【あんたの為じゃ】なにそのツンデ霊まとめ@wiki【ないんだからね】内検索 / 「写真を撮ってあげようか」で検索した結果

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  • 写真を撮ってあげようか
    写真を撮ってあげようか」 お寺の片隅でぼんやりしてたら、オジサンがカメラ構えて近寄ってきて、さらにやたら馴れ馴れしく声を掛けてきた。 『何?』 「俺はこの寺公認の撮影カメラマンで、七五三とかご祈祷とかのお客さんにサービスの一環で格安で写真撮影してるんだよ」 『ああ、ロリコンなんだ』 「…違うって…」 『わたし、オジサン相手にしてる暇ないの。じゃあね』 困ったように肩を落とすオジサンに軽く手を振りわたしはその場を立ち去った。 正直なところ、わたしはとても困ってた。 何でこんな古臭いお寺にいるのかが分からない。どうしても思い出せない。 それだけじゃない。お寺の外に出ようとしても、どこにもいけない。気が付くと、お寺の境内の片隅に佇んでいる。 そんな感じでもう何日も、何日も。どれだけの時間か分からないくらい長く過ごしてる。 困りごとはもうひと...
  • 11人目
    花火大会の夜 通行料 風邪引いた キモウト霊 写真を撮ってあげようか イルミネーション 海底に沈む夢 紅葉姫 同居人 目を閉じて頭の中で家の中一周 風が吹けば キュルキュル サクラサク 激甘党 コスプレ写真 都道府県8 負けないぜ! 都道府県9 皆で頑張ろう エイプリルフールネタで 花見に行こう 意味フな夢を 彼氏にツンデレしてみた 満員電車とメリーさん 夏の風物詩 雨男と晴れ女 雨女と能天気男 ホテルの女 部屋の中でぶつかったんだ 車内アナウンス エアコン壊した理由 押入れから覗く女 ツンデ霊変換依頼 ポルターガイストとサンマ ポルターガイストとタコ おはぎ シチュエーションは「アタシのお墓の前で」 鎧武者とかぼちゃ ヴォジョレー解禁日 線香 霊側視点での特殊遭遇考察 実家から戻ったら・明かり 実家から戻った...
  • 写真家
    私は写真家だ。主に風景を撮っている。 その日もより良い風景を撮るために、人里離れたとある森へと踏み入った。 そこで写した一枚の写真。 それが、始まりだった。 『出てたわね、あたしの写真集』 「…写真しゅ…?あぁ、そうですね」 『印税入ったんでしょ?モデル料、ちゃんと払ってよね』 「いや、その、お神酒用意してた筈ですが、口に合いませんでした?」 『あれじゃ全然足りないわ。あたしがモデルになってあげてるのよ?』 「いやだからそれやらせd…いえなんでもないですすぐ準備しますそのフィルム感光させるのや 最近は、心霊写真家で売れてます。 いえ、あくまで本業は風景写真家です。
  • 押入れから覗く女
    俺の誕生日にホームパーティーを開いたわけ。 その時、家の中でみんなの写真を撮ってみたら、変なものが映っちゃったのよ。 背後の押し入れから見知らぬ真っ白い顔して真っ赤な目の女が顔出して、こっち睨みつけてんの。 最初はマジ怖かったけど、よくよく見ると顔の作りは可愛いんだな、これが。でもさすがにやばいんで、霊能者に鑑定してもらった。 そしたら 「この霊からは悪意を感じない。むしろ貴方に好意を抱いてますね」だってさ。 そう言って戻された写真を見たら、真っ赤だった目が普通になってて、真っ白な顔も真っ赤になってた。
  • コスプレ写真
    「今日は雛祭り。 けど家には雛飾りはない。 なので写真を撮ろうと思います」 『いや意味わかんねーし』 「私がお雛様、貴方がお内裏様でコスプレ写真」 『断固拒否する』 「イジワルー」 『例え撮ったとしてもただの心霊写真にしかならんだろうが』 「私たち二人で見て楽しむんだから全然おっけー」 『楽しむのはお前だけだ』 「撮ろうよー私は女の子なんだぞーお雛祭りしたいよー」 『ぅ・・・それにだな、コスプレ言ったが、俺は着替え出来ないぞ』 「いいよー私が合わせるから。ね? ね?」 『・・・・・・はぁぁ・・・一枚だけだぞ』 「やったー! 霊君大好きー!! えへへ、おそろいおそろいペアルック♪」 『な、ば、おま、着替えはあっちで な保守
  • 干し芋食べてるツンデ霊
    明日は〆切だこの原稿だけは落とせない。 (コンコン) おや、誰だろう…? 「か、金をだしぇ!」 ちっちゃな女の子が大ぶりな包丁を構えてヨタヨタと入ってきた。 足が透けている。幽霊のようだ。 「うん、いくらいるの?」 「ごひゃくえん」 「何を買うの?」 「ほしいも。いっぱいかう」 「はい、五百円」 包丁の重みでつんのめりそうな幽霊少女のちっちゃい手に500玉を握らす 「…ありがと…べ、べつにうれしくなんかないけどね!」 「一人で行ける?付いて行ってあげようか?」 「うん…あ、あんたがどうしてもっていうならついてきてもいいわよ」 「包丁は重いから置いていった方が良いよ。手、つないで行く?」 「ん…だっこがいいな」 ― …マムマム 「ほしいも、美味しい?」 …アムアム 「うん。おいひ…ゲホ!」 ...
