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.hack//G.U. Vol.1 再誕

Part22-576・596~598・602~603・606~607、Part28-459~461・497~499・501、part29-106~109


576 .hack//G.U Vol.1 再誕 sage 2006/05/23(火) 16:25:16ID:nAvCq4ul
前作.hackから8年後の物語
主人公ハセヲはネットゲーム『TheWorld』に初ログインしたその日にPK(プレイヤーキル)をされてしまう
謎の男、オーヴァンに救われたハセヲはオーヴァンが指揮する『黄昏の旅団』に入団する。
hack//Rootsに続く(テレビ東京で放送中)

hack//Rootsから8ヶ月後 ゲーム本編 ここから物語りは動き出す。
初ログインした時とは違い、『死の恐怖』と呼ばれ恐れられるほど有名になったハセヲ
PKを働くプレイヤーをPKする『PKK』という行為をするうちにこのように呼ばれるようになった。

hack//Roots時代、8ヶ月前
ある日突然オーヴァンが失踪
初ログイン時にPKされ疑心暗鬼に陥ったハセヲが心を開いた人物『志乃』は謎のPC『トライエッジ』にPKされ
それ以来、『The World』に来なくなってしまった。
他にも旅団メンバーは2人いたが、GU本編ではどうなったか語れてない。

そしてある日突然、オーヴァンからメールが届く
『トライエッジ』が帰ってくると

596 .hack//G.U Vol.1 再誕 ◆l1l6Ur354Asage 2006/05/24(水) 12:21:27 ID:1bdUPh6X
「The World」
前作.hack// から7年後の「The World」が物語の舞台
前作の「TheWorld」のデータが消失してるため、実質的に「TheWorld Ver.2」と思ったほうが良いだろう。
7年経った今でもTheWorldの人気は衰えず、社会問題にまでなっている。
(前作やったことないんで、そこらへんはご勘弁)

ハセヲ(hack//Roots&GU本編 主人公)
ネットゲーム「TheWorld」初ログイン時にPKされた過去あり。。
志乃をPKした謎のPC(プレイヤキャラクター)三爪痕ことトライエッジを追っている。
トライエッジの情報を求めるため、PKを働くPCをPKする「PKK」をして独り、戦い続けている
その戦いっぷりからついたあだ名は「死の恐怖」。
「トライエッジを知っているか?」 これが彼の口癖となっているようだ。

志乃
hack//Roots時代、オーヴァンと共にハセヲにTheWorldの楽しさを教えた人物。
「黄昏の旅団」メンバーの一人。
GU本編前に謎のPC「三爪痕(トライエッジ)」にPKされて以来、TheWorldに来なくなってしまう。
G.U Vol.1ではハセヲの回想時のみ出てくる。

オーヴァン
「黄昏の旅団」のギルドマスター
おかしな人。hack//Roots時代は志乃と2人で話していることが多かった。
ハセヲの存在に一番早く目をつけた人物でもある。
GU本編前に失踪。「黄昏の旅団」にはオーヴァン、ハセヲ、志乃の他に2人のメンバーがいるが
GU本編ではどうなったか明かされていない。

時系列

hack//Roots(アニメ TV東京で放送中)
ハセヲ、ネットゲーム「The World」に初ログイン。
陰険なプレイヤー達にPKされ、極度の疑心暗鬼に陥る(このPKにはオーヴァンが関わっていた模様)
色々あってオーヴァンが指揮する「黄昏の旅団」に入団。
hack//Rootsでオーヴァン失踪、志乃がPKされる話しが明かされる模様。

8ヶ月後  .hack//G.U Vol.1 再誕(本編)

アニメとゲームのハセヲは同一人物。アニメ、本編の両方で主人公をやっています。
違いは、別人かと思えるぐらいハセヲ自身が壊れています。スクライドのカズマみたいに。
アニメを見ていたほうがGU本編が楽しめますよ、ってだけで見てなくても問題なし。

597 .hack//G.U Vol.1 再誕 ◆l1l6Ur354Asage 2006/05/24(水) 12:35:04 ID:1bdUPh6X
アトリ
GU本編ヒロイン
PKやPKK廃止を訴えるギルド「月の樹」に所属
ハセヲにしつこく付きまとってくる
志乃と同じPC

三爪痕(トライエッジ)
すべてにおいて謎に包まれているPC
前作の主人公、カイトの姿にそっくり

598 .hack//G.U Vol.1 再誕 ◆l1l6Ur354Asage 2006/05/24(水) 13:02:12 ID:1bdUPh6X
初ログインした時とは違い、『死の恐怖』と呼ばれ恐れられるほど有名になったハセヲ
PKを働くプレイヤーをPKする『PKK』という行為をするうちにこのように呼ばれるようになった。

