H22過去問の解答と解説を作りました。間違いがあったらすみません。
問1
①× 呼吸困難時は仰臥位にしない。
②× 過呼吸は、呼吸回数は正常(もしくは増加)で、深さが異常に深い。
③× 誤嚥性肺炎は右肺に多い。
④○
⑤○ PaO2の基準値は80~100であり、SpO2が95のときPaO2は80となる。よって、SpO2が92ということは、PaO2は80未満であり、基準値を下回る。
⑥○ ステロイド剤は、症状が改善してもすぐには中止せず、徐々に減量していくことが原則である。
問2
①× 三大呼吸器症状は、咳、痰、呼吸困難である。
②○
③× ツ反が陰性のとき、肺結核の可能性はない。
④× 抑制の適用となるのは、人工呼吸器を装着している患者のうち一部にすぎない。
⑤× COPDの患者は呼気延長がみられるので、歩行時は呼気:吸気=3:2など、呼気の長い呼吸法を行う。
⑥×
⑦○ 肺がんに限らず、多くのがんで集学的治療が行われる。
問3
①× 尿路結石は、腎・尿管・膀胱・尿道にできる結石の総称である。
②× 現在、尿路結石が手術適応となることは稀である。自然排出を待つか、体外衝撃波結石破砕術などを行う。
③×
④○ 前立腺肥大症では尿道が圧迫され、夜間頻尿→尿の勢い低下→残尿→尿閉と症状が進む。
⑤×
⑥× 前立腺特異抗体PSAは、血液検査で測定できる。
問4
①○ 開腹せず尿道に内視鏡を入れて手術するので、侵襲が小さい。
②× TUR反応とは、低ナトリウム血症であり、嘔気・嘔吐・冷や汗などを呈する。
③× 尿道カテーテルを牽引固定するのは、止血不十分な場合のみである。
④○ 前立腺は血管に富むので、術後出血のリスクが高い。
問5
①○ 膀胱がんは、血尿で発見されることが多い。
②× 尿路変更術により、ストーマを造らずに済む場合もある。
③× もっと前から制限?
④○ 永久ストーマ造設患者はオストメイトと呼ばれ、障碍者手帳を申請できる。
問6
①○ 精巣腫瘍は20~40代の若年者に多く、急速に進行するので、発見時には進行している場合が多い。化学療法が効きやすい。
②○ 緊急手術をしてから化学療法などを行うケースがある。
③× 十分な精神的ケアが必要。
④× 家族へのケアも必要。
問7
①× 閉経後、エストロゲンは脂肪組織から合成される。
②× 排卵を抑制するのはプロゲステロンである。
③○ プロゲステロンは乳腺の発育を促す。
④× エストロゲンが危険因子とされるのは子宮体がん、乳がんなどである。
⑤○ エストロゲンのバランスが崩れると骨粗しょう症になりやすい(更年期障害など)
問8
①× ボディイメージの変容を受容するには、長い時間を要することが多い。
②× ヒトパピローマウイルスのワクチン接種をするのは子宮頸がんである。
③×
④○
⑤○
問9 省略
問10
1. インスリンの作用不足による著しい高血糖は、糖尿病性ケトアシドーシスなどの昏睡を引き起こす可能性がある。
2. 糖尿病の慢性合併症(長年の高血糖によって起こる)のうち、細小血管合併症に含まれるのは網膜症・腎症・神経障害である。その他の合併症として、冠動脈疾患、脳血管障害、足病変などがある。
問11
糖尿病患者の食事療法では、毎日同じ条件で体重を測定するなどの体重管理と、過不足なく栄養を摂取することが重要である。
問12
①× 薬の作用機序や患者の生活背景によって、患者への説明は異なる。
②○ 糖尿病の治療は生活に密着しているため、患者の自己管理能力を高めることや、家族などの理解や協力をうながすことが重要である。
③× 糖尿病患者には、定期的受診の重要性を伝える必要がある。
問13
感覚とは、ある特定の感覚器、感覚神経、脳の感覚野が刺激されることによって生じる個々の具体的な意識経験である。知覚は、感覚に解釈や判断が加わったものである。感覚-知覚機能の喪失は、身体防御作用、日常生活動作、心理社会的活動に影響を及ぼす。感覚-知覚機能の変化・喪失により、人々は苦痛、悲嘆、ボディイメージの変容、自己概念の変容、生活の再構築を体験する。
そのような人々の看護援助においては、フィジカルアセスメント、基本的ニーズ充足のためのセルフケア能力の強化、リハビリへの動機づけの強化、ソーシャルサポートの促進、社交性の促進、自己の肯定的変化への気づきの促進などが重要である。
問14
①○
②? 「関節リウマチ」と「悪性関節リウマチ」は、ともに膠原病であるが、医療費助成が受けられるのは「悪性関節リウマチ」である。
③× 「特定の臓器のみに」が誤り。膠原病は、全身の炎症性疾患である。
④○ 膠原病の治療に用いる薬のうち、生物学的製剤はアレルギーや日和見感染症の危険が高い。免疫抑制薬として用いられるメソトレキサートは抗がん剤でもあり、間質性肺炎・骨髄抑制・肝機能障害が三大副作用といわれる。ステロイド剤は、種々の副作用のほか、自己中断による離脱症候群のリスクがある。
⑤○
⑥○ 副腎皮質ステロイドの副作用…いろいろな科目に参照ページあり
⑦× 膠原病は、生活習慣の改善などのセルフマネジメントによる効果が表れにくい疾患である。患者の努力が反映されにくい。
問15
①○ 吻合部狭窄は、術後早期の合併症である。
②× 禁飲食・中心静脈栄養で改善することが多い。
③○ 吻合部の浮腫が強くなると狭窄が起こる。
問16
①?