  • エアコン壊した理由
    「さあ設置したばかりのエアコン壊した理由を説明してもらおうか」 『それはその・・・えっと、時勢に則ってエk 「エコロジーとかにわか却下」 『あの・・・あ、あなたの我慢が足らないから鍛え直してあげようかと』 「連日30℃越えとかおまえ経験した事あるのかよ?  そもそも幽霊は気温感じる感覚あるのか?」 『・・・どっちもないです・・・』 「・・・で?」 『・・・テレビで・・・見たから・・・』 「何を?」 『・・・団扇であおぎっこ・・・』 「・・・バカだなお前。言ってくれりゃいくらでも付き合ってやるのに」 『!! べ、別に無理にとは言ってないけどやってくれるなら付き合わせてあげる!』 「で? なぜエアコン壊した?」 『・・・あなたが出かけた隙に興味本位で動かしたら止め方分からなくて、  そしたらあなたが帰ってきて焦って色々投げつけたら動か...
  • 上げといてあげるわよ
    何沈めてんのよ? ごめん 上げといてあげるわよ、この馬鹿。もうどうしようもないんだから。 いつもありがと。 な、何言ってんのよ。たまたま目に付いたからあげておいてあげるだけなんだから。 うん。それでもかんしゃしてるよ。 ば、馬鹿(///)勘違いしないでよね。 うん。 (///)バカ・・・。 うん。 (///)・・・。  ・・・。
  • 満員電車とメリーさん
    電車の扉が開くとともに人をかき分けるようにしてホームに降りる。 帰宅ラッシュの時間帯に電車に乗ったところ、見事にもみくしゃにされて帰る ハメになった。 「まったく、もう少し時間をずらすべきだったな」 自分の行動を後悔しつつ、カバンから携帯電話を取り出して電源を入れる。 『優先席付近では携帯電話の電源をお切りください』 おそらく守っている人はほとんどいないであろうこの注意書きを守っている数 少ない人種のぼくは、乗り込んだ車両のそばが優先席だったので今まで電源を 切っていた。 大した理由ではないが、なんとなくよいことをしているという気持ちになれる のでこれを続けている。 「ん?不在着信がある。だれだろう?」 電源を入れると不在着信が一件入っていた。 留守電が記録されているようなので再生をする。 『もしもし、私メリーさん。いまあなたの後ろに...
  • 写真
    俺は寺社仏閣マニア 全国各地の寺社を訪れ写真を撮るのが趣味だ 時には撮影禁止の稀少(レア)仏像をパパラッチすることもある 今日も狙った菩薩をファインダーに捕らえた 「スナップ・ショット!」 現像が楽しみだ む、そこの観音 撮影はご遠慮くださいだと 蛙のように舞い・・・今だ! 「フロッグ・スマッシャー!」 「あ、今撮影されたかた」 ゴキブリのように逃げる! 現像が楽しみだ 「ちょっと待ちなさい!」 何!? 伝家のフィニッシュ・ムーヴ フロッグ・スマッシャーがしくじったとでもいうのか? どこだ?追っ手はどこにいる?! 「まったくどこ見てんのよ!」 いてえ!! ごんべえの泣き所に衝撃が うおっ。 目線を下げるとツインテールの女の子が仁王立ちしていた。 ぬお、身体の淵が曖昧というか地面が...
  • プリンの返せ!?
    「なんで‥?」 俺はいつもの場所に声を掛ける 「なんで今日はプリンなんか‥?」 「…なんとなくよ!!」 「じゃあ早く返して?」 女の姿が現れる。 「やだ!なんで一度取ったものを返さないといけないわけ?」 「やだ‥って、あんたいくつだよ?」 「‥う、うるさい!」 「あのプリンさぁ…神戸の土産ですげぇ美味いよってツレが買ってきてくれたやつだからさ…返して欲しいんだけど」 「あ‥ゴメン」 「なんで謝るの?」 「あ!ゴメ…じゃなくって!と、とにかく返さないから!」 こんなに頑固なのは初めてだ‥…あ、そうか。 「あっ、プリン好きなの?」 「ば、馬鹿じゃない?!プリンなんて…あんなもの誰が好きなもんですか!ホント馬鹿じゃない?食べたことないし!全然見たこともないし!ぷっちんプリンは大発明だし!」 支離滅烈だ。俺は笑うのを抑...
  • 狼は稀に優しく
    「腹ぁ、減ったなぁ」俺は狼男。 ここ最近、人間が山の動物を乱獲するせいで獲物がいねぇ。 まったく、人間ってやつは自分勝手な生き物だぜ。 っと、なら、丸々肥えた人間を食べりゃいいじゃねぇか。これがいわゆる妙計ってやつだな。 俺はほくそえみながら、民家を探した。 都合よく、目の前に一軒家があった。俺はノックする。 コンコン。 「はいはい、どなたですかね」ち、年寄りか。まぁ、腹が満たせりゃそれでいい。 「道に迷って…」「あらあら、それは大変でしょう。夜も遅いし、今日は泊まっていきなさいな」 「い、いや、俺は…」「さぁさぁ、入ってくださいな」有無を言わせず中に通された。 ち、食われるとも知らず、マイペースなババァだ。 家の中は質素だった。あまり、裕福じゃないようだ。 まぁ、そんなことはどうでもいい。俺は早速、本性をあらわそ… 「どこか...
  • 紅葉姫
    道を失った山の奥、滝の傍に佇む紅葉の木。 その赤がとても見事だったんで一枝手折ろうと伸ばした手を、突然横からがっしと掴まれた。 慌てて相手を確かめると、赤い髪、赤い着物姿の絶世の美女、但し頭から角が二本。 『何故に斯様な無体を致しまするか』 明らかに怒っていますが、美女は怒っても美しい。 「すごい綺麗だったんでついふらふらーっと。あ、お姉さんも綺麗ですよ」 『……』 慌てて弁解したけど、美女は不機嫌そうに顔をしかめた。ああその表情も美しい。 『ここはわたくしの守る場所。即刻立ち去るならば見逃しましょう』 「えーいや、なんというか迷子でして」 『……里までの道を教えて差し上げます』 深く溜息をつくその憂いた表情も(ry 『そもそも何故にこのような山奥へ踏み入りましたのか』 「ああ、去年死んだうちのじーさん生前酔っ払うとよく言ってたんです、山...
