(1)『現代漢語詞典 第五版』中国社会科学院語言研究所詞典編輯室(商務印書館 北京 '05)/第三版
大陸刊行の中型中中辞典として最も高い地位を持つ、スタンダードとも呼ぶべき存在です。見出し語(収録語彙数)は約6万5千。
語釈・例文共にしっかりしており、定評があります。普段は中日辞典をメインに使っている人も、分かりにくい抽象語などを調べる際は、これを併用するのがよいでしょう。
実は、この辞書はCANONの中国語電子辞書G90にも収録されています。G90は、他社のライバル製品と比べいくつかの欠点はあるものの、1、収録されている中国語辞書の質・量ともに優れている、2、見出し語のみならず、用例の串刺し検索ができる、という2点が、圧倒的に優れているといえます。私は、中国語を本格的に勉強したいという人には、電子辞書はG90をお勧めしています。
※補足:G90の後継機であるV903、あるいはさらにその後継のV923では、G90にあった欠点の多くが改善されていますので、2009年3月現在ではこちら(特にV923)の方がお勧めです。
また、2009年に発売されたCASIOの電子辞書XD-GF7350にも、この辞書は収録されています。CANONの電子辞書(V923、V903、G90)には『現代漢語詞典』しか収録されていないことを考えると、中中辞典を重視して電子辞書を選びたいという人は、XD-GF7350を購入するのがよいでしょう。
(3)『新華詞典』(商務印書館 北京 '80)
(1)と同じく中型の辞典です。(1)と比べると、日常的に使うことばの語釈は少なく、むしろ収録語彙には専門用語に関するものが多くなっています。
その意味では、百科事典的な用途に適しているのかもしれません。ただ、百科事典として使うのであれば、むしろ大型のものを引くがよいかという気もします。大陸では結構有名な辞書なんですけど、使い道はあまりなさそうです。