いつものようにPKKをしてタウンに戻ってきたハセヲに、しつこく付きまとうアトリ
アトリを志乃と勘違いしたりしてるうちにショートメールが届く

失踪したオーヴァンからのメールだった

詳しい話を聞きに行くとトライエッジは「大聖堂」、志乃がトライエッジにPKされた場所にいるという。
志乃とオーヴァンはリアルでも知り合いだったらしく、志乃がトライエッジにPKされた直後
リアル志乃が意識不明になり、現在も病院で意識不明の状態が続いているという。
下準備があるため先に行く、そういってまた何処かへ行ってしまうオーヴァン

ついに志乃の敵を討てる。不敵な笑みを浮かばせながら「大聖堂」に赴くハセヲ
「大聖堂」は先に述べたとおり、志乃がPKされた場所でもあり、ハセヲと志乃の思い出の場所でもあった。

ハセヲ以外誰もいない「大聖堂」に突如、謎の音が響き渡る。
謎の光が同時にハセヲの背後に現れ、爆発。
トライエッジがその姿を現した。

双剣を取り出し、トライエッジに襲い掛かるもまったく歯が立たない。
大剣、大鎌を取り出し攻撃するも全てはじき返され、挙句の果てに武器を破壊されてしまう。
何が起こったかわからないまま、吹っ飛ばされるハセヲ
なんとか起き上がるもトライエッジの攻撃「データドレイン」を受け、リアルのハセヲ自身が意識を失ってしまう。
意識を失う直前、「大聖堂」にはいなかったはずのオーヴァンの姿が画面に映るが・・・


602 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2006/05/24(水) 16:24:29 ID:dEssG5wo
乙。
黄昏の腕輪伝説がゲーム前作から4年後だから、そのさらに3年後か。

603 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2006/05/24(水) 16:51:49 ID:l/+Tv0PK
>>602
腕伝は.hackの中では異端で、漫画版設定とアニメ版設定の二種類があるわけだけれど、
どうやら漫画版準拠みたいね

設定ごった煮の可能性もあるけれど

606 GUおまけ ◆l1l6Ur354A sage 2006/05/24(水) 21:44:42ID:bHZRtex/
腕伝後、アウラ謎の失踪。完成されたネットワークは元の状態に戻り
ザ・ワールドはラグが頻発。暗黒時代を迎えることになる。
究極AIを復活・制御べく発足されたプロジェクトGUのメンバーは
モルガナ事件における黄昏の波、八相モンスターがプレイヤーの精神に同調したことに注目
八相のデータをサルベージし、PCキャラクターへの癒着に成功する。
(八相マハを回収するため隠しイベントで復活した猫型pcミアが破壊された)
だが、その「碑文使いPC」でプレイしようとすると頭痛、吐き気等の症状が
特定の素養を持った人間しか受け付けないとわかり極秘裏に適格者を探す。
責任者「番匠屋淳」はカイトの腕輪に対して反存在「クビア」が誕生したことに
碑文使いpcが産み出す歪を懸念し、アウラ復元計画RAプランの一時凍結を考える

607 GUおまけ ◆l1l6Ur354A sage 2006/05/24(水) 22:03:37ID:bHZRtex/
RAプランの立案者、「天城丈太郎」は自らの計画を過信し強行。
番匠屋淳は八相「復讐するものタルヴォス」を隠したが、天城はダミープログラムを用意していた。
結果、7人の適格者は意識不明。天城は精神障害を負い錯乱し放火。CC社が燃える。
データーの8割以上が消失した。cc社は事実を隠蔽。番匠屋は責任とって辞職。
ザ・ワールドは崩壊し最後の日を迎えることになる。

一年と立たずに発表されたザ・ワールド2の発売は内情を知る番匠屋を驚かせる。
CC社に残された増殖のメイガス、そして番匠屋がもつタルヴォス以外の碑文使いは行方不明
番匠屋は碑文使いを隠蔽しようとしたが、碑文使いオーヴァンが現れる。
オーヴァンは「黄昏の旅団」というギルドを作り行動を開始する。
彼は全てを知っているのか驚き、恐れる番匠屋。
「何だあの左腕の化け物のような容量は!」
「誰でもいい!彼を止めてくれ!」
「全てはオーヴァンだ!彼が握っている…」