  • ツンデ霊変換依頼
    410 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 00 34 49.84 ID uC4uhyv60 俺の実体験だが、誰かツンデ霊に変換頼む 冬の夜の事だが寝てた時に金縛りにあったんよ 金縛りってのが初めてでさらに妙に人の気配がして目が冴えてしまって(一人暮らしです) 壁の方向いて目だけ瞑ってたのだが、その時枕が引っ張られたのよ 当然枕から落ちたわけで壁向いて金縛り状態なんで後ろが確認できない 焦る中「貴方が・・・・かい?」って声が後ろからしてようやく体が動くようになったんだ 結局その日はそのまま寝たのだが、次の日寝ようと思って枕を掴んだら枕が裂けてて中身のビーズ(?)が大量にこぼれた って話しどす 411 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 21 15 05.70 ID Fg7MlBNB0 「貴方が私のマ...
  • 写真の解説
    (写真の後) 117 :本当にあった怖い名無し:2006/03/19(日) 16 55 21 ID /phSc3IDO あぁ、やっぱ俺って読解力無かったんだなぁ。 最後が全くサッパリ妖精。 どなたか要約お願い致します。 118 :本当にあった怖い名無し:2006/03/19(日) 17 29 02 ID 8r2MpTuKO 117 意味など何もない。 基地害の乱文だ。 読み流せ。 119 :本当にあった怖い名無し:2006/03/19(日) 17 31 19 ID 5OJgaTSr0 ID /3g3R4vv0 おまえドクロちゃん好きだろww 120 :本当にあった怖い名無し:2006/03/19(日) 17 39 40 ID AjilaYVwO ごめん、オレもよくわからんかったわ 121 :本当にあった怖い名無し:2006/03/19(日) 18...
  • 左那と右那
    序 ……何故あんな丈の短い着物を着てるのかしら、右那? ……知らないわよ。そこら中、皆持っているあの小箱、何、左那? 『携帯でんわ』、ね。小箱に語りかけるだなんて……解らないわね、右那? 世の中解らない事ばかりが増えていくわ、左那? そうね…… そうよ…… ……左那?私、退屈だわ…… ……私もよ、右那?我慢なさい …… …… ………… ………… …………っ。右那?あれっ……! なぁに、左那?…………! 珍しい男……。ね、右那?……ふふっ ええ。でもやっと落ち着けるわ。ね、左那?……ふふふっ 壱 右那、思った通り、ね? 本当ね、左那。この男、背中に“空き”が二つも。 「あれ、身体が……重い……?気のせい……?」 ふふっ、不思議そう……すぐ慣れるわ。それに、“空き”を二...
  • 老木の根元で彼を待つ
    私はいつの間にか死んでいた。トラックが目の前に迫ってくるのが最後に見た光景。 あまりのインパクトにそれ以外のことは思い出せない。 それから、私はここにいる。ガードレール脇のかれそうな老木の根元に。 いつも私が死んだ場所に花を添えてくれる人がいる。 誰なのかしら。彼は。 晴れの日も、雨の日も、雪の日も。 そんな姿に興味をもって声をかけた。 「だれ、あなた」 彼は驚いて逃げ出した。もうこないだろう。寂しくなんかない。 けれど次の日も彼はきた。どうやら私を探しているようだった。 仕方なく声をかける。 「こわくないの?」 彼はなにかをしゃべる。私には聞き取れない。霊とはそういうものかと納得する。 「私に声は届かないの」 彼は寂しそうな表情をした。それから、花をそえ、私に一礼して帰っていった。 次の日も彼は来た。 私は...
  • 見習い幽霊のその後
    見習い幽霊のその後           前作はこちら見習い幽霊 「でも、どうやって驚かせようかな…」  あたしは内心心底悩んでいた。  相手は超強者だ、普通にゆうれいが居てもまったく驚かない。  どころか、笑い飛ばすだけの胆力がある。 これは普通の驚かし方ではどうも成らない。  何か変わった方法でも考えないとダメなのかなぁ…  悩む…すっごいなやんだ。  けど、やっぱりなかなか答えは出なかった。 結局辿り着いた結論は…… 「王道だよね。 けど、王道って言ってもアレだよ。  効果があるから王道って言うんだよね」  ポルターガイスト。  うん、アレしかない。  あたしも生きていた頃は結構悩まされた、アレ。  それを、この青年Aにやってみようかと思う。 「よぉし…思い立ったが吉日!」  早速あたしは、今まで薄らいでた体を一気に気密...
  • 実家から戻ったら・明かり
    年末年始帰省していて、さっき久々に一人暮らしの部屋に帰ったら、部屋の明かりとエアコンが点いていた。 電気代が・・・と半泣きになりつつ風呂に行ったらいつもシャワーしか使って無いのに浴槽に湯が張ってあった。 混乱したまま湯に浸かり上がって部屋に戻ったら、テーブルに注ぎたてのビールと温めたてのカレーライスが置いてあった。 呆然としたままそれらを腹に収めながら、ふと「ただいま」と言ってみた。 『べべ別にあなたを待ってたとかそういうんじゃなくてアタシが久々の一人暮らしを満喫していただけで』 「ただいま」 『・・・その・・・うん。お帰りなさい』 声しか聞こえなかったが、どうやら二人暮らしだったらしい。 逃げようか迷い中。
  • 幕開け
    今日このアパートに越してきた。 念願の一人暮らし。胸が膨らむぜ。 だが、その夜。 「でた」んだ。 青白い肌。白い服の女性。 寝ようと電気を消した部屋に、急に現れた。 そして、 「でていけ」 そう言った。 しかし俺は頭が混乱し、完全に腰が抜けて固まっていたので返す事ができない。 そんな俺にもう一度、 「私の部屋だ でていけ」 と言った。 かすれるような、悲しみのような怒りのようなモノが詰まった声で言った。 俺はなんとか冷静になるように自分に問い掛け、 やっと絞り出した声で目の前の幽霊に言い放った。 「こここここはおれおれの部屋だだだだぞぞ」 「私の部屋だ 出ていけ。」 即答された。もう泣きたい・・・ どうすりゃいいんだ。 目の前の幽霊は、ただじっと俺の事を睨んでいる。 俺...
