「Cell SPUのスカラ演算、整数演算、分岐」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
比較対象がないと速いか遅いかを論じるのは意味なし。
なので結論は出さず。
最初に参考リンク
SPUの整数演算は遅いか?
整数演算の性能は次の通り
- 128bit x1 論理演算
- 32bit x4 四則演算、論理演算
- 16bit x4 積和演算
- 16bit x8 四則演算、論理演算
- 8bit x16 特殊演算
が毎サイクル実行可能、レイテンシは4サイクル。
ちなみに浮動少数演算の性能は次の通り
- float x4 積和演算 が毎サイクル実行可能、レイテンシが6サイクル
- double x2 積和 が7サイクルで実行可能、レイテンシが13サイクル
SPUの分岐は遅いか?
パイプラインが23段と深いため、分岐予測が外れた場合のペナルティは17~18サイクルと大きい。
ハードウエアで動的分岐予測機構を持たないが、ソフトウェア的に分岐ヒント命令と条件選択命令を持つ。
分岐ヒントの予測が正しければ分岐のペナルティは0。
また2値のいずれかの選択だけの分岐であるなら、投機的に2値をどちらも計算した上で条件選択命令を使うことで
分岐自体をなくすことが可能。
SPUのスカラ演算は遅いか?
上記フィックスターズの記事にあるとおりLSからのロード、LSへのストアで無駄が発生することが多い。
ただし128bitレジスタが128本あるので可能な限りオンレジスタで演算させるのがSPU流なので、
そんなにコストが発生するわけではないと思われる。
ロード
# アライメントがとれていないbyteをロードする
# $ra : アドレス
# $rb : 結果をいれる
# $raの下位4bitは無視されるため自動的に16バイトアラインでロードされる
lqd $rb, 0($ra)
# $raの下位4bitを使って$rtをバイト単位でローテートすることでMSBに移動させる
rotqby $rb, $rb, $ra
# プリファードスロットへさらにローテート
rotqbyi $rb, $rb, -3
byte、halfwordの場合だけ12.のローテートが必要
ストア
# アライメントがとれていないbyte位置へストアする
# $ra : アドレス
# $rb : バイトデータ
# $rc, rd, re : テンポラリ
# まずストア位置のデータをロードする
lqd $rc, 0($ra)
# バイト挿入マスクの生成
cbd $rd, 0($ra)
# シャッフル
# rbのプリファードスロットとrcのプリファードスロット以外とを合成する
shufb $re, $rb, $rc, $rd
# ストアする
stqd $re, 0($rb)
32bitの整数乗算をするインストラクションはない。
16bitの乗算命令を組み合わせて実現する。
一般的に5つのインストラクションが必要。