番匠屋は全てを書いたディスクとタルヴォスのデータを年の離れた
何年も会っていない妹へと託す。遺言と共に「君は適格者だ」と。

459 :.hack//G.U. Vol.1 再誕:2007/02/13(火) 06:16:07 ID:q0OmFc9Z0

目覚めて初めに見たものは、自分のPCのデスクトップ画面だった。
どうやら「theworld」から強制的にログアウトさせられたらしい。
しかし、異変はそれだけではなかった。
まず、メール、他のプレイヤーのメールアドレスなど、トライエッジにPKされる以前のデータが消滅していることに気付く。
慌てて「theworld」にログインしてみるも、100を超える高Lvであった筈の自分のPC「ハセヲ」は、何とLv.1。
姿も、錬装士初期のものである1stフォームに戻っている。
この異常事態の解答をオーヴァンに求めるため、彼の捜索を始めたハセヲは、
初心者の手助け等を行うギルド、『カナード』に属す「シラバス」と「ガスパー」に出会った。
ハセヲを初心者だと思い、「theworld」の遊び方についてレクチャーを申し出る二人。
元高LvPCであり、経験の上では彼らなどよりよっぽど上級者であるハセヲは、当然それを拒否、
自分に起こった事、そして“死の恐怖”であった自分自身のことを、成り行きで説明するが、
二人は「うんうん、そういうロールなんだね^^」「僕らは君のロールを否定しないよ^^」とまともに取り合ってくれない。
しかしながら、トライエッジを追うにも、オーヴァンを探すにも、Lv.1ではお話にもならない。
何をするにしても、必要なのは力である。
かつての力を早く取り戻すために、この二人を利用するのもいいかもしれない、と考えたハセヲは
彼らの申し出を受けることにした。

巨大ギルド『月の樹』の少女「アトリ」との再びの出会いなどを経た後、
『カナード』の二人に誘われたハセヲは、冒険に出たエリアでPK達に襲われる。
相手は、かつてハセヲが圧倒した「ボルドー」とその仲間。
以前のハセヲなら片手間程度であしらえる連中だが、Lvも初期化されてしまった今のハセヲにとっては圧倒的に格上。
危機感、恐怖、それらを自身に与えている存在への怒り。
そういった負の感情が高まったその時、ハセヲは自らの内から何かが生まれ出でるような感覚を覚える。
その何かが生れ落ちようかという寸前、大胆な格好をした女性PCが現れる。
彼女をハセヲの助太刀と見たボルドー一行は退散。
「パイ」と名乗った彼女は、去っていくボルドーに向けて、
「馬鹿ね。助けてあげたのは、寧ろ貴女達よ」と意味深な言葉を残した。

460 :.hack//G.U. Vol.1 再誕:2007/02/13(火) 06:18:54 ID:q0OmFc9Z0

ある日。
ハセヲはアトリから、彼女の「お気に入りのエリア」への冒険に誘われ、気乗りしないながら同行することにする。
そのエリアを回る中、緻密に描かれた自然の風景に感じ入るアトリ。
対照的に、彼女の色んな意味での「平和主義」に終始苛々を募らせ、また、呆れ果てるハセヲ。
アトリに振り回されながら、やっとの思いでエリアの最奥に辿り着いた。
街に戻ろうとするハセヲだが、アトリの様子がおかしい。
何かがざわめくような音が聞こえるという彼女についていくと、不思議な場所に転送された。
死生所 エルディー・ルー。
「theworld」のシステム管理者でさえ手出しが出来ない謎のエリア、ロストグラウンドの一つ。
澄んだ湖に水晶の様な白い大樹が根を張る、幻想的な空間。
その大樹の麓に、誰かが腰掛けているのをハセヲ達は見つける。
薔薇の花を帽子に挿し、紫色の衣装を纏った、銀の長髪のPC。その周囲には斑のような黒点が浮かんでいる。
それと戯れているかのように見える、その誰か。
不意にアトリが言う。
「聞こえる……。『音』……あの人の方から……」。
肩の上に乗せた白猫が一鳴きすると、そのPCは踵を返して立ち去ってしまった。
その黒点は何なのか。そもそも、一体誰なのか。
本人に聞いてみようと追っていくアトリ。
「危ないぞ! 止まれ!」
背後から聞こえた不意の一喝に、振り向くアトリ。
湖の上に漂い、夥しく増殖していく黒点。
最早黒い面となったその中から、スライムのような謎の物体が出現する。
その瞬間、その黒点に中てられたかのように倒れるアトリ。
その姿に、ハセヲは「志乃」の幻影を見る。
アトリと色違いの同型PCを使用していた少女。
ハセヲの「the world」における全てであった少女。
志乃は、ロストグラウンドの一つ「グリーマレーヴ大聖堂」にてトライエッジにPKされ、リアルで意識不明となっていた。
PKの瞬間は目撃していないが、誰もいない聖堂で、地面へと仰向けに倒れいく彼女の姿は彼の脳裏に焼きついている。
ハセヲはアトリに駆け寄って抱き起こし、声をかけるが、反応は無い。
だが、突如そんな彼女を狙って、謎の物体から光弾が放たれる。
アトリをかばおうと、彼女に覆い被さるハセヲ。
光弾がハセヲごとアトリを貫こうとするその一瞬、二人の前に誰かが立ち塞がり、光弾を防いだ。
「下がってろ!」
黄色の服に、青い長髪を束ねた男性PC。アトリを止めた一喝の主だということが、その声からわかる。
「いっけえええええええええ!」
謎の物体と対峙した彼の身体に、黄色の紋様が浮かんだ。
画面に奔るノイズ。ノイズの隙間に垣間見える、緑色の影。
「俺の、『メイガス』!」
男性PCを中心に広がる紋様の円陣。
閃光と一瞬の暗転の後、周囲は広大な空間へと変わっていた。
咄嗟に宙を仰ぎ見るハセヲ。
そこに浮かぶ、先程よりも大きくなった円陣。直後、円陣は弾け、更に巨大な緑色の何かが出現する。
それから発せられる声は、まさにあの男性PCのもの。
半人半蛇の怪物のようにも見えるそれは、スライム上の物体から発せられた砲撃を容易く弾き飛ばした。
そのまま高速で直進する緑色の巨体。ブレるようなノイズの狭間には、青髪の男性PCに変わって見える。
直進の勢いのままスライムに打突の一撃を加え、止めとばかりに放たれる光弾。
消滅するスライム。
「やった、のか……?」
問いに答えるかのごとく、黄色の小さな球体となって四散する緑色の巨体。
それと共に、周囲も元のものへと戻っていた。
黄色い光を放ちながら、地面に降り立つ男性PC。
「無事かい? お二人さん」
言葉と共に、彼は手を差し伸べた。

