安価『幼馴染がロリコン』

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安価『幼馴染がロリコン』 - (2011/06/04 (土) 01:20:32) の最新版との変更点

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~きょうしつっ!~────────────────────────────────────────────────────── 「なあトシぃ、これ見てみろよっ!」 「ちょっ、和史!教室でんなもん広げんなっ……」 「んだよ、せっかくのレアモノなのに……あっ、この娘とかどうよ?」 「だから広げんなと……あと俺はおっぱい星人じゃないんで」 「大きいことはいいことだろうが。お前ホントにこういうのに食いつき悪いよなぁ、ひんぬー派ですか?それともロリk」 「別にっ、エロに興味がないだけだっての」 「草食も大概にしないと女体化しても知らねぇぞ?」 「童貞が言えた口か。ったく、お前のが誕生日近いんだからエロ本にかまけてないでさぁ……」 「まっ、実際に性転換すんのは全体の数%って話だろ?なんとかなるなる。  万が一女になっちまったら、親友のよしみでお前の女体化予防してやろうか?守備範囲に入ってりゃあの話だけどwwwwww」 「はじめての相手が和史とか……ねーよww想像して萎えたわwwwwww」 (いつだったか、そんなことも話したっけなぁ……あぁ~、まさかホントに女体化するとは。) 根拠のない自信に任せて童貞を貫いた俺は、誕生日の朝、布団の中で毎日元気に自己主張していたマイサンが何処ぞへと旅立ってしまったことに気付いたのだった。 (まぁ……なっちまったもんは仕方ない、か。っし、ポジティブシンキン!そいじゃあ早速ボディチェックを……と、うひひwwwwww) つるん……♪ (うわ、やっぱりないんだ……実際触ると喪失感ががが。ってかこの感触、まさかパイ○ン?wwwwww女体化したてだからか?  これ以上は後のお楽しみとしておいて、次は俺的メインディッシュのおぱーいをばwwwwww) ぺたっ……♪ (何・・・だと・・・?) 弧を描いて胸に延ばされた両の手はむなしく空を掴み、ただ指先だけが微妙な柔らかさを伝えている。俺の期待していたモノ(少なくともD以上のきょぬー)がそこには存在していなかった。 「ちょっ、女体化した挙句ひんぬーとかマジ勘弁っ!」 この目で自分の体を確認しようと布団から飛び起きる。 と、途端に亜麻色をした髪が体に纏わりついてきた。どうやら毛質も長さも変わってしまったらしい…… それを払う手も小さく華奢なものとなっており、指も腕も細っこく、それでいてプニプニ柔らかだ。 さらに視線を下に辿り、ダブダブになった寝間着の襟ぐりから覗いたのは 「なんということだ!紛ことなきひんぬー、いや無乳ではないか……ってか、これは」 辺りを見回すと、見慣れたはずの部屋に違和感を覚える。全体的に広く、大きくなってる? 女体化したんだから身長は減って当然なのだが、減り方が半端じゃない。これじゃあ、まるで子供に戻ったみたいな…… 「あ……っ」 ガラス窓の向こうに知らない女の子の姿が、かろうじて肩から上だけ映っていた。 小さな顔に、これまた小さな鼻がちょこんとのっている。両の目は逆に大きくクリックリのパッチリ二重。ちょっぴりプクっとした唇は瑞々しく綺麗なピンク色だ。 うん、可愛い。ちょいとそこらじゃお目にかかれないほどの大変に可愛らしい女の子なのだが……なぁ 「はは……っ、おはようじょ」 女の子もとい幼女に呼びかけると、彼女も俺が浮かべたのとまったく同じ、困ったような笑みを浮かべた。 そうなのだ、幼女。どう見ても小学生にしか見えない。