続・御神楽少女探偵団~完結編~

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続・御神楽少女探偵団~完結編~

part31-203~207,223~224


203 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22:41:09 ID:is5DM7n+0
続・御神楽少女探偵団

『御神楽少女探偵団』の続編、主要登場人物を一応再掲。

☆主要登場人物
・御神楽時人(以下時人)・・・御神楽探偵事務所所長で、天才的な推理能力を持つ駄目人間。男。
・鹿瀬巴(以下巴)・・・探偵事務所助手。女。どちらかというと考えることより動くことの方が得意。
・久御山滋乃(以下滋乃)・・・探偵事務所助手。女。華族のお嬢様。
・桧垣千鶴(以下千鶴)・・・探偵事務所経理。女。作家志望の眼鏡っ娘。
・ランドルフ丸山(以下蘭丸)・・・探偵事務所助手。男。混血の少年。 あだ名は蘭丸。
・守山美和・・・探偵事務所のあるビルのオーナーで美術商。女。時人憧れの未亡人。
・諸星・・・時人を信頼する警視庁警部。
・栗山・・・諸星の部下。頼りない

204 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22:54:25 ID:is5DM7n+0
☆第六話『続・猟奇同盟』登場人物
注:この話は前作『御神楽少女探偵団』収録『猟奇同盟』の続きです。

・常盤省吾・・・大学教授。時人の旧友らしい。
・志田庄太・・・新聞記者。『猟奇同盟』を告発しようとしたところ殺害される。
・旭日斎蓮花・・・女奇術師。40歳以上なのに、20代にしか見えない。
・伊勢真由美・・・志田庄太の隣人。
・伊勢公夫・・・真由美の弟。先ごろ原因不明の失踪を遂げた。
・工藤めぐみ・・・蓮花の助手。
・花柳宗司・・・蓮花のマジックホールの従業員。
・小谷内万次郎・・・蓮花のマジックホールの道具係。
・中田熊子・・・日の出食堂の女主人。
・増田伸次・・・志田の同僚記者。
・河村須美子・・・以前『太白星』事件(『御神楽少女探偵団』収録)で出会ったオペラスター。気さくな美人。
・平田権六・・・以前『幽鬼郎』事件(『御神楽少女探偵団』収録)で出会った興行主。
・相馬銀次郎・・・常盤省吾の書生。原因不明の失踪を遂げた。
・真下五月・・・乾物屋の娘。原因不明の失踪を遂げた。
・真下毅・・・真下五月の父。
・相模陣兵衛・・・隅田川の船頭。

205 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22:57:04 ID:is5DM7n+0
☆第六話『続・猟奇同盟』前編

催眠術に操られた巴に銃撃された時人は、面会謝絶の重体となった。
巴は術から開放されたものの、自責の念に苛まれる。
そんな巴を、諸星は半ば強引に捜査へ連れて行く。

志田の遺したチケットを手がかりに、旭日斎蓮花のマジックホールへ向かう。
そこで、ホール関係者の花柳宗司に話を聞くと、もうすぐ舞台が始まるという。
そこで諸星と巴は、舞台でマジックショーを見物することにする。

この日の舞台の見世物は、ギロチンを使ったマジックだ。
助手が蓮花をギロチンにかけても彼女は無事、という趣向のものらしい。
しかしいざ本番、助手がギロチンの刃を下ろすと蓮花の首は無残にも刎ねられてしまった。

時人銃撃に続き、再びショッキングな出来事に遭遇してしまった巴は心が折れかけてしまう。
しかし諸星は彼女を叱咤激励し、立ち直らせるのだった。

ギロチンを操作した蓮花の助手、工藤めぐみに話を聞く二人。
どうやらギロチンに仕掛けてあったマジック用の仕組みが、壊れていたようだ。
しかし本番直前に蓮花本人が確認した際には、ギロチンに異常は無かったという。
蓮花の確認後、ギロチンに触れたのは道具部の連中だけ。
そこで、二人は今度は道具部に話を聞くことにする。