461 :.hack//G.U. Vol.1 再誕:2007/02/13(火) 06:29:42 ID:q0OmFc9Z0
投下してから気付いた。
以下、補足。

@錬装士
ハセヲのジョブ(職業)。ジョブってのは、FFとかDQにあるようなものと考えてもらっていい。
初期設定で選んだ他のジョブの武装を錬金術で生成するという設定。
攻撃に際して武装切り替えを行うことにより、かなりトリッキーな戦術を行うことが出来る。
但し武装は最高三つまでしか錬成できず、さらに武器によっては2つしか選べない場合もある(銃剣など)。
ジョブエクステンドと呼ばれる特別なクエスト(他のゲームで言う、ミッション的なもの)をこなさないと
錬成することすら出来ない。
クリアすれば見た目のグラフィックも書き換えられ、その際の呼称も~フォームと番号順の変化がある。
ちなみに、複数の武器を扱えるという利点の反面、育てるのが凄まじく面倒。
その上、ただの器用貧乏になりがちなこともあり、他のプレイヤーからは不人気。

497 :.hack//G.U. Vol.1再誕:2007/02/16(金) 14:00:30 ID:2p94KzJW0

全てが終わった後、目覚めたアトリは倒れた以降のことを何も覚えていないという。
謎のモンスター……あのスライムが出現した瞬間、今までの物より大きな『音』が聞こえると同時、現実世界の彼女も気を失っていたらしい。
青髪のPCは自らをシステム管理者と似たようなものだと告げ、一連の出来事をバグデータによるものとして説明した。
しかし、ハセヲはこれに異を唱える。
まるで、目の前のPCが変身したかのように見えた、あの怪物。
それについて言及するハセヲに、
「憑神(アバター)が見えたんだな、“死の恐怖”ハセヲ」
と、彼は答えた。
アバター。聞き慣れない言葉と、自身の名を知っていることを問い返すハセヲ。
彼曰く、アバターを見ることが出来るのは、同様の力を持つ者だけ。
つまり、ハセヲもまた、彼と同じ力を持っているそうだ。
そして、自らを「クーン」と名乗った青髪のPCは、ハセヲに会いたがっている者がいること、
それがトライエッジについての手がかりとなることを伝え、自身のメールアドレスをハセヲに渡して、その場を去る。



クーンからの早速のメールで、彼の属するギルド『レイブン』に招待されたハセヲは、
待ち合わせ場所である、@HOME前に向かう。
ギルドというのは、プレイヤー同士で結成された様々な集団のこと。
初心者の手助けを行う『カナード』や、PKの禁止を訴える『月の樹』など、特定の方向性を持ったものから
ただ単に仲良しグループ的なものまで、数多く存在している。
言うなれば、サークルや部活のようなものである。
@HOMEとは、ギルドの拠点、本部とも呼べる施設。先程の例えに倣えば、部室のような場所だ。
とにかく、中に入ってみるハセヲ。
クーンによれば、奥で「八咫(やた)」というPCが、ハセヲを待っているらしい。
奥には殺風景な部屋が広がっていた。そこに突然現れる男性PC。
「『知識の蛇』へようこそ、ハセヲ君……」
彼がクーンが言っていた八咫なのだろう。
インドの修行僧のような出で立ちをした彼は、ハセヲが来るのを長い間待っていたらしい。
八咫は語る。ハセヲをずっと見ていた、と。
この施設「知識の蛇」は、「theworld」で起きている全てを見ることが出来るらしい。
そう、八咫はシステム管理者であった。
八咫はまず、湖に出現した黒点と謎のモンスターについて説明を始める。
「『AIDA』――我々はそう呼んでいる」
バグであってバグではない、ゲームの仕様から外れた謎の存在、現象。
一体何なのか、どのような危険があるのかすらもわからないが、異常であることは確実。そして、それと良く似た存在をハセヲも知っていた。
トライエッジ。知識の蛇をもってしても、トライエッジの正体はつかめないらしい。
続いて八咫は、トライエッジについての説明に移る。
ハセヲをLv.1に戻し、データを完全に初期化したスキルの名は「データドレイン」。
当然、そんなスキルはゲームの仕様に存在しない。
トライエッジもまた、AIDAと同様に仕様外の存在であることは確実となった。
そのトライエッジにPKされたことで、意識不明となった志乃。
しかし、ここで疑問が生まれる。
PKされたにも拘らず、ハセヲと志乃では被害内容が違う。
それは何故か。両者の違いとは何なのだろうか。
八咫から語られる、知らなかった事実。
ハセヲのPCには、ある力が隠されている。
そもそもハセヲのPCは、CC社(「theworld」を運営している企業)のある実験で特別に作られたキャラクターであるらしい。
そう言ったキャラクターは「碑文使い」と称され、パイ、クーンも碑文使いPCであるそうだ。



