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633 :名無しさん:2015/04/19(日) 18:22:09 1944年7月初頭      小笠原諸島硫黄島 硫黄島、大日本帝国東京都に属しながらも南海に浮かぶこの島に、甲高くも腹に響く轟音が響き渡っていた。 轟音の主は、味方から九七式中戦車殿と頼られる大日本帝国の誇る戦車、チハであった。 そのチハが簡易的に掘られた掩蔽壕から敵にサムライサーベルと恐れられる、特徴的な長い砲身を突き出して、2000mほども離れた仮想敵に対して75mm砲弾を撃ち込んでいく。 停止状態からとはいえ70両近くが朝から撃ち続けてほとんど外れなし、熟練の戦車兵たちのみが持ちえる脅威的な技量であった。 それを眺める一団の中に、特に目を引く二人の男がいた。驚嘆の息をつくのは栗林忠道、数日前に小笠原兵団指揮官に着任した帝国陸軍中将である。 「見事なものだな、中佐」 「光栄であります、中将閣下」 栗林の言葉に、姿勢を正しつつ答えるのは西竹一、目の前で訓練を行っている戦車第26連隊を率いる帝国陸軍中佐にして、男爵位をもつ男であった。 ロサンゼルスオリンピックでの活躍から、海外でもバロン西の名で知られている。 「備蓄を行いつつですが、二週間に一度は実弾訓練が行えています」 「海軍もよく仕事をしてくれているよ」 1942年ごろから活発化した海上護衛総隊の成果によって、必要物資の備蓄は順調に行えている。 もしも、戦前の計画のままであったら訓練はおろか、物資の備蓄すらまともに行えたかどうかも怪しい。 「陣地の構築の目途が立てば、砲兵の実弾観測射撃も行えます」 栗林に今後の計画を報告をするのは、彼の副官である藤田中尉である。それに首肯で返すと他の場所の視察に向かうべく、土手を下っていく。 「ではな、中佐。夜にまた会おう」 去り際に共を連れて一声かける栗林に、西が華族出身者に特有の色気ある敬礼で返した。 同日夕刻     「日が暮れても、まだ暑いですな」 栗林が汗を拭いながら席に着くと、硫黄島の中央近くに築かれた千鳥飛行場の傍に設けられている暫定指揮所では、ここ数日で纏められた報告が行われていた。報告者は藤田中尉である。 「現在の作業速度から推定して翌年二月中旬には、地下要塞網は完成します。 物資の備蓄は現在七割ほど、こちらは年内には計画量に達する予定です。 よって、各地の弾薬庫類の築城を優先させています。 最後の部隊は、海軍の撤収と入れ替わりという形になりますので、三月の始め頃を予定しております。 その他の、詳しい目録はこちらにまとめてあります」 報告書を提出した藤田が一礼して着席すると、海軍から派遣されている伊藤大尉が報告を引き継いだ。 「現在、配備されている航空機は戦闘機六四機、爆撃機は二三機あります。しかし、これらは米軍の来襲が確実となった時点で本土へと撤収するように大本営から命令されております。 また、輸送船団の往来に対しては米潜水艦の活発化が予想されていますが、これは海上護衛総隊が責任を持って守り抜くとの言葉をいただいております。 なお、我々が残していく装備に対しては、追加の陸軍兵員が到着しだい教導を行うことが決定しております」 同じように、報告書を差し出して伊藤も席に着く。 栗林が報告書に軽く目を通しながら、言葉を紡いでいく。 「95式改造のドーザーに、十分な爆薬、燃料類。これなら想定以上の築城が出来そうだ。 我が陸軍もそうだが、海軍の工兵隊もよく働いてくれているね、感謝する。 これならば、砲兵隊の弾着地の諸源産算出もじきに行える。 ……何かね?」 手を挙げたのは市丸海軍少将、海軍残留部隊の指揮官である。 「栗林中将、このような陣地に意味があるのですかな? 海岸には蛸壺一つ掘らずに、内陸部ばかりに構築しております。軍令部からの命令ゆえに従いますが、海岸を取られてしまっては防衛の意味がないではありませんか?」 