【あんたの為じゃ】なにそのツンデ霊まとめ@wiki【ないんだからね】内検索 / 「命日のタクシー乗客」で検索した結果

検索 :
  • 命日のタクシー乗客
    ある晩、タクシーが山中を走っていた。 すると若い女が立っているのが見えた。 不気味だったが今は冬の最中、流すのは可哀想だと思い拾った。 女は小さな声で目的地を言うと、黙り込んでしまった。 やがて目的地に着いた。 そこには人気の無い古い屋敷が建っていた。 「つきましたよ」 運転手がバックミラーを覗き込むと、そこには女の姿が無かった。 振り返ると、女はまだ座っているではないか。 目の錯覚と思いながら、料金の催促をした。 何か気に触ったのか、女は不機嫌そうな顔をしながら、 「・・・手持ちが無いのよ。取って来るから待ってなさい」 と言い、門の中に入っていった。 五分ほどしても戻らないので、運転手は様子を見に出た。 女は寒い中、家の前でボーっと立っていた 「鍵が変ってて・・・入れないの・・・」 互いに困り果て、事情を聞く為に暖房の...
  • 1人目
    ...う。 幽霊の掟 命日のタクシー乗客 君と電話 髪伸びる人形を簡潔にツンデ霊化 微笑ましいメリーさん 絆創膏と貞子 メリーさんの嘲笑 積んで車 待ち合わせは交差点 ドラゴンツンデレボール 私とファイトなさいファースト 私とファイトなさいセカンド オカズのツンデ霊 WAWAWA忘れもの・・・? 君の見たいスレ+α アル日森ノ中 私とファイトなさいサードシーズン 早紀 免じて許せ だるまさんが転んだ 君の寝顔 よかったな ざまあみろ バカップル
  • 激しい恨みを持つ霊
    ああ、こりゃあ極めつけだ。 バックミラーに映る客の姿を見た瞬間、背筋の震えとともに「それ」を知覚した。 なんの特徴も無い平凡なサラリーマンの背後に、緑色のカットソーを着た女の姿が見える。 俺のように「見える」人間がタクシーの運転手なんかをやってると、頻繁にこういうモノを見かける。 つまり、まあ、幽霊ってやつをだ わけてもこの女は酷い。 どんな思いで死んだのかは知らないが、手を伸ばせば触れることが出来そうな妄執や恨みの念が、 この手の存在に慣れているはずの俺にも鳥肌を立たせた。 そんなことにも気付かないまま、背中にべったり幽霊を張り付かせた男は 「じゃあ運転手さん、××町の綾瀬物産まで」などと指示を出す。 「はい、わかりました」必死でそれだけを言い、ガチガチに強張った指をほぐしてハンドルを 握りなおす。事故でも起こして緑色女と同じ...
  • 悪霊達の悪事相談
    悪霊A「今日はどんな悪ぃことしてやるかなあ」 悪霊B「いきなり電気でも消しにいくか」 悪霊C「勉強中かもしんねーじゃん」 悪霊D「そうだね」 悪霊A「勉強は大事だな」 悪霊C「アタシらみてーになったら終わりだしな」 悪霊B「……このまえガクセーさんにやっちゃったんだけど」 悪霊A「うわサイテー」 悪霊D「謝ってこい」 悪霊B「うん……いってくる」 悪霊C「いってら」 悪霊A「……じゃあシャワーを水にするとかやる?」 悪霊C「やめよーよ」 悪霊A「どして」 悪霊C「ガス会社の人がさー。すげー苦情くらってたから」 悪霊A「せつねーなそれは」 悪霊D「かわいそーだね」 悪霊C「うん」 悪霊A「なぁ、テンション上げてこーぜ! せっかく集まったんだしさ!」 悪霊C「面白いのっていえば定番のタクシーで墓地までだけど」 悪霊...
  • 死亡フラグ
    私は死神。 今日も寿命の尽きかけた人を探す。 Mr.フラグは成績の悪い私に簡単な仕事を回してくれるけど。 「もうすぐ子供が生まれるんだ」 そう話す若い消防士。 Mr.から紹介された、今日のターゲット。 彼はその晩の出動で、業火に巻かれて道を失う。 私は彼を炎の中から放り出した。 勘違いしないで。 私にもプライドがあるの。 予定外の仕事はしない主義なだけ。 べ、別に彼がすっごく幸せそうに話してるから気持ちが揺らいだとかそんなのじゃないから。
  • 青山墓地まで
    青山墓地まで 「青山ぼ……」 「き、君!!どうしたんだこんな夜更けに!?しかもずぶ濡れじゃないか!  話はいいから早く乗りなさい!」 決まり文句も言わせて貰えず、私は強引にタクシーに乗せられた。 ううっ、幽霊になったばかりだというのに前途多難。 「送ってあげるから、どこまで行けばいいんだい?」 親切そうな運転手を怖がらせるは気が引けるけど、さっき言えなかった 台詞を言うチャンスだ。よし、思い切りタメをつくって…… 「……あおやまぼち、まで」 「あーはいはい青山ね、ちょうど帰り道なんだ」 なんの不信も抱かれずにスルーされた。なにこれ。 さすがにちょっとムカっとくる。よし、私だってまがりなりにも幽霊なんだから。 できるだけ意識を希薄にして……えいっ 「………」 「………」 「……ちょっと」 「ん?何か言ったかい?」 「なんで...
  • 深夜の看護師
    盲腸で入院した。 ベッド数の関係で、個室へ通された。 部屋の具合は悪くないのだが、妙に暗い印象を受けたのを覚えている。 入院した日の夜。 夜中に、かすかな音で目を覚ました。 部屋の扉が、音もなくゆっくりと開いていく。 看護師の巡回だろう。寝ぼけていた事もあり特に危機感もなく眺めていた。 若い看護師だった。それもかなりの美人。 四角いステンレス製のトレーを掲げ持ち、 何故か明かりをつけることなく、無表情のまま静かに部屋へと入ってきた。 「採血します」 こんな時間に?と疑問に思ったものの、看護師さんの言う事だしと大人しくされるがままに、 腕の血管に針が刺さっていくのをぼんやりと眺めていた。 そのうちに強い睡魔に襲われ、意識を失うように眠りに落ちた。 翌朝、別の看護師に夜の出来事を話してみた。 「夜中に採血なんてしませんよ。...
