ウイユヴェール>>2-340~342・348・354~355・358~365・371~373
340名無しさん@お腹いっぱい。sage03/12/1513:21ID:BqjfFoV/以前、ネタバレスレで要望されて書いた『ファイナルファンタジータクティクス』のサウンドノベル「ウイユヴェール」のエンディングと背景を詳細に仕上げようと思う。とりあえず、登場人物紹介から。
ウイユヴェール:王族派左派ナンバー3。この物語の主人公。ウイユヴェールとはコードネームであり、ブラックの前ではアニエッタ、パブロの前ではシモーヌという偽名を使っている。どちらも偽名なのか、謎の多い女性。毒殺のスペシャリストで、“ラガ派”の初代代表キリコ、恋人である二代目代表ブラックを葬ったのも彼女である。今は鬱々とした心境のなか、王族派の諜報部員として記憶喪失症にかかったパブロの監視をしている。殺した相手の遺留品を一つ持ち去るのが流儀。
・『エナビア記』との関連性ウイユはアルベルトの血とマーシアの血を引いているらしい。アルベルトいうとエナビア記で出てきたクフ城の城主の名前でもある。また、ウイユの腹違いの姉の名前はマリア。エナビア記の長女の名前もマリアであった。ウイユの別名はシモーヌ、アーネスタ=プローと、ともにエナビア記の娘達との名前とは異なる。これはやはり腹違いということでまた別の人物だったのだろうか。まったく関係がないかもしれないが、ウイユヴェールの話は、いくらでも想像を広げられるように深い淵でくくってある。
パブロ:王族派情報部から「犬」と呼ばれている記憶を無くしたラガ派のロビィスト(活動家)。機関誌で自慢のペンを振るっていた。今はだらけたもの書きになり下がっているが、昔は格闘技チャンピオン時代の腕っ節を生かしてアポ無し突撃取材を信条とするドキュメンタリー作家だった(くそ迷惑な男だな)ブラックに夢を求め、裏切られた男。
ポワソンリー:ウイユの直属の上司で、その仕事は冷酷。仲間内からも恐れられている。ナイフの達人。普段はブーシュリーという偽名を使い、サンティール以下、五人の部下を操ってウイユとパブロを常に監視させている。
サンティール:ウイユの監視役。宙ぶらりんな地位にあるウイユに同情している。スリングショットで暗殺を得意とする。
エドガー・ブラック:反政府ネットワーク“ラガ派”の二代目代表。通称“片足のカリスマ”。ラガ初代指導者のキリコを暗殺者からキリコを守って右足を失う。しかし、これはシンパによって作られた伝説で、ブラックの実態は王族派情報部で「うさぎ」と呼ばれるスパイだった。実際のところ、ラガ幹部は3割が王族派のスパイと云われウイユの他にスパイが4人いた。ブラックは監視役であるウイユに右足を失わされ、後に命まで奪われた。しかし、彼はウイユベールを愛していた。・イベント名『公文書館』より抜粋788年、我が国初の民主制選挙、俗に言うキュビスト選挙でラガ派最有力の地位にありながら、選挙直前の演説で王族派の支持とラガ派の早期解散を宣言、ラガ派崩壊の引き金を起こす。
341名無しさん@お腹いっぱい。sage03/12/1514:23ID:BqjfFoV/■物語の前史(本編の2年半前)物語は革命に揺れ動く、ある王国を舞台に始まる。この年、この国で歴史上初めて、公平な選挙による議会が誕生した。選挙前は、反政府派のラギストの優勢が伝えられたが、ラガのカリスマ的指導者ブラックは選挙前最後の演説で王室の政治を評価し、ラガの早期解散を宣言した。民衆は混乱し、それまで反政府寄りだった者達も改めて旧政府の長所を見直し、数日にして勢力は逆転した。正面から戦えば勝利することは不可能だと悟っていた王党派は、この日のために水面下でひそかに罠を張っていたのだ。情報部から派遣されたウイユ(この時、彼女はアニエッタと名乗っていた)は、ラガの指導者キリコを室内で暗殺、失敗した後に窓から逃走する。