比呂美スレ的 第3話 改訂版

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比呂美スレ的 第3話 改訂版」(2008/03/21 (金) 00:44:51) の最新版変更点

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比呂美スレ的 第3話 改訂版 夜、海岸沿いの道路。 「ありがとう」 比呂美は、顔を上げて笑顔で続ける。 「本当は…、この道、怖かったから」 「うぉ、そ…そうか、そうだよな?」 眞一郎は思い出を忘れていたことにショックを受けたが、とりあえず話を合わ せた。その後、お酒を届けるまで黙って考え込んでしまった。 - - - - - - - - - - - - - 自宅への帰り道。 眞一郎は、歩きながら自分と比呂美との様々な思い出を話していた。比呂美の 反応は、覚えていない、そうだった?等と、はぐらかしばかり。答えを聞けば 聞くほどに、彼の心にはある感情が生まれていった。 「なぁ、全部忘れたって、変だぞ?」 「ごめんなさい…」 一歩遅れて歩く比呂美には、途中で見せた笑顔がない。 「俺…忘れていない。忘れない。全部、大切な思い出だ」 「…」 その言葉は聞きたくなかった。何も答えられない。眞一郎が振り向いた。 「あのさ、俺さ…」 この時、彼は夕方に愛子から聞いた話を忘れている。比呂美が自分に好意を抱 いているかどうかは問題ではなかった。 「あっ…あの…」 「聞けよ」 その声には力が、気持ちが宿っていた。 「…」 言葉を失う。比呂美の全身に危機感が募る。聞きたくない、そう思った。 しかし、眞一郎の気持ちは既に溢れ出していた。 「何か…、思い出が無いって、今までが無かったみたいで、すごくイヤなんだ」 「…」 「自分の中の大切なものが無いみたいで…、心に穴が開いているみたいで…」 「…」 「どうして…、こんな気持ちになるんだろう?って…」 「…」 「それは…」 眞一郎が比呂美の肩を掴む。 「だめ!…それ以上はだめ!…」 言葉を遮ろうとするが、止められなかった。 「比呂美のことが…、好きだから…」 「っ!」 先程の声とは比べられないくらい気持ちが宿った声、とてつもない力を宿した 言葉。理性が拒絶することを望んでいる。 「比呂美のことが、好きだから」 「…」 もう一度、眞一郎は繰り返した。比呂美にはどうすることもできなくなった。 それは、表情を見てしまったから。哀しい、とても哀しい表情をしていた。 彼は自分からとても大切な何かが失われるような気がしていたのだ。その理由 を言葉にしてしまった。比呂美は恐怖に駆られ、絶対に秘密にしなくてはなら ないはずの"秘密"を口走ってしまう。 「眞一郎くんは、知らない…。何も知らないから…、そんなことが言える…」 「…」 今度は眞一郎が黙る番だった。続きの言葉を待つしかない。 「私達のことを知らない…。だから、そんなことが言える…」 「…」 哀しい表情の眞一郎に、決定的な言葉を告げる。 「私達、兄妹かもしれない…。私の本当のお父さんが眞一郎くんのお父さん…」 「…」 「そうかもしれない…、知らないから言える…、私には絶対言えない…」 目には涙が浮かんでいる。自分の抱えていたものが溢れ出す様に。 「だから?」 「え?」 この言葉は比呂美に理解できなかった。眞一郎の気持ちの大きさにまだ気付い ていなかった。 「今までのことは、兄妹としての思い出だったのか?」 「!」 「そう思わない…。違う、そんなんじゃない…」 「…」 「お前のことが好きだ。失いたくない」 「だって!だって!」 比呂美が暴れだす、眞一郎の言葉から逃げ出すように。しかし、その力は弱かっ た。言葉に宿った気持ちが力を奪っていた。心が求めていた言葉だから。 「兄妹ならそのままでもいい。ずっと、そのままでも。失うより…、ずっと…」 「私は!…私は!…」 「比呂美が俺のことを何とも想っていなくても、失うより…、ずっと…」 「私はっ!…私はっ!…」 「お前達、家の前で何をしているんだ?」 二人の耳に、聞きなれた男性の声が飛び込んできた。 - - - - - - - - - - - - - 比呂美と眞一郎は正座していた。