  • 紫鏡
    「紫鏡・・・か、アホらしい」 結局、小学生の頃に聞かされてから成人式が終わるまで、忘れなかったな。 「ま、都市伝説なんてこんなものだよな」 「まだ、分からないぞ。久しぶりだな。死にたがりの克也」 懐かしいあだ名だ。たしか、中学の時に付いたあだ名だったな。そのあだ名を知ってるってことは、中学の時の同級生か?  ・・・ダメだ。思い出せない。 「思い出せないか。克也らしいな」 「中学離れて、もう何年になると思ってるんだよ」 そう。中学時代だ。俺は、とにかく無気力で死にたかった。あの時、俺が何をしたのか思い出せないが、とにかくどん底にいたことは思い出せる。 家族が目の前で死に、頼れる親族も力もない時代。追い風のごとく、俺に対しての悪い噂と白い眼差しの数々。まさに、絶望の泥沼の最深部のような状態。それでは、死にたくもなるというものだ。だが、なぜか俺は生きている。な...
  • 出るトイレ
    その日、なんとも最悪なことに僕は学校に教材を忘れた。 さらに最悪なことは、その教材は鬼ババ先生のだした宿題に使うもので、明日提出日だった。 だから、僕は観念して、学校に取りに戻ったのだ。 … 「あった、あった」 僕は自分の教材を手にし、喜びの声を上げた。…と、急に、ぐるぐるぐるぐるぅ~と腹に激痛が走った。 夕暮れの放課後。うちの小学校は部活がない。だーれもいない校舎。1人でトイレに入るのはすごく寂しい。 「あ、ぐぅ…でもこれ、我慢できんなぁ」 腹をくくって、トイレに走った。 うちの校舎には変なところがある。古臭い学校なのに、たった一つだけ洋式のトイレがあるのだ。 和式は苦手なので、僕はこれを良く使う。だけど、不思議な事に僕以外はあまり使わないんだよなぁ。 というわけで、僕の専用トイレなのだ。 「紙、紙…あ、あったあった...
  • 近所のかみさま事情
    「待て、少年」 背後からの声に、ぎくり、と身体が硬直する。 オーケー。ちょっと落ち着いて整理してみよう。 ここは近所の森の、良くない噂でもちきりの廃神社の中です。 今僕は、肝試しと称してガキ大将にむりやり神社の中に入らされ、 一番奥にあるはずのお札を証拠に取ってこいとか言われてます。 おっかなびっくり中を進んで、いまようやくそれらしきお札を 手に取ったところで、後ろから声をかけられました。 どうも女性っぽい声ですが、だからといって安全ではありません。 状況から鑑みるに、声の主は次のうちどれでしょう。 A.ホームレスの類。 B.変質者の類。 C.不良高校生の類。 D.妖怪変化の類。 「オーディエンス」 「は?何を言っておるか。こっちを向け少年」 ………声が、少し怒気をはらんだものになる。 ドロップアウトとかだめで...
  • 個人指導
    予備校に幽霊が出るという噂は聞いていた。 初めて見かけた時、彼女はとても寂しそうに見えた。 だからつい声を掛けた。 『こんな問題もわからないの。本格的にどうにもならないわね』 「やーめーてー」 河川敷の木陰に設置されたベンチで広げた参考書。 彼女は僕の左側に座り、僕のノートをチェックする。ここ最近の日課だ。 清楚なお嬢様タイプの彼女。見た目どおり成績はかなり良かったようだが。 幽霊だからだろうか、どうも無表情というか、冷淡というか。 『何故この程度の問題で悩むのかしら』 「どうせ僕は頭悪いです」 『そうね』 にべもないい物言いに落ち込む一方の僕。先日の模試の結果も最悪だった。 「ああ、受験なんてもうやめちゃおうかな」 『貴方の勝手になさいな』 「うぅ」 がっくり肩を落としながら彼女を上目遣いに見上げる。 ちらりとこち...
  • 少年の居る風景
    1/6 「はぁぁ・・・」 何度付いたか分からない溜息。 高校に入って付き合い始めた彼と些細な事で喧嘩してしまった。 「・・・背が低いからって、子ども扱いすることないじゃん」 わたしは背が低い。最悪小学生に見られる事もあった。 最大コンプレックスであり、引くに引けなくなった理由だ。 今日は土曜日。 いつもなら彼と出かけている時間だった。 わたしは机に突っ伏し、鳴らない携帯電話を眺めていた。 「はぁぁ・・・」 鬱だ、溜息が自然と出てくる。 『なにこのネガティブな部屋!?』 突然の声にビクッと身体を振るわせる。 部屋にはわたし一人だし、両親は朝方から出かけている。 『雨降りみたいにジメジメしてて、なにやってんだか』 空耳じゃなかった。キョロキョロと周りを見渡す。 「誰か・・・いるの?」 ”キシッ” 部屋の隅にあるベ...
  • 七夕の物語
    七夕の物語 1 この話をする時が来ることを、私は恐れていた。 娘の誕生日が来る度に、街は笹と願い事に溢れる。 外食に出た帰り道、それらは賑やかしく目に映る。 もう4歳になったこの子がそれに興味を抱かないわけもなく、 私は躊躇いながらも話し出す。 「お空には、織姫と彦星が……」 街灯にまみれ、天の川などは見えないのと同じように、 それはまさしく寓話なのだろう。    ◇      ◇ 私と妻は大恋愛の果てに結ばれたわけではない。 周りの反対を強硬に押し切ったとか、そういうドラマチックな展開もない。 むしろ誰からも認められるように、そうあることが自然であるように、 いつも二人でいられるだけの努力をしてきたと思う。 職場で精力的に事務をこなす彼女と、どちらかというと怠惰な自分。 彼女は私に苛立ちを覚...