  • 死に至る病
    死に至る病(ツンデ霊ハンター) 「そう、虚数素子。つまりあらゆる場所に『存在しているかも知れない可能性』を持つ素子。それこそが霊体を形成する」 彼、玉葱教授が2年前に私に言ったセリフだった。 そして昨日、私の許に届いた手紙を改めて読み返す。 『我が悲願、達せり。』 狂人の戯言だ。 無視するのが良識的と言うものだろう。 しかし、どうにも気に掛かる。 それはおそらく2年前に続けられたあの言葉が未だ私の記憶に残っているからだ。 「…虚数素子を電子化して制御出来れば… つまり!幽霊を 捕らえる事が出来るのだよ!!」 私は導かれるように手紙に書かれていた教授の研究所に向かう。 「よく来てくれたね。五年ぶりかな、運動場君?」 「ええ、玉葱教授。あなたが学会を追われて以来ですよ。で、わざわざ私を呼び出した用件はなんです?」 ...
  • 青山トンネル
    教授にはこっぴどく怒られ実験が失敗したブルーな日。 本日のI中川駅発終電の乗客はまばらだ。途中のH青山駅を出ると2両編成の後ろの車両には自分1人しか乗っていない。 電車は長いトンネルに入る。今日もいつも通…あれ?向かいにさっきまで居なかった人がいる。やばい、目が合った。 「私のことが見えるの?」「えっ?」 「やっぱり私のことが見えるんだ」「え~と貴方は?」 「幽霊だよ」「幽霊?」 ププッと思わず笑い出してしまった。今時幽霊って何ですか、いくら何でもねぇ。 よくよく見ればその幽霊は見た目10代後半で美人、というよりはやや可愛い感じである。 どうせ幻覚の類だろうが他に乗客居ないしあえて話しかけてみることにする。傍から見たら危ない人だろうなぁ、俺。 「何で笑ってるのよ?」「いやいや余りに可笑しかったもんで。」 「ああそうよ、どうせ幽霊ですよ。」「で、...
  • ノリノリ背後霊
    「今日はあたしの命日」 「え。初耳なんスけど」 「イェーイ」 「なんでノリノリなんだ」 「そしてあなたの命日」 「いや初耳なんスけど」 「イェーイ」 「なんでノリノリなんだ」 「思い残すことは?」 「もう?今すぐなの?」 「死にたくない?」 「死にたくないよぅ」 「しょうがないなぁ」 「ばんじゃーい」 「今日は赦してやるかぁ」 「あんがとー」 今日も僕の背後霊は、僕の寿命を守ってくれます。 毎朝命乞いをする僕の生活って…
  • 義妹ファイト
    義妹ファイト 今日は佳多奈の命日だ。 義妹の佳多奈が交通事故で死んでもう一年になる。 俺は実家の北海道に向かった。 久しぶりの故郷を散策しながら佳多奈の墓へと歩く。 佳多奈は変わった子だった。幼い頃から事故や人死をしばしば予見した彼女は周囲から気味悪がられていて話をする相手は俺ぐらいだった。 いつも口数少なめに俺の傍について回る佳多奈の姿がまるで昨日の事のように脳裏に甦る。 「いくら予知能力があっても自分の事故くらい予見できなきゃ…ダメじゃん…」   墓前で何とは無しに呟く。  「大事に想う人の未来しか…予見出来ないの」 俺の数メートル後ろ、そこに佳多奈が立っていた。 生前と同じく無愛想な顔で。 恐怖より懐かしさが先立った。 「佳多奈…久しぶり」 「久しぶりね、兄さん」 「成仏は…出来なかったのか?」 ...
  • 死神と男
    俺は出逢ってしまった瞬間にその姿に魅了されてしまった。 それがどれほど恐ろしく、無慈悲な存在であるのかを理解していながら・・・ ――濡れたように艶やかで滑らかな黒髪―― ――白磁のように透き通った肌―― ――闇夜に浮かぶ月のように輝く金色の瞳―― ――血に濡れたような艶めかしい唇―― そして ――その全てを覆い尽くす漆黒のローブと自身の背よりはるかに長く大きな鎌―― 「そうか・・・私が見えたか。残念だろうが、そういう事だ・・・。」 そう、彼女の名は死神。 見たものを確実に冥府へと送り届ける死者の水先案内人。 ああ、俺はこれで終わり・・・殺されるのは仕方が無い。 俺にはそうなる理由がある・・・だが、なぜ今なんだ? いや、俺だから今なのか・・・ だが、せめてあと少し・・・そう、あと少しで約束が果せるというのに・・・...
  • ざまあみろ
    大学の進学に合わせて格安のアパートを見つけた あまりに安すぎるので訳アリだろうとは思っていたが、その理由はすぐにわかった 引っ越しも一段落して、一人暮らしにも慣れてきたある日のこと 時刻は夜の11時 俺の秘蔵のコレクションから厳選に厳選を重ねた三点を用意し、 念入りにフィニッシュへのルートをイメージする そしてすべての準備を終えて、いざズボンに手をかけたとき、 ふと背後からの視線を感じて振り返った そこには髪の長い淡いブルーのワンピースを着た女が恨めしそうに…… いや、ニヤニヤと笑いながらこちらを見下ろしていた 実家ではあれほど周囲に気を配っていたというのに、これが一人暮らしの罠か しかし、ここで引いてはヤラレル、これはこの部屋の覇権をかけた戦いだ 俺は躊躇うことなくズボンを下ろす 迷うことなく息子を握り締め事に及んだ俺を見下...