身長もどんなに大きく見積もったって140に届いていない、道理で部屋が広いはずだ。 「……、orz」 生の女体を心行くまで探索できる、と少なからず高翌揚していた気分が急に萎え、思わず膝をついてしまう。 すると細く・小さくなり過ぎた下半身では支えきれなくなったのか、ズボンがずり落ちる。パンツも脱げた……やっぱりパイ○ンか、そらそうか。 ---- そこから先のことは正直思い出したくない…… リビングに降りてきた一人息子改め一人娘を目にした両親は、 「ずいぶんとまぁ、可愛くなっちゃって!」 「バカ息子が愛娘になる日が来ようとは……ちょっとパパって呼んでくれないか?」 などと言って、俺の女体化を寧ろ祝ってくれた。どうやら俺が童貞なのはバレバレだったようで、とっくに覚悟は出来ていたとのこと。 挙句の果てには、 「見た目の歳に合わせて小学校通い直してみる?このご時世ならすんなり認めてくれるかもよ?」 「そりゃあいいなっ、お嬢様学校に入れてやるからネジ曲がった性格直してお淑やかになって来い!」 とのたまいやがった。 正直“女子校でゆりゆり~な関係”には惹かれるものがあったが、大和撫子になる気などさらさら無いし、これまでの自分の過去を隠して生きる気もなかったので丁重にお断りしておいた。 母さんはけっこう本気で残念がっていたみたいで、 「せめて制服だけでも着てみてよ!」 などと言って、お隣の涼子ちゃん(中一)のお古(しかも中学年仕様……)を着せられて写真撮影が行われたのは秘密だ。 まぁ、私服その他諸々もついでにごっそり頂いたのは助かったんだが……年下の女の子のお下がりを着ていると思うと、やはり鬱屈した気分にもなる。 おまけにそんな服を着た姿を涼子ちゃんに 「私が着るより全然似合ってるよっ、カズさん可愛い~♪」 などと評され、頭をナデナデされました……タヒにたひ。  -----------------------------------------  翌日 ----------------------------------------------- 朝(?)の十時、普段ならとっくに授業を受けてなければならない時間だが、今日の俺はまどろみの中。二度寝の気持ちよさは異常~ 役所その他への手続き、制服の採寸・手配にと、諸々の準備のために今日は学校の配慮で公休にしてもらえるのだ。 クラスの連中は今頃数学の小テスト真っ最中……ぐへへ、せいぜい頑張るがいいさwwwwww 「いつまで寝てんのよっ、いい加減起きなさいっ!!」(バサッ) 「ふみゅうっ!?」 三度寝とシャレ込もうと思ったら、無理やり母さんに布団をはぎ取られた。むぅ……寝足りん。 「落ち込んでるかも知れないと思ってゆっくり休ませてたけど、全然元気そうじゃないの。  お父さんのが『娘の見送りがない』って落ち込んでたよ」 「…………娘バカ乙」 「甘えてあげればいいじゃない、お小遣い上げてくれるかもよ?その分はもちろんお父さんの分から引くけど……  それとあんた今日は役所まで行くからね、恥ずかしくない格好してきなさいよ。そこに出してあるワンピースなんかおススメ」 「強制ですね、分かります。大人しく着替えるから出てってくんろ~」 「はいはい……ブラのつけ方まだ分からなかったなら呼んで頂戴ねwwwwww」 「詰め込む肉がないので苦労しません……orz」 そんなこんなで特に手間取ることもなく着替えが終わる。 ちなみに下着関係だけは新品だ。お古をとっておくようなものでもないし、貰えたとしても断固拒否していたことだろう。 ショーツなんかちっさいブリーフと思ってしまえばなんてことはないし、正直つける必要皆無に思えるこのスポブラも、支えるモノがないので被って位置調整するだけのまさに「大胸筋サポーター」だ。 