これから否定側立論を始めたいと思います。私たちは3つの観点より消費税を3年以内に引き上げることに否定の立場をとります。
まず第1に、日本の景気の現状から考えて、増税はすべきではありません。資料1を見てください。これは景気と政策の関係を表しており、景気が悪い時期に増税はすべきではないということがわかります。資料2を見てください。これは内閣府が発表しているGDP(実質季調値)の推移で、このグラフによると近年下降している傾向がみられることが分かり、今の日本が不景気であることはいうまでもありません。内閣府によると、景気はバブル崩壊時に次いで悪いと報告されているので、景気減速がより一層明確になりました。
さらにアメリカの金融危機の影響で海外の消費は低迷し、さらに円高が進んでいることで日本の輸出企業は海外で売り上げが伸び悩むことが予想されています。今日、日本の景気を回復させるためには国内の経済を活性化させるしかありません。それにもかかわらず国内の消費者の消費行動を抑制するような消費税の増税をするべきではないと主張します。
第2に、消費税には問題点があります。そもそも消費税は今後の高齢化に備えて導入されました。消費税の増税に関しても「年金や社会保障の財源を確保するため」などといわれています。年金や社会保障の財源なら、増税もやむをえないのでしょうか。
資料を見てください。
この資料を見ていただいても分かるように、消費税は社会保障の充実のために導入されたはずにも関わらず、消費税導入や引き上げが実施されたのちでも医療や年金などの社会保障制度は悪化しています。
次に消費税は逆進性が考えられます。誰もが5%負担するから公平な税金ではないかと考えてしまいそうですが違います。 資料を見てください。
これは年間収入に占める消費支出の割合をグラフにしたものであり、低所得者層は収入のほとんどが消費にまわされていることがわかります。生活必需品など、支出のほとんどすべてに消費税がかかるということは、低所得者ほど消費税の負担が重たくなるということです。これは消費税の逆進性であるといえます。現在の日本は所得格差が大きい状態であるうえ景気が悪化している状態なので増税は低所得者に、より一層の負担を与えることになると考えられます。
第3に、短期的に税収を増やすような方策ではなく、消費税を引き上げる前に、予算編成の見直しを行い無駄な歳出を削減することを最優先にすべきだと考えます。
資料 を見てください。これをみてもわかるように政府の棚卸を行った結果、一般会計、特別会計ともにこれだけの無駄があります。また益税問題と租税滞納問題が存在します。益税とは本来納付されるべきである消費税が納付されないで事業者の手元に残る消費税のことです。また、近年ではヤフーオークションなどの売買が行なわれることが多くなり、これにより発生する益税は増加傾向にあると考えられます。次に消費税の滞納問題も深刻化しています。資料を見てください。
これは国税庁の発表資料です。平成11年をピークに滞納額は減少傾向にあるものの、いまだ4600億円もの滞納額を抱えています。
まずは歳出全般にわたる見直しを行い無駄の排除を徹底し、益税問題、租税滞納問題を解決するほうが消費税増税よりも先決であると考えられるのではないでしょうか。
以上、3点により消費税を3年以内に引き上げるべきではないと主張します。
最終更新:2008年10月24日 09:59