 ID:QHxZZNAI0
やっと動けるようになった史人たちは、近くにある装備室に逃げ込んだ。
そこには毒ガスを防げる対化学戦スーツが吊るしてあった。
だが、三着しかない。誰か一人は着ることが出来ない。
自分は助からなくてもいい、史人にだけは生き残ってほしい、と西野は言った。
史人は目の前で恋人が殺されたショックで自暴自棄になっていた。スーツを着ずに、部屋を飛び出した。
管理部の部屋へ入る。毒ガスが回ってきて、意識が薄れてくる。血溜りの中に、ペンダントを発見した。
由宇香が着けていたものだ。史人と由宇香が一緒に写っている写真がホログラムになって浮かび上がる仕組みになっている。
ペンダントを握り締めながら意識を失う。

黄泉比良坂:
気がつくとそこは不思議な場所だった。迷い込んだ死者たちがいる。自分は死んだのか、と史人は思った。
しばらく進んでいくと、老女がいた。彼女は黄泉醜女だ。
「この黄泉比良坂に生者が来ようなど、かのイザナギの時以来のこと・・・気分が悪いわ!!」
目を覚まして起き上がる。元の管理部の部屋だった。生まれ変わったように清々しい。
あれからどれくらいたったのか、毒ガスももうなくなったようだ。階段を上っていく。外へつながるドアへ手をかける。
生まれて初めて足を踏み出す外の世界に、期待と不安を感じながら、ドアを開けた。
外に出て少し歩くと、山瀬が声をかけてきた。ヤバくなってきたので、市民を見捨てて逃げ出したらしい。
そして、今はダンタリオンとかいう悪魔と手を組んでいるらしい。
山瀬が去っていったあと、遠くからジープがやってきた。男二人が乗っている。園田哲也と上河公輝と名乗った。
「俺たちはペンタグランマ・・・いわゆる、レジスタンスのメンバーだ。どうだ、ペンタグランマに来ないか?」
近くにある原宿シェルターも悪魔にやられたと言うし、行くあてはない。史人はジープに乗り込んだ。

レジスタンス基地:
ジープは下落合の辺りで止まった。秘密の入口から地下へ降りる。
レジスタンスのリーダーの、渡邊伸明の元へと連れて行かれた。
渡邊は気難しそうな男だ。そして、史人はそこで意外な人物と会う。
早坂と英美だ。西野はレジスタンスには入らず、一人でどこかに行ってしまったとのことだ。
あてがわれた部屋へと行き、休息を取る。

新宿労働キャンプ:
数日後、ついに活動開始。新宿労働キャンプを解放することになった。
園田、上河、早坂、英美、そして史人というメンバーで、トラックに乗り込んでキャンプに潜入する。
労働キャンプは悪魔に捕まった人々が強制労働させられている場所だ。
バール兵と呼ばれる、悪魔に寝返った人間が人々を監視している。バール兵の制服に着替えて、奥に進む。
猫娘という悪魔人(悪魔と人間のハーフ)が、スパイとして潜入しているので、
彼女の手引きでキャンプの責任者であるダンタリオンの所まで行く。
ダンタリオンを倒して、レジスタンス基地に戻る。


445 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:29:47 ID:QHxZZNAI0
新宿都庁:
それからまた数日後。今度は新宿都庁に乗り込んだレジスタンスメンバーから応援要請が来たので、
史人たちは新宿都庁へ向かう。
新宿都庁は途中から2本に分かれているが、史人たちは南の塔へ登るよう指示される。
アドニスという悪魔を倒す。次に出てきたバエルという悪魔を倒す。
バエルは最後の力を振り絞って一撃を加えようと襲い掛かってきた。
とっさに上河が史人たちを庇うように前に出た。上河は死んだ。
大きな犠牲を払ったが、新宿都庁を悪魔の手から取り戻した。
レジスタンス基地は都庁に移動することになった。史人たちにはそれぞれ、広い個室が与えられた。
それから数日は何ごともなく過ぎていった。ある日、アドニスが悪魔たちを引き連れ、都庁へ攻めてきた。
アドニスは最上階の、渡邊の部屋を占拠した。園田と二人で、悪魔を倒しながら、渡邊の部屋へ行く。
史人の顔を見て、アドニスは逆上して襲い掛かってきた。
「バエル様の仇!!」
だが、そこへ悪魔が現れて、アドニスを止めた。
「アドニス、勝手な真似はよせと・・・」
「貴様、バールハダトだな?」
バールハダトと呼ばれた悪魔はうなずいた。バールハダトは強い。史人たちは気絶してしまった。


446 :偽典・女神転生 東京黙示録:2008/04/01(火) 17:30:08 ID:QHxZZNAI0
今回はここまで。