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ネタ38_第三帝国さま_衝号ぬきの太平洋戦争~第8章「アメリカの決断」 - (2014/03/23 (日) 14:00:35) のソース

488 :第三帝国:2013/10/31(木) 21:50:00 

衝号ぬきの太平洋戦争~第8章「アメリカの決断」

そして大統領は決断した、攻撃と。
この返答にウィリアム・ハルゼー中将はウェーク島沖海戦の報復がようやくできると鼻息が荒く、
戦艦を率いるウィリアム・パイ中将は顔を強張らさせたが、ワシントンから戻ってきた、
太平洋艦隊司令長官兼合衆国艦隊司令長官のハズバンド・キンメル大将は開戦以来ジャップの通商破壊に海戦の敗北で、
酷く落ち込み、悲観的な見解を抱いていたが、この時は妙に顔色が良く同期の変化に怪しんだハルゼーだったが、

彼は大統領から最高のプレゼントがある、と言うなり一通の命令書を見せた。
いぶかしむハルゼーだが、命令書を見た瞬間「確かに最高のプレゼントだ、これならお盛んなジャップを叩ける」と呟いた。

「独逸ト相互不可侵条約ヲ締結セリ、大西洋艦隊ト共同デ日本艦隊ヲ撃滅スベシ、艦隊ノ所在地ハ…」

開戦直後、日本がカナリア諸島から展開できた潜水艦は距離の関係上5隻だけであった、
たった5隻とはいえ相手が単独航行でしかも灯火管制、無線封鎖もしていなかったせいで鴨打ち状態であった。

また護衛がいれば敢えて浮上して聴音に引っかからないようにして、
電探と連動して酸素魚雷の長射程を生かして遠距離からの雷撃を行ったりした、
ひどい時は夜間ニューヨークに侵入した挙句、摩天楼の明かりを背景に一度に数万トンの船舶を沈めた例もある。
他にも大西洋艦隊の根拠地であるノーフォーク港や、流通路であるパナマ運河付近に機雷をバラまいたりと実に好き放題暴れ回っていた。

そして、機雷が磁気、音響、と海自転生者の努力のせいで実にバリエージョンが豊富で、
戦艦が損傷を受け、挙句掃海艇自身が被雷する有様で大西洋艦隊はしばらく身動きが取れなかった。

やっと動けるようになり、いざカナリア諸島の攻略を考えても、
元々衝号のために最低限の人員しかおらず、夢幻会としてもわざわざ大西洋の僻地で玉砕させるつもりはサラサラなかったため、
少数の陸戦隊と潜水艦を支援する潜水母艦程度しかないこともあり、とてもアメリカの矜持を満たす獲物とは言い難かった。

しかも日本通商破壊のせいで市民は恐慌状態で、
市民に安心と団結をアピールするために大西洋艦隊の駆逐艦、
空母はしばらく船団護衛に潜水艦狩りに従軍せねばならず、貴重な時間が過ぎてしまう。
何度も空母『レンジャー』が被雷しそうになり、代わりに重巡洋艦が1隻、駆逐艦が数隻撃沈されてしまう。

なお、邪気眼派の富永恭次中将は衝号がなかったためフィリピン攻略に参加
そのまま統治を担当し、今はフィリピンで省庁の垣根を越えたスタッフと共に統治している。
そしてこの時の若手のスタッフには内務省官僚に後藤田正晴、鷲巣巌(元ネタ:アカギ)と戦後日本を牽引する逸材に、
文官のまとめ役として南満鉄から岸信介と、実に濃い面々だったがそんな彼らを毎日電波で翻弄させるがたぶん語られることはない。 

489 :第三帝国:2013/10/31(木) 21:50:45 

話を戻そう、

さらに大西洋艦隊が動けなかった理由としてメキシコで『ヤンキー、ゴーホーム!!』を合言葉に、
全メキシコでゲリラ戦が勃発したため、陸軍と協力して威圧と制圧のためにしばらく駐留せねばならなかったからだ。

この叛乱には日本の諜報員が深く関わっており、
「魔王」の異名を頂く結城中佐が采配したものである。(元ネタ:ジョーカー・ゲーム)

叛乱自体は一か月半で鎮圧されたとはいえ、
大西洋艦隊はまた時間を浪費した上に鎮圧の過程でメキシコ人に再度深い憎悪を染み込ませることに成功し、
以降も不健康極まりないゲリラ戦が延々と続く悪夢にアメリカはうなされる事になる。

かくして、大西洋艦隊がもたもたしている間に42年の末なり、
その間に日本海軍がミッドウェーに押し寄せて来る可能性が非常に高く直ぐにでも移動させるべきとする意見があったが、

政府と議会は欧州に対する影響力の行使について迷っていた。
つまり、伝統的にイギリスを取るかケネディ大使のようにドイツを取るかハッキリとした意見が纏まっておらず。

また、すでに空母『ワスプ』戦艦『ワシントン』と大西洋艦隊の一部は太平洋に居る上に、
この上、例え一時期だとはいえ、大西洋を空にするのはいかがなものか?