  • バンシー
    バンシー 扉なんか開けなければ良かった。 確実な死がそこに待っていると知っていたら、どんなことがあろうと 扉を開けるような愚は冒さなかったに違いない。 でも……もう遅い。 俺は扉を開けて、見てしまった。 ――泣き続けるバンシーを、見てしまった。 伝承に曰く 流れるような長い髪をたなびかせた、青白い顔 泣きはらしたせいで紅くなった瞳 緑衣の上には灰色のマント ……若い女の姿であることなど、この際なんの慰めにもならない。 “死者が出る家にはバンシーが訪れる” この家には、俺しか住んでいないのだから。 交易商の父がこの街に腰を落ち着けたのは10年ほど前のことだ。 商人として優秀だった父は、それまでの蓄えを元手にしてこの街で住居を兼ねた 商店を開き、この地方では手に入りにくい品々までを取り揃えた...
  • 洋子の事故現場
    洋子の死んだ事故現場を初めて訪れた。今日は洋子の命日だ。 一年前の事故当時は、お通夜だ告別式だと忙しく、事故現場を 訪れるなんて考えもしなかった。 路傍には、事故の直後に警察が立てた重大事故現場の看板がある。 猫をよけて横転した洋子の車が、歩行者を何人も巻き込んだと聞いた。 洋子が責任を感じて成仏できないのも無理はない。 そのとき携帯が鳴った。洋子だ。 「やっと来てくれたんだ・・・ 心細かったんだから・・・」 その後、洋子から電話がかかってくることはなくなった。
  • 幽霊が住んでいる、らしい
    「オカルトスポットに行ったつもりはありません。友達と一緒に観光地をちょこっと回っただけです」 正座させられている俺。そんな俺の顔面に見事ヒットする片手鍋。 脇で眺めている親友は、またか、みたいな呆れた表情。 「コイツのチキンぶりは知ってるだろ。俺も一緒だったし危ない場所なんて行かねーよ」 言い終わる前に首をひょいと傾げ、何かを避ける親友。 「…え? いやー俺追い払えるほど力持ってないって知ってるっしょ」 今度はなにやらわたわたと弁解を始めた。 最終的には親友はいつもの通り部屋を追い出されるだろうから、俺もドサクサ紛れで逃げよう。 この春から一人暮らし始めた俺の部屋には女の幽霊が住んでいる、らしい。 そして何故か俺は彼女に気に入られた、らしい。 俺はそういうのは殆どわからないのだが、ガキの頃からの親友が実は視える奴で、部屋を視てもらった後で俺に...
  • ひまわり~あの時伝えたかった事
    スレが違うかも試練がツンデレ系と霊という事で。 1 ─俺の名前は浅田裕也(仮名)、30歳、結婚済み、一人の子持ちのおっさんだ。 俺は今、泣いている。いや、目から勝手に涙が溢れて来ている… この話は俺が高校3年生の春、13年前まで戻らなければならない。 …俺はいじめられていた。クラスの男子五人組に。 俺はその時根暗であり、イジメられるのも無理は無かったのかもしれない。 体育館の裏でそいつらに俺は殴られていたが その時も俺はいつもの事だと我慢していた。 男「おらおら~!!キモイんだよお前!」 男「けっ!お前の顔見るとマジでむかつくんだよ!!」 俺「…………」 だがその日は何か違った。 2 女「ちょっとあんた達!何してんの!?」 俺「…委員長?」 男「ゲッ!やべぇ委員長だ。おい、お前ら逃げるぞ!」 女「ちょっと...
  • 手紙
    俺がまだ中学の時に怪我して病院で手当てして貰ってて、 偶然知り合った女の子が入院してて暇だから色々話聞かせてって言われて、 仲良く成って海行きたいな~、元気に成ったら一緒に行こうって話をしてたんだけど。 一ヶ月位してお見舞いに行った時に部屋に誰も居なくてナースセンターで聞いたら、 一昨日に亡くなりましたよって言われて、呆然としてる所へ、女の子から手紙を預かってるって言われて手紙を貰いました。 「今まで隠してて御免ね。私、白血病なんだ。  ○君に色々聞いてた話の海に行きたかったな。  短い間だったけど凄く楽しかったです。  有難う」 って内容でした。 それから毎年、女の子の命日にはお墓に行って、話してた海に行って一人ぼんやりしてます。
  • さくら
      ―なんでいつもこいつは噛み付いてくるんだろう? 「朝っぱらから触らないでよ!!」   ―いやいや、毛先にちょっと触れただけだぜ? 「足を踏むな!!」   ―じゃぁ俺の部屋に入って来るんじゃねぇよ。 「食事中くらい私に構わないで!!」   ―そう言われても、こんな状況で気にならない方がおかしいって。   ―昼は俺の椅子に座って日向ぼっこ。 ずっと俺のことが気になってるくせに無視するふり。   ―なのに俺が妹と話したり近づいたりするだけで歯をむいてまで怒るってどうなのよ。   ―変態アニキにでも見えるのか?お前には。   ―元々妹の親友だからって、俺は一応ここの跡取りなんだけどなぁ。   ―しかも他の家族とは会話しようとはしないのな、お前。 まぁ別にいいんだけどよぉ。 「あ、あんたが常人とは違うだけよ。別に...
  • お供え物
    何処で聞いたのかは忘れたが、仏前に供えた食べ物は、霊が食べるから?味が落ちるらしい。 そういえば思い当たる事もある。彼女の大好物の桃とかは、確かになんだか味気なくなる。 「なのに何でオレの手作り料理の時は味が変わらないんだよ。そりゃまぁ料理人としては修行中の身だけどさ」 今日も妻の好物を供えながら、独りごちる。 妻の夢を見た。 オレが作った料理に、箸をつけようとしない彼女。 「…俺の料理、そんなに嫌か?」 しょぼんとして尋ねたが、彼女は拗ねたような、怒ったような顔をして黙っていた。 「これならお客にも出せるな」 「!!…有難う御座います!」 ようやく板長に認められる料理が作れるようになった。 帰宅し即妻に報告した。丁度彼女の命日だ。彼女にも食べてもらおうと、精一杯気持ちをこめて料理を作り、供えた。 昔の夢を見た。 料理人...