498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/16(金)14:04:11 ID:2p94KzJW0
その碑文使いPCに隠された力こそ、アバター。
ハセヲにアバターが使えないのは、まだ開眼(覚醒とかそういう意味)していないからだという。
AIDAに対抗できるのは、アバターを使える碑文使いだけ。
一体どういう存在であるのかもわからないが、プレイヤーへの危険を孕んでいる以上、
AIDAを放置しておくわけにはいかない。
そのために、碑文使いであるハセヲに協力を求める八咫。
「あんた等の仲間になれば、俺にもアバターが使えるようになるんだな?」
「当然だ。むしろ、そうなってもらわねば困る」
アバターの力があれば、トライエッジを倒せるかもしれない、と考えたハセヲは、
彼ら、『レイブン』への協力を承諾する。
そこに乱入し、ハセヲのようなプレイヤーに「力」を与えることは危険だと、
八咫に提言するパイ。
八咫は何も答えない。
ハセヲが立ち去った後、何故ハセヲのようなプレイヤーを使うのか、と問うパイに、八咫は答える。
「彼の碑文は、もう目覚めてしまっている」と。



姉「朔」と弟「望」の二人で一つのPCを使う「朔望」との出会いの後、
トライエッジ打倒のため、クーン、パイの二人とアバター発動の特訓に励むハセヲだが、成果は得られない。掴めない『力』に憔悴するハセヲ。
アバターの発動には、プレイヤーの精神に強い刺激が必要らしい。
どういう原理かは知らないが、碑文使いPCは、PCと精神が強くリンクしているのだとか。
パイは執拗に力を追い求めるハセヲに、プレイヤーの精神を離れ、アバターが暴走する可能性があることを伝えると共に、
一般プレイヤーに力を行使すれば、意識不明にしかねない、とアバターの危険性を説くが、彼の耳には届かない。
特訓の合間、シラバスとガスパーの二人の強い要請で、
渋々『カナード』のギルドマスターになることを了承したりしていると、
以前からメンテナンスのために停止されていたサーバー、Ωサーバーが復活。
Ωサーバーには、プレイヤー同士が力を競い合うアリーナが設置された街「ルミナ・クロス」がある。
とりあえず行ってみると、偶然にも『カナード』の二人がいた。
何でも、これからアリーナの宮皇(チャンピオン)を賭けたタイトルマッチがあるらしい。
二人に誘われ観戦に行くと、驚くべき人物を発見する。
アナウンサーの紹介と、大歓声に続いて現れた宮皇「エンデュランス」。
それは何と、あの湖で見た銀髪のPCだった。
湖で見かけた彼が宮皇であったことに驚くハセヲを横に、試合が開始される。
エンデュランスに襲い掛かる挑戦者チームの三人。対して、エンデュランスは一人。
アリーナには、三人までのパーティ参加が許されている。
というよりも、三人での参加が暗黙の了解だ。一人で参戦したとしても、不利なだけなのだから当然である。
ところが、シラバスとガスパーによればエンデュランスは常に一人で戦っているらしい。
にも拘らず、連戦連勝。その上、遂には宮皇まで上り詰めたその実力は確かなものなのだろう。
挑戦者達の攻撃を素早い身のこなしでかわし続けるエンデュランス。
「何だよ、逃げてるだけじゃん」
その様子を揶揄するハセヲ。
挑戦者達も痺れを切らしたのか、エンデュランスを取り囲み、一斉に攻撃を仕掛けようと機を窺っている。

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/16(金)14:05:19 ID:2p94KzJW0
その絶体絶命の危機の中、登場から一言も言葉を発していなかったエンデュランスがようやく口を開いた。
「……つまらないな。こんな戦いでは『彼女』が退屈してしまうよ……」
言葉と共に、周囲に舞い出す薔薇の花片。
エンデュランスの力を溜めるような声と、目も眩む閃光。
改めて見開いたハセヲの眼前は、闘技場から一変していた。
広大な空間に顕現する、紫色の巨大な怪物。
猫の面をつけた人型の上半身に、薔薇を逆さにしたような下半身。
「あれは……!?」
その光景に目を見開くハセヲ。
どうかしたのかと問うガスパーに、声を荒げて返す。
「お前ら、あれが見えな――!?」
そこまで言い掛けて、ハセヲは気付いた。
アバター。碑文使いにしか見えない、異形の力。
怪物は、何も理解出来ていない一般プレイヤー達にその凶腕を振り下ろす。
一瞬の後には、広大な空間は闘技場に戻っていた。
エンデュランスを取り囲んでいた挑戦者達は倒れ、勝敗はここに決する。
彼の肩に乗った白猫が楽しげに一鳴きして、試合は終わった。



