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はやてルート16話 - (2008/07/23 (水) 23:45:40) の1つ前との変更点

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912 :Fateはやてルート89:2008/07/22(火) 22:52:31 ID:LbYY7RN9 二年C組、そこは衛宮士郎にとって親しい人間の多いクラスであり 彼にとって過ごしやすいところであった。 「副会長、衛宮はどうしたのだ?」 「それやけど、ちょお体調崩してな。午後からくると思う」 クロスワードを広げつつ柳洞一成は尋ねる。 「ほんとにお前は衛宮、衛宮ってマジで衛宮の尻狙ってるわけ?これだからホモは」 「…廊下に出るか…間桐…」 奥歯を噛み締め暗い表情で立ち上がると、慎二を睨みつける一成。 「はい、はいせっかくクロスワードを柳桐君がもってきてくれたんやから 慎二も得意な名推理見せてや。二人とも座った、座った」 はやてが椅子を叩き、二人を席に誘うと渋々と席につく二人。 「ふん、僕のこの鋭い推理をクロスワードだけで満足させろってのかよ?」 「慎二の予想はびっくりさせられるくらい当たることもあって みんなの期待やない。今日も見せてや、な?」 「は、たまにだって?僕の頭脳はいつだって冴えてるんだよ。 柳洞どこからやるんだよ?」 「ここからだ…間桐、いいか?」 「は、瞬殺だね」 この二人に士郎、はやてを合わせたならば二年C組のやや、変なグループ一個のできあがり。 沸点の低い対照的な二人を衛宮二人で取り持ちそれなりに仲の良い関係を築いていた。 「お、お、やるなぁ二人とも、今日は士郎の出番もなしやね」 慎二、一成の二人は順調に問いを埋めていく。 「当たり前だろ、衛宮なんていても役に立たないんだよ。 せいぜいが、んーとか、むーとか言ってるだけしね」 「間桐、お前は衛宮の真骨頂を全く理解していないのだな。 三人が詰まってどうしようもない時、最後まで諦めずに 粘って答えを導き出してくれるのが衛宮であろう?」 「知ってるよ。馬鹿なあいつはそんな時にでも役に立ってもらわないと意味ないじゃん?だろ、タヌキ?」 「私としてはノーコメントで」 はやては柔らかく笑う。 「衛宮に甘いタヌキがこの反応じゃあ、衛宮の価値も知れたもんだ」 「いや、衛宮の価値は俺が一番知っている。 そういえば、藤村先生はまだ、来ないのか。そろそろ地響きが聞こえてきてもいい頃合いなのだが」 一成のふいに零した言葉にピクリと反応した者が一名いたが 慎二の言葉にかき消され誰も気づかなかった。 913 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/07/22(火) 22:54:28 ID:ZJqLtGv3 支援 914 :Fateはやてルート90:2008/07/22(火) 22:56:59 ID:LbYY7RN9 「僕が昨日夜遅くまで付き合わせたからね。もしかしたら起きられないのもしれない。 クク、教師冥利に尽きただろうな藤村も」 「えと、慎二と藤村先生が?…何してたん?」 「間桐…まさかお前…」 「何してたかって?そんなの言えるわけないだろ。 極めてプライベートなことだぜ」 慎二が余裕の笑みを浮かべながら肩をすくませると 教室に入ってきたのは大河とは別の教師だった。 「C組の担任藤村先生は都合により本日は学校を休まれ、代わって私が本日、C組のホームルームを担当する」 そして、藤村大河がこの日学校に姿を見せることはなかった。 「衛宮シャマルの妹、セイバー・ヴォルケンは甥の授業を見るため 学校へ行くと?これでいいのですか?まんま過ぎてひねりが感じられないのですが」 「だ、大丈夫、最近はモンスターペアレンツだとか生徒の親族に 学校はすごく弱いから、多分な…」 自信なさげな士郎の様子にセイバーはジト目を送る。 「マスター…本当にそれでいいのですか?」 「あっと、それそれ。マスターって禁止だぞ。セイバーは俺の叔母さんになるわけだから 士郎君とか士郎とかが自然だろ?」 「叔母ですか…では、私のことは人前ではセイバーさんと マス…いえ、シ、シロ、ウ、シロウ。この響きで間違いはありませんか?」 「うん…問題ないかな」 「では、私は人前ではマスターのことをシロウと」 士郎は穏やかに頷く。 