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スタンダード/メタ考察/イニストラード~ラヴニカへの回帰 - (2012/11/09 (金) 05:00:59) のソース

-考えをまとめるため思ってる事を文章化してみる。
--というわけでここに書かれていることは筆者の主観に過ぎないので十分眉に唾して見るように。
*これまでのメタゲームまとめ
**1週目(10/6,7~)
ゾンビ隆盛すると思ったら発売前から騒がれすぎたおかげでどこもかしこも火柱メイン終末メインで思ったより活躍できず。
そんな中勝ち残ったのはビートに対して耐性を持つコントロールとこれでもかと強烈に墓地対策カードが追加されたのが逆に作用しメタ外に位置していたリアニであった。
-この週の主な大会結果
--&link2(http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&start_date=2012-10-07&end_date=2012-10-07&event_ID=19,StarCityGamesOpenSeries)
**2週目(10/13,14~)
前週の結果を受けて余りにもコントロールが多いメタになっていたためゾンビが壊滅的な打撃を受け大会上位からほぼ姿を消す。中途半端なビートもその煽りを受けて勝ちきれず。
そんな「世はまさに大コントロール時代!」といった風潮に待ったを掛けたのが中速ジャンド。もとよりそれなりに高いビート耐性に加え、マナ加速からのスラ牙、狩達、更にはラクドスの復活など
コントロール涙目なカードを振りかざして幾つもの大会を制圧。一方SCGではトークンデッキが結果を残すなど、この環境のメタゲームの様相が露になってきた。
また、この週LMCCにてその後のメタゲームの一角を占めるデッキとなる「トリコトラフト(トラフトゴー)」が出現する
-この週の主な大会結果
--&link2(http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&t[C1]=1&start_date=2012-10-14&end_date=2012-10-14&event_ID=19,StarCityGamesOpenSeries)
--&link2(http://2012.lmcchamps.com/20130520.html,LMCC)
**3週目(10/20,21~)
素の状態ではジャンドとやり合っても勝ち目が無い事を悟ったコントロール側が対ビートから対コントロールにシフトし、サイドに魔女封じの宝珠を入れるなどさまざまな対策を講じるようになり、がっぷり四つに組めるような体制を整えてきた。
しかしその両者を手数の多さで上回るリアニが食う、といったメタゲームが展開される。その傍ら、リアニもジャンドもコントロールも食える尖ったビートダウンが様々な大会で結果を残すように。
また、前週に登場したトリコトラフトが雷口のヘルカイトとトラフトという2台アタッカーを背景に台頭し始めるようになった。
-この週の主な大会結果
--&link2(http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&start_date=2012-10-21&end_date=2012-10-21&event_ID=19,StarCityGamesOpenSeries)
--&link2(http://magicdailynews.com/20121020.html,GPT台北 LMC代々木)
--&link2(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20121021,GPT名古屋 PWC東京)

**4週目(10/27,28~)
メインボード最強と名高かったリアニメイトが、サイドボードからプレインズウォーカーコントロールに鞍替えするという戦略を取るようになり、サイドボードからの墓地対策を空振りさせる戦略に出る。
また、流行しつつあったトリコトラフトへのメタデッキとして白緑や青白、赤単といった速攻系ビートダウンデッキが隆盛した。
しかしリアニメイトが前述のサイドプランと、メインからケンタウロスの癒し手を積むなどビート耐性を備えて居たことにより、これらデッキを打破して大会上位に複数顔を出すことになった。
-この週の主な大会結果
--&link2(http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&start_date=2012-10-21&end_date=2012-10-28&start=1&finish=16&event_ID=19&city=New+Orleans&state=LA&country=US,StarCityGamesOpenSeries)
--&link2(http://magicdailynews.com/20121027.html,LMC代々木)
--&link2(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20121027,PWC川崎)
--&link2(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20121028,PWC新宿)