「地下に潜っての徹底抗戦、それしかありません」 尚も言い掛けるが、栗林は相手を見つめ返す。 「米国の工業力を侮っていはいけません、彼らは必ず海岸線を越えてきます。兵を無駄に失うわけにはいけません」 その言葉に、市丸は納得した訳ではなくとも矛を収めることにした。 栗林はそれに満足したのか閉会を宣言した。 「これにて報告会は終了とする。これからも各々の職務を果たしてほしい」 全員が立ち上がり一礼して出て行くが、二人が呼び止められた。 「西君と伊藤君は残ってくれ、少し飲みながらでも話そう」 「どうぞ、閣下。大尉もな」 その場に残った、三人は西が持ち込んだジョニ黒を飲みつつ現在の状況を肴に話をしていく。 634 :名無しさん:2015/04/19(日) 18:22:53 「しかし、今となっては海軍航空隊の壊滅的打撃は痛恨の極みですな」 「どういうことです?」 西のもらした一言に普段の温厚さから離れた鋭い視線を返しながら、伊藤は身を乗り出して聞き返しながら、巷に流れる大本営発表は嘘ではないか、という噂を思い浮かべた。 「やはり、知らなかったか」 「では、大本営は…」 「いや、マリアナ沖での大戦果は事実のようだ、空母に損害無しというのもな。だが、代償に海軍の終結させた航空機1200機は壊滅、特に空母艦載機は事実上の消滅だそうだ」 その言葉に半ば唖然としつつ伊藤は座りなおす。彼からすれば、1200機もの航空機を集中する作戦も、それを壊滅させる敵も想像の外であった。 その様子を視界に収めつつ、栗林も自分が内々に仕入れた情報を差し出す。 「次の米海軍の攻勢も数ヶ月以内、規模はマリアナを遥かに超える規模だそうだ」 これは西すらも知らなかったのか驚愕する。 「そんなことがあり得るのですか!?」 「西君、君ならば分かるはずだ。米国という国家の強大さをね」 西はかつて自分も滞在した国の情景を思い出して、その言葉を噛み締め、伊藤はもはや呆然としながら気を落ち着けようとグラスを口に運ぶ。 スコッチのコクのある苦味が心を落ち着ける。おかげで何とか質問をするだけの反応が出来た。 「閣下はどこでその情報を?」 「妙な連中が来てね」 栗林はここ何ヶ月かで度々自分を訪れたり、情報を流してきた一派のことを思い浮かべた。 西はそれに対して、思うところがあるのか声を潜めつつ問い正した。 「やはり、閣下の元にもですか?」 「何?」 「私や大尉の所にも、そうような連中が接触してきました」 己に向けられる二つの視線を、穏やかに返しながら話を続ける。 「燃料弾薬もそうですが 、最新の資料を含めなにかと便宜を図ってくれたようです。おかげで我が連隊はチハ改でそろえることが出来、ベテランが優先的に配属されています」 さすがに改2は本土の連中が手放さなかったようですがね、と続けながらグラスを飲み干す。 伊藤はそれに酒を注ぎながら、己の事情を告げる。 「自分のところには、同期や昔の同僚を通じてです。 各種の築城資材にくわえて、南洋諸島における戦闘の報告書を、かなり詳しい物まで送られてきました。 特に、ペリリュー島やサイパンでの資料は驚きました。 ……正直、自分も地下要塞の建築には反対でしたが、あの報告書を読んだあとでは今の方法しかないと考えております」 二人の事情を聞き、栗林も口を開く。 「最近、彼らの事らしい噂を聞いている」 「噂、ですか?」 「ああ、仲の悪い陸海軍どころか、各省庁にすらも根を張っているという連中だ。 現在の海上護衛やいくつかの装備の採用にもかかわっているらしい」 それ以上は、栗林自身も知らないらしくスコッチをなめる。 三人は無言でそれぞれのことを思案するが、西が口を開いた。 「なんにせよ、現在の状況を望ましいものといえます」 「確かにね」 「はい」 「そういえば、君の連れてきていた馬はよい面構えをしておったな」 「ジュピターといいます、父島から連れて来ました」 疑問はいまだに残るが、考えてもらちが開かぬのか栗林は話題を変える。 先にはいまだ不安はあれど、硫黄島での夜はこうして更けていった。