などと意見が纏まっていなかったが、
財界の意見としてまずは小癪な猿を打倒することを優先するべき、と考えており。
さらには弱体化したイギリスなどは、さらに弱体化させるのが望ましくむしろナチスに飲み込まれた方が良い、
そして、全欧州を飲み込んで喘息気味のドイツを日本との大戦が終結した後戦力がピークであることを利用して、
カナダに亡命した政府に市場開放を条件にイギリスを解放、できることならそのまま欧州を解放して全世界の市場を我がものとする。

と妄想か妄言としか表現できないことを構想していたが、アメリカの国力はそれを可能とさせていた。
そして、財界はロング大統領にドイツとの不可侵条約を秘密裏に締結するように『要請』し、
ロング大統領それまで主張していた、日本への宣戦布告要請の代わりに資源供給を餌に欧州への不可侵を約束した条約を提示した。

このドイツにとって利点しかない条約にヒトラーは、
自分がかつてしたように所詮紙切れ条約であり、
アメリカを牛耳る国際ユダヤの陰謀で日本を打倒した後にドイツに刃を向けるだろう、
と、解釈は違うが正解に近い回答を出していたが目先の金と資源がないため即座に条約に同意した。

日本とイギリスはアメリカが妙にナチスと接触している、
という所まで掴んだが掴み切れず、判明したのはミッドウェー海戦後のことであった。

閑話休題。

そして、11月末にアーネスト・キング大将率いる大西洋艦隊は全艦隊が太平洋へ移動を開始した。
またその際に史実日本の真珠湾のと同じくらいに情報漏えいに気を使い、目立つパナマ運河は通過せずホーン海峡を経由して太平洋へと向かった。

本来のアメリカ海軍のドクトリン的にあり得ない運用であったが、
海軍作戦部に所属していたニミッツは潜水艦の運用を知る者として日本が稼いだあまりに莫大な戦果に、
自分たちの暗号が既に解読されている事を疑っており、パナマ運河経由でいけばむざむざ相手に撃沈ポイントを稼がせるだけと判断。

急きょ密かに暗号を変更し、さらには多数の偽電に偽装情報を流した上で、
今や貴重と成りつつある高速タンカー、さらに工作船を付随させた上で南米周りの航路を取らせた。

結果、いくら史実よりうんとマシな諜報体制を揃えていたとはいえ、
アメリカ本土の諜報員は戦時下のためFBIの執拗な捜査に追い込まれており、
加えてアメリカの暗号がヘタに筒抜け状態であったため、大西洋艦隊の所在地について却って騙される結果となってしまい、
大西洋艦隊が太平洋入りしていることが判明したのは「MI」作戦が発動され、現地の偵察で偶然発見されたからだ。

(※本編30話:トランジスタ式コンピュータと史実知識、そして夢幻会主導の下に行われた入念な情報収集の
 結果、日本軍はアメリカの暗号を解読することに成功したのだ。
 開戦前にロングが日本軍の能力を危険視して暗号の改訂を行ったが、それとて長くはもたなかった。) 

490 :第三帝国:2013/10/31(木) 21:52:35 

「MI作戦」に対抗可能なアメリカ海軍の空母8隻

正規空母
「エンタープライズ」
「ワスプ」
「レンジャー」

軽空母
「インディペンデンス」
「プリンストン」

護衛空母
「アンツィオ」
「コレヒドール」
「ミッション・ベイ」

「MI作戦」時の日本海軍の空母15隻

正規空母
「翔鶴」「瑞鶴」
「赤城」「天城」
「蒼竜」「飛竜」

改装空母
「隼鷹」「飛鷹」

軽空母
「祥鳳」「龍鳳」「瑞鳳」
「大鷹」「雲鷹」「神鷹」「海鷹」

が、アメリカの空母8対して日本は空母15とやや不利である。
さらに、アメリカに残存する全ての空母航空隊は飛行時間こそ平均的な技量を有していたが、
どの航空隊もほぼ戦闘処女で新鋭のF6Fを装備していてもその新鋭機自体がこれから初めての実戦を迎える。