**5週目(11/3,11/4~)
前週の結果を受けてアグロ系デッキが増加、また火柱の採用率低下などによってマークが外れつつあったゾンビデッキも増加して、久方ぶりに大会上位に顔を出すことに。
数週間に渡るリアニメイトデッキの台頭に対して、クロックパーミッション戦略によってメインボードからリアニメイトに有利が付くトリコトラフトが様々な大会を勝ち進む結果となった。
しかしてリアニメイトも依然健在であり、カウンター対策のため魂の洞窟を積む、素でプレイしたクリーチャーでビートするためマナクリやガヴォニーを採用するなどしたタイプが勝ち進んだ。
特筆すべきは赤単やそれに近い速攻ビートが大会上位に食い込んできたことで、メタの隙間を縫ったデッキ選択が項を奏した結果ではないかと考えられる。
また、この週はスタンダードのグランプリである、GPオークランドが開催。TOP8にはリアニメイトデッキが4つ、トリコトラフトが2つ残るなど、昨今のリアニメイト台頭とそれに対抗するデッキといったメタゲームの様相が色濃く現れた。
-この週の主な大会結果
--&link2(http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&start_date=2012-11-04&end_date=2012-11-04&event_ID=19,StarCityGamesOpenSeries)
--&link2(http://d.hatena.ne.jp/Strike/20121104,PWC横浜)
--&link2(http://magicdailynews.com/20121103.html,GPT名古屋 LMC代々木)
--&link2(http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpauc12/welcome#dl,GPオークランド)

*メタ予想
**6週目(11/10,11/11~)
Tier1
-リアニメイト
-トリコロールトラフト
-ラクドスビート
Tier2
-青白ノートラフト
-セレズニアビート
-青白人間ビート
-ジャンド
-バントコン
*** 概要
先週末に行われたグランプリオークランドと、その他各種大会で着実に結果を残し続けているリアニメイトが数を減らすとは考えづらい。そのため、依然リアニメイトを中心としたメタゲームになるのではないだろうか。
そう考えていくと、リアニメイト対策としてカウンターを多めに積んだトラフトゴーや、MO上で流行の兆しを見せるノー・トラフトなどのクロックパーミッションデッキが更に数を増やすのではないだろうか。
さらに、それらを見越したデッキ選択として、前回台風の目となったクロックパーミッションやコントロールメタとなる速攻系のアグロデッキが前週よりも数を増やし、それら3デッキの3すくみ状態を形成するというのがこの週の予想だ。
Tier2以降は、勝ちきれない状況が続いているとはいえやはりそれなりの数が居るであろうデッキを並べた。数を減らしそうではあるが、やはりビートダウンは多いだろうし、最近落ち目だが、ジャンドも呪文の選択によっては十分に目のある器用なデッキだ。

***それぞれのデッキの動向
-リアニメイト
従来のドランカラーに加え、GPオークランドで優勝したドランカラーに赤をタッチしたリアニメイトデッキや、それに手を加えた型のものが横行するのではないか。雷口のヘルカイトの採用率増加に押されてリアニメイトには採用されなくなってきた未練ある魂が、孔蹄のビヒモスという相棒を得て再び彷徨うことになりそうだ。
この型はメインボードにマナクリーチャーが居らず、素早い手番でクリーチャーを展開するようには出来ていない。その代わり、サイドボードの轟く激震が気兼ねなく使えるため、トリコトラフトやビートダウンに対してサイド後は中々強いのではないだろうか。
これまで日本で結果を残してきた、ドランカラーのメインからマナクリーチャーを積んだ、手札からの展開を早める型も残り続けそうなので、基本的にリアニメイトはこの二つのタイプに分かれるのではないか。
このタイプは3色であるため、デッキの安定が見込める上、無色土地にスロットを何枚か裂くことができるため、カウンターを避ける目的で魂の洞窟を投入することが出来るのが長所として挙げられる。