633 :名無しさん:2015/04/19(日) 18:22:09 1944年7月初頭      小笠原諸島硫黄島 硫黄島、大日本帝国東京都に属しながらも南海に浮かぶこの島に、甲高くも腹に響く轟音が響き渡っていた。 轟音の主は、味方から九七式中戦車殿と頼られる大日本帝国の誇る戦車、チハであった。 そのチハが簡易的に掘られた掩蔽壕から敵にサムライサーベルと恐れられる、特徴的な長い砲身を突き出して、2000mほども離れた仮想敵に対して75mm砲弾を撃ち込んでいく。 停止状態からとはいえ70両近くが朝から撃ち続けてほとんど外れなし、熟練の戦車兵たちのみが持ちえる脅威的な技量であった。 それを眺める一団の中に、特に目を引く二人の男がいた。驚嘆の息をつくのは栗林忠道、数日前に小笠原兵団指揮官に着任した帝国陸軍中将である。 「見事なものだな、中佐」 「光栄であります、中将閣下」 栗林の言葉に、姿勢を正しつつ答えるのは西竹一、目の前で訓練を行っている戦車第26連隊を率いる帝国陸軍中佐にして、男爵位をもつ男であった。 ロサンゼルスオリンピックでの活躍から、海外でもバロン西の名で知られている。 「備蓄を行いつつですが、二週間に一度は実弾訓練が行えています」 「海軍もよく仕事をしてくれているよ」 1942年ごろから活発化した海上護衛総隊の成果によって、必要物資の備蓄は順調に行えている。 もしも、戦前の計画のままであったら訓練はおろか、物資の備蓄すらまともに行えたかどうかも怪しい。 「陣地の構築の目途が立てば、砲兵の実弾観測射撃も行えます」 栗林に今後の計画を報告をするのは、彼の副官である藤田中尉である。それに首肯で返すと他の場所の視察に向かうべく、土手を下っていく。 「ではな、中佐。夜にまた会おう」 去り際に共を連れて一声かける栗林に、西が華族出身者に特有の色気ある敬礼で返した。 同日夕刻     「日が暮れても、まだ暑いですな」 栗林が汗を拭いながら席に着くと、硫黄島の中央近くに築かれた千鳥飛行場の傍に設けられている暫定指揮所では、ここ数日で纏められた報告が行われていた。報告者は藤田中尉である。 「現在の作業速度から推定して翌年二月中旬には、地下要塞網は完成します。 物資の備蓄は現在七割ほど、こちらは年内には計画量に達する予定です。 よって、各地の弾薬庫類の築城を優先させています。 最後の部隊は、海軍の撤収と入れ替わりという形になりますので、三月の始め頃を予定しております。 その他の、詳しい目録はこちらにまとめてあります」 報告書を提出した藤田が一礼して着席すると、海軍から派遣されている伊藤大尉が報告を引き継いだ。 「現在、配備されている航空機は戦闘機六四機、爆撃機は二三機あります。しかし、これらは米軍の来襲が確実となった時点で本土へと撤収するように大本営から命令されております。 また、輸送船団の往来に対しては米潜水艦の活発化が予想されていますが、これは海上護衛総隊が責任を持って守り抜くとの言葉をいただいております。 なお、我々が残していく装備に対しては、追加の陸軍兵員が到着しだい教導を行うことが決定しております」 同じように、報告書を差し出して伊藤も席に着く。 栗林が報告書に軽く目を通しながら、言葉を紡いでいく。 「95式改造のドーザーに、十分な爆薬、燃料類。これなら想定以上の築城が出来そうだ。 我が陸軍もそうだが、海軍の工兵隊もよく働いてくれているね、感謝する。 これならば、砲兵隊の弾着地の諸源産算出もじきに行える。 ……何かね?」 手を挙げたのは市丸海軍少将、海軍残留部隊の指揮官である。 「栗林中将、このような陣地に意味があるのですかな? 海岸には蛸壺一つ掘らずに、内陸部ばかりに構築しております。