  • 俺のねーちゃん
    どっかからのコピペです。 83 本当にあった怖い名無し 2007/03/13(火) 22 40 40 ID MWywz0GXO 俺のねーちゃんは俺が厨房の時に交通事故で死んだんだが… 夜中金しばりにかかった時、俺はびびりながらも目だけをキョロキョロ動かして部屋を見回してみた すると床から女の顔が半分だけ出ていて、俺を至近距離から見ている (勘弁してくれ!)と泣きそうになっていると、グチャッとそいつの頭を誰かが踏みつけたんだ 見上げるとそこには制服姿のねーちゃんがいて、一瞬の内に金しばりも解けたんでそのまま眠ってしまった ねーちゃんありがとう。 幽霊になっても暴力的だな… 84 本当にあった怖い名無し 2007/03/13(火) 22 50 17 ID MWywz0GXO 連投スマソ そういえばこの前、ねーちゃんの友達がハーゲンダッツ持っ...
  • 葬った日の帰路
    僕は途方にくれていた。財布をなくしたのだ。 学校のクラスメートの告別式に参加したその帰りの話だ。 そのクラスメートは生まれつき病弱で、学校が始まってまもなく肺炎で入院した。そしてそれっきりだった。 名前は槙村香。すごくきれいな子だった。初めて体験するクラスメートの死に衝撃を受けなかったといえば嘘になる。 しかし、実感があまりないのも真実だ。 僕は彼女の棺を見送ったあと、少し、そのあたりを散策していた。そのときに財布を落としたんだろう。 他の人はもうみんな帰ってしまって、僕一人。お金を借りるわけにもいかない。僕の家はここから、かなり離れてる。 「財布ないし、どうしよう…」そうつぶやいたら、「歩けばいいじゃない」背後でいきなり声をかけられた。 「うわっ」と叫び、後ろを見てまた…「うわっ」 背後に立っていたのはさっき僕が見送った槙村香だった。心臓が飛び出...
  • 背後霊の霊ちゃん
    実は僕 19才ですが実はまだ童貞なんです。 顔も悪くないし、頭の回転も速いし。(自称だけどね) きっときっかけがないんだと逃げていた。 そんな僕にも何かきっかけがあればと思ってて出た中学の同窓会。 最後のティーンエイジャーの夏だった。 僕はいままで引っ越しをしたことがなく、周りの友達も小学校からの仲だ。 だが高校というものは誰しもが同じとこに行くわけではない。 中学校まで仲のよかった仲間内もたちまちに疎遠になり、 高校でできた仲間とつるむようになった。 そんな仲間内で話はもっぱら恋の話。 誰が別れた。誰がフリーでねらい目だ。誰がホテルに行った。 そんな他愛もない話ばっかりだった。 だがいつも僕は一歩引いて聞いていた。 それは、僕にだけ彼女がいなかったからだ。 僕は当時、恥ずかしながらアウトローを気取っていた。 女子に話しか...
  • 私とファイトなさいサードシーズン
    ある晩くらい夜道を歩いているとよく女の子の幽霊がでるという交差点に差し掛かった。 心霊現象を信じていない私は深く気にせず横断しようとすると向かいにたたずんでいる少女と目が合った。 少女はゆっくりと向かってくると私の前に立ち 「……好みのタイプだ… サイズ・骨格・筋力… 申し分ない」 と告げてくる。 何を言っているのか?と思う間もなく距離を詰めてきて私の顔面を殴り付けた ハンマーで殴られたような衝撃と鼻が潰れた鈍い音を聞いた。 女の子は私に馬乗りになると「拳は強く強く握りこむのよ、でないと骨を痛めてしまうわ」と言いながらさらに殴打を加えてくる。 反撃しなければ、と護身用のスタンガンを押しあてて放電すると一瞬ビクン!としたが 「電圧の高い…よくできた制圧用具だが …遊戯の域はでていない」 と傲然と言い放ち殴打再開。 ...
  • メリーさんとマスター☆エイジア
    俺はどこにでもいる、普通のオタク。 俺はここ数日、謎の電話に悩まされていた。 街中を移動しているときも、大好きなギャンダムのプラモデルを作っているときも、不意に電話がなり、小さな女の子の声で 「私メリーさん、××にいるの」 とささやかれる。電話を取らなくてもどこからか必ず、居場所を告げられる。 そしてついに 「私メリーさん、いま貴方の家の前にいるの」 家にまで来てしまった。 「もう、疲れた観念しよう。」 俺はびくびくしながらドアに手をかけた。 部屋のドアを開けようとしたとき、 「こぉっっの、ばぁかちんがぁああああ!!」 唐突に頭を殴られた。 それは俺が魂を込めて作り上げた、マスター☆エイジアのフィギュアだった。 「あきらめるな、抗え、戦え!!」 なんとご無体な言葉。俺はただの人間なんだよ。 「だぁから、...