道具部の小谷内万次郎によると、ギロチンの運び込みを行った
篠原浩介という男の行方がわからないらしい。

次に二人が蓮花の楽屋へ向かうと、楽屋は既に荒らされた後だった。
どうやらこの惨劇も「猟奇同盟」の仕業で、彼らに出し抜かれたようだ。
しかし花柳に確認したところ、蓮花は貴重品を道具部の金庫に預けており、
彼女の楽屋に重要と思えるものは元から何も無かったらしい。

道具部で小谷内に金庫について聞いたところ、一月ほど前に蓮花から妙なものを預かったらしい。
それは、風呂敷に包まれたスクラップブックだった。
スクラップブックを見ていた巴は、そこに行方不明となった伊達公夫の写真があることに気づく。
巴と諸星は、篠原が故郷だと語っていたという、広島へ調査に向かう。

一方、滋乃と千鶴はマジックホールで聞き込みを行っていた。
小谷内によると、篠原は一月ほど前、蓮花の紹介でホールに勤め始めたらしい。

捜査本部の遊郭・花月楼で栗山刑事と話し合う二人。
スクラップブックには、ここ数年で失踪した子供たちの写真ばかりが載っていたらしい。
現時点では写真のうち2枚が、既に失踪届けの出されている
相馬銀次郎と真下五月のものだということが判明している。

二人は、相馬銀次郎が書生として起居していた常盤邸へと向かう。
主の常盤省吾に迎えられる二人。
常盤は大学教授で、時人の旧友で、かつては一緒に素人探偵をやっていたという。
常盤の許可を得て相馬の部屋を調べると、彼が英語を熱心に勉強していたことがわかった。

206 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22:58:15 ID:is5DM7n+0
次に、真下五月の実家である乾物屋、「鍵屋」に向かう二人。
五月の父、毅から許可を得て五月の部屋を調べると、彼女も英語を熱心に勉強していたことがわかる。
そして、相馬と真下は同じ英語学校「築地ハリソン英語学校」に通っていたようだ。

さっそく、英語学校のあるというハリソン邸に移動する。
しかし屋敷に人の気配は無い。
そこで、屋敷の向かいにある日の出食堂で女主人の中田熊子から話を聞いてみる。
屋敷には五人の外国人女性が住んでいたのだが、一週間前に急に引っ越したらしい。
一週間前といえば、ちょうど志田が殺害された日のことだ。

第二倉島荘で伊勢真由美に公夫のことについて聞く。
すると、公夫もハリソン英語学校に通っていたことがわかる。
やはり、英語学校にはなにかあるようだ。

事務所で改めて操作の方針を栗山と確認する二人。
猟奇同盟という組織が美形の少年少女を多数誘拐しており、そこに英会話学校がからんでいるらしい。
また、その猟奇同盟によって志田と蓮花は殺されたらしい。
そこに常盤が現れ、時人の友人として操作に同行・協力させて欲しいという。
その申し出を、二人は快諾した。

マジックホールで花柳から話を聞く三人。
蓮花は、一週間ほど前に新聞記者の取材を受けてから急に落ち着きをなくしたらしい。
取材に来たのは、東京日報の志田と増田という記者だという。

東京日報本社で志田の同僚、増田伸次に聞き込みを行う。
増田によると、志田は伊達公夫の捜索を始めてから様子が変わり、英語学校に通いだしたらしい。
志田はハリソン英語学校に生徒として潜入し何かを掴んだのだが、そのために殺されたようだ。

日の出食堂の熊子によると、英語学校には有名な政治家や社長の他、蓮花も通っていたという。

花月楼で栗山と話しをする。
殺された志田は、殺害される前日あたりに大きな背中に引っかき傷を付けていたようだ。
そのことが、千鶴はどうも気になるという。

浅草の見世物小屋では、平田権六が相変わらず怪しい興行を開いている。
平田によると、蓮花には色々と良くない噂があったようだ。

事務所に戻った三人は、美和と蘭丸に迎えられる。
美和は、みんなのためにシチューを用意したという。
美和と蘭丸は、すでにシチューを食べたようだ。
常盤がお茶を淹れ、一同揃って夕食となる。
しかし夕食後、滋乃と千鶴、常盤は次々に意識を失っていく。
どうやら夕食と一緒に、睡眠薬を飲まされてしまったようだ。