その正面には、今まで見たこともない怒った 表情の父親が座っている。 「…」 「…」 二人とも、黙って俯いたまま座っている。父親が口を開く。 「年頃の男女が一つ屋根の下で暮らしているわけだから、そうなってもおかし くはないが…。家の前で騒ぐのは関心せんな…」 ちょっと違和感のある言葉だった。"そうなってもおかしくない"? 「比呂美を引き取ったからには、私にも責任はある。そうなるかも、とは思っ ていたが。せめて人目の無いところとか…、だな…。何と言えばいいのか…」 つまり、反対していない?比呂美は訳がわからなくなった。眞一郎が勇気を振 り絞って聞くことにした。感情の高ぶりがまだ残っている。 「あ…、あの…、俺と比呂美が付き合っても…、問題ない…、ですか?」 「何を言ってるんだ?一緒に暮らしているから比呂美はウチの子だが、そんな ことまで反対することはせん…。ただ、近所の目があることを忘れるな。 比呂美のことをちゃんと考えてやらんか」 その言葉には理解を超えたものがあった。比呂美には何がなんだかさっぱり。 自分も勇気を振り絞ってみる。 「あのぉ、私のお父さんは、眞一郎くんのお父さんだって…」 か細い声を父親は聞きとがめた。 「比呂美、その年でそんなことまで考えているのか…?少し、気が早くないか? まだ高校生だろう?私を本当の父親だと思ってくれるのは嬉しいが」 何だか、眞一郎に言ってしまったことが、全て否定されているような気がする。 比呂美は、さらにわからなくなった。混乱する眞一郎は、言ってしまう。 「え?俺と比呂美は兄妹じゃないんですか?」 「バカもん、何を言っているんだ?お前は?どこからそんなことを聞いた?」 どうやらそうらしい。つまりは、そういうことだ。 「あ…、えっと…、その…」 「言わんか」 「あ、あれ?比呂美、助けてよ」 「えっ!?私?」 「何を騒いでいるんです?」 今度は母親の登場だ。 - - - - - - - - - - - - - その後、父親から、初めて比呂美の引き取られる経緯が語られた。 <かくかく、しかじか> 「話そうと思っていたらしいが、言いそびれていたようだ。私もだ…、 すまなかった」 そう言って、母親に頭を下げた。 「…」 母親はその話を受け止められずに、さっさと自室に戻ってしまった。時間が必 要なのだろう。 比呂美にとっては、自分の秘密の真相を思いがけないことで知ることになり、 その衝撃は計り知れない。黙って聞く他なかった。 「比呂美、そういうことだからお前にも黙っていた。すまなかった…」 そう言って頭を下げた。 「あ…、あの…」 頭を下げられても困ってしまう。その事よりもあることに気付き、体中の血 液が顔に集まっていく感覚があった。既に耳まで赤い。 (いいんだ…、いいんだ…、眞一郎くんを…) ちらっと眞一郎を見る、あの時の情熱的な表情ではない、いつもの顔だ。 (いいんだ…、いいんだ…、眞一郎くんを…) 自分のことよりも、隣で座っている想い人が気になってしまう。 「ところで…眞一郎、誰からお前達が兄妹だと聞いた?」 彼にとって、人生で最大のピンチが訪れていた。何とか誤解である事を説明し て事なきを得たが、しばらく父親の視線は冷たかった… - - - - - - - - - - - - - 翌朝、朝食の食卓。 いつものように、醤油さしを取ろうとして比呂美と眞一郎の手が触れ合う。 「あっ!ご…ごめん…」 「う…ううん…、眞一郎くん…どうぞ…」 あからさまにお互いを意識する二人に、父親の怪訝そうな視線が注がれた。 - - - - - - - - - - - - - 学校では、石動乃絵の眞一郎餌付け作戦が継続されていた。 「あ、アイツぅ~」 「眞一郎、がんばれよ」 三代吉の無責任な声援を受けて向おうとした時、声がかかった。 「眞一郎くん、ちょっと待って!私も行く!」 「え?どうして?一人で十分だって、文句言うだけだって」 「いいから、一緒に行く!」 何故か比呂美が引っ張るようにして、眞一郎を連れて行く。 「ふふふん、そういうことか…。とうとう本気モードってことね?」 朋与の言葉を聞いたら、比呂美は顔を真っ赤にして黙ってしまうだろう。 - - - - - - - - - - - - - 裏庭にある鶏小屋のそばで、比呂美の声が上がった。 