  • 心霊写真
    心霊スポットで、携帯で写真撮ったら何か写り込んでた。 結構可愛い女の子。欠伸して、油断してる感100%の横顔。 ので、皆に見せて盛り上がっていた。 ある夜、寝てたら金縛りになった。 目を開けると、写真に写ってた女の子が怖い顔して睨んでる。 『写真、消して』 返答に迷ってたら『消せーっ!!』とがくがく揺さぶられつつ首絞められたので、頷いといた。 「でもあの写真、皆に送りまくったんだけ」 『誰に送ったのよちょっと携帯寄越しなさい!!』 彼女やや涙目。 金縛りも解けたんで仕方なく携帯渡すと、早速データ消去してる。勿体無い。 「あの写真結構可愛いと思うけど」 『バカじゃないの!?心霊写真なのよ?あんなの恥ずかしいだけでしょ!!』 怒った途端、変な音立てる携帯電話。静電気?ショート+怪力による破損。 『…ごめん』 「いやいいようん」 ...
  • 昼寝とストライプ
    1 秋も大分深まったある日。 午後の授業をサボって校舎裏の日当たり良のお気に入りの場所で昼寝しようとしていた俺の視界を、何かがちらりと掠めた。 見上げると、四階建て校舎の屋上に人影が一つ。 (真逆、な) なんとなく嫌な予感がして、俺は人影から目を離さずに上体を起こす。 その予感は当たってしまった。 ふわり、と表現出来そうな身軽さで、人影は屋上の縁から宙へ身を躍らせた。 落下地点は丁度俺の転がっている場所。 一瞬の事に俺は逃げる暇も無かった。 風をはらんで捲れたスカートが空を遮る。 「ストライプ」 思わず呟く俺の顔面に、上からまっすぐ落ちてきたスニーカー履きの足の裏が直撃。 尤も痛みも重量も無いまま俺の体を突き抜けていったが。 白く華奢な手がすさまじい勢いでスカートの裾を押さえたおかげで俺の視界は開け、 同時に鬼の形相でこちら...
  • 夏の風物詩
    『うらめしやー』 「古。今時白装束かよ?」 『う、うるさい!だって、仕方ないじゃない。私これしか持ってないんだもの・・・』 「これだから年代物の幽霊は・・・仕方ねえなあちょっと待ってろ」(ゴソゴソ) 『これ・・・浴衣!?』 「俺のを買うついでに買っといたんだ。あ、安物だけどな」 『綺麗・・・いやその、う、嬉しくもなんともないけど、仕方ないから着てあげる!』 「下駄と髪留めと巾着もあるけどこれは勧められたのを断りきれなかっただけで」 『も、もったいないから使ってあげるわよ!』(いそいそ着替え) 「・・・結構似合って・・・いやそのごにょごにょ・・・」 『・・・なんか恥ずかしい・・・あまり見ないでよ・・・』 「そ、そろそろ行くか。その・・・屋台物食って汚すなよ?」 『う・・・意地汚いあなたとは違うわよっ!・・・ばか』 そして夕暮れ時の人波に一組...
  • めおと
    めおと 1 日の当たらない薄暗い部屋の中に4体の日本人形がきれいに飾られている。 生前、妻が大切にしていた物だ。 1体の人形の髪を撫で思い出に耽る。 妻が亡くなって、もう30年になるか。 私はすでに定年退職し、なにかをする訳でもない日々を送っている。 軽く溜息をつくと私は部屋を後にした。 居間で簡単な夕食を終え、仏壇の前へと移動する。 妻の遺影に向かう事が数少ない日課となっている。 実際の年よりも若く見える妻の写真を眺め、呟く。 「もうそろそろ、私もそちらへ行ってもいいかい?」 何度目だろうか、返答などありもしないのに問いかけてしまう。 妻の屈託の無い笑顔に老いた私の顔が映る。 私は目を閉じ、仏壇に手を合わせる。 ”カラカラカラ” 後ろから何か回るような音が聞こえた。 ”カラカラカラ” 音が近づく。私が振り向くと...
  • 幸せですか?
    (これは峠にての続きです) オレは山頂付近の展望台から街の夜景を見下ろしている。 時間は夜の8時少し前、彼女が来るのを待っていた。 彼女のおかげかどうか分からないが、仕事もうまくいき、 オレのできる部分は終わっていた。 「ほんとに来てるなんてばかじゃないの」 いつの間にか隣に彼女がいた。 「キミも来てるって事はヒマなんだね」 オレは彼女をからかうように言う。 「ば、ばかな事言わないでよ。  わたしはただ・・そう、あなたが一人寂しくしてるのを見に来ただけ!」 「もしかしてオレの事、心配してくれたの?」 彼女の性格は、この前合った時に大体分かっている。 「なっ、勘違いしないでよ!  わたしはあなたを笑いに来たの。心配なんかこれっぽちもしてないんだから」 彼女は紅潮した顔を見られるのが嫌なのかそっぽ向く。 オレは心の中で『...
  • バレンタインデーに
    今日、俺は最低の気分だ。 というのも、朝っぱらからコイツ(名前は雪菜というのだが)がとんでもないことをしてくれたからだ。 「…何。まだ朝のこと根に持ってんの?器が小さいわね。」 「常識的に考えると、『バレンタインはバレンタイン司祭が棍棒で撲殺された日』だからって棍棒で殴ってくるお前の方がおかしい。」 そう、この半透明の同居人にひどい目に合わされたのだ。 「あんたに常識なんてあったの?意外だね。」 「俺にだって常識くらいある!じゃあ何だ、バレンタインの日に棍棒で殴るのは常識的なのか?」 「う…そんなのいいじゃない!気にしないでよ!棍棒じゃ嫌だった?釘バットとか角材で殴ったらよかった?」 それ死ぬ。本当に死ぬ。 「そこまでして俺を殺したいか?」 「うるさいっ!」 あちこちからモノが飛んできた。仕方なく学校に避難。 夕方、俺は義理チョコの山...