「ああ、授業を見ると言っても教室に入ってきたりしなくていいからな。 廊下から覗くくらいで」 「そうなのですか?少し、残念ですね。マスターの勉学の様子を側で確認しておきたかったのですが」 少し寂しそうな顔になるセイバーを士郎は不思議がる。 「そんなに見たかったのか?」 「…そう、ですね…息子の面倒はよくみてあげられなかったので…」 目を閉じ、深く何かを回想する少女を前に固まる少年。 「む…む…むすこ?」 目の前の少女は少年よりも年下に見えるというのに少女は士郎を通し誰かを 懐かしんでいた。 「外見はもちろん違いますが外見年齢的には士郎に近いものがありますね」 「え?…」 親の顔をして柔らかく微笑む姿は士郎にセイバーの新たな一面を感じさせた。 915 :Fateはやてルート91:2008/07/22(火) 23:01:19 ID:LbYY7RN9 午前から午後へ時刻が変わろうとするころ赤髪の少年と金髪の少女は家を出、 学校へと向かう。 少年は制服、少女はスカートスーツといういでたち。 「はやてのだけどサイズが合ってよかったな」 「そうですね。けれど、何故スーツなどもっているのです? 私の知識に拠ればマスター達の年代では学生服が礼装としても使用できるはずですが」 セイバーの疑問に士郎は鼻をかきながら答える。 「まぁその辺は俺も詳しくないんだけどはやての切嗣の前の養父の人が 働いてたとこの物らしい。はやてがもらったっていう今じゃ古ぼけたカタログに載ってる。 そういえばどこに置いてたかな。 そのカタログを見本に作ってもらったんだ。 それで、はやては年に一回はその養父の人の家まで墓参りに行くからそん時にそれを着て行ってる。 多分、形見みたいな感じなんだろうな」 「なんだか警察の制服に似てる気がします」 ブラウンの服を眺めながらセイバーは感想を述べる。 「シグナム達もそんなこと言ってたな。軍と警察の相の子みたいなので あんまり好きじゃないとかさ」 寒さも和らいだ昼下がり二人は穂群原に向かう坂を登っていく。 と、二人の前に穂群原の制服を身につけた女学生三人と一人の男が 目の前を校門へ向けて歩いてくるのが見えた。 「あれは、A組の女子か。後ろの男は…」 彼らもまた士郎達に気づいた様子で流し目に士郎、セイバーを見つつ校門をくぐっていく。 「クロノさん、面白い話ありがとうございました」 ほんわかした笑顔を向け校内に消えていく三枝由紀香ら三人を男は疲れた顔で見送ると 正門へ歩いてくる士郎達に目を向けた。 「…あんた…ここで何してる…学校まで来てはやてを連れてこうってのか! あと、A組の女子に接触していた理由はなんだ!!」 「………」 「答えろ!!」 熱くなり、前かがみになっていこうとする士郎をセイバーは引き止めた。 「この男がはやてを欲しいと言っていた者ですか?」 「ああ」 「では、話の通りであれば地球外生命体なのですね?」 「まぁ…そうなるのかな。実感沸かないけど…」 士郎の返事を聞くとセイバーはクロノのことを上から下までじっくり観察する。 916 :Fateはやてルート92:2008/07/22(火) 23:05:56 ID:LbYY7RN9 「普通ですね…」 クロノを観察し終えたセイバーは少し残念そうにため息をついた。 「何を…期待していたんだ?セイバー」 「いえ、話に聞く宇宙人のような特徴はないものかと…しかしそううまい話はないものですね」 セイバーから落胆の視線を向けられようやくクロノも口を開く。 「サーヴァント、その制服は管理局の物だけど衛宮はやてのものか?」 「ほう、マスターの問いには答えないのに自分は質問すると?」 腰に手をおき、少しセイバーはご立腹の様子。 「いいってセイバー。黒野、あんたは嫌いだけど話はキチッとしとく。 これは、確かにはやてのだ。グレアムって人からもらった雑誌に載ってた物を 参考に作った」 「そうか…やはりグレアム提督は闇の書の所在を掴んでいたんだな」 遠い目をするクロノに士郎は昨夜はやてと確認したかった事項を口にする。 「グレアムという人はあんたの知り合い、なんだな?」 「あの人は僕の恩師だ。僕がここにいるのもあの人ができなかったことを引き継ぎたいという意志からでもある」 「できなかったこと?」 「闇の書の完全消滅、それがおそらくグレアム提督も考えてたことだろう」 「はやての養父だった人だぞ?