「そういうことで、眞一郎くんの涙も私のものなの!」 「えっ!?」 よかったな、眞一郎。 END -あとがき- 父親の勘違いっぷりをどうするかがポイントでした。微妙に話が噛みあってま せん。 眞一郎の告白は、うーん、難しい。今ひとつってとこですね。勉強します。 想いあまって告白、しかし家の前だった、父親に聞かれてしまう、の流れが逆 走&自爆カップルにふさわしいと考えました。 第3話で決着となり、残り10話分は比呂美のデレだけ… <これ以下は、アップ後に追加しました(8話視聴前に書いてます)> このSSの連想シーン=第3話の前半最後の海岸沿い道路 テーマ=比呂美の心に伝わる告白セリフへの挑戦 "かくかく、しかじか"の部分は、ちゃんと書いたのですが、本編で語られる部 分なので、アップ前に削除しました。 実はどの話でも最終回にできます。両想いですからね、簡単。 難しいのは風呂敷を広げる方。このお話でも第3話の前半最後のシーンから、 連想して話を作っています。本来は続きがあるのに、強引に曲げますから。あ の時の眞一郎の心理を変更して、違う道に誘導するのは風呂敷を広げるよりは 簡単ですが、難しかったです。何かのシーンから新しい話の方が楽です。 アニメ本編は13話にするために、あれこれと細工を施してますしね。 このSSでの眞一郎の心理は、この流れです。 思い出を比呂美が忘れている⇒少年らしく、あれは?これは?と聞く⇒聞いて いる間に、自分の気持ちに気付く⇒比呂美が自分の中で占める大きさに気付く ⇒我慢できずに告白へ これを考えるのに時間はかかりませんでしたが、セリフが大変だった… 最初は凄く"ポエマー"だったのですが、あまりにも意味不明なので、かなり弱 めました。というか、ほとんど変更しました。 あと、朝食の食卓風景以後はアニメの最終回エンディングの様にエピソードを、 数シーン見せるような雰囲気を出してみました。 空白行がカット切り替え、" - "でシーン変更を意識しています。 アニメっぽい、感じを出しているつもり。 ありがとうございました。
比呂美スレ的 第3話 改訂版 夜、海岸沿いの道路。 「ありがとう」 比呂美は、顔を上げて笑顔で続ける。 「本当は…、この道、怖かったから」 「うぉ、そ…そうか、そうだよな?」 眞一郎は思い出を忘れていたことにショックを受けたが、とりあえず話を合わ せた。その後、お酒を届けるまで黙って考え込んでしまった。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 自宅への帰り道。 眞一郎は、歩きながら自分と比呂美との様々な思い出を話していた。比呂美の 反応は、覚えていない、そうだった?等と、はぐらかしばかり。答えを聞けば 聞くほどに、彼の心にはある感情が生まれていった。 「なぁ、全部忘れたって、変だぞ?」 「ごめんなさい…」 一歩遅れて歩く比呂美には、途中で見せた笑顔がない。 「俺…忘れていない。忘れない。全部、大切な思い出だ」 「…」 その言葉は聞きたくなかった。何も答えられない。眞一郎が振り向いた。 「あのさ、俺さ…」 この時、彼は夕方に愛子から聞いた話を忘れている。比呂美が自分に好意を抱 いているかどうかは問題ではなかった。 「あっ…あの…」 「聞けよ」 その声には力が、気持ちが宿っていた。 「…」 言葉を失う。比呂美の全身に危機感が募る。聞きたくない、そう思った。 しかし、眞一郎の気持ちは既に溢れ出していた。 「何か…、思い出が無いって、今までが無かったみたいで、すごくイヤなんだ」 「…」 「自分の中の大切なものが無いみたいで…、心に穴が開いているみたいで…」 「…」 「どうして…、こんな気持ちになるんだろう?って…」 「…」 「それは…」 眞一郎が比呂美の肩を掴む。 「だめ!…それ以上はだめ!…」 言葉を遮ろうとするが、止められなかった。 「比呂美のことが…、好きだから…」 「っ!」 先程の声とは比べられないくらい気持ちが宿った声、とてつもない力を宿した 言葉。理性が拒絶することを望んでいる。 「比呂美のことが、好きだから」 「…」 もう一度、眞一郎は繰り返した。比呂美にはどうすることもできなくなった。 それは、表情を見てしまったから。哀しい、とても哀しい表情をしていた。 