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※霊夢が病んでます。 ※理不尽です。 ※勢いだけでかかれたことを承知の上でお読みください。 「霖之助さんが悪いのよ……あんなにアプローチしてたのに」 目の前にいる霊夢はいつもの霊夢ではない。 そこにいるのは霊夢ではない、ナニカなのだ。 僕は、そう、信じたい。 「ねぇ、霖之助さん。これで私を見てくれるのかしら?」 そこにいる霊夢は僕に訊いてくる。 ……何回同じ質問をされただろうか。 そして、僕の答えが気に入らないのか、その度に身体を痛めつけられる。 直接的な暴力ではない。 だが、僕は半妖だ。 なら、妖怪退治の御札を貼られたら、どうなるか。 僕は純粋な妖怪ではない。 だから、死ぬほど痛いということはない。 だけれど僕は妖怪でもある。 「何で答えてくれないの?」 黙っていたことがいけなかったのか、霊夢が御札を持っていた。 激痛。 情けないと思いながらもまた叫び声を発してしまう。 これだけ悲鳴をあげても誰も来ないのは、きっと霊夢が結界を張ってるからだろう。 「……霖之助さん、私ねずっと思ってたことがあるの」 突如、彼女が語り始めた。 今までは僕に質問を続けていたというのに。 「ほら、魔理沙って霖之助さんと仲いいじゃない。いつも、羨ましいと思ってみていたのよね」 魔理沙、という単語に反応する。 「なんで、あんなふうに笑ってられるんだろう、なんであんなふうに近づけるんだろうって」 嫌な予感がする。 「魔理沙も霖之助さんのことが好きだったのよ?でもあの子も報われなかった」 最悪の事態が脳をよぎる。 「でもあの子はあきらめなかった。気付くまでアタックするんだって言ってた」 それがただの想像であってくれと思う。 「私は博麗の巫女。あの子はただの魔法使い。あの子は人とも妖怪とも結ばれることができる」 やめろ、それ以上は言わないでくれ。 「私はあくまで中立。中立の立場でいなければならない。ハクレイノミコダカラ。そう考えたらあの子が憎くなったの」 ヤメロ 「でね、気付いたら魔理沙を*してたの」 そう言って霊夢だったナニカは、何処からか帽子を取り出した。 彼女のトレードマークと言ってもいい、あのとんがり帽子。 彼女が魔法使いは魔法使いらしくしなくては!といって被っていたあの帽子。 黒いはずの帽子は、紅く染まっていた。 「人を*してしまった。その瞬間、私はハクレイノミコではなくなったの」 ナニカは彼女の帽子をそっと撫でる。 「私、嬉しかった。ハクレイノミコでないなら結ばれることができるんですもの」 ナニカはまるで、最高のプレゼントをもらった少女のように喜んでいた。 「ねぇ、霖之助さん。私を ス キ ?」 「霖之助さん、寒くはない?」 彼は答えない。 いや、答えれないの間違いだろう。 紫はそんな彼にそっと寄り添う。 彼は助かった。 異常を感知した紫が霊夢を取り押さえ、霖之助を救出した。 最も、彼が受けたダメージは計り知れないものであったが。 身体の傷なら簡単に治せる。 それこそ、幻想郷には天才の医師がいるのだから。 だが、娘同然に思っていた少女を二人も失くした精神の傷は計り知れない。 紫が駆けつけたとき彼の精神は崩壊直前だった。 だから紫は彼の境界をいじって、記憶を封印した。 しかし、いくら記憶を封印したとしても後遺症は残ったらしい。 彼は喋れなくなっていた。 記憶を封印したから誰のことを覚えてるわけでもなく、彼はただ赤ん坊のようにおびえていた。 霖之助と一緒に住んでいる今こそ、平和そうに見えるが、彼は以前の霖之助ではない。 紫が求めていた霖之助ではなかった。 冷たい風が吹く。 もうすぐ冬眠の季節だ。 だけれどもう少し、霖之助の傍にいてあげたい――。 ---- - さいっこぉぉぉ!! -- ヤンデ霊夢 (2010-02-22 00:20:43) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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