スパイの同僚であるブラックに右足を犠牲にさせてまで目撃者に仕立て上げた彼女の演出は完璧に近く、誰もブラックをスパイと疑う者はいなかった。こうして、ブラックは身を挺してキリコをかばったという事実だけが残った。この後、間をおかずして指導者キリコはブラックの恋人としてラガ派に潜り込んだアニエッタ(ウイユ)の手で今度こそ確実に毒殺され、一躍名を馳せたブラックがラガ派の二代目指導者となる。手の組んだ自作自演の結果、キュビスト選挙の際、最終勝利を目前にしたラガ派を追い落とす下準備が完成した。格闘技チャンピオンの座から退いたパブロが、連絡なし突撃取材を信条とするドキュメンタリー作家に転身し、王室批判の記事を書き民衆の熱狂的な支持を集めていた頃のことである。なお、当初からブラックの正体に気づいていたパブロは、ブラック自身の保身と名誉のために王党派を裏切りそのままラガ派の党首として勝利しろ、と再三にわたり詰め寄っていた。「パブロくん、君の熱意はわかるよ。だが、熱意だけで全てを変えることは出来ない」鉄の壁で報いるブラックに対し、パブロは熱く食い下がるが、ブラックは自分の心情を語るだけであった。「私はただウイユヴェールを守りたい、それしか考えられない弱い男なんだ……こんな私に何が出来ると言うんだ」ブラックの意志を動かすことができないパブロは、ウイユに対し激しい殺意を抱かずにはいられなかった。
342名無しさん@お腹いっぱい。sage03/12/1514:27ID:BqjfFoV/ 一方、ブラックは自己の保身を計るため、パブロの考えと違う独自のルートを開拓していた。 王族派情報部トップ・ヒューラー、ナンバー2・バイン、殺し屋・ビョルンら三人の暗殺のため、達成率98%を誇る幻の暗殺者デュシャンへ依頼するために、彼の三人のエージェントと接触したのだ。仮に王党派の目的を叶えたとしても、秘密を知りすぎた自分を王党派が消しにくると予期していた彼は、最悪でも愛するウイユだけは、冷たい闇の世界ら離れて自由になってもらいたかったのだ。三人目のエージェントと接触した後、割り符となるペンダントを手にした彼は、それを彼女の誕生日への贈り物とした。しかし、誕生日を前にして用済みとなったブラックに対し組織の決定が下りる。監視役から暗殺者となったウイユヴェールがブラックの前に立つ。『ウイユヴェール君の誕生日に渡そうと思っていたんだが……』懐に手を入れるブラック。
『動かないで!子供じみた手は使わないことね。私が本気で愛してたとでも思ってるの?』
『これなんだが…………ウイユヴェー……ル』
そして、彼女はブラックの遺留品となった懐深く握りしめられたペンダントを持ち去った。ブラックの死後、ラガの主要メンバーは地下へと姿を消したが、政府に対する監視は強化され、一触即発の危機感は消えなかった。パブロはブラックから何らかの秘密を預かったと目され、組織の厳しい追求を受けるなか、逃走に失敗。海岸に流れ着いたところを組織の網に拾われるが、記憶喪失症のため、殺されることはなかった。(以下、本編へ)
348ウイユヴェール序章sage03/12/1520:27ID:BqjfFoV/ウイユヴェールには8通りのエンディングがあり、そのどれもが真相を含む正しいルートです。全てを観て初めて物語の全貌の一端、そして、登場人物の深い心情がつかめるわけですが、今回はパブロとウイユが唯一生き残る『LaPaixdeuxans』までを書きます。>>340-342の続き■ウイユヴェール本編ウイユがパブロの監視についてから、はや二年半余。いっこうに進展しない状況に業を煮やした組織上層部は、ウイユに極秘で命令の通達を行う。12704361号に書かれた内容は、ウイユに与えた全権を一時凍結し、ポワソンリーに移行。パブロの監視に掃除屋ジュメルをつけ、ウイユにもサンティールの監視をおき全てをポワソンリーが統括するといったものだ。当然、ウイユにはこの通達を知らされなかった。パブロが抱えた秘密がなんであれ、組織は秘密ごと黙殺する決定を下したのだ。