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ページ1(仮設) - (2014/02/14 (金) 12:07:36) の編集履歴(バックアップ)


・没となった理由
 
「仕様ではもっとボリュームがあったんですけど、残り3ヶ月の時点で無理な仕様を片端から切りました。」
※カラフルピュアガール2003年9月号「急ピッチで開発した『東方紅魔郷』」のZUN氏インタビューより 
 
ここでいう「ボリューム」とは容量のことではなく、要素の事を指していると思われる為、「(スケジュール的に)無理な仕様」を
切ったという意味に取れる。
よく「容量不足でカットされた」という説が出回っているが、東方紅魔郷のデータサイズは400MB以下である。
一般的なCD-ROMの容量は700MBであるため、「容量不足」でデータがカットされた、という説はあり得ないと思う。
 
 
「でも突然新キャラで自キャラを用意されても愛着がわかない。」
※東方永夜抄体験版 おまけ.txtより
 
「東方幻想郷」の時点で、最低限必要な主人公キャラは「霊夢・魔理沙」であるとほぼ固定されていたため、
上記の理由もあり比較的優先的に「3人目の主人公」は削除されてしまうことになったのではないか?
もし「冴月麟」ではなく「魅魔」や「幽香」、「アリス」などが3人目候補でも同じようにカットされていたのだろう。
 
 
・2013/09/28アトランタイベントでの最新インタビューより
こちらから引用
 
Q: Will Rin Satsuki ever be added?
A: “<ZUN pauses in confusion>…OH!” 
Basically, ZUN goes into saying that he had to cut her from Embodiment of the Scarlet Devil because there wasn’t enough time.
[In other words, she’s gone forever it seems like.]
 “You know a lot about these games, don’t you?” <laughs>
 
桜木意訳:
 
質問
「冴月麟(リン サツキ)は今後登場することはあるの?」
 
回答
「(混乱した感じで数秒固まる)…ああ!」
要約すると「紅魔郷では時間が無かったためカットせざるを得なかった」とのこと。
「言い換えれば、今後出てこないと言うことなのかもしれません(編集者)」
「よく知ってるね(笑)」
 
 
■実際に存在するデータ
 
・「東方紅魔郷」データ内に存在する「冴月麟」の文字列
 
 
“東方紅魔郷.exe”をバイナリエディタで開き、アドレス:0006BB40~を参照することで確認できる「冴月 麟 (風) 冴月 麟 (花)」の文字列。
 
○未使用データである
○東方紅魔郷、全内部データでこの文字列が確認できるのはこの位置のみである
 
・検証、考察
この文字列は実際のゲーム上ではどこで使われている部分なのか。
結論から言うと、「スコア画面」である。
このアドレスに存在する霊夢・魔理沙の文字列を変更すると、実際のゲーム画面でも名前が変更される。
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
改造例。「霧雨 魔理沙」という文字列を「魅魔」に書きかえたもの。実際のゲーム画面で反映されていることが
確認できる。
 
「東方紅魔郷」などWindows版初期の東方Project作品の文字列は大部分がテキストで作られていたために
変更が可能となっている(現在は会話文を除く大部分が画像化されている?)。同様に、会話文なども変更可能。
 
「冴月麟」の文字列はこのスコア画面用の文字列データの一番上に配置されており、
冴月麟に当たる部分は改造してもゲーム上では参照されていないため、何も変化しない。
 
バイナリエディタ上では「冴月麟、魔理沙、霊夢」の順で収録されているが、ゲーム上では「霊夢、魔理沙、(冴月麟)」
の順で表示される(※「冴月麟」は非表示)。
 
 
face00 face06
face01 face07
face02   face08
face03 face09
face04   face10  
face05 face11
    face12
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
 
 
また、立ち絵データ・各種定義ファイルのファイル名を参照すると、霊夢は「00番」、魔理沙は「01番」で処理されていることが確認できる。
そして1面ボスであるルーミアが「03番」であることから、3人目の自機である冴月麟は「02番」に定義されていると見るのが自然である。
 
が、実際には、東方紅魔郷には「未使用の“1面中ボス”」が存在している。
 
stg1enm.png

stg2enm.png
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
 
 
これは「ルーミア」、もしくは「冴月麟」だと言われているが、「冴月麟」は本来ならば自機データであるため、
敵キャラクター用のデータ「stg1enm.png」内に含まれているこの未使用キャラ画像は「冴月麟」ではなく、
「1面の中ボスキャラ」であることがわかる。(右のStage2敵キャラクターデータも参照)
 
「02番」のキャラクターはこの未使用中ボスである可能性が高い。
というのも、紅魔郷の内部データを確認すると、似たような「欠番」がもう3カ所存在し、
ひとつは「大妖精」、もうひとつは「小悪魔」、そして「EXステージ中ボス」である。
 