昨日体験した「はじめてのぶらじゃあ」体験にはときめかないでもなかったが、どう頑張っても谷間どころか布地分以上の盛り上がりも作れない現実(AAA)に、装着後は涙目だった。 こんなちっぱいもとい無乳では弄る楽しみもないので風呂でも「女体探索」をする気になれなかった。 下半身は脱衣所で母さんの手鏡拝借して覗いてみたんだが……なんだか裂けそうで怖かったので自重……チキンちがう。 「よぅし、今日も可愛いおはようじょ!」 鏡に映った姿を確認する。うん、黒のワンピがよく似合ってる……なんか仔猫っぽい雰囲気?こんなロリぃのは俺の趣味じゃないけど。 しっかし、見事に歳不相応な外見だことで……うちで一番ちっこいのが148の渡辺だっけか? それでも10センチ差とか、うぅ……いぢめられなきゃいいけどなぁ。今の俺じゃあ女子にも力で敵わないわけだし (ブブブブルルッ、ブブブブルルッ) 「ひぅっ!?」 ネガティブな方向に飛んでいた思考が携帯のバイブ音で引き戻されると、何やら自分でも意図せず可愛らしい悲鳴が上がってしまった。 母さんに聞かれちゃいないだろうな、と赤くなりつつ画面を確認すると、トシのやつからメールが来ていた。時計を見るに、向こうは休み時間中か…… (昨日今日とどうした?体調不良とだけしか連絡来なかったんだが、もしかしてお前……) ありゃりゃ、そういや連絡してなかったっけ?どう返したもんか…… (いやいやww腹出して寝てたらおなかの風を貰っちまって……昨日は便器が友達でしたwwwwww) (汚ぇ!見舞いにでも行こうと思ってたけど、自粛するわ) (ちょww今日はもう大丈夫だって!正直半分ズル休み……小テスト乙wwwwww) (赤ギリギリの俺に謝れ!ほんとに行かんぞ?) (寂しいこと言うなよぅ、暇なんだよぅ……この前言ってたゲーム貸すからさ、来てくんろ~) (分かった分かった、それじゃあ五時ごろな) (見舞いの手土産希望) あ、返信途絶えた。まぁ、あいつなら来てくれるだろう…… それで俺の部屋に入ったら見知らぬ幼女が出迎えるわけだww奴の驚く顔が目に浮かぶwwwwww まぁ、ドッキリは別としてトシにはやっぱり先に知らせておきたいもんな。明日からの学校生活でも、フォローをお願いしたいし。 っし、そうと決まれば腹は決まった!用事が済んだらとびっきりのおめかしをして、あいつを吃驚させてやろう……ぐへへwwwwww  -----------------------------------------------夕方------------------------------------------ なぜか部屋の中央に正座している今の俺は、リボンとツインテールとで亜麻色の髪を可愛らしく飾り、(イタズラ計画に悪乗りした母によって引かれた)リップが瑞々しい唇の色を引き立てている。可愛さ当社比60%増しだ。 だのにその眉間には、愛らしい顔に似つかわしくない皺が見て取れる。 (遅い……) 時刻は午後五時半、自室で待機中の俺は我慢の限界にあったのだった。 (トシのやつ……せっかく俺が気合い入れたってのに、バカみたいじゃないか) これはあいつにも恥をかいてもらわねば割に合わない。初めは親戚の女の子の振りでもして、ちょっとでもデレデレしたところを見せたら正体ばらして 「ロリコン乙♪」 と笑ってやるのだ。うんそれがいい、そうしよう! そんな計画を練っていると、やっと玄関のチャイムが鳴る。これは…… 「お邪魔します、和史のお見舞いに来たんですけど……」 トシきたああああああああ!!おい、母さんの相手なんてせんでもいいから上がって来いって!! よしっ、「俺が部屋にいると」はいなかったな……母さんgj さあバッチこい!今の俺は「和花(のどか)」、役所で変更した新しい名前だけど今は俺の従妹って設定で……っ (ガララッ) 「う~す、和史ぃ腹の具合はいかがなもんか……ね……?」 