そうとはしらないウイユは、今日もパブロの書く完結しそうもない小説を、アパートの一室で眺めていた。題は「赤き花の香」。 "アニエッタ"という名の少女のなにげない日常。閑話休題:この頃からパブロは自身のちぐはぐな記憶で物を書き始めていたのだ。全編通して「3.始末する」という選択肢があるのは、これが原因かもしれない。「ここからの展開には自信があるんだ」と語るパブロに、ウイユヴェールは「このまま全てを忘れて生きていくつもり?」と、厳しく当たる。海岸に流れ着いたあの日より前のことは何一つ思い出せないと語るパブロは、この後調子を変えて「この小説が書けたら……」とウイユヴェールは口説きだすのだった。軽くパブロをあしらうと、ウイユヴェールはパブロの部屋を後にする。「おお、シモ~~ヌ ウヴァテュ~ジュテ~~~~~~~~~~~~ムケスコンヴァフェールドゥマ~~ン」というパブロの調子外れな挨拶を耳にしながら連絡員の待つ酒場へ向かうウイユであった。
354ウイユヴェール序章sage03/12/1522:38ID:BqjfFoV/ 場面変わって、酒場でサンティールの愚痴を聞き流すウイユの姿があった。 冷たい反応のウイユに、サンティールが「ブラックを一度仕留め損なったのは情がうつったからだ。今度も情が移ると犬を殺せなくなる」と、彼女の古傷をえぐる忠告をよこす。
註:ここで素直に感謝すると、サンティールから組織がウイユを信用していないという情報をもらえる。
気分を害したウイユは、不毛な話し合いを打ちきって酒場を出ようとする。「最後に聞くけど、奴を始末できる自信、確率で言うとどのくらい?」別れ際、サンティールにパブロを始末できる自信を確率で聞かれたウイユは平然と120%あると答える。「プロとしての誇りが無くなれば私には何も残らないわ」
註:120%以外を選ぶと、必ず途中で行き詰まります
--- パブロの小説---物語は、パブロの書く小説を読むことから始まる。 今日もウイユとパブロの日常は変わらない。いつも通りのパブロに彼の書いた小説を決して誉めないウイユ、人懐こい笑顔の影に殺意を隠すサンティール、そして冷酷なポワンソリーが、ウイユとパブロを常に監視する。しかし、いくつもの小説の、その出だしだけを書くパブロは、そこからぽつぽつと失った記憶を取り戻して行きつつあった。パブロの書いた小説は六篇。『マトーヤの洞窟』『モンスターワールド』『サファイアの聖堂』『うりぼーとロシオッティ』『メンドーサー族年代記』。そして、実在の暗殺者デュシャンをモデルにした『マリオ・トレズィエーム』が書かれたとき、ウイユはパブロの始末を決意して、失敗した。「少し激し過ぎたかしら? ごめんなさい。うふっ、あなたって案外ノーマルなのね。でも人殺しよばわりはひどいわ。また今度、あなたの準備が出来てから、ゆっくりと愛を確かめあいましょう。アビヤント、パブロ」人殺しと怯えるパブロに笑って取り繕うと、ウイユはその場を去った。「あ、シモーヌ! そんな! それが君の愛し方だなんて!激しいよシモーヌ! 激し過ぎるでヤンス~~~~~~!!」後にはいつも通りのパブロのお馬鹿なコメントだけが残った。
註:すすめるにはパブロを誉めては駄目です。誉めまくると『マリオ』の前の『ポワソンリー』の章のあと『ウイユヴェール』でウイユは殺されます。
355 ウイユヴェール--- 記憶の覚醒---sage03/12/1522:41ID:BqjfFoV/--- 記憶の覚醒 ---停滞していた歯車がクルクルと回り始める。『臆病なその詩人は、片足のうさぎと呼ばれて、からかわれていた。だけど詩人はからかわれても笑われてもにこやかに受け入れるだけだった。だがその胸には大きな竜が眠り、竜が火を吹くたびに彼は苦しみ、その苦しみを詩に変えて……』『片足の詩人』の出だしを書いたパブロは、ウイユに尋ねる。 