スパロボキャラバトルロワイアル@ ウィキ内検索 / 「命あるもの、命なきもの(1)」で検索した結果

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  • 命あるもの、命なきもの(1)
    「あれは……?」 こちらに近づく2つの機体を見つけ、イキマは目を細めた。 一体は、ガルドが、かつて乗っていたエステバリスカスタム。もう一体は……見たことがない 外見は一言で言うと、悪魔と形容するのがふさわしい機体だろう。 余談だが、元々美的感覚などが人間と異なるイキマはディス・アストラナガンに確かに警戒こそ覚えたが、 不快感やおぞましさというものは覚えなかった。むしろ、彼らの作ってきたハニワ幻人にフォルムは近いのもある。 そこでイキマも思い出した。 『悪魔』。 つまりそれは仲間内で警戒しろと言われていたあのロボットを示す言葉だ。 動きの悪いグルンガストを強引にむき直させる。 簡単な方向転換も、何度かレバーを引き直しやっと動いてくれた。 損傷の激しさを感じ、背筋に冷たいものが流れる。今のグルンガストに戦闘は事実上不可能だ。 もし、予測通りあの『悪魔』に、能動的に人を殺...
  • 命あるもの、命なきもの(2)
    「シロッコさん、ちょっとあそこ!?」 「わかっている」 ミオが指さすほうをシロッコは興味深く観察していた。彼と彼女は、今ヘルモーズの側にいる。 シロッコの考えた策とは、簡単に言うと、ヘルモーズの襲撃だった。 ユーゼスが死亡し、統制がとれていない状態で、今現在首輪を外した自分たちが強襲し、機体を奪取。 それが簡単な青写真だ。もっとも、あの空間転移式バリアがまだあるかどうかチェックした上での予定だったが。 首輪がない以上、牙を剥いても首輪を爆破される心配はない。 さらに、バリアが利いていて無効化されるならこちらに攻撃を仕掛けることはないとシロッコは計算していた。 なにしろ、その攻撃を決定する統括者がいないのだ。 加えて、それだけで攻撃を仕掛けてくるなら、首輪をはずしている段階でなんらかのアクションを取っている筈。 そう考え、ウィングガストの背に乗り舞い上がって、さて仕掛ける...
  • IF(2)
    ...lOGQwIk氏 命あるもの、命なきもの(1)命あるもの、命なきもの(2)命あるもの、命なきもの(3)(IF ver.)※(1)~(2)までは本編と同じ イキマミオラミアフォルカシロッコユーゼス ディス・アストラナガンブラックサレナラーゼフォンソウルゲインジ・Oグルンガストアンジュルグ 三日目08 30 E-4 ◆ncKvmqq0Bs氏 てのひらの切り札 ユーゼスマサキ ヴァルシオングランゾン 三日目9 40 D-6 ◆tQvGJUwLvI氏 無題(未完) クォヴレーユーゼスミオフォルカシロッコ ディス・アストラナガン真聖ラーゼフォンブラックサレナソウルゲインジ・O 三日目- D-6E-7 ◆uiAEn7XS/.氏 IFネタトップに戻る 序盤~中盤の没ネタ・IFネタ
  • 命あるもの、命なきもの(3)
    ―――ウルトラマン。 赤の代わりにドス黒く、捻じれた紋様を体に刻まれたウルトラマンだった。 試作型のゼスト。 実験段階で、以前のゼストを模して作られた、できそこないのゼスト。 数多の打ち捨てられたユーゼスの妄執だけが容となったもの。 ウルトラマンを超えるウルトラマン、帰ってきたゼスト。 第252話   命あるもの、命なきもの 偽神    ゼスト・ザ・リターン    登場  ◆   ◆   ◆ 「LUA■DYEWT■■―――!」 人にあらざる言葉でゼストが咆哮する。 モニターには、それを無理に人語に翻訳した結果できたでたらめな言葉の羅列が表示される。 それもところどころ認識されず、黒く塗りつぶされていた。会話など、できそうにもない。 「―――速いッ!?」 軽く500mは離れていた距離を、残像だけを残しゼストがつめる。 背...
  • 251~300
    ...1fk6氏 252 命あるもの、命なきもの(1)命あるもの、命なきもの(2)命あるもの、命なきもの(3) イキマミオラミアフォルカシロッコユーゼス ディス・アストラナガンブラックサレナラーゼフォンソウルゲインジ・O 三日目09 20未明 D-5E-5 ◆ncKvmqq0Bs氏 253 冥宮のプリズナー ユーゼスマサキ ヴァルシオングランゾン 三日目09 00 D-6 ◆uiAEn7XS/. 氏 254 それぞれの『意思』(1)それぞれの『意思』(2) ミオラミアフォルカシロッコ ブラックサレナラーゼフォンソウルゲインジ・O 三日目10 00 E-5 ◆KX4nhL0NJs 氏 255 辿り着けばすでにそこは終わりの始まり ユーゼスマサキクォヴレーイキマ ヴァルシオングランゾンブライガーディス・アストラナガン 三日目09 50 D-6 ◆uiAEn7XS/. 氏 256 悪魔転生(前編...
  • 命あるもの、命なきもの(IF)
    ―――ウルトラマン。 赤の代わりにドス黒く、捻じれた紋様を体に刻まれた最初のウルトラマンだった。 試作型のゼスト。 実験段階で、DG細胞に代わるものとして研究されたカオスヘッダーで作られた、できそこないのゼスト。 数多の打ち捨てられたユーゼスの妄執だけが容となったもの。 ウルトラマンを超えるウルトラマン、カオスロイド。    第252話   命あるもの、命なきもの 試作型ゼスト    カオスロイド     登場  ◆   ◆   ◆ 「デゥヷッ!」 「―――速いッ!?」 軽く500mは離れていた距離を、残像だけを残しカオスロイドが走る。 組んだ両腕がギリギリで間に合った。そこに、カオスロイドの正拳が撃ち込まれた。 「しかも―――重い!」 不死鳥相手も一歩も引かなかったソウルゲインが後ろにたたらを踏む。 両腕を組んだため...
