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250 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:47:24 久しぶりのSS投下。   戦後夢幻会ネタSS――「Who are you?」 西暦2000年。 この年、日本ではある言葉が流行語として選ばれている。 既に国内外での権威が失墜し、『大統領の席に座っているだけが仕事』とまで揶揄されていた ビル・クリントン大統領に対し、沖縄サミットで彼を出迎えた中曽根首相が、彼を出迎える際、 にこやかに述べたとされる言葉である。 「Who are you?」 中曽根曰く「僕は英語が下手だからね。『How are you』が上手く伝えられなかったみたいだねえ」 と、とぼけた口調でそうのたまっていたが、かつてレーガン大統領とサシで英語で議論した男である。 完璧なまでのクィーンズイングリッシュで発せられた言葉を聞かされたクリントンの顔を見れば、 それが白々しいまでの嘘であることは明白であった。 もっとも、侮蔑と言っていいほどの言葉を投げかけられたクリントンに出来ることは、顔を引きつら せることだけであった。 そう。彼が引き起こした失態は、同盟国首相からこのような皮肉を言われても仕方のない程であった。 満州共和国への露骨なまでの接近。自国経済回復の為の同盟国に対する強圧的なまでの態度。朝鮮 半島での反日的言動を軽視した上での容認。そして極東危機における後手後手の対応。 後世『第三次世界大戦勃発3分前』と言われてもおかしくない状況を生み出したのは、クリントンの 軽率と言っていい行動の積み重ねによるものであった。 だからこそ、満州共和国首都の長春で、中曽根とプーチンが電撃的に会談を行い、今回の中国と 北朝鮮の冒険的行動を激しく批判し、万が一戦争になった場合は、ロシアは核戦争も辞さず、 日本もロシアの行動に対して協力を惜しまないという、全世界を驚愕させた合意が成立した時 彼はホワイトハウスにおいて極大の雷を落とされることになる。 251 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:48:12 「一体何を考えているのだバカ者どもが!!」 70を超える老人の怒声に、ホワイトハウスのウエストウィングに呼びつけられた面々は、文字通り 縮み上がった。 ここにいるのは合衆国の要人。ひいては世界で最も権力を持っている者達なのだが、目の前の老人 の前では、文字通り採用初日のアルバイト並みの立場であった。 「事態がここまで悪化しているのになぜ何も手を打たなかった!! 貴様らはそろいもそろって 昼寝でもしていたのか? それとも懲りずに執務室で売春でもしていたか?」 その言葉にクリントンは幾分嫌そうな顔をしたが、老人にとってそれは逆効果だった。 「貴様!! 一人前に不満を表しているが、この事態に対する対処法は考えているんだろうな!!」 くだらない言い逃れは許さんといった視線で睨まれている事態に、クリントンはありとあらゆる ものに内心呪詛を撒き散らしながら、神妙にこう答える。 「まずは事態の鎮静化を大統領声明で喚起し・・・」 「底抜けの阿呆か貴様は!!」 よほど腹が立ったのだろう。老人は、机の上にある灰皿に、手に持ったステッキを叩きつける。 派手な音をして割れる灰皿に、部屋にいる者は顰め面をするが、老人の怒りは止まらない。 「大統領声明で鎮静化を喚起? そんな情勢はとっくの昔に終わっている。だからこそ日本は 仇敵と言っていいロシアと軍事的合意を結んだのだろうが!」 そこまで言って、老人は、2人の女性を睨みつける。 「で・・・どっちだ? この洟垂れ小僧におかしなことを吹き込んだバカ女は? 一体何を どうやればこんな最悪な状況にステイツを追い込みたい気分になるのか全く理解できん」 名指しでバカ女と指摘された2人の内、一人の女性が意を決して反論する。 「失礼ではありませんかロバート・ケネディ元大統領。私の夫はアメリカの利益の為に・・・」 「利益のために・・・? これのどこがステイツの利益だ、愚か者!!」 