彼は自分からとても大切な何かが失われるような気がしていたのだ。その理由 を言葉にしてしまった。比呂美は恐怖に駆られ、絶対に秘密にしなくてはなら ないはずの"秘密"を口走ってしまう。 「眞一郎くんは、知らない…。何も知らないから…、そんなことが言える…」 「…」 今度は眞一郎が黙る番だった。続きの言葉を待つしかない。 「私達のことを知らない…。だから、そんなことが言える…」 「…」 哀しい表情の眞一郎に、決定的な言葉を告げる。 「私達、兄妹かもしれない…。私の本当のお父さんが眞一郎くんのお父さん…」 「…」 「そうかもしれない…、知らないから言える…、私には絶対言えない…」 目には涙が浮かんでいる。自分の抱えていたものが溢れ出す様に。 「だから?」 「え?」 この言葉は比呂美に理解できなかった。眞一郎の気持ちの大きさにまだ気付い ていなかった。 「今までのことは、兄妹としての思い出だったのか?」 「!」 「そう思わない…。違う、そんなんじゃない…」 「…」 「お前のことが好きだ。失いたくない」 「だって!だって!」 比呂美が暴れだす、眞一郎の言葉から逃げ出すように。しかし、その力は弱かっ た。言葉に宿った気持ちが力を奪っていた。心が求めていた言葉だから。 「兄妹ならそのままでもいい。ずっと、そのままでも。失うより…、ずっと…」 「私は!…私は!…」 「比呂美が俺のことを何とも想っていなくても、失うより…、ずっと…」 「私はっ!…私はっ!…」 「お前達、家の前で何をしているんだ?」 二人の耳に、聞きなれた男性の声が飛び込んできた。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 比呂美と眞一郎は正座していた。その正面には、今まで見たこともない怒った 表情の父親が座っている。 「…」 「…」 二人とも、黙って俯いたまま座っている。父親が口を開く。 「年頃の男女が一つ屋根の下で暮らしているわけだから、そうなってもおかし  くはないが…。家の前で騒ぐのは関心せんな…」 ちょっと違和感のある言葉だった。"そうなってもおかしくない"? 「比呂美を引き取ったからには、私にも責任はある。そうなるかも、とは思っ  ていたが。せめて人目の無いところとか…、だな…。何と言えばいいのか…」 つまり、反対していない?比呂美は訳がわからなくなった。眞一郎が勇気を振 り絞って聞くことにした。感情の高ぶりがまだ残っている。 「あ…、あの…、俺と比呂美が付き合っても…、問題ない…、ですか?」 「何を言ってるんだ?一緒に暮らしているから比呂美はウチの子だが、そんな  ことまで反対することはせん…。ただ、近所の目があることを忘れるな。  比呂美のことをちゃんと考えてやらんか」 その言葉には理解を超えたものがあった。比呂美には何がなんだかさっぱり。 自分も勇気を振り絞ってみる。 「あのぉ、私のお父さんは、眞一郎くんのお父さんだって…」 か細い声を父親は聞きとがめた。 「比呂美、その年でそんなことまで考えているのか…?少し、気が早くないか?  まだ高校生だろう?私を本当の父親だと思ってくれるのは嬉しいが」 何だか、眞一郎に言ってしまったことが、全て否定されているような気がする。 比呂美は、さらにわからなくなった。混乱する眞一郎は、言ってしまう。 「え?俺と比呂美は兄妹じゃないんですか?」 「バカもん、何を言っているんだ?お前は?どこからそんなことを聞いた?」 どうやらそうらしい。つまりは、そういうことだ。 「あ…、えっと…、その…」 「言わんか」 「あ、あれ?比呂美、助けてよ」 「えっ!?私?」 「何を騒いでいるんです?」 今度は母親の登場だ。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― その後、父親から、初めて比呂美の引き取られる経緯が語られた。           <かくかく、しかじか> 「話そうと思っていたらしいが、言いそびれていたようだ。私もだ…、  すまなかった」 そう言って、母親に頭を下げた。 「…」 母親はその話を受け止められずに、さっさと自室に戻ってしまった。時間が必 要なのだろう。 比呂美にとっては、自分の秘密の真相を思いがけないことで知ることになり、 その衝撃は計り知れない。