-トリコトラフト
基本的に余り代わり映えはしなそうだが、早めのビートを押さえるために地下牢の霊がメインから入ってくる可能性がある。また、同系対決を意識して2T目から打てる除外カウンターである中略の採用率が上がるのではないだろうか。
サイドボードには未練ある魂や相手クリーチャーへの対策として最近流行しつつあるイゼットの静電術士が積まれてきそうだ。また、苦手なビートダウン用にカウンターがサイドボードから至高の評決に差し変わるようになるだろう。

-青白人間ビートとセレズニアビート
この二つのデッキはリアニメイト戦略を挫くために、従来のサリアに加えて、ドライアドの闘士メイン型が増えるのではないだろうか?今のメタでは審判官の使い魔も面白い選択なので、これもメインから投入されることがあるかもしれない。
終末の採用数が減りつつあり、代わりに確実にトラフトを流すための神聖なる評決を良く見るようになったため、それを見越したサイドボードとして根生まれの防壁が積まれてきそうだ。

-ラクドスないしジャンドカラービート
前週はリアニメイト側の序盤のゲームプランを崩す目的のために、脳食願望をメインに据えたデッキが登場したが、そのアプローチが今回も有効になりそうだ。おそらくクリーチャーは赤単に近い速攻系か、もしくは黒の濃いゾンビになるだろう。
個人的には、リアニ対策としてのカウンターが増えると想定されるメタなので、魂の洞窟が採用できるゾンビを軸にしたビートダウンに、脳食願望や死儀礼のシャーマンなどのリアニ対策カードがメインから投入された形のデッキがメタに合っているように思う。

-ジャンドコントロール
従来のデッキ構成では手数で上回るリアニに対して不利なジャンドだが、血統の切断や脳食願望をメインから採用することによって、ある程度耐性を付ける事が可能になるため、デッキ構成しだいでは復権がありうるのではないだろうか。
サイドボードから血のやりとり、ヴェールのリリアナなどの生贄系除去を採用することにより、トリコトラフトへの対応も可能だし、単体除去は元より強いため、速攻系ビートをメタるもの難しくはないだろう。ただ、耐性を付ける事が可能とはいえ、やはりリアニメイトに対して不利が付くのは否めないのではないか、と思ってはいる。

-バントコントロール
採用できる友好色ランドと遥か見の存在により、至高の評決を早いターンに打つのを安定させる事ができるため、リアニメイトされた高カロリー生物やトラフトによって一気にゲームを決められるという流れを止めることができる。評決からスラーグ牙まで淀みなく繋げることができれば、速攻系のビートに対してもメインボードから勝つことも出来はずだ。
しかし、序盤の動きが多少もっさりしてしまうため、そのままビートダウンに殴りきられる恐れがあるのが辛いところなのと、ライフを削る動きがどうしても後半以降になるため、早い手番でグリセルブランドを釣られてしまうとかなり不利な展開を強いられるのではないかと予想される。

-青白ノートラフト
このデッキは日本ではまだ余り見ないタイプなのでちょっと解説をすると、クリーチャーには瞬唱の魔道士、ボーラスの占い師という青の2大アドバンテージクリーチャーを採用し、アタッカー兼更なるアドバンテージ源として修復の天使を採用しており、それらを白青の優秀呪文でサポートしていくというデッキになっている。典型的なクロックパーミッションデッキだ。
トラフトを積んでいないため、打点がそこまで大きくなく、キルターンは遅くなりがちだが、その分呪文の枚数が多くなっており、中でもカウンターは8~10枚ほど積まれるのも珍しくないという構成になっている。
その呪文の多さのため、忘れた頃に出てくる長槍が非常に強くなっており、これを装備したクリーチャーを送還やアゾリウスチャームのサポートを得てアタックを通していくといった動きをする。
構成上、大振りなデッキには強く、リアニメイトに対する回答の一つになり得る。
MO上やSCGでは結果を残しているものの、日本ではまだ余り使われていないデッキタイプなのでそれほど数は多くなさそうだが、そろそろ使われ、そして結果を残していくのではないだろうか。