  • 今日も仕事が終わった、終わった~。ふあ~あ。 かばんを右手に持ち、外に出てみると 額にフッと何やら冷たいものがあたる。 空を見上げて 「雪…かあ…」 もう師走。時がたつのも早いなあ。 いつからだっけ?時間が経つのを早く感じるようになったのは。 「この分だとつもりそうだな…帰ったら雪かきしなきゃ…」 北海道に住んでいる僕にとっては冬はちょっとやっかいな季節だ。 家の雪かきは僕の仕事。雪かきは早朝にやるのが、僕の近所のローカルルール。 父も母ももう年だ。そして朝に弱い。 いちおう(?)女性である姉にも、やはりさせるわけにはいかない。 必ず僕に回ってくる。まあ、仕方が無い。良い運動になるし。 家に着いた。とりあえず、「ふう」と一息。 車庫に車をしまい、自宅の庭先を眺めると 「うへぇ…やっぱしなあ…」 予想した通りの光景...
  • 十五夜
    寝ていたら、誰かに物凄い力で両腕を引っ張られた。 そのまま体から引きずり出されてしまった。 腕を掴むのは、女だ。顔はよく見えない。 そのまま天井を抜け、ぐんぐん上へ上へと引かれていく。 そして、雲をつきぬけ―― 「…おお」 夜空に煌々と輝く、丸い月。 「今日は十五夜だったっけ」 何時の間にか上昇を停止し、腕を掴んだままの女に何とはなしに話しかけた。 「下にいたら見れなかったなぁ。ありがとう」 「べ、別に礼を言われる筋合いなんて無いわ!一人で高いとこに行くのがちょっと怖かっただけよ!!」 「そうか。でもこんな機会ないし、もう少し一緒に見てていい?帰ったら一緒に月見団子食べようよ」 「だから、その…し、仕方ないわね、付き合ってあげるわよ」
  • つんで霊侍
    私の部屋には何故か、お侍さんがいる。勿論、幽霊。 今日は飲み会があり、帰って来たのはこんな時間。深夜の2時だ。 鍵を開けて部屋へ入ると、ポルターガイスト真っ盛り。 「ちょ、ちょっと!何してるのよ!近所迷惑でしょ!」 部屋の片隅にすぅ…っと姿を現すお侍さん。 「こんな時間まで何処へ行っておった!?夜道の一人歩きは危険ではないか!…べ、別に心配してたとか、さ、さ、寂しいとかではござらぬぞ… そうじゃ!お主を呪う事が出来ぬとあっては、武士の名折れであるからの!お主を殺すのは拙者である事、忘れるでないぞ?」 「ハイハイ。まったく…何でもいいけど、散らかさないでよね…。私、疲れてるんだからシャワー浴びて早く寝たいんだから!」 手早くシャワーを浴びて浴室から出ると、脱衣籠の上にバスタオルがキチンと畳んで置いてある。着替えまで…。 「これ、あんたが置いてくれたの...
  • ノイズの向こう側に
    いつものノイズが、またやって来る。 廊下のむこうから肩をいからせて眦を吊り上げて。 赤い唇から紡がれるのが意味を成している言葉なら、まだ俺も気が休まるのだろうが……。 …は………で……… ……よ…   っ ……… それはまるで受信状況の悪いラジオみたいだ。 まったくもって、単なるノイズでしかない。 懸命に何かを訴えているのは分かるが、それだけのこと。 聞き取れないし意味が分からない。故にノイズだ。 …………ぃ…わ………  ……つ………し…… 呆れかえったような表情で溜息をつく姿だけは克明に見えるのが逆に癇に障る。 長い髪をかき上げながら何やらぐちぐちと呟いているようだが、愚痴りたいのはこっちだ。 ある日突然自分の部屋に幽霊が出現した方の身にもなって欲しい。 イライラしながら足早に女の横を通り抜け、最奥の寝室に向かう。 ...
  • 死に至る病
    死に至る病(ツンデ霊ハンター) 「そう、虚数素子。つまりあらゆる場所に『存在しているかも知れない可能性』を持つ素子。それこそが霊体を形成する」 彼、玉葱教授が2年前に私に言ったセリフだった。 そして昨日、私の許に届いた手紙を改めて読み返す。 『我が悲願、達せり。』 狂人の戯言だ。 無視するのが良識的と言うものだろう。 しかし、どうにも気に掛かる。 それはおそらく2年前に続けられたあの言葉が未だ私の記憶に残っているからだ。 「…虚数素子を電子化して制御出来れば… つまり!幽霊を 捕らえる事が出来るのだよ!!」 私は導かれるように手紙に書かれていた教授の研究所に向かう。 「よく来てくれたね。五年ぶりかな、運動場君?」 「ええ、玉葱教授。あなたが学会を追われて以来ですよ。で、わざわざ私を呼び出した用件はなんです?」 ...
  • 視線を感じる
    最近、不安のようなものを感じるようになった。 不安、としか言いようがない。現実には何も起こっていないけど、何か。 それはいつも突然だ。 不意に、何を考えたわけでもないのに総毛立つ。 視線、だろうか? そんなものを知覚する器官は人にはないはずだが、何故だか見られているような気がしてならない。 こわばった首を動かして辺りを見渡しても、誰も見ていない。 その感覚は、時と場所を選ばずやってくる。 授業中、部活中、帰り道で、家の中で、昼夜問わず。 僕はおかしいのだろうか。 何がおかしいのだろうか。 「――君、大丈夫?」 僕が小テストのカンニング用のメモを作っていると、いきなり声をかけられた。 顔を上げるとクラスメイトの後藤さんがいた。 下の名前は覚えてない。これまでまったく話したことがなかったし、正直、クラスでは空気のような ...
