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某月某日
連邦会議室にて
「私立レンジャー学園を設立します!」
その一言から始まった会議は混乱を極めていた。
飛ぶミサイル。
飛ぶ靴下。
飛ぶ城華一郎。
さまざまな物が飛びかい、あるものは追い、あるものは追われている。
砕け飛ぶ机。
椅子。
割れる窓ガラス。
響く高笑い。
簡素ながらも美しかった会議室が次々と吹き飛んでいく。
―このままではいけない。
そう思った双樹は歩きだした。
右手には目を回した夜星。
左手には目を回した城華一郎。
二人の首根っ子を掴んだ双樹は会議室隅に密かに設置された地下室への扉へと消えていった。
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「…それで何するにゃ?」
夜星(性別不定)は瞳に剣呑な光を浮かべて双樹を睨む。
めんどくさいことさせる気ならギタギタにしてやるにゃ!
目はそう語っている。
どーでも良いがこの夜星という猫士は双樹にだけは妙に厳しかった。
他の人にはそれなりに優しいのになぁ…。
少しだけ凹む双樹。
「…双樹くん。」
城の声。
「はい?」
「話して…くれないかな…そろそろ、意識が…」
双樹は城のくびを掴んだままだった。
ちなみに、夜星も掴まれたまま宙でぶらぶらしている。
「あぁ!すいませんすいません!!」
手を離す双樹。
落ちる二人。
「うわぁ!!」
「にゃー!!」
結構な速度で地面に叩きつけられた二人は仲良く目を回すことになった。
/*/
地下室で土下座で謝る双樹。
夜星には極上鰹節。
城には銘酒『またたびの雨』。
を差し出している。
「えっと、それで何をするんだい?」
城は痛む首をさすりながらきく。
「あのですね。」

「うん。」
「……(かりかり」
「ゲームを作ろうと思います。」
静かになる場。
「ゲーム?」
うなずく双樹。
「今日の会議室の惨状を思い出してください。」
もわもわもわ
飛ぶミサイル。
そーっくす!の声。
楠瀬の怒号。
わもわもわも
「まあ…楽しそうで良いんじゃないか?」
「いつもの事にゃー(かりかり」
ばんっと机を叩く双樹。
「違いますよ!会議室です!会議室!」
もわもわもわ
割れた窓。
穴の開いた壁。
ばらばらの机。
わもわもわも
「…なかなか良いんじゃないか?青空の下で会議ってのも。」
「ギャグをやるためには仕方の無い犠牲なんだにゃー」
頭を抱える双樹。
一瞬納得してしまったのだった。
―違う、違う、そうじゃないんだ…
「とにかく、万が一の無矛盾規定を回避するためにも何かが必要なんです!」
涙目の双樹。
妙な勢いに思わずうなずく二人。
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「でも方法は?いくら文族がその言葉によって、技能の限界を超えられるとは言え、それにも限界が無いわけじゃない」
城は顎に手を当てて思案する。
「さすがにアイドレスクラスのゲームを1から作るなんて無理なのにゃ。(かりかり」
体の半分よりも大きい鰹節を抱き枕のように抱えて噛っている夜星。
「1からは確かに無理ですね」
コップにトポトポとお湯を注ぐ双樹。
「でも、コピーくらいなら可能じゃないかなぁ…と」
入れた昆布茶を城に差し出す。
「まぁ無理では無いだろうけど…たぶん運用なんて無理だぜ?芝村さん並の処理能力が無けりゃこんな化けもん扱い切れないと思うんだが…」
「あてはあるのかにゃー(かりかり」
ずずずずず。
昆布茶をすする双樹。
「あてはないけど策はあります。」
「策?(かりかり」
「うん。要は扱いやすくしてしまえば良いんだよ。」
「…扱いやすく?」
「はい。まず、アイドレスに関する、国の運営、その他学園に必要の無い機能を片っ端からオミットします。」
「そして、後は設定を反映させて基本機能のカスタマイズ。Aマホを突っ込んでも良いかも知れませんね。」
「ふむふむ」
「ふみふみ(かりかり」
ずずずずず。
「と、いうわけで行きましょうか。城さん。夜星。」「…へーい」
「…にゃー(かりかり」
そうして、ゲーム【私立レンジャー学園】計画が、こっそりと開始された。
(成否不明)


(文責:双樹真)

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最終更新:1970年01月01日 09:00