  • 明日の予想
    ツ霊「こ・・・こんな所、来たくて来たんじゃないんだからねっ!    憑いてたバイクが、たまたまあんたのところに納車されただけなんだからねっ!」 417「いや、別におまえみたなオプションが付くなんて知らなかったんだが・・・     って、おい!部屋までついて来んなよ!」 ツ霊「あんたオーナーなんでしょ?じゃ、とり殺してやるんだから・・・」 417「とか何とか言って、駐輪場で独りになるのは寂しいんじゃねーの?(・∀・)ニヤニヤ」 ツ霊「バッ・・・バッカじゃないの!?誰が好き好んであんたの汚い部屋なんかにっ!」 417「( ゚Д゚)ゴラァ!!見てもいないのに汚いゆーな!」 ツ霊「へぇ~~(・∀・)ニヤニヤ それじゃ、汚くないかどうか、確かめてあげるわね~♪」 417(って・・・丸め込まれてなし崩しかよ・・・( A`))
  • 赤いリボン
    「今日も暑くなりそうだな…」 朝、目が覚めた俺は窓の外を見ながら、そんな事を思った。 そしてカレンダーを見ると、今日の日付には印がついてある。 「あれからもう1年経つんだな…そっか…」 寝ぼけた身体を軽く伸して、ベッドから降りるが、何かがいつもと違う気がする。。 何が違うんだろう…気のせいか? まぁ良いや…気のせいだろう、きっと…。 飼い猫のミィが見当たらないが、アイツは時折出掛けたまま帰って来ない時がある。 そんな時は近くにある実家にいるみたいだし、また3日もすれば帰ってくるだろう。 そして甘えてるつもりなんだろうが、俺の邪魔ばかりする…。 しかし、そこが可愛かったりもするわけで。 顔を洗おうと洗面所へ向かうと、パチャパチャと洗顔しているような水音がする…。 ちょっと待て。誰だ?ここは俺一人で暮らしてるん...
  • スーパードクター
    ある日の夕方のことだ。 ある男が道を歩いていると、赤いコートを着て白い大きなマスクを口につけた女性に出会った。 女は男に近づくと一言、こう尋ねた。 「私キレイ?」 マスクで顔の下半分が隠れていたのではっきりとはわからないものの、その女性はなかなかの美人であるようだ。 男は素直に答えた。 「ええ、綺麗ですよ」 するとその女性は、マスクを取り、耳まで裂けた口を見せ、こう言った。 「これでも、キレイか!」 恐怖に歪んだ顔ではなく、男は冷静に彼女を見てこう呟いた。 「ムウ、口蓋裂だな(ぎらり)」 いつもと違ったリアクションにあっけにとられる女。男は女の手を取り、ずんずんと歩いていく。 「ちょっと!何よ!離しなさいよ!・・・・何よ・・・。」 「・・・ムウ・・・流石はスーパードクターl ・・...
  • 2月14日のさようなら
    俺は引っ越しが多かった どの街も印象に残っているが一番始めに居た街だけは忘れられない。忘れちゃいけない。 教室、 「なんだ転校するんだ。ふぅーん。」 なんとも思ってくれないんだ 「で?何が言いたいの?用がないなら帰らせてくんない?見たい番組あるんだけど」 言いたい。 言えない。 「転校するってだけ?だったら帰るわよ。じゃあね。」 行かないで。言うから、絶対言うから。 誰もいない 「あ"ー」なんか出てしまった一言、鬱憤の矛先だ。電車に3時間も乗っていれば言いたくもなる。 13年経っても町なんてのは大して変わらないわけで記憶の断片を探り俺の旧家に行くことにした。 借家ではあったが俺の住んでいた家に変わりはない。次に俺はそこから3軒目の家に目を向ける あいつの家だ。変わってない。庭も表札も。つい足を運んで見入ってしまっ...
  • ノイズの向こう側に
    いつものノイズが、またやって来る。 廊下のむこうから肩をいからせて眦を吊り上げて。 赤い唇から紡がれるのが意味を成している言葉なら、まだ俺も気が休まるのだろうが……。 …は………で……… ……よ…   っ ……… それはまるで受信状況の悪いラジオみたいだ。 まったくもって、単なるノイズでしかない。 懸命に何かを訴えているのは分かるが、それだけのこと。 聞き取れないし意味が分からない。故にノイズだ。 …………ぃ…わ………  ……つ………し…… 呆れかえったような表情で溜息をつく姿だけは克明に見えるのが逆に癇に障る。 長い髪をかき上げながら何やらぐちぐちと呟いているようだが、愚痴りたいのはこっちだ。 ある日突然自分の部屋に幽霊が出現した方の身にもなって欲しい。 イライラしながら足早に女の横を通り抜け、最奥の寝室に向かう。 ...
  • たった一つの冴えたやり方
    「あー……さっぱり意味わかんねえ」 タバコの煙と共に、天井に向けて投げやりな言葉を吐き出した。 もともと深くものを考えるようには出来ていない頭は、既にオーバーヒート気味だ。 溜息混じりにガシガシと頭を掻き、手の中に在るちゃちな文庫本を眺める。 ~たったひとつの冴えたやりかた~ J・ティプトリー・Jr /ハヤカワ文庫 なんでも有名なSF小説らしいが、漫画くらいしか読まない俺にとってそんなことは 大した意味を持たない。可愛らしい少女のイラストが表紙を飾っているこの本を 俺が読んでいる姿などは、悪友連中が見たら噴飯ものだろう。一生からかいのネタに されるに違いない。 「なんだってんだあの女は……俺にどうしろっつうの」 かつて、この本を俺の手に押し付けた女。 地味で口数が少ないくせに、時折口を開けばえらく攻撃的だった。 ...
