764 名前: 肖×カラーテ 1 投稿日: 02/04/04 09:32 ID:ugb3IE6g 「タァァァァァァァァッ!!」 気合い一閃。若島津の渾身の蹴りを受け、巨木がへし折れた。 ・・・果たして、この山籠もりがサッカーの役に立つものなのか? 周囲は勿論、若島津本人にもよくわかっていない。 ただ、迷った時には空手だ。そういうDNAを背負って、若島津は生きてきた。 「ジレット山籠もりリポート。さあ、その無精ひげを剃ってください」 「いやあ、伸ばし放題だから、うまく剃れるかな?」 じーじーじー・・・ 「ほら、こんなに剃れました」 「おおう。剃り残しなし!肌触り滑らか・・・っておい!お前誰だ!」 長いノリツッコミの後、若島津は身構えた。 電気カミソリを手にした束髪の男が、朗らかに笑う。 「俺の名前は肖俊光。お前の怪我を治しにきた。中国青年蹴球団に 所属して全日本ユースとも対戦したが、覚えてないのか?」 そういえば他人様のシュートを蹴り返して幻覚(龍とか)を見る、タチの悪い 暴れん坊がいたようないないようなやはりいたような記憶が、若島津にはあった。 765 名前: 肖×カラーテ 2 投稿日: 02/04/04 09:33 ID:ugb3IE6g 「と、とにかく、俺は怪我などしていない!」 「古傷が疼くだろう。こことこことこことこことここ」 肩関節、手首などをはじめとして、過去、怪我した部分全てに、極細の鍼が突きたっていた。 「こんな・・・ハリネズミみたいにしやがって」 「それだけ陽一に愛されているという事だな。はははは」 「陽一って誰だ!」 肖は笑って答えず、若島津の頬にそっと触れた。チクリ。微かな痛み。 「剃り残しだ」 武人、若島津健は殺気に対して反射的に攻撃開始する教育を受けてきていた。 しかし、この肖という男、気配が読めない。 不意に唇を吸われた時も、瞬時に対応できず、ただそれを受けていた。 766 名前: 肖×カラーテ 3 投稿日: 02/04/04 09:35 ID:ugb3IE6g 「なっ、なにをする」 若島津は慌てて肖を突き飛ばした。 が、肖はごろり、と仰向けに倒れるなり、その反動で跳ね起きて 若島津の眉間を指先でつついた。 「若堂流、そこまでだ」 肖を突き飛ばした姿勢のまま、若島津はぴくりとも動けなくなっていた。 --筋肉が、硬直している。 生まれて初めて、自分の身体が自由にならない感覚を味わい、若島津は恐怖した。 「ではこのまま治療に入るか。まあ、そんなに固くならないで」 「貴様がしたんだろうが!」 顔と声帯は無事である事に、若島津は気付いた。 が、それはこの状況を打破するにはあまり役に立たない。 助けを呼ぼうにも、ここは人里離れた山奥のまた奥であるのだから-- 767 名前: 肖×カラーテ 4 投稿日: 02/04/04 09:37 ID:ugb3IE6g 道着をはだけられ、顎から喉元へ、肖の唇がなぞるように降りていく。 --筋肉が動かないのに、皮膚の感覚はそのまま? ますます恐怖する若島津は、ただ、肖の淫らがましい愛撫を受けるよりない。 「ふっ・・・うぅ」 「逞しい身体だが、ここは敏感なのだな」 淡々と分析をしながら、肖は若島津の乳首をつんつんと舌先でつつく。 「やめろ・・・お前、自分が何を・・・してるか、わかっているのか」 「治療だ」 隆起した胸筋、腹筋をなぞった後、肖の手は若島津の道着の腰紐を解き始めた。