これらはすべて「立ち絵」が存在しない(あるいは登場しない)キャラであり、どちらにせよ「立ち絵がない」という部分で
共通している。
東方STGシリーズのステージ構成は基本的に、「1ステージに1中ボス、1ボス」という構成でほぼ統一されており、
紅魔郷もレベルデザイン(ステージ作成)前の段階でこの仕様に沿ってキャラ番号を先に定義したため、
実際に使われなかった(没となった)キャラの番号が欠番になっているのだと思われる。
現に「大妖精」「小悪魔」に関しては立ち絵の原画までは存在しているという話もあるので(そもそも、東方のキャラドット絵は
立ち絵データを縮小して作成していると思われるので、この2キャラの立ち絵も元々は存在している可能性が高い)、
単純にそれが未使用なためゲーム上でその番号の画像データが入っていないだけだろう。
 
以上を踏まえると、「02番」に当たるキャラが「冴月麟」と「1面中ボス」で競合しているという不自然な状態になっていることに気がつく。
これは恐らく、ゲーム制作の最初期の段階では敵キャラ番号はまだ定義されていなく、「00:霊夢、01:魔理沙、02:冴月麟」
という部分のみが定義されており、ステージ制作に入る前の段階で「冴月麟」がカットされ、空いた「02番」から
敵キャラを定義したが、最終的に中ボスも没となったため、結局「02番」は欠番となったのではないか。
 
それならば、「全データ内でスコア画面にのみ“冴月麟”が残っている」という状態にも説明が付く(先にゲーム本編以外のメニューやシステムからプログラムし始めたと想像できるため)。
※2013/10/09追記:上記の打ち消し線の入った部分は、最近の考察により間違いではないかということになっています。
細かい追記はまた後ほどする予定です。
 

※2012/07/24現在、私個人で調べた範囲では全データ内で「3人目の自機」を処理していた痕跡と思われるデータはこの部分以外では確認できていません。もし何か新たな情報が入ったら随時更新していきます。情報提供してくださると有り難いです。
※また、一部では「会話データのみ存在している」という噂も存在するが、当方で解析した範囲ではそのようなデータの存在は確認できていない為、デマであると考えています。

 
■2014/02/13 メモ
「未使用中ボス」の画像は他の紅魔郷登場キャラクターと比べ、「サイズが小さい」という違いがある。
ルーミアとも、2面以降の中ボスと比べても小さいため、製品版で実装されているキャラクターとは別フォーマット(仕様)で制作された画像であることがわかる。
 
この「未使用中ボス」画像は、「東方紅魔郷」の前段階である、「Windows版東方シューティングゲーム・テスト版」で使用されていた画像ではないだろうか。
 
紅魔郷の「霊夢」の自機画像は、次回作である東方妖々夢以降でのそれとも違い、「上半身の服が白い」という違いがある。
これは東方怪奇談以前と、紅魔郷以前の「蓬莱少女繪幻想」での巫女キャラクターたちのデザインに近いものであると思われる。
この「霊夢」の画像もまた、「Windowsテスト版」、あるいは「試作版」で使用されていた画像ではないか。
また、その段階での霊夢の「仮立ち絵」なるものも存在した可能性がある。
サークルカットのキャラクターイラストに関しては、スカート部分のデザインが異なるため、テスト版の霊夢である可能性は低い。
 

 
※2012/10/10、幻想板冴月麟スレ360番での情報追記、追加考察
「東方紅魔郷Ver.0.01(体験版)」以前の開発途中版のスクリーンショットの時点で既に紅魔郷1面道中は
現在のルーミアの立ち絵・会話文での実装となっていることが確認できるため、
この画像が公開された2002年4月の時点で既に「キャラ番号02:紅魔郷1面中ボス」は没となっていることが確認できる。
よって、同番号が定義されていたと思われる「冴月麟」が没となったのはこれよりも更に早い時期と言うことになる。
 
C61冬コミ終了後、C62申し込みの時期から考えると、次項の「容姿に関して」での「サークルカット説」の
根拠となり得るのではないか?と考えている。
「残り3ヶ月の時点で無理な仕様をカットした」とのことであるが、これが8月の夏コミであるとすると
3ヶ月前は5月になってしまい、上記のスクリーンショットの公開時期と矛盾してしまうが、誤差があるとしてやはり
冴月麟が没になったのは3~4月頃なのではと考えられる。
ちなみに「東方紅魔郷」のC62版はCD-Rでの頒布である為、印刷所の締め切りは存在しない。
 