「シモーヌ、僕には片足の友人がいたような気がしてならないんだ……そして何か、とても重要なことを忘れてしまっているような……」明らかにパブロの記憶は覚醒しつつあった。自己の保身をはかるならば、ウイユは、彼の記憶が戻る前にパブロを抹殺しなければならない。彼の書きつづる小説が事態の真相へ一歩近づくにつれ、シモーヌと名乗り彼を監視するウイユは抹殺を決意するも、自分を信頼しない組織、パブロへの哀惜、ブラックを殺害したことの後悔。様々な感情がよぎり、彼女は前にも後ろにも踏みこめないでいた。彼女がためらう間にもパブロの筆はすすみ、その内容は小説から真実を含む独白めいたメモへと変わっていく。
一方、パブロもまた自らの感情を持て余していた。記憶が戻るにつれて浮かび上がるシモーヌ(=ウイユヴェール)への殺意。出所のわからない感情の発露とともに、失われた記憶もまた戻ってこようとしていた。
358 ウイユヴェール--- ブラック---sage03/12/1523:12ID:BqjfFoV/--ブラック---『パブロくん、まだ君は僕を疑っているようだね。確かに、君の仕事にとって、それも重要なことだろう』『ブラック、僕はあなたの人間性そのものを、決して疑ったりはしない。あなたは僕達が次の段階に進むために重要な役割を果たそうとしているんです』「パブロ、これは何? 小説? それとも何か思い出してメモしてるの?」ウイユの問いつめにも、力無くパブロは「思い出せそうな気がする」と呟くだけだった。「小説を書き上げなくてもいいの?」と優しく尋ねるウイユに自身のこみ上げる感情を語ろうとしたパブロは悪酔いして吐きそうになる。頃合いだとばかり、パブロに肩を貸してウイユはパブから抜け出す。ここでこれ以上話すわけにはいかなかった。道々彼から「ブラックの恋人ではなかったのか?」と質問を受けるウイユは、はぐらかして答えない。必死で食いつくパブロに、彼女はこう言った。「酔いが覚めたらね。さぁ、部屋に着いたわ。今日は私も泊まっていくわ」
註:ここでは「そのまま眠る」選択肢を選んだ方が良い。
次の日、公文書館でブラックについて調べるパブロの姿があった。
359 ウイユヴェール--- ブラック---sage03/12/1523:22ID:BqjfFoV/ エドガー・ブラック片足のカリスマと云われた、反政府ネットワーク、ラガ派の2代目代表。788年、わが国初の民主制選挙、俗に云うキュビスト選挙でラガ派最有力の地位にありながら、選挙直前の演説で王族派の支持とラガの早期解散を宣言、ラガ派崩壊の引き金となる。それ以降の消息は不明、王族派かラガ派いずれかの刺客の手に落ちたものと見られている。
それがブラックの公式記録。パブロは、ブラックと自分が友人であったことを思い出していた。「そうよ、あなたが書いている片足の詩人は間違いなくブラックだわ。そこにも書いてある通り、彼は最後には仲間を裏切って行方不明になったのよ」どこまで思い出したか分からないパブロに備え、ウイユは慎重に言葉を重ねる。「私もブラックもあなたも、みんなラガ派の活動家だったわ。あなたはラガ派のロビィストで、機関紙でも自慢のペンを奮っていたわ。もしかしたら何か記録が残ってるかも知れないわね」しかし、パブロに関する記録は抹消されたものか、何処にも見あたらなかった。「聞きたいんだ! 僕はその頃、どんなことを言って、どんな活動をしていたのか。どうして海に転落してしまったのか!」
自分自身を知りたいと激しく求めるパブロに心を動かされたウイユは、こう持ち出した。
「その海に行ってみる?」
360 ウイユヴェール---海に沈むうさぎ---sage03/12/1523:27ID:BqjfFoV/---海に沈むうさぎ---
海辺でブラックに呼びかけるパブロ。ウイユはそんな彼を重傷を負ったパブロが流れ着いた海岸まで誘う。
