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ネタ22_八川箏さま_光が落とした闇 - (2012/11/17 (土) 11:04:37) のソース

531 :八川箏:2012/10/20(土) 17:50:58



光あるところには闇がある。
たとえチートの限りを尽くし、日中日米両戦争に完全勝利を果たした大日本帝国であってもそれは代わらない。
いや、だからこそ生まれた闇がある。
世界の果てでも見える光が生み出した闇が確かにこの帝国に存在する。



~光が落とした闇~



「畜生、俺が、俺が何をした。なぜここまで苦しまなくてはいけない」

帝都にほど近い長閑な田園風景。
そこにある真新しい工場に併設される形で造られた事務棟で一人の男が怨嗟の声を上げ筒書類を決済していた。
清潔な白衣と、上等な眼鏡をかけた、明らかに絶対安静の必要な病人である。
しかし彼はは病気ではない、病院に叩き込む必要はあるのだが。
医師の資格を持っている彼はそのことを重々承知だが倒れることが許される立場ではなく、ただただもがき苦しんでいた。

「社長、今月の分はまだかとう催促が」

濃い隈を浮かべた事務員がよたよたと歩いてきて疲れきった顔をして報告をした。
その言葉に屍のような体にみるみる怒気が満ちてゆく。
もとからあった死者のような雰囲気と相まって、まさに悪霊である。 

532 :八川箏:2012/10/20(土) 17:51:32
「先月分はきちんと収めたぞ、あのくずども。今月分は期日に耳を揃えて収めると言っておけ。それと催促はもう十分だ、電話を燃やしてこい」

「電話なら先週皆で叩き割ったじゃありませんか。社長、もういいです。すぐに守衛にたたき出させるので少し休んでください。」

「しかし私が休めば会社が」

しばらく休む休まないのし問答を続けたが結局部長という男が折れる、という時ドタドタッと言う足音とともに若手の男が駆け込んできた。

「大変です、社長。三菱が栄養ドリンクを融通を確約しなければ第三工場の機械を納入しないと脅しをかけてきました」

「今でも官邸並みに融通しているのにまだ足りないというのか。少しは休め、ワーカーホリックども」 

533 :八川箏:2012/10/20(土) 17:52:13
日本が成長している問いことは、つまり日本中が忙しいということ。
故に島田総理が愛飲している画期的な飲料「栄養ドリンク」には莫大な需要が発生した。
夢幻会のバックアップを活用しなければならない需要が。
そして夢幻会の後押しを受けているため、会員には融通を利かせなければならず、
また評判が評判を呼び別の意味で働けど働けど我が暮らし楽にならず、という状態に陥ってしまった。

「おのれ嶋田、許さん」

明治初期に転生し、前世で学んだ栄養士としての知識を活用して日本の栄養状態の改善を図り「日本人の身長を十センチ伸ばした男」とたたえられた医学博士、山田裄也。

海軍に勤める友人の為に手作りした栄養ドリンクがたまたま嶋田の目に留まったために趣味で経営していたお菓子会社(子供のためにエビせんべいなどを作っていた)で栄養ドリンクを作るはめになった男は今日も怒り、嘆く。

「誰でも言い、早くまねしてくれ。社員がつぶれる」






※大日本帝国は著作権に厳しい国です。
※夢幻会は互助組織であり会員の権利保護に気をつけています。
※山田裕也は総研の一員です