また、紅魔郷の体験版公開が「2002年6月10日」なので、この時点から3ヶ月前だとすれば、3月ごろということになる。
夏コミの申し込み締め切りは2月であるため、「サークルカット説」の可能性は残る。
 
 
■容姿に関して

(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
※C62カタログを入手し、高画質スキャンした画像に紙の繊維を取り除く加工をした画像
 
・「C62サークルカットが冴月麟ではないか?」説
 
理由:
「東方紅魔郷」が発表されたコミックマーケット62のサークルカットに書かれていたため。
このキャラは過去の東方Project、および東方紅魔郷には登場していないキャラクターであったため、
正体不明のこのキャラクターが「3人目の自機」ではないか?と考えた。
 
○このサークルカット絵が書かれたのは「2002年2月以前」であると思われる。(C62申し込み締め切りの関係上)
 
・復元線画
 
文字の下に見えている線を可能な限り繋いで復元したもの。
二胡の形状は実在するものを参考に作画。
 
 
・色(カラーリング)
 
 
○服デザインが霊夢(ないし「蓬莱少女繪」の巫女さん達)に似ているため、巫女キャラではないか?と予想。
○東方Projectのコンセプトの一つが「巫女さんSTG」であったため、巫女キャラである可能性が高いと予想。
 →「(夢時空~怪綺談では全く登場しなかったのに)巫女キャラが複数登場することはあり得るのか?」
  →現在、東方風神録以降に登場した「早苗」が「3人目の自機」ポジションになっている。
○後述の「お絵描き掲示板の絵」を参考。
○「蓬莱少女繪」の「zun005.jpg(金髪の巫女)」を参考に着色。このイラストには「新しいキャラを作ろうとした」とのコメントがある。
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
 →霊夢、魔理沙に続く新たな(魅魔から数えて2代目)「3人目の主人公キャラ」を作ろうとした?
「CD-R版蓬莱人形」のストーリーに描かれている「ブロンドの巫女」という存在があることと、
それに一致する「zun005.jpg(金髪の巫女)」、加えて「62カット絵」の服デザインが「zun005.jpg」含む
「蓬莱少女絵幻想」に登場する巫女キャラたちの服デザインの系統と一致することや、
それらの巫女キャラはすべて紅白のカラーリングであったことが、カット絵のカラーリングに採用した理由。


○備考:当時の「蓬莱少女繪」には、こういったデザインの(霊夢・霊夢以外の)巫女キャラが多かった。

zun000.jpg

zun004.jpg

zun006.jpg

zun007.jpg

zun008.jpg
(C)上海アリス幻樂団/ZUN

左二枚以外は「霊夢」とは表記されていないため、別のキャラクターである。
※単純に「巫女さん」としか表記されていなかったり、「大人の巫女さん」と書かれている場合が多い。
 
 
・お絵かき掲示板の絵
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
この絵は「金髪版冴月麟」の着色した後から存在を知ったものだが、髪型・髪飾りなどシルエットが酷似して、金髪である。
そもそもの「金髪説」自体がそれほど深い意味もなく選んだ物だったため、関係があるかどうかを言い切ることはできない。
尚、以下の「妖々夢版冴月麟(ネタ絵)」のデザインはこのイラストと、「未来世紀のブロンド巫女(zun008.JPG)」を参考にしている。
(C)上海アリス幻樂団/ZUN
 
→「未来世紀のブロンド巫女」と蓬莱少女初版の「ブロンドの巫女」は何か関連性が?
※桜木李杏 作画

 
 
・麒麟
私が金髪に塗った当時、名前(麟)から「麒麟」の連想は特にはしていなかったので、この件において「金髪」は
完全な偶然。
 
しかし、あまりにも偶然に多くの情報が「金髪」で一致しすぎているため、ひょっとしたらというのもあるかもしれない。
(私はあくまでメタな視点での「冴月麟」考察しかできないため、この辺りの考察は他所に任せることにする)
ただし、これは他のカラーリング説を否定する物ではないことを繰り返し強調しておきます。
 
 
■サークルカット絵考察・追記 ~最近思ったことなど 2013/09/21
 
 
前項の「サークルカット=冴月麟」説の続きになるのだが、
上のサークルカットはそれぞれ「東方怪綺談(TH05)」「東方紅魔郷(TH06)」「東方妖々夢体験版(TH07)」の頃のサークルカットで、
左右端のカット絵はどちらとも「モノクロ二値イラスト・スクリーントーン使用」であることが確認できる。
これらの絵以外にもグレースケール印刷が可能な同人誌を除き、比較的古いサークルカットの絵では一部を除いて基本的に
グレースケールイラストは使用されておらず、スクリーントーンを使っている絵が多い。
そもそもグレースケールのサークルカットが使用可能になったのはC70(2006年)以降にコミケットがオンライン申し込み可能になってからである。
 