  • 第五回放送まで
    ...S/. 氏 252 命あるもの、命なきもの(1)命あるもの、命なきもの(2)命あるもの、命なきもの(3) イキマミオラミアフォルカシロッコユーゼス ディス・アストラナガンブラックサレナラーゼフォンソウルゲインジ・O 三日目09 20未明 D-5E-5 ◆ncKvmqq0Bs氏 255 辿り着けばすでにそこは終わりの始まり ユーゼスマサキ ヴァルシオングランゾン 三日目09 50 D-6 ◆uiAEn7XS/. 氏 254 それぞれの『意思』(1)それぞれの『意思』(2) ミオラミアフォルカシロッコ ブラックサレナラーゼフォンソウルゲインジ・O 三日目10 00 E-5 ◆KX4nhL0NJs 氏 256 悪魔転生(前編)悪魔転生(後編) ユーゼスマサキクォヴレーイキマ ヴァルシオングランゾンブライガーディス・アストラナガン 三日目11 00 D-6E-7C-7 ◆VvWRRU0SzU...
  • 全体マップ
    全体マップ MAP画像 以下、ネタバレ注意 生存者現在地  (第252話『命あるもの、命なきもの』まで 簡易現在地 A B C D E F G H 1 カツ ハマーンハチロープレシアギレンラトリオ ゼオラキラハッター竜馬 イングラム ラージ 2 ジャックジョシュアセレーナチーフリョウトリュウセイ 3 アクセル アルマナフェルナンドゼンガーラッセル 4 クルーゼ D・B タシロ副長B・ラミア鉄也マシュマー 宋介ウルベ 5 アムロブンタ シュウ イキマ ミオシロッコフォルカラミアハイネル宙アキトルリガルドヴィンデル 6 ユーゼスクォヴレー バラン 三輪 遷次郎ヒイロアスカシンジフォッカーイサムヤザントウマ東方不敗 7 アラド バグ 8 一色...
  • 冥宮のプリズナー
    冥宮のプリズナー 木原マサキの視界が白一色になった。 シュウとの会話が終わり、そしてその後に訪れたのは何故か眩しくもない光に包まれる不可思議な事態。 今更、何が起ころうと慌てることはしない。 認めるのは癪だが、この世界には自分に理解できぬほどのテクノロジーが見本市のように無数に存在する。 自分に何かできることがあるのならともかく、そうでないのなら慌てるだけ無駄というものだ。 それよりも、そこから一つでも多くの情報を収集するために、観察に集中するべきである。 己の感情をコントロールして、心を平静に保つ。 これが現在の自分にできることだ。 光の先に何かが見えたのはその時だった。 光に包まれえる前の光景とは、明らかに違う。 どこへ飛ばされるのか。 これはシュウの意思か、それとも完全にランダムなのか。 だが空間転移を明確な座標も設定せずに行うなど...
  • 糸の切れた人形
    糸の切れた人形 ──深い、闇。 “ソレ”から逃げるようにゆっくりと瞼を開く。 先程まで見詰めていたモニターは白い閃光で焼かれ、今は何も映ってはいない。 ぼんやりとモニターを見、ラミアはもう一度瞳を閉じた。 再び広がる闇の中に求める姿は無く、しかし、焼けついたモニターも彼女が求める姿を映しはしない。 (ユーゼス様……私は……) ジュデッカを駆り現れたユーゼスの支持を受け、ヘルモーズに戻ったラーゼフォンは格納庫の床に無造作に座り込んだ。 頭部の翼もダラリと垂れ下がり、その姿は糸の切れた操り人形の様。 「貴方の人形……」 ラミアは目を閉じたまま小さく呟き、モニターをゆっくりと触る。 ──モニターが閃光に焼かれる一拍前、確かに見た。 エスカフローネとR-1が放つ光にジュデッカが塗り潰され...
  • 限りある永遠の中で(3)
    限りある永遠の中で(3) 「が……はァッ!」 ユーゼスが、目覚めた。 今まで自分を満たしていた水分を、喉からかき出す。 「フォルカ・アルバーグ………まさかここまでやってくれるとは………」 自分の手を見る。そこにあるのは、老人の腕、ではない。 若々しい張りのある肌。それは……若者のそれだった。 運が、よかった。 いくら、記憶を封入したナノマシンがあるとはいえ…… 自らの『魂』が還ってこないのでは、この肉体もイングラムや、クォヴレーのような存在になってしまう。 元々、『あの世界』と同じようにゼストには、事前に調整、強化した完全な肉体で融合する予定だった。 これは、あくまでそのための器のつもりだったが…… 「緊急用に、記憶の随時ダウンロードを行っていたのが、功を奏したな」 ふらふらと立ちあがり、そばに置いてあった仮面と衣服をつ...
  • IF投下順
    参考:本編との比較(投下順) No. タイトル 時刻 場所 001 導入 一日目 ヘルモーズ 002 ルール説明~開始 一日目 ヘルモーズ 003 アムロの決断 一日目12 00 A-8 004 ケモノ 一日目 G-6 005 廃墟の中で 一日目 D-3 006 独裁者はその尻尾を隠し 一日目 C-6 007 レーゾンデートル 一日目 F-8 008 無題 一日目 G-4 009 それぞれの思惑 一日目 C-5 010 信頼以上恋未満 一日目 E-1 011 二人のACE ATTACKER 一日目 C-8 012 駆け抜ける武人 一日目 C-3 013 戦うコック 一日目 H-8 014 逃げる者、戦う者 一日目 H-3 015 漆黒の蝿 一日目 A-8 0...
  • IF時系列順
    参考:本編との比較(時系列順)  ※時刻表記のないものについては内容から推測 No. タイトル 時刻 場所 001 導入 一日目 ヘルモーズ 002 ルール説明~開始 一日目 ヘルモーズ 003 アムロの決断 一日目12 00 A-8 004 ケモノ 一日目 G-6 005 廃墟の中で 一日目 D-3 006 独裁者はその尻尾を隠し 一日目 C-6 007 レーゾンデートル 一日目 F-8 008 無題 一日目 G-4 009 それぞれの思惑 一日目 C-5 010 信頼以上恋未満 一日目 E-1 011 二人のACE ATTACKER 一日目 C-8 012 駆け抜ける武人 一日目 C-3 013 戦うコック 一日目 H-8 014 逃げる者、戦う者 一日目 ...