『ブラック、あなたには消えてもらうわ。運命には逆らえないのよ、悪く思わないでね』『ウイユヴェール……君は仲間だと思っていたよ。残念だ……』『すっかりラガの臭いに毒されたわね。言うことはそれだけ?』『短い間だったけど……いい仕事が出来た……』『ブラーーーーック!!その女から離れろーーーーー!!君にはまだ使命があるだろーーーー!!』
次から次へとフラッシュバックする記憶の波に翻弄され、パブロはウイユに必死ですがりつく。真実は、パブロの消えた過去の中にあった。
361 ウイユヴェールsage03/12/1523:28ID:BqjfFoV/360はちょっと、イマイチだな。もう少し359から推敲すれば良かった。 すまない。
362ウイユヴェール ---ウイユヴェール---sage03/12/1523:48ID:BqjfFoV/---ウイユヴェール ---はちみつのような甘い髪の色、緑色の瞳の女、彼女の名前はシモーヌ。だけどその名前も本当の名前かどうか……僕は彼女をウイユヴェールと呼んでいた男を知っている。彼は僕の親友、彼はシモーヌの恋人。だけど、彼は殺されてしまった。はちみつの髪のウイユヴェールに……
記憶の闇は明るみに照らし出された。しかし、覆った水が戻らないように、パブロの記憶は完全には戻らなかった。「答えてくれ、もっと思い出したいんだ」求めるパブロに、ウイユは自らの身分を明かした。「ウイユヴェールが私のコードネーム。使命はブラックの監視。」だが、答えを求めていたのは彼女も同じだった。「すぐにブラックに会うことになるわ。でもその前にいくつか聞いておきたいの」詩人の話の続きを聞かせて」
註;上記の選択肢以外でエンド7へ
---CLEF DE REVOLUTION --- 革命の鍵「詩人は…… ブラックは…… 最後は僕達と一つの心になっていたんだ。だから君がブラックを始末した! でも、それで終わりじゃない」「ブラックは……君にメッセージを残して死んだんだ!それなのに君は…… 君って女は!!」
『ウイユヴェール 僕は最後のカードを手に入れたこれで君も僕も自由になれる』
僕には意味がわからなかったと悔やむパブロと反対に、ウイユはメッセージの意味を悟り息を呑んだ。「ブラック……最後のカードって、あなた、まさか……」「シモーヌ、どう言うことなんだ、最後のカードって何なんだ!?」殺し屋、デュシャン……どんな仕事もしくじったことのない、世界最強の殺し屋……彼に仕事を依頼する者は3人のエージェントを介さなければならない。3人目のエージェントが代金を受け取り、依頼者に割符を渡す。それをデュシャン本人に渡して最後の確認とする。説明が割り符に及んだとき、ウイユはブラックの最後を思い出した。
***『ウイユヴェール君の誕生日に渡そうと思っていたんだが……』『動かないで! 子供じみた手は使わないことね。私が本気で愛してたとでも思ってるの?』『これなんだが…………ウイユヴェー……ル』***
ブラックが懐で手にしていたペンダントヘッド。それが符丁だった。
363ウイユヴェール ---ウイユヴェール---sage03/12/1600:04ID:Tf30nSzR---La Paixdeuxans---【二年の平和】「王族派左派ナンバー3ウイユヴェール……毒殺のプロフェッショナル……そんな人物が代理人とは、わけありだな」「さすがはプロね」対面したデュシャンは、苦もなくウイユヴェールの正体を見破って見せた。依頼主の死因を知る必要などないとすげなく答えると、彼は合理的に仕事の話をすすめていく。王族派のトップ、ヒューラー、バイン、ビョルンの始末。仕事に失敗した後の代金の返却。
「8日経って何も変わっていなかったら、ブラックから預かった金は返す」「それまで生きていたいなら、正面玄関は避けた方がいいな……」
ホテルの外にはウイユヴェールを監視するポワソンリーの姿があった。「ありがとう、デュシャン。あなたも気をつけて」音もなく姿を消した暗殺者に礼を述べた後、ウイユは無言で佇むパブロに笑いかけた。「行くわよ、パブロ。一緒に地獄を見ましょう」