「(びくぅっ)ひ……ひぁっ!?」 なんか分からんうちにトシ乱入。早く来いとは言ったけどさっ、ノックくらいはしてくれ!仮にも女の子の部屋に……って、おかしいおかしい。 こちらもこちらで混乱しているが、向こうも相当驚いているらしい。口をぽかんとあけたまま、こっちをガン見で見下ろしてくる。 まあ狙い通りっちゃ狙い通りなんだが、この空気はなんか気まずい……ここは俺から話しかけるべき、だよね? 「あ、あの…っ、私、従妹の和花って……いいマス。和史…お兄、ちゃんは今…トイレで、その……」 「………………」 おいぃ、なんで無言?ってか、こっち見んな!なんでガン見っ、目がこえぇよっ声震えんだろうがっ! 暫らく無言で見詰め合った俺たちだが、硬直から解けたトシの開口一番がこれ↓ 「スカート……もうちょっとで……見え(ry」 「へ……へぁっ!?」 待機中のイライラでそわそわ動いていたからか、綺麗にしてあったはずの黒ワンピの裾が捲れあがってあられもないことにっ!? 頭の中は男でも、いやだからこそパンチラなんて恥ずかしすぎる!キッ、とやつを睨み上げてやる……涙目なんかじゃないんだからねっ! 「あ……ご、ごめん!俺、和史の親友で同級生の森野俊彦っす!」 親友……ねぇ? 「いや、ホントにゴメンっ!初対面の娘相手に何言ってんだか……」 そう言いながら視線が俺の顔と下腹部とを往復してるわけだが…… 「ぶつぶつ……(和史ぃ、こんなに可愛い従妹《いもうと》がいるなら紹介しろと)」 なんか俺が呪われてる気が……ってか可愛いって聞こえた!?俺が!? 「隣いいかな?手土産に桃ゼリー買ってきたんだ、和史は食えないだろうから、一緒に食べちゃおうか?」 お、桃ゼリーとは気が利くじゃん♪……ってちょっと待て!今座りがてら胸元覗きこんだだろっ、見てたからなっ! 「しっかし、あいつは従妹ほっぽって便所籠りとか……それでも待ってあげてるなんて、和花ちゃんは優しいねぇ」  (わしわし……) 頭を撫でるなっ、ってか距離が近ぇよ!なんかいつもと雰囲気違うぞ……正直、キモい!! 「……コン…つ……」 「(わしわし……)ん?」 「ロリコン乙って言ったんだよ!!道理で乳に反応しないわけだよこのド変態っ!!」 「(ドスドスッ)~~っ!?ぐ……ぐはっ!!」 やはり図星かっ、幼女姿の俺に罵られたせいかトシのやつ真っ白に燃え尽きてやがる。 ……でもなんか気持ち良さそうにも見えるな、キモいので今のうちに距離を開けておこう。 ----
「なあトシぃ、これ見てみろよっ!」 「ちょっ、和史!教室でんなもん広げんなっ……」 「んだよ、せっかくのレアモノなのに……あっ、この娘とかどうよ?」 「だから広げんなと……あと俺はおっぱい星人じゃないんで」 「大きいことはいいことだろうが。お前ホントにこういうのに食いつき悪いよなぁ、ひんぬー派ですか?それともロリk」 「別にっ、エロに興味がないだけだっての」 「草食も大概にしないと女体化しても知らねぇぞ?」 「童貞が言えた口か。ったく、お前のが誕生日近いんだからエロ本にかまけてないでさぁ……」 「まっ、実際に性転換すんのは全体の数%って話だろ?なんとかなるなる。  万が一女になっちまったら、親友のよしみでお前の女体化予防してやろうか?守備範囲に入ってりゃあの話だけどwwwwww」 「はじめての相手が和史とか……ねーよww想像して萎えたわwwwwww」 (いつだったか、そんなことも話したっけなぁ……あぁ~、まさかホントに女体化するとは。) 根拠のない自信に任せて童貞を貫いた俺は、誕生日の朝、布団の中で毎日元気に自己主張していたマイサンが何処ぞへと旅立ってしまったことに気付いたのだった。 (まぁ……なっちまったもんは仕方ない、か。っし、ポジティブシンキン!