軍令部からの命令ゆえに従いますが、海岸を取られてしまっては防衛の意味がないではありませんか?」 「地下に潜っての徹底抗戦、それしかありません」 尚も言い掛けるが、栗林は相手を見つめ返す。 「米国の工業力を侮っていはいけません、彼らは必ず海岸線を越えてきます。兵を無駄に失うわけにはいけません」 その言葉に、市丸は納得した訳ではなくとも矛を収めることにした。 栗林はそれに満足したのか閉会を宣言した。 「これにて報告会は終了とする。これからも各々の職務を果たしてほしい」 全員が立ち上がり一礼して出て行くが、二人が呼び止められた。 「西君と伊藤君は残ってくれ、少し飲みながらでも話そう」 「どうぞ、閣下。大尉もな」 その場に残った、三人は西が持ち込んだジョニ黒を飲みつつ現在の状況を肴に話をしていく。 634 :名無しさん:2015/04/19(日) 18:22:53 「しかし、今となっては海軍航空隊の壊滅的打撃は痛恨の極みですな」 「どういうことです?」 西のもらした一言に普段の温厚さから離れた鋭い視線を返しながら、伊藤は身を乗り出して聞き返しながら、巷に流れる大本営発表は嘘ではないか、という噂を思い浮かべた。 「やはり、知らなかったか」 「では、大本営は…」 「いや、マリアナ沖での大戦果は事実のようだ、空母に損害無しというのもな。だが、代償に海軍の終結させた航空機1200機は壊滅、特に空母艦載機は事実上の消滅だそうだ」 その言葉に半ば唖然としつつ伊藤は座りなおす。彼からすれば、1200機もの航空機を集中する作戦も、それを壊滅させる敵も想像の外であった。 その様子を視界に収めつつ、栗林も自分が内々に仕入れた情報を差し出す。 「次の米海軍の攻勢も数ヶ月以内、規模はマリアナを遥かに超える規模だそうだ」 これは西すらも知らなかったのか驚愕する。 「そんなことがあり得るのですか!?」 「西君、君ならば分かるはずだ。米国という国家の強大さをね」 西はかつて自分も滞在した国の情景を思い出して、その言葉を噛み締め、伊藤はもはや呆然としながら気を落ち着けようとグラスを口に運ぶ。 スコッチのコクのある苦味が心を落ち着ける。おかげで何とか質問をするだけの反応が出来た。 「閣下はどこでその情報を?」 「妙な連中が来てね」 栗林はここ何ヶ月かで度々自分を訪れたり、情報を流してきた一派のことを思い浮かべた。 西はそれに対して、思うところがあるのか声を潜めつつ問い正した。 「やはり、閣下の元にもですか?」 「何?」 「私や大尉の所にも、そうような連中が接触してきました」 己に向けられる二つの視線を、穏やかに返しながら話を続ける。 「燃料弾薬もそうですが 、最新の資料を含めなにかと便宜を図ってくれたようです。おかげで我が連隊はチハ改でそろえることが出来、ベテランが優先的に配属されています」 さすがに改2は本土の連中が手放さなかったようですがね、と続けながらグラスを飲み干す。 伊藤はそれに酒を注ぎながら、己の事情を告げる。 「自分のところには、同期や昔の同僚を通じてです。 各種の築城資材にくわえて、南洋諸島における戦闘の報告書を、かなり詳しい物まで送られてきました。 特に、ペリリュー島やサイパンでの資料は驚きました。 ……正直、自分も地下要塞の建築には反対でしたが、あの報告書を読んだあとでは今の方法しかないと考えております」 二人の事情を聞き、栗林も口を開く。 「最近、彼らの事らしい噂を聞いている」 「噂、ですか?」 「ああ、仲の悪い陸海軍どころか、各省庁にすらも根を張っているという連中だ。 現在の海上護衛やいくつかの装備の採用にもかかわっているらしい」 それ以上は、栗林自身も知らないらしくスコッチをなめる。 三人は無言でそれぞれのことを思案するが、西が口を開いた。 