はやてはとても優しい人だったって… それんな人が闇の書を消すだけのためにはやての面倒を見てたってのかよ!」 士郎はクロノに掴みかからんばかりの剣幕で叫ぶ。 「闇の書の危険性がまだわからないみたいだな!衛宮士郎! 事と次第によってはこの星自体を飲み込むんだぞ!! グレアム提督ほどの人が重要視するのも当然だ! アレを消さないちゃ多くの人が不幸になる!本当にわからないのか!?」 士郎に触発されたのかクロノの声も大きくなる。 「それが胡散臭いってんだよ!俺はこの十年あの本のことは見てきてるんだ。 けど、はやての魔力を吸うだけで破壊的なことは何一つしてない!」 「その吸い取られた十年に渡る膨大な魔力はどこへ行った! ため込まれたままだろう!それが覚醒したらどうなるか想像もできないのか!?」 「膨大な魔力があろうとなかろうと決めるのははやてだ! そんなことしないだろうし、俺がさせない!」 「このっ分からず屋!過去のデータをみせてやるから家に来い!」 「ああ、望むところだ!」 917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/22(火) 23:07:18 ID:qqBiig48 支援 918 :Fateはやてルート93:2008/07/22(火) 23:16:24 ID:LbYY7RN9 士郎がクロノと意気投合?し、口論しながらクロノの指し示す方向へ向かっていこうとする。 それを止めたのはセイバーの腕だった。 「マスター、熱くなり過ぎです。冷静に。今日は大事な話しがあったのではないのですか? 私としてはマスターが行く必要はないとは思いますが」 掴まれた腕の柔らかい感触に士郎は我にかえる。 「あ、ああ…そうだった」 士郎が急に冷めていくのを横目にクロノもクールダウンする。 「…無駄な時間をとったな。気が向いたら来るといい。君が協力的になってくれることを祈るよ」 胸元からメモ帳を取り出しなにやら書くと千切って投げた。 「なんだよ、これ?」 「僕の住所だ。じゃあな」 メモを拾い上げた士郎ら二人に背を向けクロノは反対方向へ歩き出す。 「待ちなさいクロノ、あなたをこのまま返すわけにはいかない」 そう鋭い一言を厳しい目つきでセイバーはクロノへ浴びせかけた。 二年C組、昼休みになってもはやては手持ち無沙汰で自分の席で頬杖を付いていた。 「タヌキ、お前飯食わないのかよ。昼休み終わるよ」 「ん~士郎が来るまで待っとる」 「ほんっと付き合い切れないね。これだから色ボケは。 いいいか、僕の前ではいちゃつくなよ」 「いや、今日はそういうんちゃうやけど…」 しかめっ面で言い放つ慎二にはやては苦笑いで答える。 「それにしてもほんまに来んなぁ。私だけで話つけてきてしまおかな」 教室を出て行った慎二を視線で見送った後、ぼーっと窓の外を見ていたはやて、 その背後ににゆっくりと迫る影があった。 「―――御館様――」 「ひゃ!?」 椅子、右脇から囁くような突然呼びかけに驚き仰け反り固まる。 「御館様にお取次を願う者が廊下に来ているようにございます」 横を見ると片膝をつき畏まった表情のクラスメート。 「そ、そうか」 「では、御免」 一度飛び上がると着地し床を這って後退していく。 「何を…しとるのかな、後藤君」 「今、天井裏を這っておりまする」 「今日は忍者やったんやね…」 919 :Fateはやてルート94:2008/07/22(火) 23:20:31 ID:LbYY7RN9 「衛宮さーん、ちょっと人が来てるよー」 廊下の方から聞こえるクラスの女子の声、はやては立ち上がり廊下へ向かう。 廊下に出た先に見えたのは気品ある佇まいの少女。 「…そっちから来るとは思わんかったな」 「そう?わかってたんじゃないあなたなら。昨日挨拶に行ってもよかったのだけど どうやら昨日はお楽しみだったみたいだしね。1日待ってあげたわ。 とりあえず、屋上行くけどいい?」 「そやね。ええよ」 はやては一度、下へ続く階段をちらり見てから頷く。 そして、遠坂凛、衛宮はやては並んで屋上へと向かった。 920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/22(火) 23:22:00 ID:LbYY7RN9 支援助かります。ありがとうございました。 今日は以上です。

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