そいじゃあ早速ボディチェックを……と、うひひwwwwww) つるん……♪ (うわ、やっぱりないんだ……実際触ると喪失感ががが。ってかこの感触、まさかパイ○ン?wwwwww女体化したてだからか?  これ以上は後のお楽しみとしておいて、次は俺的メインディッシュのおぱーいをばwwwwww) ぺたっ……♪ (何・・・だと・・・?) 弧を描いて胸に延ばされた両の手はむなしく空を掴み、ただ指先だけが微妙な柔らかさを伝えている。俺の期待していたモノ(少なくともD以上のきょぬー)がそこには存在していなかった。 「ちょっ、女体化した挙句ひんぬーとかマジ勘弁っ!」 この目で自分の体を確認しようと布団から飛び起きる。 と、途端に亜麻色をした髪が体に纏わりついてきた。どうやら毛質も長さも変わってしまったらしい…… それを払う手も小さく華奢なものとなっており、指も腕も細っこく、それでいてプニプニ柔らかだ。 さらに視線を下に辿り、ダブダブになった寝間着の襟ぐりから覗いたのは 「なんということだ!紛ことなきひんぬー、いや無乳ではないか……ってか、これは」 辺りを見回すと、見慣れたはずの部屋に違和感を覚える。全体的に広く、大きくなってる? 女体化したんだから身長は減って当然なのだが、減り方が半端じゃない。これじゃあ、まるで子供に戻ったみたいな…… 「あ……っ」 ガラス窓の向こうに知らない女の子の姿が、かろうじて肩から上だけ映っていた。 小さな顔に、これまた小さな鼻がちょこんとのっている。両の目は逆に大きくクリックリのパッチリ二重。ちょっぴりプクっとした唇は瑞々しく綺麗なピンク色だ。 うん、可愛い。ちょいとそこらじゃお目にかかれないほどの大変に可愛らしい女の子なのだが……なぁ 「はは……っ、おはようじょ」 女の子もとい幼女に呼びかけると、彼女も俺が浮かべたのとまったく同じ、困ったような笑みを浮かべた。 そうなのだ、幼女。どう見ても小学生にしか見えない。身長もどんなに大きく見積もったって140に届いていない、道理で部屋が広いはずだ。 「……、orz」 生の女体を心行くまで探索できる、と少なからず高翌揚していた気分が急に萎え、思わず膝をついてしまう。 すると細く・小さくなり過ぎた下半身では支えきれなくなったのか、ズボンがずり落ちる。パンツも脱げた……やっぱりパイ○ンか、そらそうか。 ---- そこから先のことは正直思い出したくない…… リビングに降りてきた一人息子改め一人娘を目にした両親は、 「ずいぶんとまぁ、可愛くなっちゃって!」 「バカ息子が愛娘になる日が来ようとは……ちょっとパパって呼んでくれないか?」 などと言って、俺の女体化を寧ろ祝ってくれた。どうやら俺が童貞なのはバレバレだったようで、とっくに覚悟は出来ていたとのこと。 挙句の果てには、 「見た目の歳に合わせて小学校通い直してみる?このご時世ならすんなり認めてくれるかもよ?」 「そりゃあいいなっ、お嬢様学校に入れてやるからネジ曲がった性格直してお淑やかになって来い!」 とのたまいやがった。 正直“女子校でゆりゆり~な関係”には惹かれるものがあったが、大和撫子になる気などさらさら無いし、これまでの自分の過去を隠して生きる気もなかったので丁重にお断りしておいた。 母さんはけっこう本気で残念がっていたみたいで、 「せめて制服だけでも着てみてよ!」 などと言って、お隣の涼子ちゃん(中一)のお古(しかも中学年仕様……)を着せられて写真撮影が行われたのは秘密だ。 まぁ、私服その他諸々もついでにごっそり頂いたのは助かったんだが……年下の女の子のお下がりを着ていると思うと、やはり鬱屈した気分にもなる。 おまけにそんな服を着た姿を涼子ちゃんに 「私が着るより全然似合ってるよっ、カズさん可愛い~♪」 などと評され、頭をナデナデされました……タヒにたひ。  -----------------------------------------  翌日 ----------------------------------------------- 朝(?)の十時、普段ならとっくに授業を受けてなければならない時間だが、今日の俺はまどろみの中。二度寝の気持ちよさは異常~ 役所その他への手続き、制服の採寸・手配にと、諸々の準備のために今日は学校の配慮で公休にしてもらえるのだ。 クラスの連中は今頃数学の小テスト真っ最中……ぐへへ、せいぜい頑張るがいいさwwwwww 「いつまで寝てんのよっ、いい加減起きなさいっ!!」(バサッ) 「ふみゅうっ!?」 三度寝とシャレ込もうと思ったら、無理やり母さんに布団をはぎ取られた。むぅ……寝足りん。 「落ち込んでるかも知れないと思ってゆっくり休ませてたけど、全然元気そうじゃないの。  お父さんのが『娘の見送りがない』って落ち込んでたよ」 「…………娘バカ乙」 「甘えてあげればいいじゃない、お小遣い上げてくれるかもよ?その分はもちろんお父さんの分から引くけど……  それとあんた今日は役所まで行くからね、恥ずかしくない格好してきなさいよ。そこに出してあるワンピースなんかおススメ」 「強制ですね、分かります。大人しく着替えるから出てってくんろ~」 「はいはい……ブラのつけ方まだ分からなかったなら呼んで頂戴ねwwwwww」 「詰め込む肉がないので苦労しません……orz」 そんなこんなで特に手間取ることもなく着替えが終わる。 ちなみに下着関係だけは新品だ。お古をとっておくようなものでもないし、貰えたとしても断固拒否していたことだろう。 ショーツなんかちっさいブリーフと思ってしまえばなんてことはないし、正直つける必要皆無に思えるこのスポブラも、支えるモノがないので被って位置調整するだけのまさに「大胸筋サポーター」だ。 昨日体験した「はじめてのぶらじゃあ」体験にはときめかないでもなかったが、どう頑張っても谷間どころか布地分以上の盛り上がりも作れない現実(AAA)に、装着後は涙目だった。 こんなちっぱいもとい無乳では弄る楽しみもないので風呂でも「女体探索」をする気になれなかった。 下半身は脱衣所で母さんの手鏡拝借して覗いてみたんだが……なんだか裂けそうで怖かったので自重……チキンちがう。 「よぅし、今日も可愛いおはようじょ!」 鏡に映った姿を確認する。うん、黒のワンピがよく似合ってる……なんか仔猫っぽい雰囲気?こんなロリぃのは俺の趣味じゃないけど。 しっかし、見事に歳不相応な外見だことで……うちで一番ちっこいのが148の渡辺だっけか? それでも10センチ差とか、うぅ……いぢめられなきゃいいけどなぁ。今の俺じゃあ女子にも力で敵わないわけだし (ブブブブルルッ、ブブブブルルッ) 「ひぅっ!?」 ネガティブな方向に飛んでいた思考が携帯のバイブ音で引き戻されると、何やら自分でも意図せず可愛らしい悲鳴が上がってしまった。 母さんに聞かれちゃいないだろうな、と赤くなりつつ画面を確認すると、トシのやつからメールが来ていた。時計を見るに、向こうは休み時間中か…… (昨日今日とどうした?体調不良とだけしか連絡来なかったんだが、もしかしてお前……) ありゃりゃ、そういや連絡してなかったっけ?どう返したもんか…… (いやいやww腹出して寝てたらおなかの風を貰っちまって……昨日は便器が友達でしたwwwwww) (汚ぇ!見舞いにでも行こうと思ってたけど、自粛するわ) (ちょww今日はもう大丈夫だって!正直半分ズル休み……小テスト乙wwwwww) (赤ギリギリの俺に謝れ!ほんとに行かんぞ?) (寂しいこと言うなよぅ、暇なんだよぅ……この前言ってたゲーム貸すからさ、来てくんろ~) (分かった分かった、それじゃあ五時ごろな) (見舞いの手土産希望) あ、返信途絶えた。