②× タール便は、上部消化管出血の症状である。下部消化管からの出血は、粘血便を呈することが多い。
③× 早期ダンピング症候群に対しては、食事の回数を増やして1回の量を減らすよう指導する。晩期のダンピング症候群では、インスリンの過剰分泌による低血糖の症状が出た場合、糖分の摂取により症状が緩和される。
④× 胃全摘術後は、胃酸の減少により鉄欠乏性貧血となる。巨赤芽球性貧血は内因子の低下から起こる。(手術から数年たって、肝臓に貯蔵されていたビタミンB12が枯渇すると発症するといわれる)
問17
- 肝硬変の患者が羽ばたき振戦や意識障害を呈したら、肝性脳症を疑う。
- 肝性脳症は、高アンモニア血症によって起こる。食事療法としてたんぱく質を制限する。
- 腹水が貯留しているときは、塩分制限をする。
- 腹水貯留時は、横隔膜が上がって呼吸が苦しくなりやすい。セミファーラー位をとって膝を曲げると、横隔膜が下がって呼吸しやすくなる。
(1)○ 安静によって肝への血流が増え、回復が促進される。
(2)○ 食事は一回量を少なく、回数を増やすことにより、肝臓への負担を軽減できる。
(3)○ 飲水量、尿量、腹囲、体重などを測定することにより、腹水や浮腫の程度をアセスメントできる。
(4)× 便秘になると腹部膨満感が増し、ますます呼吸が苦しくなるので、できるだけ排便を促す。
(5)○ 睡眠リズムの乱れ、見当識の低下、せん妄の有無や程度を観察する必要がある。せん妄は命にかかわる。
問18
- 深部静脈血栓症(PVT)…術後に起こりやすい。フットポンプの装着、弾性ストッキングの装着によって予防。兆候としてホーマンズサイン(足の甲を背屈したときに腓腹筋に強い痛みを生じる)がある。
- 血栓が肺動脈に達し、肺塞栓を起こすことがある。離床時に起こることが多い。
- 患肢を拳上する際は、腓骨麻痺を予防するため、腓骨の骨頭部を圧迫しないようにする。
問19
- 構音障害…発音は不明瞭だが、言っている内容は問題ない。
- 失語症…高次脳機能障害の62%を占める
ブローカ中枢の障害…言葉を理解できるが、話すことが難しい(運動性失語症)
ウェルニッケ中枢の障害…流暢に話せるが、間違いが多い(感覚性失語症)
問20
頭蓋内圧亢進の三大兆候は
頭痛、嘔吐、眼底のうっ血乳頭
頭蓋内圧亢進…重症化すると脳ヘルニアとなり命にかかわる
問21
①× 延髄損傷→球麻痺
大脳の損傷→仮性球麻痺
②○ くも膜下出血→嘔吐をともなう激しい頭痛
③× 下垂体後葉損傷→バソプレシンが出ない→尿崩症
問22
①○
②× 前下行枝と回旋枝に分かれるのは左の冠動脈
③○ P波は辛抱の収縮を表す。
④× ペースメーカーの適用となる房室ブロックは、Ⅲ度の完全房室ブロックと、Ⅱ度のモビッツ型房室ブロック
⑤×
問23
①○? 狭心症の発作症状として放散痛は重要。
②○
③× 心臓カテーテル検査後は、造影剤を排出するために水分をたっぷり摂るよう促す。
④×? 狭心症の痛みはニトログリセリン舌下錠で消失する。心筋の壊死を起こすことはない。
問24
①× 心筋梗塞の発作は早朝~午前中に起こることが多い
②○ ニトログリセリンは効果がない
③?
④? 動脈バイパス術は、人工血管ではなく自分の血管をグラフトとして用いることもある。ワーファリンについてはレジュメに記載なし
問25
①×? 左心不全になると、肺うっ血による呼吸困難を呈することがある。右心不全では呼吸困難はみられない。
②○
③○ 慢性心不全患者は、風邪をきっかけに急性心不全に移行することがある
④× ジギタリス中毒の代表的な症状は、不整脈と消化器症状(嘔吐、下痢など)である。
問26
①○?
②×? 人工弁には、機械弁と生体弁がある。機械弁を植え込んだら必ず抗凝固療法を行うが、生体弁は血栓を生じにくい。妊婦は生体弁を選択することが多い。
③× ワーファリン→納豆禁、カルシウム拮抗薬→グレープフルーツ禁
④○ 抗凝固療法の副作用は出血傾向である。
問27 ペースメーカー装着患者
①○ 毎日1回は脈拍測定をする。
②× MRIは絶対禁忌。
③× 吃逆とは、しゃっくりのことで、受診が推奨されるが消化器内科ではない。
④○ ペースメーカー手帳は常に携帯する。
最終更新:2013年01月28日 21:36