『続・猟奇同盟』前編END


223 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/29(金) 06:06:52 ID:WSAwRHwc0
☆第六話『続・猟奇同盟』後編

一同が眠りから醒めると、蘭丸(ランドルフ丸山)の姿が事務所から消えていた。
昨晩自室に戻った蘭丸は、一同が眠っている間に猟奇同盟に誘拐されてしまったのだ。
常盤と千鶴、滋乃は操作を再開する。
マジックホールで工藤めぐみから、蓮花が篠原を気味悪がっていたという情報を得る。
篠原は蓮花の口利きでホールに勤め始めたはずなのに、何故なのだろうか。

花月楼で栗山から、シチューに睡眠薬の反応が出たことを聞かされる。
シチューを作ったのは美和だ。
それに彼女は、昨晩一同と一緒にはシチューを食べず、一足先に事務所を出て行った。
親しい間柄の彼女が、猟奇同盟とつながっているのだろうか?
また、蘭丸の部屋の鍵が壊されていたこともわかった。

日の出食堂の中田熊子によると、蓮花が殺される前、花柳宗司が蓮花のことを聞きに訪れたという。
どうやら彼はその時、ハリソン邸に向かう蓮花を尾行していたようだ。

勝鬨の渡しの船頭、相模陣兵衛によると、ハリソン邸では英語学校を隠れ蓑に売春が行われていたそうだ。

日本館で、河村須美子から花柳の噂を聞くことができた。
彼は女好きで有名で、いまも工藤めぐみと30前後の女性と二股をかけているらしい。
その女性とは、美和のことなのだろうか?
須美子の話は、増田伸次の証言によっても裏付けられた。
志田は猟奇同盟調査の為、30前後の女性と面会していたらしい。

ここで常盤は、美和が猟奇同盟の一員で花柳はその協力者、
そして彼らは蓮花を監視していたのではないか、との推理を組み立てる。
また、志田が接触したのも美和で、彼女は危険を感じ志田を始末したのでは、と予想する。

美和を猟奇同盟の一員とする常盤の推理を、心情的に受け入れられない二人。
また美和は現在旅行中とのことで、本人の話を聞くことも出来ない。
そんな二人に、常盤はもう遅いし自宅に帰る、またいつでも連絡して欲しいといい別れを告げた。

翌日、広島から帰ってきた巴と諸星は美和犯人説を受け入れる前に、独自に調査を開始する。
マジックホールでは、工藤と花柳が痴話喧嘩を繰り広げていた。
工藤の話によると、花柳が二股をかけていた三十前後の女性とは、蓮花のことだったようだ。

次に花柳に話を聞くと、蓮花が遺したスクラップブックを
彼女の生前金庫に納めたのは、彼と小谷内だという。
花柳はブックの他に多くの書類を同時に蓮花から受け取ったという。
しかし以前小谷内から金庫の中身として受け取ったのは、ブックだけだった。
この事実を知った巴は、一つの結論に達する。

小谷内は、蓮花をかばって本当は金庫の中にあった書類を隠していた。
それら書類は、蓮花が猟奇同盟の一員であることを示すスキャンダラスなものだった。
また、書類には同盟のメンバーとして、著名な政治家・財界人・芸能人の名が多く記されていた。
蓮花が殺された際楽屋が荒らされたのは、犯人がこの書類を探したためだ。

また巴は、花柳と小谷内は同盟のメンバーではないと断言する。
二人が同盟のメンバーなら、すでにコレを処分しているはずだからだ。
蓮花は志田殺しに絡み御神楽探偵事務所に目を付けられた為、
同盟に派遣された監視者である篠原に殺されたのだった。
花柳が以前蓮花を尾行したのは、彼女の身を案じた小谷内の依頼によるものだった。