  • 闘鬼が呼んだか、蛇神が呼んだか(後編)
    闘鬼が呼んだか、蛇神が呼んだか(後編)  クォヴレーがD-6で先ず見つけたのは、直径5kmはある巨大なクレーター。それを見つけた時、クォヴレーの脳裏に最悪の事態が過ぎった。  しかし、そんなことがあるはずないと頭を振り、クレーターから目を逸らし、必死に仲間の姿を探した。クレーター内には特に何も見当たらなかったので、周囲の山岳地帯の影や谷間を、懸命に探す。 (いったい、ここで何があったんだ!? クレーターの中心部で大爆発……周囲の土も蒸発してしまうほどの……)  考えて、またも嫌な予感が脳裏を過ぎり、クォヴレーは頭を振った。振り払った。  或いは、彼がクレーターに近付こうとしなかったのは、その予感の裏付けとなるような物を見つけてしまうかもしれないと、恐れていたのかもしれない。……実際に、そうなのだろう。  突如、微かに頭痛がした。同時に、今まで感じたことのない何か……大...
  • それぞれの『意思』(2)
    「ああいう時はね、大きな声で『おいっす!』で返すのがお約束なのよ。  っとと、知らなきゃわかんないか。ていうか、もう知ってる人も少ないのかな。  最近じゃ『志村、後ろ後ろー!』のネタも間違った使われ方してるくらいだし」 ラミアとミオは、河原の土手に座り、話し込んでいた。 と言っても、ミオが一方的に喋り倒しているだけだが。 「でもラミアちゃん、結構ボケの素質あると思うんだよねー。  どう?この戦いが全部終わったら、そっちの芸の道を進んでみるってのは?」 「……何故」 場違いなほど明るく振舞うミオに、ラミアは暗い表情を変えずに呟く。 「何故、私に話しかける」 「……そりゃさ、あんだけ暗い顔してちゃほっとけないし。  って言うか、ラミアちゃん美人なんだから、もっと笑顔でいなきゃ」 「笑顔……?」 「そ。ほらほら、しかめっ面してないで、笑った笑っ...
  • 辿り着けばすでにそこは終わりの始まり
    辿り着けばすでにそこは終わりの始まり  巨大な隔壁が閉じて、ドームは再び閉ざされた空間となる。  その空間に存在するものの中で人間と呼べるものは――その定義には諸説あるだろうが――二つだけ。  青き魔神グランゾンを駆る木原マサキと、それとは対照的な赤いボディの究極ロボ、ヴァルシオンに乗るユーゼス・ゴッツォ。 「貴様がここまでやるとは意外だったぞ……木原マサキ」 「……いいたいことはそれだけか。ならばさっさと死んでもらおうか!」  グランゾンがその力で虚空に穴を開け、そこから青白く輝く大剣を掴み出す。  その切っ先をヴァルシオンへとかざし、マサキは鋭い殺気と共に言葉を叩きつけた。  だがユーゼスはそれに対して、尊大な態度をまったく崩すことなく応じる。 「お前がシュウ・シラカワを倒した時には、正直少なからず驚いたものだが…….  まさか...
  • てのひらの切り札
    てのひらの切り札 「またも直々のお出ましとはな、ユーゼス・ゴッツォッ!」 姿を現した怨敵に木原マサキはグランゾンを踏み込ませ剣を振るう。 しかしその出会いがしらの一撃は、難なくディバインアームに防がれる。 「ふん、何度も言わせるな、私に役目を終えた道具を残す趣味はない」 大方の魂を回収し終え、ゼストの降臨が確定した今、 もはや特異点たるグランゾンとそれを自在に操る木原マサキは、 ユーゼスにとって予測不能の障害に過ぎない。 アースクレイドルの存在を生存者たちに気づかれる可能性は考慮していたが、 これほどの早期に空間転移をもって乗り込まれるとは流石に予想外であった。 クロスゲートパラダイムシステムが健在なら予測可能だったかもしれない事態に、 内心彼は舌を噛む。やはりこの男は危険だ、このまま放置すれば何をやらかすかわからない。 だからこそリスクを承知で自らマサキを排除...
  • 限りある永遠の中で(1)
    限りある永遠の中で(1) 「反応値B-、念動フィールドの収束率をA+に設定……CPSの稼動状況はどうなっている?」 ユーゼスの言葉に合わせて、4,5個のウィンドウが現れ、現在の状況を表示していく。 ユーゼスはそれを見て、仮面の下で顔を歪ませた。 それらの推移値は……ユーゼスからすればあまり芳しくないものだったのだ。 負の心は加速的に集まっている。人数こそ減ったものの、この12時間の膨大な死者の心は水準値を越えていた。 しかし、ゼストに宿すための、『魂』がまったく足りていない。 あの、マシュマーの一撃。 それは、ユーゼスにとって最悪のケースを導いたと言ってもいい。 ゼストに込める負の心は集まっているが、肝心の肉体が完成していないのだ。 事前に、多元世界を巡りこのヘルモーズのズフィルードクリスタルを打ち込むことで、 様々な文明の超技術を記...
  • 全ての人の魂の戦い(1)
    全ての人の魂の戦い(1) 「まず、差し出がましいことかもしれないが、今わかっていること、成すべきことを確認しよう」 デビルガンダムへ急行する最中、タシロが話を切り出した。 「まず、あのガンダムは、非常に巨大だ。地表から見える部分でも巨大だが……あの竜のような首が地面の中に広がっているだろう」 おそらくですが、と前置いて地中で放射状に広がっていること、首は数百m、そこから数kmは射程であることを副長が付け加えた。 「だが、それでも征かねばならん」 「だからこそ、君たちの情報がまだ救いなのだ。」 「あれだけの巨体なら、自立行動が可能なはずです。しかし、人間をわざわざ取り込んだ。  これはつまり人間をなにか重要な機関として使用している可能性が強いでしょう。  そして、どんなマシンでも生物でも再生不可能な機関を失えば……」 「……止まるやもしれん、ということか?...