観客達の、思い思いの感想がアリーナにどよめいている。
「瞬殺?」
「あんなスキルあるんだ……?」
彼らには、何が起きたかすら見ることが出来ないのだから当然である。
盛り上がるシラバスとガスパーを尻目に、ハセヲは外へ出る。
エンデュランスは碑文使いなのか。
であるなら、どうして碑文使いがAIDAと一緒にいたのか。
レイブン――クーンから聞いたところによれば、それは表向きの名で、正式名称は『G.U』であるらしい――の
連中は、それを知っているのか。
疑問に答える者はいない。
煮詰まるハセヲだったが、偶然か、はたまた必然か、ここでオーヴァンを目撃する。
慌てて追いかけ、裏路地にて、遂にオーヴァンと対峙できた。
ハセヲはオーヴァンに説明を求める。
大聖堂での一件。
先に向かった筈のオーヴァンは、大聖堂にいなかった。
そして、データドレイン。
「――トライエッジ。倒せなかったか……」
オーヴァンは語る。
もっと強い『力』がなければ、奴には勝てない、と。
「アリーナで、エンデュランスの戦いを見たか?」
オーヴァンの言葉に頷き、彼は何者なのかを問い返すハセヲ。
曰く、エンデュランスは「満たされない想いを追い続ける者」。
「ある意味において、お前と同じだ。
 しかし、奴は……お前に足りないものを持っている」
自分に足りないもの。
「……………なんだよ、それ」
答えはハセヲ自身が一番良く知っていると告げ、
「……俺は、いつだって待っている。
 お前が――」
そう言い掛けたまま、オーヴァンは去っていった。



501 :.hack//G.U. Vol.1再誕:2007/02/16(金) 14:10:30 ID:2p94KzJW0

またもオーヴァンを見失い、途方に暮れるハセヲの前に、朔望が現れる。
こんなところで何をしてるのかと問うハセヲ。
「馴れ馴れしく話かけんといて。……誰や、アンタ!」
その言葉と口振りに、ハセヲ違和感を覚える。
朔望との出会いはこれで二度目となる筈だし、そもそも関西弁ではなかったのだが。
ここで、はたと気付く。
朔望は、姉弟の二人が共用しているPC。
以前会ったのが、小学校低学年ほどの気弱な弟「望」。
ということは、今、目の前にいるのが、姉である「朔」。
であれば、この反応も頷ける。
キショいだとかと罵倒されつつ、彼女の話を聞くと、どうやら彼女は「エン様」なる人物の熱烈なファンであるらしい。
「あ!」
不意に朔が振り返った。そこには、いつだかの黒点。
楕円に広がった黒点の中から、エンデュランスが現れる。
駆け寄って、エンデュランスに労いの言葉をかける朔。
「エン様」とは、エンデュランスのことだったようだ。
そんな彼女の言葉を無視し、ハセヲと対峙するエンデュランス。
お前は何者だと、真正面から問うハセヲ。
答えないエンデュランスに、今度はAIDAと共にいた理由を問うが、答えは無い。
試合で見せたのはアバターなのか、との問いで、ようやくエンデュランスは反応を示す。
「……キミにも彼女が『視えた』んだ?
 ……だけど、それだけか」
エンデュランスは続ける。
「……キミには『力』がない。『彼ら』を理解する『心』もない……。
 『視えた』ところで、大勢の中の一人には変わりない……」
ハセヲの頬に手を当てるエンデュランス。
キミは何も出来ないまま死んでいく、と。
何度も何度も、かわいそう、と哀れみを向けるエンデュランスに、ハセヲは激昂する。
「俺に『力』がないだと!? 大勢の中の一人だと!?
 なに、上からモノ言ってんだよ!」
拳を強く握り締め、エンデュランスに敵意の視線を向けるハセヲ。
「証明してやる! 俺の『力』を!」
力を求め続けてきたハセヲにとって、彼の言葉は到底聞き流せないものである。
ここに、エンデュランスへの宣戦布告がなされた。