未だ事態の深刻さがわかっていない目の前の女に、ケネディは怒声を浴びせる。 そしてケネディは内心後悔をしていた。 このでしゃばりのバカ女に、大統領夫人になった時にもっとしっかり教育をしておくべきだったと。 そもそもこのウエストウィングにもオフィスを構えている辺り、この女が自分の立場を全く 理解できていないとしかいえないのである。 まあ・・・本来ならこの大勘違い女を矯正するのが旦那の仕事なのだが、オーバルオフィスを 売春宿に仕立て上げたこの低能には期待するだけ無駄だろう。 「既にヨーロッパやアジア各国から山ほど抗議が来ているようだな。ステイツは核戦争を望むのかと。 全く同意だ。私がヨーロッパやアジアの指導者でも抗議する」 そしてケネディは、軽蔑しきった声で、顔を青ざめているオルブライト国務長官に矛先を向ける。 「国務長官に尋ねる。日本の警告を無視した理由を述べろ」 「別に私は無視したつもりなど・・・」 慌てて反論するオルブライトであったが、ケネディはもう彼女の弁明を聞くつもりはなかった。 本人がどう思おうと、ここまで事態が悪化した原因の一つは、日本からの警告を軽視していたが故 に他ならなかった。国務次官かあるいは東アジア・太平洋局局長か、どこの愚か者かは知らないが ケネディはこの失態への落とし前は必ず付けさせるつもりであった。 252 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:48:46 「国防長官。在日米軍と在韓米軍、それと太平洋艦隊の状況はどうか」 「全軍即応態勢に入っております。特に在韓米軍では、韓国軍が軽率な行動をしないよう注意を 促しております」 直立不動で答える国防長官に、ケネディは軽くうなずく。 どうやらこの部屋に入って、はじめて彼の満足できる回答であったらしい。 「結構だ。韓国軍の動きには目を光らせろ。バカなことはしないと思うが、何しろあの大統領は こちらの大統領に匹敵する程の軽率な馬鹿者だ。日本に対して攻撃しろなどと口走るかもしれんが 狂人の戯言であると処理しろ。それと在日米軍には日本軍への情報提供と兵站物資の提供。第7艦隊 は出撃し、万が一の時は日本軍を支援するよう命令をしろ」 国防長官並びに4軍の司令官達は、全員直立不動になって敬礼する。 全く以てまともな命令であったからだ。 「待ってくださいケネディ元大統領。如何にあなたとは言え勝手な真似は」 「貴様ではこの事態を乗り切れんから私が尻拭いをすると言っているのだ。黙っていろ」 クリントンの抗議に対して、ケネディは煩そうに手を払うと、今度は別の閣僚に対して指示をする。 その姿はまさに、彼らが若い時代に、カンボジア内戦の際に、ホワイトハウスで自由と正義のために 戦った勇敢な大統領の姿そのものであった。 既にこの部屋の主は、半ば呆然と大統領のイスに座っている男ではなく、この老人であった。 ありとあらゆる指示をだし、そしてその指示を果たすべく、閣僚が部屋を出ていく中、部屋に 残ったのは、打ちひしがれている1人の男と、事態の展開についていけず茫然としている 2人の女性、そしてケネディの4人であった。 「さて・・・貴様らにも仕事を与えておくか。税金泥棒呼ばわりはされたくあるまい」 そう言うと、ケネディは事務的に彼ら3人に仕事を割り振る。 クリントン→何もしゃべらずに、大統領のイスに座って罵声を浴び続ける。 ヒラリー→イーストウィングの1室から出てくるな。 オルブライト→議会からの吊るし上げを黙って聞いて、罷免書にサインする。 「貴様らにもできる簡単な仕事だ。ありがたく思え。ちなみに上院下院の有力議員も納得済みだ 後は私と彼らで対処する。いいか。くれぐれも私たちの仕事の邪魔をするなよ」 そう言ってケネディは、部屋をあとにする。 彼には解決しないといけない問題が山積みなのだ。この3人に関わっている時間などはないのだ。 彼の元に走り寄ってくる秘書たちに、ケネディは静かに言葉を放つ。 「これで50年近くアジア情勢は逆戻りだ。1からの出直しだな。寝る暇はないと思え」 それはまさに、彼らが何年も苦労することになるアジア情勢の立て直しへの号砲と言えるものであった。