次に二人は、東京日報へ増田を訪ねる。
増田は、二人に志田の遺した写真を見せてくれた。
写真にはハリソン邸の窓が写っており、その中には巴に催眠術をかけた仮面の男の姿があった。
ハリソン邸が同盟の本拠地だと確信した諸星は、屋敷の強行調査を決意する

224 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/29(金) 06:09:13 ID:WSAwRHwc0
ハリソン邸に踏み込んだ二人は、相模の協力もあり、隠し部屋を発見する。
しかし諸星は、二人で突入するのは危険だとして本庁へ応援要請のため戻っていった。
その後巴は一時諸星からの連絡を待つが、蘭丸の身を案じ、単身突入を決意する。
そこに、諸星から連絡を受けた千鶴と滋乃が合流し、三人はハリソン邸へと突入する。

隠し部屋から地下に降りると、そこには広大な洞窟に作られた地下施設が広がっていた。
かつて巴が拉致された際、監禁されたのもこの場所だった
やはり、ここが猟奇同盟本拠地のようだ。

迷路のような洞窟を進んでいくと、誘拐された少年少女達が全裸で監禁されている牢屋があった。
そこには、以前行方不明となった伊勢真由美の弟、伊勢公夫の姿があった。
公夫の無事を確認した三人は、更に洞窟の奥へと進んでいく。

三人は洞窟の最奥、享楽の島と名づけられた施設の中枢へとたどり着く。
しかしそこで、武装した猟奇同盟員たちに包囲されてしまう。
三人は連行され、ばらばらの部屋に監禁された。

監禁部屋の中で、巴は推理をめぐらせる。
そして、美和は猟奇同盟の協力者ではない、との結論に達する。
彼女に嫌疑がかかったのは、作ったシチューに睡眠薬の反応があったことと、
花柳や志田が彼女と同じ年頃の女性と面会していた、という2つの理由からだった。
しかし、花柳たちがあっていたのは蓮花だということがすでに証明されている。
また、美和がもし蘭丸を攫ったのなら、彼女は事務所のメンバーと親しいのだから、
蘭丸の部屋の鍵を壊したりなどせず、蘭丸自身に空けてもらって部屋に侵入すればいい。
以上の理由から、美和が猟奇同盟員で蘭丸誘拐の犯人とは考えられない。

おそらく、睡眠薬はシチューと一緒に飲んだお茶に入っていたのだろう。
犯人は自分だけ普通のお茶を飲み、他の人間が寝ている間にシチューに薬を混入、蘭丸を誘拐したのだ。
つまり犯人は、千鶴たちに「捜査に協力する」といって近づき、問題のお茶を淹れた人物・・・。
ここまで巴が考えをまとめた時、猟奇同盟員が彼女を部屋から連れ出す。

向かった先は、享楽の島だった。
そこは極彩色のスポットライトで彩られ、
誘拐した多くの少年少女たちを殺して作られた「人間剥製」により飾られていた。
今牢屋に閉じ込められている少年少女たちも、いずれは剥製にされてしまう予定だったのだ。
享楽の島中央に位置する玉座に、仮面を付けた猟奇同盟の主宰が居た。
彼こそが猟奇同盟を組織し、数々の犯罪を指揮し、またかつて巴に催眠術をかけた人物であった。
巴は、同盟主宰の正体を喝破する。

猟奇同盟主宰の正体、それは常盤省吾だった。
常盤を激しく非難する巴に対し、彼は「悪こそが人間の本質」と演説をぶつ。
そして、巴にも人間剥製になってもらうと言うのだった。

その時、巴を拘束していた同盟員の一人が仮面を外す。
それは、入院しているはずの時人だった。
そこに時人に導かれた警官隊が現れ、常盤以下猟奇同盟は壊滅したのだった。

時人が重態というのは、猟奇同盟を油断させる為の芝居だった。
敵をだますにはまず味方から、でこのことを知っているのは時人と諸星だけだった。
巴は時人に怒りつつも嬉しさを隠せず、事件を解決した一同は事務所へと帰っていくのだった。

☆第六話『続・猟奇同盟』END