  • イルミネーション
    TV[――○○ではイルミネーションが夜を彩り――] 「クリスマスイルミネーションか。もうそんな時期なんだねぇ」 『興味ないわ。TVで見るとキレイだけどどうせしょぼいんでしょ』 「あそこのは結構すごいよ。じゃあいつ行こうか。今日はもう遅いけど今から行く?」 『興味ないって言ってるでしょ!…んでもその、あ、あんたがどうしても行きたいっていうなら』 「うん、是非行きたいな。君と一緒に」 『う…分かったわよ一緒に行ってあげる!い、言っとくけどね、わたしは興味無いけどあんたのお付き合いで仕方なくなんだからね!』
  • 廃屋でビデオ撮影
    友人と二人、軽い気持ちで心霊スポットに行ったんです。 一家惨殺の殺害現場と言われている極ありふれたスポットです。 ビデオ回しながら廃墟の中をうろついて、でもそのときは特に何も起きなかったんですよ。 拍子抜けだったなって笑いながら帰って、それから回してたビデオを見ようという話になって。 で、見たんですよ。そしたら、そのビデオ。 これってやっぱやばいんでしょうか。 俺たち以外の声が…――。 俺「お邪魔しまーす」 ?『嫌よ。ちょっと、嫌って言ってるでしょ。何勝手に上がりこんでんのよ』 友「誰かいますかー?」 ?『ここにいるわよ。あんた達ね、非常識にも程があるわよ』 友「こっちは何の部屋かな?」 俺「居間じゃね?」 ?『見たらわかりそうなものだけどね。ていうか人の家の中勝手にうろうろしてないでよ。せめて靴を脱いで (中略) 俺「お...
  • オカズのツンデ霊
    昨夜日課のオネイニをしていた時だ。 「じーーー。」 何か視線を感じる。もしやママンか?振り返るが誰もいない。 再開。 「じじじーーー。」 またもや視線を感じる。だが振り返っても誰もいない。 再開。 しかしふと机の上の鏡が気になる。 恍惚とした表情の俺の背後に女がいるではないか! 恥ずかしそうに両手で顔を隠しているが指のすき間からしっかり俺のアレを凝視している。 鏡越しに話し掛けてみた。 「おい。」 「じーーー。」 「おいったら。」 鏡の中で彼女が気づく。 「えっ!あっ!きゃあ!」 「きゃあ!じゃないだろ。何見てんだ。」 彼女は急に恨めしそうな顔を作った。だが顔は真っ赤だ。w 「続けようか?」 悪戯っぽく聞いてみた。 「何言ってんの?あんたばか?」 「じゃあいいや。」 俺はパンツをはき始めた。 「ちょ...
  • あの世で待ってる
    「あっ、まってよ、そっちは暗くてあぶないよ!」僕は先を進む不二子に注意を促した。 「うるさい、のろま。びびってんの?だめ男は私の後をついてくればいいのよ」不二子は顔はいいのに性格は鬼だ。 「ねぇ、不二子ぉ、もうやめようよぉ」僕は情けない声を上げながらこれ以上進みたくない意思を伝えた。 「あんた、ほんっとにマンモーニね。どうしようもない愚図だわ」不二子は自分より身長の高い僕の胸倉をつかんで自分の顔に近づけた。 …めきゃっ☆ 頭がくらくらした。頭突きを食らったのだ。 「そこでそうしてなさい。私が帰ってくるまでママのオッパイ代わりに指でもしゃぶってるのね」僕をおいて彼女はどんどん進んでいく。 僕はこのとき彼女を必死で止めるべきだった。そうすれば、今のこの状況もなかったろうに。 ずんずん進んでいく不二子。それが彼女をみた生前の最後の姿だった。 不二子は暗がりで足...
  • 刑事と幽霊
    「なぁ、お前は、遺留品について聞いたことないか?」 「へ?何をっすか?てか、ここで吸っちゃダメっすよ」 俺は、くわえかけたタバコを一旦止めたがすぐにくわえて火を点けた。 「ふぅ。まぁ、かたいこと言うなよ」 困った奴だという顔を向けられながら、俺は話を続ける。 「いやな、知り合いに聞いたんだがな。検死科もそうだが、鑑識でも出るって話を聞いてな。お前、見たことあるか?」 「ちょ!いきなり何の話しかと思ったら、オカルトっすか!勘弁してくださいよ。僕、その手の話し苦手なんっすよ」 俺が話をふったとたんに、こいつは泣きそうな顔をした。ちょっと、意地悪だったかな。 「いや、すまない。忘れてくれ。悪かった」 俺が一言謝ると今度は、少し意地悪な顔にかわる。 面白いなこいつ。 「本当っすよ。橘さん、何でいきなりそんな話するんっすか?暇なんっすか?さっき現場片付けて...
  • 彼女が拾った、落し物
    彼女が死んだのは、去年の夏のことだ。そして今年も、その夏が来る。 【彼女が拾った、落し物】 俺はある場所に向かって車を走らせていた。 ――あれは去年の夏のこと。彼女と、ある海へ行った。海水は透き通っていて、砂浜は白くて、しかしそんな絶好の場所だと言うのに、人の姿はない。所謂、穴場、と言うやつだ。 子供の頃、親父に連れてこられてから、俺はその海が気に入っていた。だから、自分に最も愛すべき存在が出来た時に一緒に来ようと思っていた。そうして一緒に行ったのが、由衣だった。 そこで俺たちは約束を交わしたんだ。来年の夏も、一緒に来よう、と。 だが―――あの海から戻って直ぐ、由衣は交通事故で亡くなった。約束は、いとも簡単に破られたのだ。 しかしまぁ、なんだ。男らしくもなく俺は未練タラタラで、加害者の手によって破られたその約束をただの自己満足の為に果...