250 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:47:24 久しぶりのSS投下。   戦後夢幻会ネタSS――「Who are you?」 西暦2000年。 この年、日本ではある言葉が流行語として選ばれている。 既に国内外での権威が失墜し、『大統領の席に座っているだけが仕事』とまで揶揄されていたビル・クリントン大統領に対し、沖縄サミットで彼を出迎えた中曽根首相が、彼を出迎える際、にこやかに述べたとされる言葉である。 「Who are you?」 中曽根曰く「僕は英語が下手だからね。『How are you』が上手く伝えられなかったみたいだねえ」と、とぼけた口調でそうのたまっていたが、かつてレーガン大統領とサシで英語で議論した男である。 完璧なまでのクィーンズイングリッシュで発せられた言葉を聞かされたクリントンの顔を見れば、それが白々しいまでの嘘であることは明白であった。 もっとも、侮蔑と言っていいほどの言葉を投げかけられたクリントンに出来ることは、顔を引きつらせることだけであった。 そう。彼が引き起こした失態は、同盟国首相からこのような皮肉を言われても仕方のない程であった。 満州共和国への露骨なまでの接近。自国経済回復の為の同盟国に対する強圧的なまでの態度。朝鮮半島での反日的言動を軽視した上での容認。そして極東危機における後手後手の対応。 後世『第三次世界大戦勃発3分前』と言われてもおかしくない状況を生み出したのは、クリントンの軽率と言っていい行動の積み重ねによるものであった。 だからこそ、満州共和国首都の長春で、中曽根とプーチンが電撃的に会談を行い、今回の中国と北朝鮮の冒険的行動を激しく批判し、万が一戦争になった場合は、ロシアは核戦争も辞さず、日本もロシアの行動に対して協力を惜しまないという、全世界を驚愕させた合意が成立した時彼はホワイトハウスにおいて極大の雷を落とされることになる。 251 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:48:12 「一体何を考えているのだバカ者どもが!!」 70を超える老人の怒声に、ホワイトハウスのウエストウィングに呼びつけられた面々は、文字通り縮み上がった。 ここにいるのは合衆国の要人。ひいては世界で最も権力を持っている者達なのだが、目の前の老人の前では、文字通り採用初日のアルバイト並みの立場であった。 「事態がここまで悪化しているのになぜ何も手を打たなかった!! 貴様らはそろいもそろって昼寝でもしていたのか? それとも懲りずに執務室で売春でもしていたか?」 その言葉にクリントンは幾分嫌そうな顔をしたが、老人にとってそれは逆効果だった。 「貴様!! 一人前に不満を表しているが、この事態に対する対処法は考えているんだろうな!!」 くだらない言い逃れは許さんといった視線で睨まれている事態に、クリントンはありとあらゆるものに内心呪詛を撒き散らしながら、神妙にこう答える。 「まずは事態の鎮静化を大統領声明で喚起し・・・」 「底抜けの阿呆か貴様は!!」 よほど腹が立ったのだろう。老人は、机の上にある灰皿に、手に持ったステッキを叩きつける。 派手な音をして割れる灰皿に、部屋にいる者は顰め面をするが、老人の怒りは止まらない。 「大統領声明で鎮静化を喚起? そんな情勢はとっくの昔に終わっている。だからこそ日本は仇敵と言っていいロシアと軍事的合意を結んだのだろうが!」 そこまで言って、老人は、2人の女性を睨みつける。 「で・・・どっちだ? この洟垂れ小僧におかしなことを吹き込んだバカ女は? 一体何をどうやればこんな最悪な状況にステイツを追い込みたい気分になるのか全く理解できん」 名指しでバカ女と指摘された2人の内、一人の女性が意を決して反論する。 「失礼ではありませんかロバート・ケネディ元大統領。私の夫はアメリカの利益の為に・・・」 「利益のために・・・? これのどこがステイツの利益だ、愚か者!!」 未だ事態の深刻さがわかっていない目の前の女に、ケネディは怒声を浴びせる。 