  • それぞれの『意思』(1)
    それぞれの『意思』 ヘルモーズが、沈む。 全長20キロの巨大戦艦が、凄まじい炎と共に落ちていく。 炎はやがて大地に激突し、地獄の業火となって周囲の全てを焼き尽くした。 それは大地だけに飽き足らず、空をも血のような紅い色に染め上げる。 その光景は、世界の終焉を思わせるほど壮絶なものだった。 ラミア・ラヴレスは一言も発することなく、その一部始終を見届けていた。 落下場所から数十キロ以上離れた、彼女のいる場所からでもはっきりと見えた。 私の行為は正しかったのか。 ラミアは自らに問いかける。 自分の行為が正しいと確信している人間などいない……ミオ・サスガはそう言った。 そして、それでも生きている自分達は動かなければならない、と。 だからこそ……問わずにはいられない。 私は、何をしているのだろうか。 そして、何をすればいいの...
  • 草は枯れ、花は散る(1)
    草は枯れ、花は散る(1) 朝の光が、血と憎悪に濡れた大地を照らす。 それはどこか神秘的であり、血生臭い殺し合いが行われているとは思えない光景だった。 憎たらしくなるほど美しいその朝焼けの中を、二体の巨人が並んで飛んでいく。 ディス・アストラナガンと、マジンカイザー。 今や、殺し合いを止めるための鍵とも言える二機の姿は、禍々しさを感じさせる。 満身創痍の悪魔と魔神、それらと朝の光とのコラボレーションは、 絶望に抗う彼らへの嫌味か当てつけかのように、ミスマッチ極まりなかった。 四度目の放送が流れてから、ミオとヴィンデルは一言も口を開いていない。 もっともミオのほうは、盗聴の可能性を考えて、会話は控えているのだが。 しかし、彼女の表情には普段の明るさはなかった。 突きつけられた現実から考えれば、それも当然である。 22人――放送で読み上げられ...
  • ファイナルバトルロワイアル(4)
    ファイナルバトルロワイアル(4) 「虫けらが――!」 「そういう傲慢があるから彼女に否定されるのだよ貴様は!」 「!!」 突撃するジ・O。それを阻むべく、再びユーゼスがオーラの壁を作る。 上下左右から襲い掛かる赤黒い波はシロッコの視界を埋め尽くし、突破口など見えないように思える。 だがシロッコには見える。このオーラはつまりヒトの心、マイナス思念の塊だ。 ニュータイプの感覚でそれを先読みしてかわす。 悪霊の念を感じることで少々精神が堪えるが、強烈なプレッシャーが消えうせた今のユーゼス相手ならば造作もない。 上にかわす。そして左、右、斜め左上方にやや後退気味にかわし、切り返して右へと寄りながら前へ。 真正面からの一撃。思念の集合体、そのもろい部分をグラビトンランチャーで撃ち抜き正面突破。 ――見えた! 「貴様……!」 「ミオ・サ...
  • 二人のACE ATTACKER
    二人のACE ATTACKER 「XXXG-00W0…ウイングガンダムゼロ、か」 操作マニュアルを片手に、リョウト=ヒカワは自分に支給された機体を見上げた。 目の前にそびえ立つのはトリコロールカラーが目に鮮やかな鋼の巨人…否、むしろこの形状は天使と形容するに相応しいか。 その優美な外見とは裏腹に、随分と凶悪な機体のようだ。 コロニーをも貫く高出力のビームライフルが二丁、更に搭乗者に未来を見せるというインターフェース「ゼロ・システム」。 果たして、自分に扱うことが出来るのだろうか。 (…とにかく、戦わずに済むのならそれが一番いいんだけれど…) 甘い考えだと、内なる自分が囁く。 首もとから伝わる冷たい感触。これがある限り、逃げることは叶わない。 それに、恐怖に駆られて殺戮に身を落とす者も居るだろう。 「一体、どうすれば…」 その時、轟音と地鳴りが...
  • ツートーン遭遇
    ツートーン遭遇 アクセルが乗るX1は森から離れ、川を渡っていた。川自体は意外と深く 機体の腰まで浸かる深さだ。 「水も滴るイイ男ってか~」 と冗談を抜かしながら川を渡り終えようとしていたその時、 遠くに小さいながら機影が見えた。向こう岸の森の木をなぎ倒しこちらに迫ってくる。 アクセルは警戒した。ただの移動なら気付かれるほど加速はしない。 何かある。彼はそう思いながらも極力向かってくるパイロットを殺さずに 捕獲するために使う武器を考えた。向かってくる機体のスピードから察するに それほど装甲が厚いようには感じられない。なら、もし攻撃してきたときの 防御も考えられるものがいい。ならここはストレートに盾自体を使おうと彼は考えた。 ビームシールドは粒子が盾になるフレームに膜を貼るもの(とマニュアルにあった)なので、 攻撃力も意外とある。 一見滅茶苦...
  • 発-hatu-
    発ーhatu- いるよ… ダダッ!ダダダダダダダ!! 広い廃墟内に響く銃声。 「ふも…ふもふもふ!(なるほど…見た目はふざけているが、高度なパワードスーツ。そう見ればそう悪い物ではない…と言うことか)」 今、愛らしいぬいぐるみ──ボン太くんを装着しながら、 見た目に似合わない無骨な武器を使い試し打ちをしている男。彼の名はB・D。 各参加者が大小違いがあるものの、殆どが二足歩行ロボの中、自分だけこのようなきぐるみを渡された時はどうしたものか、 せめてバイクとかならと思っていたものの、いざ装着してみるとレーダー、武装と対人戦を想定するならば 決して悪い性能ではなく一安心していた。軍人として訓練を受けていた自分としてはなおさらだ。 「ふもふもふも…ふもっふ。ふもふもふも…ふもっ!?  (とはいえ…巨大な未知のメカがいる中、このサイズは厳しい。  ...