「なんにせよ、現在の状況を望ましいものといえます」 「確かにね」 「はい」 「そういえば、君の連れてきていた馬はよい面構えをしておったな」 「ジュピターといいます、父島から連れて来ました」 疑問はいまだに残るが、考えてもらちが開かぬのか栗林は話題を変える。 先にはいまだ不安はあれど、硫黄島での夜はこうして更けていった。 639 :ひゅうが:2015/04/19(日) 18:57:10 乙です! いいなぁこういうの… この裏側で静かな死闘が海中で、そして大本営ではレイテの準備が進められているという―― まるで噴火前夜のような異様な雰囲気がステキです。 投下乙でした。 640 :名無しさん:2015/04/19(日) 18:58:11 南北縦断地下連絡通路を拡張したんでしょう 史実では出来なかったから、こっちの世界では出来たと自分は解釈しました 641 :名無しさん:2015/04/19(日) 19:05:15 やっぱ、妙な連中って思われてたんだな。 阿部さんと苦労性なお仲間さんたちは。 642 :名無しさん:2015/04/19(日) 19:06:05 >>640 できていれば随分と違っただろうし、実施しただろうねえ。 あと、弾薬庫を複数個所に分けて弾薬の喪失を防ぐ工夫等を陸海の工兵で互いの経験をもとに行っているでしょうし。 643 :ひゅうが:2015/04/19(日) 19:07:12 後付けに結果としてはなってしまいますが、南北連絡通路は三系統が開通済みです。 中には坑道で使用するようなトロッコ軌道も敷設されており、側面の従来の連絡坑道とあわせて南北間の緊密な連絡を可能としていました。 本来は海岸砲に向けた弾薬補給用として敷設されたのですが、エンジンをわざわざ崩落の可能性のある坑道内の連絡に使用するよりも、発電用に用いた方がよいということでトロッコには独特な方式がとられています。 「無火機関車」といってわかるでしょうか? 要するに、コンプレッサーやボイラーでタンク内に空気や蒸気を充填して駆動させる機関車で、火器の使用が制限される炭鉱などで使用されたものです。 これを使うことで、防衛側は迅速な兵員配置が実施できました。 さすがに南北縦貫戦車用連絡路は構築できませんでしたが、各所に配した戦車への補給や部品輸送くらいは可能です。 また、これも地味にきいていることですが、精製水やアルコール、そして量産されたサルファ剤(抗生物質は終戦時にそれなりの数で生産がはじまっていたくらい)を輸送できる環境のため、負傷後の回復率はかなりのものになります。 司令部壕や病室壕などには軍艦用の簡易冷房すら取り外されて設置されていたほどです。 もっとも稼働時間は燃料の関係で制限されていましたが。 644 :名無しさん:2015/04/19(日) 19:08:25 それは傷病兵達の生存確率も大幅に向上しておりますな。 645 :ひゅうが:2015/04/19(日) 19:15:24 はい。「無駄に命を散らす前にきっちりご奉公してから逝け」という極めて残酷な思想の結果ですが、それゆえに生存者は史実よりも大幅に増えることになります。 ちなみに無火機関車が採用されたのは、「坑道内でエンジンばんばんふかしたら酸素濃度減るし一酸化炭素増えるだろ!」という現場の声を受けてのこと。 構造も簡単であり、何より内地の炭鉱でかつて使用されていた旧式の(ただし品質自体はいい)明治時代の輸入品が存在していたことから実現の運びとなりました。 これに匹敵する地下要塞地帯は、沖縄の中城臨時要塞(中南部地下要塞)と、南部の糸満臨時要塞(南端地下要塞)くらいしか存在しません。 フィリピンや台湾に送られるはずの兵力が最初に行わされたのは、住民の本土への移送と並行しての地下要塞地帯構築だったのだからぼやきたくなるでしょうね… ただし、降伏後にこの無傷の要塞地帯を発見した米軍は、本気で心が折れかけたそうな…

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