  • あの映画のあのシーン
    ろくろを回す私の手に、見えないだれかの手が優しく添えられる。 「―――ああ」 胸の中に、暖かい気持ちが満ちていくのが分かる。 この手は彼だ。 不幸にも暴漢に襲われ、命を落とした私の最愛の人。 彼は、幽霊になってもなお、私の傍にいてくれるのだ――― とかうっとりしていたら、 彼の添えた手のせいでろくろがうにょおぉぉああああと曲がった。 「ウホッ!」 「やらかした」 「氏ね」 「氏んでる」 ムカついたのでそれをそのまま焼いて出品したら、 ゲイジュツだとか言われてむっちゃ高く売れやがった。 彼が出てきてこう言いたれた。 「べ、別にお前を幸せにしようとしたんじゃないんだからな!」 「貴様それでツンデレと言い張るつもりかァ!!!!」 彼はジェノッサァーイッされニューヨークの空に消えました。 おわれ
  • 出るトイレ
    その日、なんとも最悪なことに僕は学校に教材を忘れた。 さらに最悪なことは、その教材は鬼ババ先生のだした宿題に使うもので、明日提出日だった。 だから、僕は観念して、学校に取りに戻ったのだ。 … 「あった、あった」 僕は自分の教材を手にし、喜びの声を上げた。…と、急に、ぐるぐるぐるぐるぅ~と腹に激痛が走った。 夕暮れの放課後。うちの小学校は部活がない。だーれもいない校舎。1人でトイレに入るのはすごく寂しい。 「あ、ぐぅ…でもこれ、我慢できんなぁ」 腹をくくって、トイレに走った。 うちの校舎には変なところがある。古臭い学校なのに、たった一つだけ洋式のトイレがあるのだ。 和式は苦手なので、僕はこれを良く使う。だけど、不思議な事に僕以外はあまり使わないんだよなぁ。 というわけで、僕の専用トイレなのだ。 「紙、紙…あ、あったあった...
  • 出会い
    俺は酷く混乱していた。 なんで彼女がここにいる。それよりも、なんで濡れたままなんだ。 「君は濡れおなごなんだね?」 俺は自分の言葉に驚いた。なんで、こんな事を言ったのだろう。でも・・・ 俺の想像は正しかった。 「そうよ。馬鹿な男。貴方は私に微笑み返した御陰で、死んでいくの。私なんかに笑顔を見せたこと。 一生後悔して死んでいくの。」 彼女は、無表情のまま続ける。 「何人もの男が私に微笑み返した事を後悔して死んでいったわ。貴方もそうなるの!」 彼女の言葉には感情の色が無かった。いや・・・俺には無理矢理感情を抑えつけているように聞こえた。 そして、先程から気になっていたことを訪ねることにした。 「この部屋を片づけてくれたの君なんだろ?」 まるで『ぼっ!』という音が聞こえてくると思ってしまうほど・・・ 彼女の白い顔が真っ赤に染まった。 「な、...
  • デートはいかが?
    「 321…おもしろいわね」僕が2chでツンデスレを読んでると声がした。 薫だ。彼女は僕の背後霊をしている。 「私のことも書いてよ」実はもう、書き込んでいた。 薫を文字って香で書き込んだが、それがちょっと不評を買ってしまった。反省と照れくささで見せられない。 「そのうち書き込むよ。っていうか、これ、ツンデ霊だよ? 自覚あったの?」 「…!? ば、ばっかね、何いってんの。そんな訳ないでしょ。つんつんでれでれなんて意味わかんないんだから」しっかりわかってる。 自己分析が出来ているのか、キャラ作りでそうしているのか。 まぁ日常から接している僕はよくわかるのだが、薫の場合は前者だ。 2ch用語を知っていたのが恥ずかしかったんだろう。そっぽを向いている。 「…ふん、お休みの日も自宅でそんなの読んでて、不健全なのよ」薫も楽しそうによん...
  • 奇妙な同居人
    1月20日 転勤先で住居探しを始める。中々いい物件が無い。 不動産屋の担当者と二人、あーでもないこーでもないと話しているうち 「……あまりお勧めはしませんが」という切り出し方で一つの物件を紹介される。 条件が良いのに加えて、家賃も安い。即決する。 担当者の苦笑いが少し気になる。 2月1日 荷物の運搬も一段落。最低限の荷物だけ開梱し、転居先で初めての夜を迎えた。 良いマンションなのに両隣は空室らしい。不思議なもんだ。 2月3日 部屋に帰ってくると、嫌に空気が重い。 首を傾げながらネクタイを緩めていると、なにやらおかしな声が聞こえる。 「……てけ」「………ていけ」 声は明らかに室内のものだ。さては泥棒かと身構えるが、泥棒なら自らの所在を明かす ような真似はしないだろうし、そもそもこの部屋にはろくに身を隠す場所も無い。 ...
  • 隣の妹
    最近悩み事がある。 「お兄ちゃん、お兄ちゃんってば!!いい加減起きないと遅刻だよ!?」 「…うー」 「もう、毎朝毎朝起こさなきゃいけないこっちの身にもなってよね!」 (…と、言、う、か、) 「ホントお兄ちゃんってば、あたしがいないと――」 (まず金縛りを解けーーーっっ!!!) 「…えー?」 (えー?じゃねぇ!!てめぇが毎朝毎朝4時前に人を金縛りにしてくれやがるからこっちゃ寝不足と疲労でつらいんだよ!!) 「だって、金縛りにしておかないと殴るじゃん」 (当たり前だ!!!第一おまえの『お兄ちゃん』はこないだまで隣の男だったろうが!!) 「あの人0感でオタクできもいんだもん」 (くっ…反論できねぇ) 「それより何よお兄ちゃんのバカ!酷い事言われたってお母さんに言いつけちゃうんだから!もう起こしてなんてあげないんだからぁっ!!」 ...
  • 導入
    あの頃はまさか、こんなことになるなんて思ってもいなかった。 バイト帰りにいつも通る河川敷。あいにくの雨だが俺の好きな景色だ。 そんな場所であいつと出逢った。 少し石が盛り上がり、川幅が狭くなっているところに女がいた。 もう深夜0時を回っているのに女一人、しかも傘を差している様子も無い。 俺は心配になって、彼女のもとへ駆け出していた。 「どうしたんですか?こんな時間に女性一人なんて危ないですよ?」 彼女は俺の問いには答えず、無言のままこちらに振り向いた。 俺は言葉を失ってしまった。雨に濡れているはずなのに、艶やかに輝く長い黒髪。 アルピノかと思うほど白く美しい肌。星の光に照らされ輝く大きな瞳。 彼女を見ていると自分という存在が、どんなに卑小な存在が思い知らされるような気がした。 長い沈黙が続く、俺は彼女の瞳から目を離す事が出来なかった。彼女も俺の瞳...