  • その身に背負うものは
    その身に背負うものは 暗闇の中、ライトに照らされて浮かぶ巨大ロボットのコックピット。 パイロットシートには誰のものともわからない大量の血痕がべっとりと付いており、 その座席はまるで処刑や拷問に使う器具のように不気味にうつる。 G-5エリアに放置された機体、 グルンガストを発見したクォヴレー、トウマ、イキマの三人はこの血まみれのコックピットの前で思案に暮れていた。 発見した直後、まず三人が行ったのは機体の損傷チェックである。 胸部装甲がかなり傷ついていたが致命的ではない。 そしてメインカメラはオシャカになっていたが、サブカメラが何とか生きていた。 トウマの話によれば、このグルンガストは空陸それぞれの移動形態に変形可能な上、並の戦艦以上の火力と装甲を併せ持つ機体らしい。 それが本当なら、是非とも戦力として運用したいところだ。 クォヴレーのブライガーは強力...
  • 終わらないレクイエム
    終わらないレクイエム 「さて、そうなると移動が必要になるな」 ウルベがそう話を切り出した。 「肯定だ」 言葉少なく、宗介がそれに賛同する。 (やはり、まだ信用されてはいないか…) 「しかし、いきなり全員がぞろぞろ移動するのは危険だ。ここは一度索敵を行うべきだと思わんかね?」 「肯定だ。奇襲などの危険もある」 「あの…じゃあどうすればいいんですか?」 あまり軍事に詳しくないシンジが口をはさむ。待ってましたとばかりにウルベが饒舌に話し出した。 「一度誰かが調査して、安全を確かめてから移動するのがいいだろうということだ。それは私がやろう。  空を飛ぶことができるため、広範囲に索敵でき移動も速い。」 一見、味方のために危険な役を引き受けるよい上官のように聞こえるが、腹の中はこうだ。 (多少信頼を得なければ駒としては使いづらいか。ある程度索敵を行った...
  • 黒の交錯
    黒の交錯 「ルストトルネェェェド!」 機体のすぐ横を荒々しい竜巻が通り抜ける。気が吹き飛び、砂塵が巻き上がる強力な威力。 その高い機体性能のおかげでなんとか攻撃を避け続けているものの、プレシア=ゼノキサスにとって 今の状況は悪夢以外の何物でもなかった。 「お願いです!こちらは戦う積もりなんてないんです!だから攻撃をやめ・・・きゃぁっ!」 外部スピーカーをONにしてまるで悪魔のような姿をした機体に向けて必死で呼びかけたが、 その台詞が終わる前に跳んできたミサイルがグランゾンの装甲を直撃する。 しかしミサイル程度ではグランゾンの装甲には傷一つつかなかった。改めてその装甲の厚さに驚嘆しつつ プレシアは顔を伏せる。 (グランゾンの力・・・それは目の前で父を奪われたあたしが一番分かってる。速く、強い。ディアブロなんかと比べ物にならない) プレシアの父――ゼ...
  • ファイナルバトルロワイアル(5)
    ファイナルバトルロワイアル(5) 音が聞こえる。 雨か。声か。それとも歌か。 崩壊する世界は音に満ちている。 だがそれは不安や恐れを呼び起こす類のものではない。 心地よい、安らぎを与える音だ。 解放された魂の声が、正しくあるべき輪廻の輪へと旅立っていく、その喜びを歌っているようだった。 ――よかった。 フォルカは心からそう思う。 全身の疲れすらも心地よく感じるほどの充実感が、その心中に満ち溢れていた。 紅く、黒く、禍々しかった魂の渦は怨念の支配から解き放たれ、陽光に照らされた新緑のような優しい輝きで、戦いを終えた修羅王を包んでいる。 その魂たちがどこか遠い世界へと昇っていく。 彼らもあの中にいるのだろうか、とフォルカはぼんやりと考えていた。 ――ありがとう。そして、またいつか。 さようなら、ではない。 自...
  • 龍と悪魔
    龍と悪魔  世界が姿をゆっくりと変えていく。太陽が支配する時間から、月と星の時間へと移ろうとする狭間の時。 西空が赤く染まりゆく中、気の早い星は既にその存在を主張している。 その空を、一つの細長いシルエットが飛んでいく。青いボディにオレンジ色の光を受ける姿は、龍だ。 龍は飛びながら放送を聞く。死亡者は十二名。 その数字は、既にそれだけの戦闘が、命のやり取りが行われたということに他ならない。  龍の中、ヤザン=ゲーブルは不機嫌そうに舌打ちをする。 自分はまだ誰一人殺していないというのに。既にそれだけの戦いが行われているのかと思うと全く面白くない。 先ほど偵察をしていたときも、すぐ隣のエリアで戦闘が行われていた。機体がまともに動く状態ならすぐにでも参加したのだが、 修復がまだ終わらない状態では見ていることしかできなかった。  だが。それももう終わりだ。夜が...
  • 今、『成すべき事』は
    今、『成すべき事』は 「はぁ・・・はぁ・・・どこにいるんですか・・・ウルベさん・・!」 蒼い龍のような機体に襲われ、宗介の言葉どおり、シンジはウルベを探しながら南下していた。 (今この瞬間にも宗介さんはあの龍の機体と戦ってるんだ・・・) 筋肉痛の痛みよりもまずシンジの心には不安が渦巻いていた。 「宗介さんならきっと大丈夫・・・」 そうは言ってみるものの、不安は薄まるどころか濃く、そして大きくなっていった。 必死に不安を振り払いながら南下していくシンジ。 少ししてシンジはあることに気づいた。 北の空が・・・赤い。 「森が・・・燃えてるの?」 森が燃えるなど戦闘以外に考えられなかった。 胃がキリキリと縮んでいく。 今まで何とか抑えていた不安が急速に巨大化していった。 不安に支配されたシンジの頭に浮かび上がるもの。 それは・・・宗介の死...