3日後、王族派情報部トップ・ヒューラー。ナンバー2・バイン。殺し屋・ビョルンこの3人が次々と暗殺され、王族派情報部は機能を停止した。
同時に分裂状態にあったラガ達が次々と立ち上がり、各地でテロが発生。暗黒時代が到来する。ウイユヴェールとパブロの消息は、王党派トップの急死による混乱で明かされず。
364ウイユヴェール ---カイィ”カボチャ叩き”モンテスト---sage03/12/1600:12ID:Tf30nSzR 訳者 後書き(前略)原本の一部は傷みが激しく、他の訳やエナビア記等の正史を頼りに補うしかなかったが、可能な限り原点に忠実に現代語訳にあたったつもりでいる。(中略)正史にはウイユヴェールもパブロも、もちろんデュシャンも登場しないし、ブラックも単なる王族側のスパイとして描かれている。王族右派のナンバー3は、マリア・ノボセリックであるともされている。だが、婚姻後は事実上幽閉状態にあったマリアをナンバー3と考えるよりは、腹違いの妹であるとされるシモーヌ(ウイユヴェール・正史ではアーネスタ・ブローと推測される)を据えた方が納得が行く。革命後の2年の空白に関しては記録も少ないのでこれ以上の判断はしかねる。失われたパブロの記憶の様に、静かに眠らせておいた方が良いのかも知れない。(後略)
988年磨羯の月26日 教会の見える自宅にて
カイィ”カボチャ叩き”モンテスト
371ウイユヴェール ---カイィ”カボチャ叩き”モンテスト---sage03/12/1600:47ID:Tf30nSzRウイユヴェール>340-342 >348 >354-355 >359-360 >362-364・若干の用語補足
ロビィストlobbyistロビー活動の専門家。陳情者。議院のロビーにおしかけて「議員に圧力をかけることを業とする人」の意。
キュビスト選挙788年におこなわれた、この国初の民主制選挙。それによって議会が誕生。しかしブラックによるラガ裏切りなどにより、当時優勢だったラガが分裂状態に陥り、けっきょく旧政府のメンバーがそのまま選出された。したがって実質的な変革はなされぬまま革命は終了。
「アビヤント」ではまた、近いうちに、の意。フランス語。ウイユで使われているカタカナは大抵フランス語である。
「ジュテ~ム ケスコンヴァ フェール ドゥマ~ン」愛してるよ。明日は何をしようか?
王族派ウイユらが属する派閥。王室の繁栄のために動く。私は王党派と書いてしまったが、作中では王族派です。
ラガ派反政府ネットワーク。幹部にウイユら以外に4人の王族派のスパイがいた。史実的にはラガ幹部の3割は王族派のスパイだったとされている。支持者のことをラギストと呼ぶ。革命後は地下へと姿を消した。
パブロの夢いかなる政治勢力をも排した純粋な民主党をブラックとともに作ることが彼の夢だった。しかし、王族派に家族と愛するウイユを握られていたブラックは、パブロの夢を蹴った。
373 ウイユヴェール sage 03/12/1601:25ID:Tf30nSzRウイユヴェール>340-342 >348 >354-355 >358-360 >362-364
358が抜けていた。すまぬ……ついでに読み返すと誤字やいらん文字が多かったりするね。コピぺする時ミスったみたいです。あ。攻略法の肝は大抵書いてありますが、サンティールに冷たくするとパブロくんが後半で殺されてしまうので気を付けてください。
なお、パブロやウイユの心情については、エンド8をやっただけでは全てを把握することができません。このゲームの曲者なところです。心情について把握したい場合、最低でもエンド3~エンド7まで見る必要があると思います。この詳細は、全てのエンドを見たことを前提にして書いてありますので、エンド8を見る過程では書かれなかった描写も載っていたりします。ぶっちゃけ、パブロがウイユに感じた殺意の事なんですけど。
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