そしてケネディは内心後悔をしていた。 このでしゃばりのバカ女に、大統領夫人になった時にもっとしっかり教育をしておくべきだったと。 そもそもこのウエストウィングにもオフィスを構えている辺り、この女が自分の立場を全く理解できていないとしかいえないのである。 まあ・・・本来ならこの大勘違い女を矯正するのが旦那の仕事なのだが、オーバルオフィスを売春宿に仕立て上げたこの低能には期待するだけ無駄だろう。 「既にヨーロッパやアジア各国から山ほど抗議が来ているようだな。ステイツは核戦争を望むのかと。 全く同意だ。私がヨーロッパやアジアの指導者でも抗議する」 そしてケネディは、軽蔑しきった声で、顔を青ざめているオルブライト国務長官に矛先を向ける。 「国務長官に尋ねる。日本の警告を無視した理由を述べろ」 「別に私は無視したつもりなど・・・」 慌てて反論するオルブライトであったが、ケネディはもう彼女の弁明を聞くつもりはなかった。 本人がどう思おうと、ここまで事態が悪化した原因の一つは、日本からの警告を軽視していたが故に他ならなかった。国務次官かあるいは東アジア・太平洋局局長か、どこの愚か者かは知らないがケネディはこの失態への落とし前は必ず付けさせるつもりであった。 252 :yukikaze:2015/01/10(土) 23:48:46 「国防長官。在日米軍と在韓米軍、それと太平洋艦隊の状況はどうか」 「全軍即応態勢に入っております。特に在韓米軍では、韓国軍が軽率な行動をしないよう注意を促しております」 直立不動で答える国防長官に、ケネディは軽くうなずく。 どうやらこの部屋に入って、はじめて彼の満足できる回答であったらしい。 「結構だ。韓国軍の動きには目を光らせろ。バカなことはしないと思うが、何しろあの大統領はこちらの大統領に匹敵する程の軽率な馬鹿者だ。日本に対して攻撃しろなどと口走るかもしれんが狂人の戯言であると処理しろ。それと在日米軍には日本軍への情報提供と兵站物資の提供。第7艦隊は出撃し、万が一の時は日本軍を支援するよう命令をしろ」 国防長官並びに4軍の司令官達は、全員直立不動になって敬礼する。 全く以てまともな命令であったからだ。 「待ってくださいケネディ元大統領。如何にあなたとは言え勝手な真似は」 「貴様ではこの事態を乗り切れんから私が尻拭いをすると言っているのだ。黙っていろ」 クリントンの抗議に対して、ケネディは煩そうに手を払うと、今度は別の閣僚に対して指示をする。 その姿はまさに、彼らが若い時代に、カンボジア内戦の際に、ホワイトハウスで自由と正義のために戦った勇敢な大統領の姿そのものであった。 既にこの部屋の主は、半ば呆然と大統領のイスに座っている男ではなく、この老人であった。 ありとあらゆる指示をだし、そしてその指示を果たすべく、閣僚が部屋を出ていく中、部屋に残ったのは、打ちひしがれている1人の男と、事態の展開についていけず茫然としている2人の女性、そしてケネディの4人であった。 「さて・・・貴様らにも仕事を与えておくか。税金泥棒呼ばわりはされたくあるまい」 そう言うと、ケネディは事務的に彼ら3人に仕事を割り振る。 クリントン→何もしゃべらずに、大統領のイスに座って罵声を浴び続ける。 ヒラリー→イーストウィングの1室から出てくるな。 オルブライト→議会からの吊るし上げを黙って聞いて、罷免書にサインする。 「貴様らにもできる簡単な仕事だ。ありがたく思え。ちなみに上院下院の有力議員も納得済みだ 後は私と彼らで対処する。いいか。くれぐれも私たちの仕事の邪魔をするなよ」 そう言ってケネディは、部屋をあとにする。 彼には解決しないといけない問題が山積みなのだ。この3人に関わっている時間などはないのだ。 彼の元に走り寄ってくる秘書たちに、ケネディは静かに言葉を放つ。 「これで50年近くアジア情勢は逆戻りだ。1からの出直しだな。寝る暇はないと思え」 それはまさに、彼らが何年も苦労することになるアジア情勢の立て直しへの号砲と言えるものであった。

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