  • PROMISED LAND(1)
    PROMISED LAND(1) 世界が終わった。 コワレ逝く世界は、数多の亡骸とともに塵へと帰る。 神降ろしの儀式のため生まれた、そのための理想郷――プレーン・ワールド。 役目を果たしたモノはただ去るのみ。 新たな世界の産声を聞くのに、古き世界は必要ない。 嗚呼、美しき新世界よ。我が声を聴け。新たな世界に光と祝福を。 嗚呼、素晴らしき新世界よ。我が祝詞を受けよ。新たな世界に平穏と安息を。 ――例え、血と肉と呪詛と憤怒の上に成り立つ世界としても。 ……どこでもない場所で、6つの光が右へ左へと舞い踊る。 異様な場所だった。 『其処は何処か?』 ――敢えて言語化し、共通点をあげるとするならば『宇宙』。 上もない。下もない。右も左もない。重力のような力の指向性もない。 だが、宇宙ともまた別個たるもの。 なぜならば、ここには星...
  • 覚悟
    覚悟 「エルマ?適当に歩いてきちゃったけどここって地図で言うとどこらへんなの?」 「えーっと、G1ですね」 「アル、ECSの調子はどう?」 「プリズム・ファントムみたいに戦闘中に展開するにはちょっとエネルギー的に厳しいけど、  移動中に突然襲われるってのが無いのはやっぱり安心だわね・・・」 「セレーナさん、これからどうするんですか?」 「勿論あと二人殺す。ゲームに乗ってる奴をね。乗ってるか乗ってないか判断する為には、  折角のECSを切って姿を見せなきゃいけないのが厳しいけど・・・私だってゲームに乗ってるクズだからね。  それぐらいの覚悟を背負わないと、復讐なんてできやしないわ」 前方に敵機の反応 「!!ウワサをすれば影ってヤツかしら。アル、ECSを切って。エルマ、あの機体との通信を開いて。」 「ラジャ!」 ラージャ 目...
  • 全ての人の魂の戦い(2)
    全ての人の魂の戦い(2) ビームの隙間を駆け抜け、マジンカイザーは突進した。デビルガンダムの演算とデータを超えるスピード。 カイザーブレードを振りかぶり、デビルガンダムの頭上に振り下ろす。 デビルガンダムは3本の右腕でそれをうける。二本の右腕が斬られて飛び、 3本目の半ばで刃はとまる。さらに力を入れて押し切ろうとするマジンカイザーに対し、デビルガンダムは胸部を展開。 中から巨大な砲塔が現れ、緑色の光線――ゲッタービームだ――を発射。マジンカイザーを弾き飛ばす。 さきほどまでの攻防から見るなら、マジンカイザーはグシャグシャに潰れるはずだった。 しかし、今では装甲がひび割れるのみ。さらに撃ち込まれるメガ粒子砲をすべてかわしてみせた。 ヴィンデルは、今マジンカイザーと完全に一つになったといっても過言ではなかった。 マシンを操縦するものが、時として感じる完璧な一体感。そ...
  • それぞれの思惑
    それぞれの思惑  湖から街へと下るハイウェイを、一台のバイクが走っていた。 ワルキューレ――北欧の戦女神の名を冠した、赤い車体に跨っているのは一人の青年だった。  青年の名はトウマ・カノウ。 ダイナミック・ライトニング・オーバー …通称、大雷凰に乗り地球の、いや、銀河を守る為に戦った男である。  彼らの、命をかけた戦いにより、銀河に平和が訪れた・・・はずであった。 (それなのに…ユーゼス=ゴッツォとかいう、腐れ外道め!) トウマは心の中で、ユーゼスに飛び蹴りを入れた。 (…じゃなくて、これからの事だよな) …ゴッツォの名には聞き覚えがあった。 ゼ・バルマリィー帝国のシヴァー=ゴッツォ。 (多分、奴はバルマーの元関係者だ) 「だとすれば…アルマナを探したほうがいいな」  トウマは星を越えた友人の姿を思い浮かべる。 「それに…彼女を一...
  • 草は枯れ、花は散る(4)
    草は枯れ、花は散る(4)  * * * * * * * * * * * ――本当にこれで、よかったのか? 地に伏せ、動かなくなった魔神を見下ろしながら、クォヴレーは自らに問いかけた。 それは彼の中に、新たな迷いが生まれた瞬間でもあった。 (!? 俺は何を考えて……) 場に静寂が戻った。張り詰めていた緊張感も消えた。 気がつけば、頭痛もいつの間にか治まっていた。アストラナガンが離れたせいだろうか。 それに伴い、思考も次第に落ち着きを取り戻しつつあった。 本来の冷静さが戻りつつあった彼は、自らの行動と思考に疑問を抱く。 完全に、頭に血を上らせていた。今の行動は、あまりにも短絡的過ぎたのではないか? (……違う。奴らは敵だ。倒すべき仇……何を迷う必要がある!?) 汗を拭いながら、自分に言い聞かせる。汗と共に、迷いも拭い去るかのように...
  • 山間の戦い
    山間の戦い にらみ合いが始まって早4時間…… 決して姿を見せずの交渉も失敗に終わり、一種のこう着状態となっていた。 「………………」 一度は交渉にこぎつけたものの、4時間もの間、 ただただヤマタノオロチを狙い構え続けるヒイロのM9。 2時間ほど前から小型の機体がヤマタノオロチにいるのは確認しているが、 その小型と話しているためか、それからは再交渉の動きも、いや通信すらない。 過去をさかのぼり――― 「地球に住むカスどもを正し・・・・」 「ふむ・・・・」 (地球人ではあるようだが・・・敵対しているようだな。しかし、信じられぬな、この気配) (この手の人間はあちらの顔を立てておけば、ある程度扱うこともできるだろうが、さて頭の良さはどの程度かな?) ギレンとハイネルの交渉、と言ってもお互いの腹の探り合いのようなものだが・・・・ 交渉が行われてい...
  • ある野望の遺産
    ある野望の遺産 デビルガンダムは、既に次の段階への進化を始めていた。 その進化のスピードは、元々のデビルガンダムのそれに比べ、異常なまでに速い。 生体ユニットが女性であることも当然だが、やはりゲッター線の効果が大きい。 ミオ・サスガの持つ高いプラーナが、生体ユニットとして効果的に作用しているのかもしれない。 (素晴らしい……まさか、これほどまでとはな) その様子を見ながら、ユーゼスは感嘆の溜息をつく。 これなら、最終形態に辿り着くまで、そう時間はかかるまい。 さらに、アニムスの実をその身に取り込んだことで、デビルガンダムの自己進化機能が働き…… 実の遺伝子情報から、少しずつ、しかし確実に、デビルガンダムにベターマンの特性が備わっていく。 この上でベターマンを取り込むことができれば…… 神の身体は、ひとまずの完成を見ることになるだろう。 あまり...