C62のサークルカットにはスクリーントーンは使用されておらず、前後のサークルカットと違い明暗が汚い。
 
 
そもそも数が少ないので例を出しづらいのだが、モノクロのZUN絵でつむじに暗い色を乗せている絵は無く、この塗り方はカラー絵で
よく見られる描き方である。
 
 
更に、前髪や後ろ髪、右袖のシワ部分に乗っている不自然な汚れ、これも影が描かれていた跡ではないかと思う。
二胡(楽器)の右下面の黒い部分もモノクロ絵でここまでクッキリとした影を付けるのは絵柄的に考えづらいので、カラーで描かれている絵を
Photoshopなどでレベル補正をしてモノクロ化したからではないかと推測される。
 
ではもし仮にこのカット絵が元々カラー絵だったとしたら、何故「カラー絵」だったのかという疑問が生まれる。
この絵のカラー版がどこかで使われていたのかというと、「どこにも使われていない」。
こういう「立ち絵みたいなカラー絵」がどこかで使われるはずが結局未使用だった部分とは一体何かというと、やっぱり「アレ」しか
出てこないと個人的には思うのですが(個人的な考察ノートなので何言っても良いと思う)。
 
 
ちなみにこのサークルカット絵、右端に注目すると「謎の白い線」が黒枠とイラストの間にあることが確認できる。
この線、下から上に向ってだんだんと余白が広がっている。
 
 
これは「PCで作成し印刷したサークルカット絵を糊で貼ったときに斜めになってしまった」ことによって発生した余白だと思われる。
この白線はサークルカット下部でも確認することができる。
 
 
そもそもこの文字自体がPhotoshopのレイヤースタイル機能によって作られた袋文字になっているので、
「申込用紙にペンで描いた絵の上に印刷した文字だけ貼った」ものではないということがわかる。
よって少なくともこのサークルカット絵は一度PCで処理されている絵だということになる(ただしデジタル絵であることを裏付けるものではない)。
 
更にこのカット絵、よく見るとフリルの左端が途切れていることがわかる。
サイズが合っていないということは、やはりこの絵は元々サークルカット用に描いたものではないと思えてくる。
 
ところでこの絵、右側にグレーの「影」のようなものが描かれているのですが、以前はこれPhotoshopのレイヤースタイル機能で作ったものだと
思っていたのですが、よく見るとその方法で作ったならば影ができているはずの部分に影がなかったり、フリルの形状を正確にトレースされていないなど
から、この影は手描きで描き加えられたものだと言うことが判明しました。
というかこの時代のフォトショにドロップシャドウってあったんですかね?(あったのかもしれないけど確認できないので知りたい)
 
 
・この絵はどこで使う予定の絵だった?
 
もし仮にこの絵が「冴月麟の立ち絵」だとした場合、ある問題点が発生する。それは「絵の横幅」である。
紅魔郷の会話シーン用立ち絵はレミリア・フランを除き、1:2サイズの縦長画像で固定されている。このサークルカット絵のまま立ち絵画像サイズに収めると、
せっかくのアイデンティティである二胡が絵からはみ出してしまうのである。それはおかしい。
 
↑こんなかんじになる。横幅が足りない。
 
これまではそれが理由でこの絵がゲーム内の素材である可能性はあまり考えないでいたのだが、今日になってようやく気づいたことがある。
 
 
ここである。
カット絵のサイズは頭の大きさを基準に霊夢・魔理沙と統一してある。
このサイズに縮小すると、
 
 
「キャラクター選択画面の絵」のサイズ内に収まってしまうのである。
しかも、あまり信憑性のある話ではないのだが、「3人とも左頬の頬紅に実線がある」という共通点まで存在する。
この頬紅、立ち絵ではルーミアにしか存在しない。
これらの絵が同じ時期に描かれた可能性が極めて高い。
 
ということは、このサークルカット絵は「キャラクター選択画面の冴月麟の絵(の流用)」なのかもしれない?
 
 
・zun008「未来世紀のブロンド巫女」

 
 
「またこの絵か」って感じですが、このノートを書いているときにふと見ていて気づいてしまったことがあったので一応掲載。
 
 
!?
 
…いやまあそんなに関係あんのかなって話ではあるんですけど、カット絵の娘の頭からぶら下がってる玉何なのよ、とか
その玉から出ているモシャモシャ何なのよっていう話に対する答えになるのではと思ったので。
似ているというか、むしろ同じものなんでは?と。
 
この植物どっかで見たことあるんですけど何でしたっけ。