今回はここまで。遅筆ですまん
それと、今回のところらへんから、かなり会話内容の正誤が微妙
漠然とは合ってると思うけど、間違ってたら訂正頼む

106 :.hack//G.U. Vol.1 再誕:2007/03/01(木) 04:52:07 ID:MkY3qtUf0
エンデュランスと戦うためには、トーナメントを勝ち抜き、宮皇への挑戦権を得なくてはならない。
トーナメントには、アリーナの戦績上位16チームが選抜されるらしい。
アリーナへの参戦の前に、まずチームメンバーを揃えなくては、ということで、
シラバスとガスパーを誘うが、アガリ性のガスパーは辞退。
シラバスの助言から、魔法使い系の職業の知り合いを思い返してみるが……。
「うっ!」
思い浮かんだのは、アトリのみ。彼女は呪療士、回復系に特化した魔法を扱う職業なのだが、
果たして、PK廃止を訴える『月の樹』に所属し、個人の性格も「あの」通りの彼女が、
アリーナへの参戦を承諾するだろうか……。



メールをチェックすると、アトリから、良くわからないまま終わってしまった前回の冒険のリベンジということで、
再度、ハセヲを冒険に誘うメールが届いていた。
アリーナ出場メンバーに勧誘するため、これを了承するハセヲ。
アトリは「お気に入りエリア」を回りながら、風景の美しさ、自身の名前の由来などをハセヲに語る。
そんな、相変わらずのアトリの言動に募る苛々を、ハセヲは目的のために押し隠し、
彼女に振り回されたおかげでヘトヘトになりつつ、最奥である獣神殿に辿り着いた。
まずはアリーナ自体について意見を求めてみたハセヲに、アトリは語る。
人より強い武器、人より高いレベル――強さを求めて、その先にあるものは何ですか、と。
ゴールなんてものはない、と。
立ち止まって、咲いている花や、新しい誰かとの出会いを楽しんだほうがきっといい、と。「はは、ははははははは……」
不意に笑い出すハセヲ。
彼女の言動への苛々が、臨界を超えて溢れ出す。
「もう、無理! 限界!」
アトリが語った全てを、ハセヲは怒気を孕んだ強い声で切り捨てる。
「お前、バカか!?」
彼女が美しいと言った風景。
武器を取り出し、それに刃を幾度も幾度も突き立てる。
こんなものは所詮、ただのデータでしかない。
ポリゴンの上にテクスチャを貼り付けた、ただのデータの塊。
ハセヲは叫ぶ。
「こんなハリボテ世界の、どこが綺麗だって言うんだよ!?」
彼の怒りに、ただ名前を呼ぶだけしか出来ないアトリ。
「いいか、この世界で唯一リアルなのはな、俺達プレイヤーだけなんだよ!!」
PKが横行し、プレイヤー間の争いが日常化した「the world」。
力を手に入れて、競い合い、争いあう。
それが自分達、プレイヤーの繋がり方。
それが、このゲームの遊び方。
これのどこか間違っているのか、間違っているなら言ってみろ、とハセヲは吐き捨てる。
答えられず、言いよどむアトリ。
しばしの無言を切り裂いたのは、ハセヲの痛烈な一言だった。
「お前、まぎらわしいんだよ! 俺の前に、二度と姿を見せるな!」
ハセヲの言葉に、走り去るアトリ。
残されたハセヲは一人俯く。
彼の怒りの最大の原因。
無論、彼女の主義主張には苛々していた。
しかし、何よりも、彼女が何の気なしに発したであろう、ある一言だけがハセヲには許せなかった。
「志乃の顔で……『立ち止まれ』とか言うなよ……」




107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/01(木) 04:55:19 ID:MkY3qtUf0
アトリのアリーナメンバー参加がこの一件でほぼ絶望的となったため、BBSで募集を掛けてみることに。
早々現れた志願者。早速会いに行くと、何とそこにはボルドーが。
あの書き込みは、ボルドーによるフェイクだったらしい。
今回のことは恨みと執着の他に、誰かからの依頼を受けてのものだとボルドーは言う。
何度目かのPKの危機。
その危機を救ったのは、いつぞやに会った『月の樹』の幹部「榊」と「松」だった。
あまりにも良いタイミングでの登場に、榊へ疑いの視線を向けるハセヲ。
榊は、アトリが事前に警告を受けていたからだと説明する。
榊の後ろから現れるアトリ。
アトリが受けた警告は、望によるものだった。
望の話によれば、ボルドーにPKを依頼したのは望の姉である朔。
それを聞いたアトリは、榊に助力を頼んだ、というわけである。
ハセヲの無礼な言い草に険悪な空気が漂うが、榊は揉め事にする気はないようで、
ハセヲへのプレイ態度への忠告を残し、松を連れて立ち去った。
彼らが去った後、先日の件について謝罪するアトリ。
アリーナメンバー募集の書き込みを見たというアトリは、どういった心変わりか、メンバー参加を申し出る。
驚き、そういう勝負事は嫌いなんじゃなかったのかと問うハセヲに、アトリは
アリーナでの戦いに挑戦することで、ハセヲのことを理解したいのだと答える。
そして、気恥ずかしそうにもう一つ付け加えた。
人生で一度位は、勝利というものを味わってみたい、と。
勝負事で誰かに勝ったことがないと言っていたアトリ。
いつも敗者の側で、だからこそ敗者の気持ちが良くわかるから、勝負事は好きではないと言っていたアトリ。
そんな彼女の言葉に、照れくさそうに頭を掻いた後、ハセヲは、勝利の味を教えてやる、とアトリに約束したのだった。