  • 全ての人の魂の戦い(3)
    全ての人の魂の戦い(3) 腕から生えた小さな同じような触手が、怪獣に食い込んでいる。徐々に腕の色素が濃く、逆に怪獣の体は薄くなっていく。 ――まずい――直接同化して――のっとるつもりだ――あれでは抗いようが無い―― しばらく怪獣は暴れていたが、動かなくなった。 腕は、怪獣を『月』に取り込んだ。 『月』の表面が跳ねた。浮き上がった形は、何処か人の形に見えた。 確実に迫る絶望の化身。 「胎動が始まったということか!?」 ――おそらく――もう時間が無い―― 状況の悪化が焦りを呼ぶ。 しかし、時は待たない。ガイキングはまた攻撃を仕掛け始めた。 「なぜ、あれの味方をする!?あれが何か分かっているのか!?」 激しく戦いながら、会話は続く。 「分かっているさ!あれが他の参加者を皆殺しにするものだとな!」 ドリルプレッシャーパンチが発射される 「...
  • 覇龍 煌めく 刻(1)
    覇龍 煌めく 刻(1) 「ちょっと! あの機体って!」 D-6。 激戦の跡を窺わせる大地、倒れ伏す赤の巨人。 ミオ、シロッコ、フォルカの三人がここに現れたのは全てが終わった後のこと。 主のもとへ飛び去ったラミアを追い、また新たな仲間を迎えるためにここに来た。 「クォヴレーさん………の、機体だよね?」 そこにいた…、いや、「在った」のはもはや立ち上がることなき正義の旋風。 ミオからすればブライガーはヴィンデルを殺した、どちらかと言えばあまり好意的には見られない機体。 イキマからクォヴレーの状態に関する大方の事情は聞いたものの、そう簡単に納得できるものではない。 …だがそんな気持ちを一時忘れさせるほど、大破したブライガーの姿は衝撃的だった。 「どう、なってるのこれ? イキマさんはどこ?」 「………ふむ、落ち着きたまえミオ。とりあえずは調べてみよう。あの機体...
  • 『鍵』
    『鍵』 「そっか、マシュマーさん、私を助けるために……それに、剣鉄也さんも……」 俯いて呟くミオ。 ミオ=サスガは、デビルガンダムから解放されて1時間ほどで目を覚まし、 こうしてヴィンデルと情報を交換している。 もちろん盗聴に備え、核心部分は筆談を交えて、である。 ちなみに、彼女が目を覚ました際、やれ痴漢だの変態だの誘拐犯だの、毎度馬鹿馬鹿しいお話があったことを付け加えておく。 「……酷なようだが、落ち込んでいる暇は無い」 「うん、わかってる。……じゃないと、マシュマーさんにブンちゃん、アクセルさんにも会わせる顔が無いしね」 そう言ってミオは口を真一文字に引き締める。 強い娘だ。 ヴィンデルは内心舌を巻いた。 この世界で出会った多くの仲間を失いながら、心が折れるどころかなおも力強く輝き続ける。 決して折れず、砕けることのない、強い魂...
  • ファイナルバトルロワイアル(6)
    ファイナルバトルロワイアル(6) 地球圏衛星軌道上に浮かぶ金色の宇宙要塞。 その名はGGGオービットベースという。 いまや銀河にその活動の場を移す地球人類にとって、そして交流を持つ異星の者達にとっての地球の玄関ともいえる。 ここから数多の船が広大な宇宙へと飛び立って行く。 もしくは長い航海を終えて蒼く美しいこの星に着いた者が、ようやくここで羽根を休めることができる。 それを管轄するのが宇宙開発公団の総裁、大河幸太郎である。 だが現在、彼がいるのはいつものメインオーダールームではない。 オービットベースの中でも小さな、ありふれた空き部屋。 小規模な会議などでしか使われない、何の変哲も無い飾り気の無い空間だった。 質疎な椅子と机にその身を預けて、なにやら大量の資料と格闘している。 かつて黄金の獅子と呼ばれる由縁となった、その金髪をかきむしりながらさ...
  • ユーゼス教授の戦績表
    ユーゼス教授の戦績表  (感想・議論スレ3より/第147話「内と外の悪鬼」時点) 800:ユーゼス教授の戦績表其の壱:2006/01/10(火)04 58 44ID Qv1a4axt ラヴレス先生に触発されて対戦成績表なんかを作ったのも私だ。 死人は割愛、どちらかの撤退などにより決着が付かなかったものは引き分けとしました。 おかげでやたらと引き分けが多いけど、気にしないで。 どっかしら抜けてそうだけどその辺もご容赦を。 クソ面倒だったから多分もうやらないと思うのも私だ。 ============== キャラクター名 搭乗機体 戦績  戦績内訳(該当話タイトル) コメント  ☆:勝  ★:敗  △:引き分け ============== アクセル・アルマー クロスボーンガンダムX-1 三戦二勝一分け  ☆アクセル-★...
  • リョウト
    リョウト 昔、僕は自分を好きになれなかった。 内気で、ネガティブで、人に自分の気持ちを伝えるのが下手で。 その場の状況に流されてばかりの受動的な生き方。そのたびに後悔しては、自己嫌悪に苛まれる。 DCに参加した時だってそうだった。周りに流され、いいように利用され、挙句捨て駒にされて。 ……リオ=メイロンと出会ったのはちょうどその時だった。 「あ~っ、もう! 見てられないわ!!」 「!?」 「ちょっと、あなた! あそこまで言われて悔しくないの!?」 「え!?」 「言いたいことがあったら、ハッキリ言いなさいよ! あなた、男でしょ!?」 負けず嫌いで、自分が正しいと思ったことははっきりと口に出す。 僕とは正反対の性格。最初のうちは、苦手なタイプの女の子と言えたかもしれない。 でも彼女の後押しがあったからこそ、僕はあの時勇気を出...