上海事変でチャイナの空軍と戦い、冬戦争で赤軍の航空隊を駆逐し、
バトル・オブ・ブリテンでルフトバッフェと死闘を演じた日本の陸海軍航空隊と比較すれば役不足としか表現しようがない。
未だ消耗せず、その眼で欧州やアジアの空を見た熟練の飛行機乗りが温存されており、機体の性能差以上に実戦経験差に大きな差があった。

対して戦艦は大西洋艦隊のを回航して17隻

「ノースカロナイナ」級戦艦「ノースカロナイナ」「ワシントン」  
「サウスダコダ」  級戦艦「インディアナ」「サウスダコダ」「アラバマ」「マサチューセッツ」
「テネシー」    級戦艦「テネシー」「カリフォルニア」
「コロラド」    級戦艦「メリーランド」「ウエストバージニア」「コロラド」
「ニューメキシコ」 級戦艦「ニューメキシコ」「アイダホ」「ミシシッピ」
「ニューヨーク」  級戦艦「ニューヨーク」「テキサス」
「ワイオミング」  級戦艦「アンカーソー」

(※本編22話:ロングは大西洋艦隊の大半を太平洋に回航して、日本海軍を押し潰す気だった。
加えて1942年8月の段階で、ノースカロライナ級戦艦とサウスダコダ級戦艦あわせて6隻が戦力化されている。
アイオワ級戦艦、エセックス級空母も順次戦力化される予定だ。勿論、建造されているのは戦艦や空母だけではない。
巡洋艦、駆逐艦、潜水艦なども続々と建造されている。仮に太平洋艦隊が壊滅したとしても2年程度で再び今以上の艦隊を編成して日本に差し向けることが出来る。) 

491 :第三帝国:2013/10/31(木) 21:53:21 

日本の戦艦12隻、

戦艦「長門」「陸奥」
戦艦「伊勢」「日向」
戦艦「扶桑」「山城」
戦艦「金剛」「榛名」「比叡」「霧島」
戦艦「伊吹」「鞍馬」

であり、アメリカが圧倒的に有利だ。
しかもアメリカの「ノースカロナイナ」級「サウスダコダ」級戦艦は新時代の戦艦で、
主力を占める今年で20、30年クラスの「扶桑」「金剛」等と比較すればあらゆる面で優っている。
特に16インチ砲、つまり40センチ砲を搭載した艦だけをカウントすると、

アメリカ:9隻
日本  :4隻

で、戦艦同士の殴り合いなら間違いなくアメリカに軍配が上がるだろう。
(※本編40:キンメルが言ったとおり、太平洋艦隊の戦艦は11隻に過ぎないが、
 そのうち9隻が16インチ砲搭載戦艦であった。これに対して日本艦隊で16インチ砲を搭載しているのは長門型2隻と伊吹型2隻の4隻に過ぎないのだ。
水上砲戦に持ち込めれば勝ち目はある、とキンメルが主張するのも無理は無かった。)

「これならお盛んなジャップを叩ける」とハルゼーが呟いたのは無理もない戦力であった。
普通なら、例え日本が勝利して大打撃を受けても可笑しくもないものであったが、後に戦場の女神は日本に微笑んで見せた。

494 :第三帝国:2013/10/31(木) 22:15:08

今回はネタを結構まいています。
支援してくれた嬉しさのあまり千早ニューヨーク襲撃ネタもとか使ってみました。
あと>>417さん、公認するしないというよりこの作品を元にSSを書きたい、という人はどうぞご自由に。
好きなように書いて、想像してearth様の本編を巻き込んで盛り上げていきましょう。

さて、今回の回を読んでいて「おや?」と思ったかもしれません。
実は、とゲロりますけどぶっちゃけ大西洋艦隊の戦力を今の今まで考慮するのを忘れていました(汗)

だから、これより以前の話で空母稼働数で矛盾が出ています。
なのでどうか『太平洋における可動空母数』と呼んでください。
ついでに、この章は7章ではなく8章でした、すみません。

あと前回で間違ってい艦隊の編成表はもう少しお待ちください。


***次話:[[第9章「ミッドウェー海戦Ⅰ」>http://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2147.html]]:[[目次>http://www18.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2335.html]]