アトリはアリーナメンバーへの参加と共に『カナード』へも加入、
チームに三人のメンバーが揃ったハセヲは、早速アリーナに挑戦する。
緊張するアトリとシラバスだったが、ことを終えてみれば快勝だった。
初めての勝利に大喜びするアトリ。ハセヲに抱きついたりと、人生初の勝利ともなれば、格別だったようだ。
正気に戻って、敗者のことを気に掛けるアトリだったが、ハセヲの言葉で
改めて勝利を目指して戦うことを決意する。
天狗の面を被ったPC「大火」から勝手に試練を押し付けられ、これまた勝手に弟子扱いされたり、
何故か沈んでいるガスパーに疑問を覚えたりしつつ、アリーナでのバトルを繰り返し、遂にトップ16にランクインを果たすハセヲ。
トーナメントに選抜された旨のメールを受け、トーナメントへの登録を済ませる。
一回戦の開催まではしばらくあるので、メールチェックやレベル上げなどをしていると、
シラバスからメールが届く。
何でも、相談したいことがあるらしい。
シラバスの元に向かう途中、偶然にもクーンと遭遇したハセヲ。
立ち話もそこそこに、シラバスとガスパーの様子を聞くクーン。
というのも、クーンは『カナード』の初代ギルドマスターであり、二人とは旧知の仲であった。
自分のPCに眠る力と、その危険性を知った当時のクーンは、
一般プレイヤーである二人を巻き込まないために『カナード』を脱退。
その後『G.U.』のメンバーに加入した、という経緯を持つ。
旧知の二人の様子が何だかおかしいことを心配するクーン。
適当に答えるハセヲだが、クーンは二人の様子が気になる、と走り去った。
追いかけた先で、周囲のギルドショップとは裏腹に、全く客足のない『カナード』のギルドショップと、
そこで店番をするガスパーを目撃する。
クーンが駆け寄ると、抱き付いて号泣し始めるガスパー。
遅れて現れたシラバスが、ガスパーの嘆きについて説明する。
ハセヲ達がアリーナに参加しだした頃から、参加メンバーを擁する『カナード』への嫌がらせが始まったこと。
その矛先は、専らギルドショップの運営を任されているガスパーに集中して向けられたこと。
嫌がらせはどんどんエスカレートし、『カナード』のギルドショップを利用したプレイヤーまでも被害にあっていること。
犯人は、PKKを行っていたハセヲに恨みを持つPK達らしい。
どうして相談しなかったのかと問うハセヲに、涙声でガスパーは答える。
アリーナ等で忙しいハセヲに心配を掛けたくなかった、と。
俯く『カナード』の二人に、クーンは、PK達が数多く在籍する巨大ギルド『ケストレル』の
ギルドマスターである「がび」と話をつけてくる、と言う。
ハセヲもこれに同行を申し出た。


108 :.hack//G.U. Vol.1 再誕:2007/03/01(木) 05:01:02 ID:MkY3qtUf0
『ケストレル』のような巨大ギルドは、CC社から特別に専用のエリアを貰い、そこを@HOMEにしているらしい。
その他、クーンは『ケストレル』の内部事情に妙に詳しいが、それもその筈。
訪れた@HOMEにいたボルドー達によれば、かつてクーンは『ケストレル』の副団長であったらしい。
ボルドー達に、カナードへの嫌がらせを即刻やめるよう言うクーンだが、
ボルドー達は明らかなしらばっくれの後、ガスパーを嘲笑する。
激昂するハセヲだったが、クーンに諌められ、何とか怒りを押さえ込んだ。
ここで、がびが登場する。
その真っ赤な巨体と獣人PCゆえの強面に、不適当とも適当とも言える豪放磊落な性格をした
がびに嫌がらせについて、ギルドの長としての責任を追及するハセヲ。
がびは答える。
PKしたい者はすればいい。PKKしたい者はすればいい。PKされたくなければ逃げればいい。
それが「the world」だ、と。
悪く言えば徹底放置、良く言えばプレイヤーの意思と自由の尊重。
それが、がびのギルドマスターとしての方針だった。
水を得た魚のように勝ち誇るボルドーだったが、突如がびは彼女の首に大剣を突きつけ、言葉を付け加える。
面白ければ何をしてもいい。しかし、つまらないのは許さない。
その迫力に怯んだボルドーは、少し考えた後、改めてがびを見据えた。
トーナメントの第一回戦の相手が、自分達であることをハセヲに伝え、がびに勝利を約束するボルドー。
がびとの約束は、『ケストレル』メンバーにとって唯一の絶対法。
もし違えれば、ボルドーに『ケストレル』での居場所は無くなる。
もし自分達が勝った場合、『カナード』への手出しは二度としないことを
約束に盛り込ませたハセヲは、トーナメントへの意気込みを新たにして、『ケストレル』を去る。