  • 口裂け女とロリコン野郎
    ある日、帰宅途中に一人の女に呼び止められた。 真夏だというのにコートを着込んでいる。変態か? 「ワタシ綺麗?」 人が急いでいるというのに。だから変態は嫌いなんだ。 「誰が変態よ! ほら、他になんか言うことあるでしょ」 そんなデカいマスクして綺麗も糞もあるか。俺は急いでるんだ。 「これはほら、その、お約束っていうか……じゃなくて!  ワタシ、目元が色っぽいねとか言われるんだけど」 俺はどちらかというと目元よりも口元に色気を感じるんだが……。 「ああ、そうなの……じゃあ、これならどう?」 そう言うと女はコートの前を開いた。 「ワタシ、スタイルには結構自信あるのよ」 ……なんと醜悪な肉の塊が二つ……。 「ちょ、いい加減にしないと本気で怒るよ」 もういいだろ。早く帰らないとアニメが始まってしまう。 「なによ、あんたアニメオタク...
  • ポルターガイストとタコ
    刺身用のタコが安かったので買ってきた。 細切れトレイとはいえ、一人で食べるにはやや多い。 半分使って、残り半分は明日、タコ飯チャーハンにでも使おう。 刺身は冷たく冷やして食べるのが良い。 タコは一旦冷蔵庫に入れた。30分ほど冷やしてから切ることにする。 ──30分後 冷蔵庫を開けるとタコのトレイが飛び出して、一直線にゴミ箱に飛んでいった。 ポルターガイストである。安物のタコとはいえ、捨てるなんてあんまりである。 ゴミ箱から拾い出した。抗議するようにゴミ箱の蓋がバタンバタンとしているが気にしない。 ダイソーで買った刺身包丁で、タコをスライスする。 唐突に、ホワイトボードマーカーが床に転がった。ホワイトボードには一言 「ダメ」 と書いてある。何のことだ? タコにワサビを乗せて、刺身醤油につけて頂く。 醤油は半身だけにつけるのが...
  • 廃ビルの屋上に
    廃ビルの屋上に 僕は自殺志願者だ。 彼女に騙されて、多額の借金を負わされ、彼女は逃亡。毎日のようにしつこく鳴らされる電話のベル。激しくドアを叩く煩い取り立て。 こんなのが二ヶ月も続くと、流石に嫌になってくる。 もう二ヶ月も我慢したんだ、もう、いいよな。 こんな世界とおさらばしたって、別に誰も悲しみやしない。母さんや父さんには悪いが、僕は先に逝くよ。 廃ビルの屋上から眺める星空は、嫌味なくらい綺麗だった。こんな最高の場所が、自殺多発現場だなんて、思えない。 五年くらい前だろうか、ここから飛び降りがあった。ニュースで見たのだが、飛び降りたのは女性だという。六階建ての屋上から落ちれば、そりゃ即死だっただろう。 そんなニュースがあってから、ここからは飛び降り自殺が多くなった。一部では、あのビルは幽霊ビルだ。入っていった奴は、何も無くても必ず飛び降りる、など言わ...
  • 残業中のできごと
    残業中のできごと 月曜日 俺は、月末が期限の企画を纏めるため一人会社に残っていた。 初めてリーダーになった事もあり、気合も入っていたのだろう。 気付けば日付も変わろうとしていた。 最近はいつもそうだ。気が付くと終電を逃してることもしょっちゅうだ。 と、突然空調とフロアの照明が俺の周りだけを残して消えた。 「うおっ!」 驚いて辺りを見回すと、ドアの所に見たことの無い女性が立っていた。 「あなた一人のために空調や照明を使ってられるほど、  この会社余裕がある訳じゃないんだけど。」 その人はそんなことを言いながらこっちを冷たい目で見ていた。 「すいません。今帰りますので。」 知らず、敬語になる。 俺よりも少し年上のように見える。 「そ、あなた一人で頑張ったってたかが知れてるんでから。」 そう素っ気無く言いながらその女性は出て行...
  • 通信販売
    「ねえマイク、最近困ってることがあるの」 「なんだい、ジェニー」 「ラップ音がすごくて夜も眠れないの」 「ああそれはタイヘンだ! でもコレがあれば大丈夫!」 「マイクが右手に持ってるステキデザインのそれはなに?」 「これが新開発の強力除霊アイテム、アブゴーストクリーナーさ!」 「胡散臭さ大爆発ね! ほんとうに効き目があるのかしら?」 「まあ見ててごらんよ。今回は怨霊界のスーパースター、カヤコで試してみよう!」 「……みんな……呪い……殺してやる……」 「きゃあ! で、出たわ! ムリよ! ぜったい殺されちゃうわ!」 「うーん、さすがカヤコだね。スゴい迫力だ! さあ、うまくいくかな?」 「は、はやくして! なんかあたしの方を超見てるもの!」 「使い方はカンタン! ノズルを怨霊に向けてスイッチを入れるだけ!」 「……愚か…そんな…オモチャで…私...
  • 2人目
    猫耳モード♪ ここで素直クール 雨の日 抱き枕 私とファイトなさいフォースステージ The song of HAKATANOSHIO 私とファイトなさい5thルナ 守護霊シリーズ 山にまつわるツンデレ 2月14日のさようなら 下らないバトル 私とバレンタインなさい メリーさんとマスター☆エイジア 迷い道 ツン&デレ 私とファイトなさいウィズ・ガールフレンド 奇妙な同居人~妙~ 一日だけ あの世で待ってる 葬(おく)った日の帰路 「俺と守護霊の微妙な一日」 さびしんぼう 私と裁判なさい 僕とツンデ霊とハムスターシリーズ 「ミレレイとポン介」 通信販売 先輩の貴女 範馬雄子はツンじゃなく暴力 薫と僕 それぞれの生き方 回る!鉄棒少女 ミレレイ短編集 晃子 いたずら小娘 がんばれること ●●とバンパイア 範馬刃子はデレツン...