  • 交錯する覚悟(後編)
    交錯する覚悟(後編) そして、互いに決め手を欠いたままの戦いがどれだけ続いただろうか。 殺し合いの場にはあまりに似つかわしくない軽快な音が鳴った。 シ゛ャカシ゛ャカシ゛ャンシ゛ャン!シ゛ャシ゛ャン! 「…ぅ」 どこかで聞いたような音に反応し、リュウセイの意識は覚醒した。 「・・・私はこの様な音を流せとは言っていないが」 その後に続く、聞き覚えのある声に目を開く。 目に映る光景に、見覚えは無かった。ロボットのコクピットであることは分かったが、 それは慣れ親しんだ自分の機体、R-1の物ではない。 「コ゛ホン、まぁ良い、聞こえているかな参加者の諸君。まぁ、聞こえないのは既に死した者だけだが」 再び、聞き覚えのある声が聞こえた。誰の声だったか。…そうだ、ユーゼスだ―――ユーゼス!? 声の主がユーゼスだと気付いて、即座にリュウセイは飛び起きた。 ...
  • 銀河旋風速度制限
    銀河旋風速度制限 大きな月が草原を照らしている。 その横に巨大戦艦が浮かんでいなければ、名月といって差し支えないだろう。 時折、風が草木を揺らして、その音が波の様にあたり一帯に染み渡っていく。 その中で草原の真ん中にうずくまる男が一人。 「あ~、快便快便」 トイレットペーパー代わりに使った広葉樹の葉を捨て、トウマ・カノウは立ち上がる。 手を洗う水がないので、ズボンの尻の部分で手をゴシゴシと擦った。 『トウマ、終わったら早く戻って来い』 トウマのそばに置かれたワルキューレの通信機から、仲間の声が聞こえた。 彼らはここから100メートル程離れた場所に機体を止めて待機している。 「ったく、仕方ないだろうが」 リュウセイ達と別れ、地図の南端に当たる部分にワープしてからすぐのことだ。 トイレに行きたい。 トウマがそう言った瞬間、仲間たちは非難を...
  • 死力戦場
    死力戦場 大気を切り裂き高空を飛行するウイングガスト。 そのコクピットの中で、ヤザン・ゲーブルは一人肩を震わせていた。 マニュアルに目を通した時に電撃のように全身を駆け抜けた、形容しがたい衝撃。 強固な装甲。三段階の変形機構。高出力のエネルギー兵器をはじめとした強力な武装。 宇宙世紀の機動兵器群とは比較にすらならない、圧倒的なハイスペック機。 それが自分の力となる。その事実にヤザンは戦慄した。 しばしの仮眠から目覚めた後も、興奮は冷めることはなかった。 そして、その興奮はまた新たなる感情を生む。 試したい。 戦いの中で、命の取り合いの中に身を置くことで、この機体の力がどれほどのものか感じてみたい。 この装甲で敵の攻撃を防ぎ、この拳で敵の機体を叩き潰す。 湧き上がる、到底抑えることなどできない本能的な興奮にヤザンは悶えた。 口元に不敵な笑み...
  • すーぱーふぁんたじー大戦
    すーぱーふぁんたじー大戦  嫌味なくらいに綺麗な月明かりの下。 夜目にも映える色鮮やかな機体が、 遮るものも無い大地をゆっくりと移動している。 「無事でいてくれよ、イキマ・・・」  仲間の無事を案じ、コクピットの青年が呟いた。  ゼオラと名乗る少女に攻撃を受けてから数時間。 ジョシュアはイキマとの約束を果たすべく、湖へ向けて移動していた・・・ 「けど・・・やっぱ、この機体は目立つな」  わかっていたことだけど・・・と心の中で付け足す。 確かに、この状況で遮蔽物の無い場所にでるなど、危険な行為である。 しかし・・・ジョシュアは悩んだ挙句に、森を出ることを決意したのだった。 (・・・今のところ、レーダーに反応はなしか・・・いや、北から何か来る!?) 森を出て数時間。北方からの突然の反応に、ジョシュアは機体を止める。 2号機のモ...
  • ハッターのミス
    ハッターのミス ダイテツジンは、高台を囲む森の上空を飛んでいた。 腕にはハッターをぶら下げている。 「しかし、本当に大丈夫なのか?」 「ノープロブレムだ、友よ。武器などこの手足だけで十分。」 竜馬の心配に拳を掲げて応えるハッター。 話は少し遡る。 (あのロボット…確かイッシー・ハッターといったな) 小島の北端に一体のロボットがいた。 ボディービルダーの鍛えられた筋肉のような上半身の装甲と、頭部の青いテンガロンハット。 竜馬には特徴的な外観をしたそのロボットに見覚えがあった。主催者に一言目から食って掛かった奴だ。 こいつなら仲間にできるかもしれない。そう判断し、ダイテツジンを降下させる。 「俺の名はイッシー・ハッター!貴様、何者だっ!?」 上空から飛来したロボットに対し、身構えるハッター。 「俺は流竜馬。敵意はない、話をしたい。...
  • 無題078
    無題 十字路に着いて、とりあえず十字路の右に行ってみるリュウセイ。すこし行くと 「ウルトラマンのカラータイマーが欲しい!!」とか壁一面に書いてあった。 今度は左に行くと妙な鷹のマークの壁画と「ショッカー万歳!」と大きく壁に書いてあった。 仕方ないから十字路の最後の一方に行ってみる。 「おっ、今度は当たりか?」 そこには蒼い粒子を光らせながら渦巻く水のようなものがあった。 奥にはうっすら「旅の扉 経過3時間」と書いてある。 とりあえず少し触ってみようとフェアリオンの手をそれに突っ込んだ瞬間! 「う、うわあああああ!?」 フェアリオンはどこかに引きずり込まれた・・・・・・・ ズシーン・・ズシーン・・ 重低音を響かせながらビッグオーが歩いている。 確かにビッグオーの移動速度は速いとはいえない。しかしもう日も暮れだしているが、 遠くで...
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