まぁ、あいつなら来てくれるだろう…… それで俺の部屋に入ったら見知らぬ幼女が出迎えるわけだww奴の驚く顔が目に浮かぶwwwwww まぁ、ドッキリは別としてトシにはやっぱり先に知らせておきたいもんな。明日からの学校生活でも、フォローをお願いしたいし。 っし、そうと決まれば腹は決まった!用事が済んだらとびっきりのおめかしをして、あいつを吃驚させてやろう……ぐへへwwwwww  -----------------------------------------------夕方------------------------------------------ なぜか部屋の中央に正座している今の俺は、リボンとツインテールとで亜麻色の髪を可愛らしく飾り、(イタズラ計画に悪乗りした母によって引かれた)リップが瑞々しい唇の色を引き立てている。可愛さ当社比60%増しだ。 だのにその眉間には、愛らしい顔に似つかわしくない皺が見て取れる。 (遅い……) 時刻は午後五時半、自室で待機中の俺は我慢の限界にあったのだった。 (トシのやつ……せっかく俺が気合い入れたってのに、バカみたいじゃないか) これはあいつにも恥をかいてもらわねば割に合わない。初めは親戚の女の子の振りでもして、ちょっとでもデレデレしたところを見せたら正体ばらして 「ロリコン乙♪」 と笑ってやるのだ。うんそれがいい、そうしよう! そんな計画を練っていると、やっと玄関のチャイムが鳴る。これは…… 「お邪魔します、和史のお見舞いに来たんですけど……」 トシきたああああああああ!!おい、母さんの相手なんてせんでもいいから上がって来いって!! よしっ、「俺が部屋にいると」はいなかったな……母さんgj さあバッチこい!今の俺は「和花(のどか)」、役所で変更した新しい名前だけど今は俺の従妹って設定で……っ (ガララッ) 「う~す、和史ぃ腹の具合はいかがなもんか……ね……?」 「(びくぅっ)ひ……ひぁっ!?」 なんか分からんうちにトシ乱入。早く来いとは言ったけどさっ、ノックくらいはしてくれ!仮にも女の子の部屋に……って、おかしいおかしい。 こちらもこちらで混乱しているが、向こうも相当驚いているらしい。口をぽかんとあけたまま、こっちをガン見で見下ろしてくる。 まあ狙い通りっちゃ狙い通りなんだが、この空気はなんか気まずい……ここは俺から話しかけるべき、だよね? 「あ、あの…っ、私、従妹の和花って……いいマス。和史…お兄、ちゃんは今…トイレで、その……」 「………………」 おいぃ、なんで無言?ってか、こっち見んな!なんでガン見っ、目がこえぇよっ声震えんだろうがっ! 暫らく無言で見詰め合った俺たちだが、硬直から解けたトシの開口一番がこれ↓ 「スカート……もうちょっとで……見え(ry」 「へ……へぁっ!?」 待機中のイライラでそわそわ動いていたからか、綺麗にしてあったはずの黒ワンピの裾が捲れあがってあられもないことにっ!? 頭の中は男でも、いやだからこそパンチラなんて恥ずかしすぎる!キッ、とやつを睨み上げてやる……涙目なんかじゃないんだからねっ! 「あ……ご、ごめん!俺、和史の親友で同級生の森野俊彦っす!」 親友……ねぇ? 「いや、ホントにゴメンっ!初対面の娘相手に何言ってんだか……」 そう言いながら視線が俺の顔と下腹部とを往復してるわけだが…… 「ぶつぶつ……(和史ぃ、こんなに可愛い従妹《いもうと》がいるなら紹介しろと)」 なんか俺が呪われてる気が……ってか可愛いって聞こえた!?俺が!? 「隣いいかな?手土産に桃ゼリー買ってきたんだ、和史は食えないだろうから、一緒に食べちゃおうか?」 お、桃ゼリーとは気が利くじゃん♪……ってちょっと待て!今座りがてら胸元覗きこんだだろっ、見てたからなっ! 