  • 夏のツンデ霊
    1 「やっぱり ウチとあんたじゃ合わんみたい」 1通のメールが届いた ずいぶんあっさりした別れ方だな これで何度目なんだ 釣った魚に餌はやらないタイプとでも言うのか 付き合う前 アプローチを掛けている時は盛り上がってるのに 実際に付き合いだすと何だか冷めちゃって それが相手にも伝わるんだか 長続きしないんだよな 今回のは短かったなぁ 情も涌かないほど短かったのかな 涙も出ないわ 「ふうぅ・・・」 携帯をパタッと閉じ ため息をついた 明日は休日 今から行く宛ての無いドライブでも行くか 車のキーを差し込み エンジンを入れる キュキュキュキュキュ ブォ~ン 心地よい振動が指先に伝わる 山の方に進路を取る事にした 灯かりの無い真っ暗な山道 物思いにふけるにはうってつけかもしれない 車を右に左に走らせながら ...
  • 目は口よりも
    月曜日の朝。 しかし曜日など関係無くいつもと同じ朝。土日は除く。 いつもの様に起き、朝食をとり、高校へ行く準備をし、家を出る。 最初の目的地、駅までの約100メートル。 その道のりで視界に入るおなじみの通行人A、B、C、D。 うむ、いつもとなんら変わり無し。結構結構。 まあ…少しくらい変わり有りでも悪い気はしないが。 等と考えていると、本当に少しくらいの変化があった。 駅前広場の椅子に通行人Eが座っていた。 いや、座ってるんだから「通行人」は違うか?まあ、それは置いといて。 俺はその座っている女・通行人Eの横を通り過ぎる際、ちらっと彼女の方を見た。 目が合った。 他人と目が合った時サッと目をそらすのは可笑しい反応ではないと思う。 俺もそうしてそのまま駅に入った。しかし、俺は背中に視線を感じたままだった。 そのとき俺はその視線は少し異質...
  • 白い雲に届きますように
    紫煙が空に舞う。青空に浮かぶ雲に重なり、やがて霧散した。 「・・・なぁ、どうやったら成仏するんだ?」 「さぁ。あんたのやる気次第でしょ」 「・・・だよなぁ」 「バカでしょ?あんた」 とあるアパートの一室。ベランダで隣りどおし座って空を見てる。 別に同棲とかじゃない。 俺は坊主で、相手は幽霊だった。 近所付合いで、除霊なんぞに駆り出されたりする。 自殺や孤独死。無念を残した霊が部屋にいついて、霊障を起こすのはよくある。 生きた人間に悪さをするのは、よくない。そういった霊たちは、説得し無念を聞いてやる。 死んだ事に気付かない場合は、教えてやる。 坊主は何も経を読むばかりじゃない。こんなのも、行のひとつだ。 「キムタクって整形してるのかな」 「・・・どうだろうねぇ」 「あんたに聞いた私がバカだったわ」 ...
  • 下校途中でメリーさん
    ① 夕暮れ。下校途中の路地。 カラスの鳴き声と近くの公園から聞こえてくる子供達の声に混じり 響く着信音。見知らぬ電話番号。 「もしもし?」 「わたしっ!メリーさん!!今、あなたnあうっ・・・ツー、ツー」 切羽詰ったような声の電話。それが途切れると同時に、後ろから「ゴン」 という鈍い音が聞こえてきた。 振り向くと、おでこを押さえてうずくまる女の子。その足元には野球ボール。 キャッチしようとして失敗したらしい。 ② 「・・大丈夫?」 よろよろと立ち上がり、ケータイを開く女の子。同時に響く着信音。 目の前の女の子がかけているらしい。出てみる。 「わ、私、メリーさん。大丈夫なの。これくらい痛くないの」 おでこにボールのあと。涙目。 「・・・・」 「ほ、本当に痛くなんてないの。・・・ぐす」 「あー・・・」 もしかして、飛...
  • 手斧の女
    1 始まったのは15歳の誕生日。 真夜中にふと目覚めた俺が見たのは、美人だが無表情の白装束の女が脇に立ってこちらを見下ろす姿。手には手斧が握られている。 呆然と見上げていると、手斧を左足に振り下ろされた。 悲鳴を上げて飛び起き、慌てて確かめるもまるで何も起きなかったかのように女の姿も足の傷も見えなかった。 翌日左足を事故で怪我した。 幸い後遺症もなく完治した。 その日以来、女は夢枕に現れ、いつも無表情のまま俺の体のどこかを切りつける。 そしてその部位は翌晩までに必ず事故や病気で病院の世話になる。 成人式の日、酒の席で何とはなしにその話を親父にしてみたところ。 親父も亡くなった祖父もその女を見たことがあるとか。どうやら家系に憑いているらしい。 『事前にどこが悪くなるか教えてくれるんだからありがたい存在だよな』と親父に言うと、げん...
  • 友達
    ずっと空を見ていた。 住宅街の塀の上に腰掛けて。 足元には、もう萎れて何か分からなくなったものが刺さった瓶。 一日中此処に居るけど誰にも気付かれない。  ・・・・僕は死んでいるから。 何もしたくないと思った。 学校も嫌い。塾にも行きたくない。家に帰っても楽しくない。  ・・・このまま消えてしまいたかった。 薄暗い帰り道を一人歩く。 ありふれた、少し寂れた住宅街。 この道は歩道もないような小さな道だけど交通量が比較的多くてたびたび事故が起こっていた。  ・・突然目の前に白い光が溢れてけたたましいエンジン音が響いた。 目の前にトラックが迫っていた。 (あぁ、私死ぬんだな・・。)と思った瞬間トラックがクラクションとともに横を通り過ぎていった。 一瞬何が起きたのか分からなかったが自分は壁際に尻餅をついてどうやら生きているよう...
  • @wiki全体から「命日のタクシー乗客」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索