黙って聞く他なかった。 「比呂美、そういうことだからお前にも黙っていた。すまなかった…」 そう言って頭を下げた。 「あ…、あの…」 頭を下げられても困ってしまう。その事よりもあることに気付き、体中の血 液が顔に集まっていく感覚があった。既に耳まで赤い。 (いいんだ…、いいんだ…、眞一郎くんを…) ちらっと眞一郎を見る、あの時の情熱的な表情ではない、いつもの顔だ。 (いいんだ…、いいんだ…、眞一郎くんを…) 自分のことよりも、隣で座っている想い人が気になってしまう。 「ところで…眞一郎、誰からお前達が兄妹だと聞いた?」 彼にとって、人生で最大のピンチが訪れていた。何とか誤解である事を説明し て事なきを得たが、しばらく父親の視線は冷たかった…  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 翌朝、朝食の食卓。 いつものように、醤油さしを取ろうとして比呂美と眞一郎の手が触れ合う。 「あっ!ご…ごめん…」 「う…ううん…、眞一郎くん…どうぞ…」 あからさまにお互いを意識する二人に、父親の怪訝そうな視線が注がれた。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 学校では、石動乃絵の眞一郎餌付け作戦が継続されていた。 「あ、アイツぅ~」 「眞一郎、がんばれよ」 三代吉の無責任な声援を受けて向おうとした時、声がかかった。 「眞一郎くん、ちょっと待って!私も行く!」 「え?どうして?一人で十分だって、文句言うだけだって」 「いいから、一緒に行く!」 何故か比呂美が引っ張るようにして、眞一郎を連れて行く。 「ふふふん、そういうことか…。とうとう本気モードってことね?」 朋与の言葉を聞いたら、比呂美は顔を真っ赤にして黙ってしまうだろう。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 裏庭にある鶏小屋のそばで、比呂美の声が上がった。 「そういうことで、眞一郎くんの涙も私のものなの!」 「えっ!?」 よかったな、眞一郎。 END -あとがき- 父親の勘違いっぷりをどうするかがポイントでした。微妙に話が噛みあってま せん。 眞一郎の告白は、うーん、難しい。今ひとつってとこですね。勉強します。 想いあまって告白、しかし家の前だった、父親に聞かれてしまう、の流れが逆 走&自爆カップルにふさわしいと考えました。 第3話で決着となり、残り10話分は比呂美のデレだけ… <これ以下は、アップ後に追加しました(8話視聴前に書いてます)> このSSの連想シーン=第3話の前半最後の海岸沿い道路 テーマ=比呂美の心に伝わる告白セリフへの挑戦 "かくかく、しかじか"の部分は、ちゃんと書いたのですが、本編で語られる部 分なので、アップ前に削除しました。 実はどの話でも最終回にできます。両想いですからね、簡単。 難しいのは風呂敷を広げる方。このお話でも第3話の前半最後のシーンから、 連想して話を作っています。本来は続きがあるのに、強引に曲げますから。あ の時の眞一郎の心理を変更して、違う道に誘導するのは風呂敷を広げるよりは 簡単ですが、難しかったです。何かのシーンから新しい話の方が楽です。 アニメ本編は13話にするために、あれこれと細工を施してますしね。 このSSでの眞一郎の心理は、この流れです。 思い出を比呂美が忘れている⇒少年らしく、あれは?これは?と聞く⇒聞いて いる間に、自分の気持ちに気付く⇒比呂美が自分の中で占める大きさに気付く ⇒我慢できずに告白へ これを考えるのに時間はかかりませんでしたが、セリフが大変だった… 最初は凄く"ポエマー"だったのですが、あまりにも意味不明なので、かなり弱 めました。というか、ほとんど変更しました。 あと、朝食の食卓風景以後はアニメの最終回エンディングの様にエピソードを、 数シーン見せるような雰囲気を出してみました。 空白行がカット切り替え、" - "でシーン変更を意識しています。 アニメっぽい、感じを出しているつもり。 ありがとうございました。

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