  • アル日森ノ中
    ある日、俺は花咲く森の道を歩いていた。そしたら、突然、目の前に熊が現れたのだ。 俺は、突然の出来事に、どうしていいのかわからずに固まっていたところ、突然熊が、 「ふ、ふん!アンタなんか逃げてもすぐに追いついて食べられるんだけど、まあ、 逃げ切れると思うんなら、試させてやってもいいわ。」と言い出した。 俺は、(ここは逆らってはいけない)と思い、無言で後ろを向いて走り出した。 しばらく走った後、ふと、後ろを確かめてみると、なんと、さっきの熊がトコトコトついて来る。 熊との距離はどんどん縮まり、ついにはすぐ後ろまで来たところで再び熊が言った。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。これ、落としたでしょ。」それは白い貝殻の小さなイヤリングだった。 「あっ、そ、それ。」俺が思わず立ち止まって答えると、熊は「あっ、か、勘違いしないでよ? 別にこれを届けてあげるために追っかけ...
  • 一日だけ
    また退屈な一日が始まった。 幼馴染みのあいつが死んでから一年。 働く気も起きず実家から大学に通っている 朝起きて学校に行き帰宅すると部屋で寝る、そんな生活を続ける内に友人と呼べる人もいなくなり親からも見捨てられた あいつがいれば「ばっかじゃないの?」 とでも叱ってくれそうだなと思いながら支度を済ませ学校に行く ただひとつ、今日はいつもと違っている事に気付いた 授業開始ギリギリに教室に入る。 あいさつなどせずに席につく 「おはよう、遅刻ギリギリじゃん」 俺は驚いた。話しかけてくる奴がいるとは思ってもいなかった 隣りを見た瞬間自分の目を疑った。 そこには生きた幼馴染みが座っていたのだ 「え!?」 席から飛び上がり大声を出す 「おい、静かにしろ」すぐに先生に怒られてしまった・・・・ 「先生!なんでこいつがここにいるんですか?」 「...
  • 山にまつわるツンデレ
    ある日、俺は花咲く森の道を歩いていた。そしたら、突然、目の前に熊が現れたのだ。 俺は、突然の出来事に、どうしていいのかわからずに固まっていたところ、突然熊が、 「ふ、ふん!アンタなんか逃げてもすぐに追いついて食べられるんだけど、まあ、 逃げ切れると思うんなら、試させてやってもいいわ。」と言い出した。 俺は、(ここは逆らってはいけない)と思い、無言で後ろを向いて走り出した。 しばらく走った後、ふと、後ろを確かめてみると、なんと、さっきの熊がトコトコトついて来る。 熊との距離はどんどん縮まり、ついにはすぐ後ろまで来たところで再び熊が言った。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。これ、落としたでしょ。」それは白い貝殻の小さなイヤリングだった。 「あっ、そ、それ。」俺が思わず立ち止まって答えると、熊は「あっ、か、勘違いしないでよ? 別にこれを届けてあげるために追っかけ...
  • 幼馴染の葬式で
    幼馴染の葬式で 「マサミ~マコト~、早く、早く~!」 遠くでカナコが俺たちを呼んでいる。 「おう、わりぃわりぃ。おら、マコト早く行くぞ。」 「ったくよ~。何で俺まで一緒じゃなきゃダメなんだよ。  そんなんで、デートって言えるのかぁ?」 いつもの様に二人のデートに付き合わされる。 だが、元気なカナコを見たのはその日が最後だった。 その後カナコは病気で倒れ、あっさりこの世を去った。 「マサミのことお願いね・・・」 それが彼女の遺言になった。 俺とマサミとカナコはいわゆる幼馴染ってヤツだ。 親同士が知り合いだった事もあり、俺の記憶の中にはいつも二人がいた。 そして思春期を向かえ、初恋に落ちる。 いつも3人一緒にいたのだ、相手は決まっている。 だが、マサミとカナコも恋に落ちていた。 「マコト、わりぃ。俺、本気でカナコの事好きなん...
  • 夕暮れのさようなら
    夕暮れのさようなら  夕暮れの逢魔が刻。彼女が薄れていく。感じていた手触りも、見ていた顔も。 「さようならしようよ」 「そうだね」 「今まで我が儘に付き合ってくれてありがとう」 「こちらこそ」 「あっさりだね。私が居なくなっつ悲しくないの?」  そう。これはきっと遠いお別れ。 「悲しい。だけどいつか必ず会えると願えば、これは再会の誓い」 「馬鹿。格好付けすぎ。ま、良いけどね。私は悲しくないし」 「お前らしい返答だな」 「むっ。やっぱり、あんたなんて大嫌い」 「そうか」  更に薄まる輪郭は空気にかすれて消えていく。背景に同化していく姿はもうほとんど見えない。 「うん、大嫌い。いつも優しくて、私は幽霊なのに」 「元は人だろ」 「・・・」 「・・・」  彼女はもってあと僅かだろう。だから、今言う。 「大好きだよ」...
  • メガテン
     >TALK  ネコマタ「仲魔になるにはLVが足りないようね……じゃ、じゃあねっ!」  >TALK  ネコマタ「あ、アンタ宝玉99個持ってない?くれたらついていってあげるわ」  >TALK  ネコマタ「今夜は満月!マリンカリン!マリンカリン!マリンカリいぃぃいいんっ!!」 ケルベロス「……コンゴトモヨロシク、ト言ウダケデイイノダゾ?」  ネコマタ「ば、バッカじゃないの!?あ、あんなやつにっ!」 ケルベロス「少年、奴ノマリンカリンダガ、効イタフリシロ」  少年 「? なんで??」
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