「しっかし、あいつは従妹ほっぽって便所籠りとか……それでも待ってあげてるなんて、和花ちゃんは優しいねぇ」  (わしわし……) 頭を撫でるなっ、ってか距離が近ぇよ!なんかいつもと雰囲気違うぞ……正直、キモい!! 「……コン…つ……」 「(わしわし……)ん?」 「ロリコン乙って言ったんだよ!!道理で乳に反応しないわけだよこのド変態っ!!」 「(ドスドスッ)~~っ!?ぐ……ぐはっ!!」 やはり図星かっ、幼女姿の俺に罵られたせいかトシのやつ真っ白に燃え尽きてやがる。 ……でもなんか気持ち良さそうにも見えるな、キモいので今のうちに距離を開けておこう。 ---- 「……つまり、和花ちゃん=和史でお前はやっぱり女体化したと?」 「そーそー、そいでトシはそんな俺に欲情した……と」 「欲情言うな!ただ俺は若さあふれる蕾の美しさを目出ていただけでだなぁ……」 「キメぇよっ、やめい!ったく……マジメ君かと思ったらとんだ変態だったわけか」 「……っ!!その侮蔑の目でもっと見つめて欲しい、って言ったらどう思う?」 「……………………………」 「おぅふっ!(くねくねビクンビクン)」 ……なんだこれ?目の前で悶えまくる男があの冷静な幼馴染とはとても思えない。 「……ふぅ、ちと取り乱しちまったな」 「いや、ちょっとどころじゃない気が……ったく、これじゃあ普通の反応を期待できないじゃあねぇか……」 「……?どういうことだ?」 「いや……その、今の俺ってあれだろ?その、お前みたいな犯罪者予備軍が反応するようなロリボディなわけで……言ってみりゃあ極度の発育不良なわけじゃん?」 「案ずるな、充分すぎる程に魅力的だ!」 「茶化すなっ……不安なんだよっ!ただでさえ女体化したってだけで奇異の目で見られるかもしれないのにっ、  俺……皆にちゃんと受け入れてもらえんのかな?お前の目から見て変に映らないか?」 「……………………」 「黙んなよっ……こんな身体じゃあ、苛められたって抵抗のしようがないだろ?見る人見る人デカくて怖ぇんだよ!」 「……………………」 「だから、お前さえ迷惑でなきゃ俺を守ってもらえないかな……なんて。なぁ、なんか言ってくれよ?  俺はまだ、心は男のつもりなんだ。だから女友達なんかできなくても、お前がいてくれりゃあ……おい、さっきからなに黙りこんd(ry」 「………………も、萌えぇぇぇえええ~~~~~~~っ!!!」 「~~~っ!?うひゃぅっ!!!」 内容は兎も角、それまで黙っていた相手にいきなり大声を出されて怯んでしまう。自分より三回りも大きな相手となればなおさらだ。 思わず縮こまって怯えた目で見上げると、トシは何かが(主に鼻から)こみ上げてきそうなのを抑えながら、俺の頭に手を載せてきた。 「ん、まぁお前の心配してるような事態にゃならんだろ(わしゃわしゃ)」 「ふぇ……?」 「にょたっ娘の例に違わずお前も可愛いっ、いやマジ天使と言っていいだろう!」 「……………」 「けどまぁそれで女子連中の嫉妬を買うことはあるまい、主にスタイル的な意味で」 「あぁ~~、納得(ぺたぺた♪スカスカ♪)」 「それに組は違えど体育ん時は晶(あきら)と一緒になるしな。着替えとかで最初はひと悶着ありそうだけど、そこは幼馴染のよしみでフォローしてくれんだろ。  お前おっぱい星人で通ってるけど、実際行動に移せないチキンだったからこうして女体化してるわけだもんな」 「……っさい!」 ……そっか、晶がいたんだ。最近疎遠になってたけど、頼ってもいいのか? ってか、あいつにまでこの情けない姿を晒さにゃならんのか……なんか学校行きたくなくなってきた。 「そんなわけで、苛め云々は心配に及ぶまい。 寧ろうちのクラスの雰囲気を考えるに、妹兼マスコット的に可愛がられたりはしそうだが……そういう意味では“いぢめられる”と言うのもあながち間違いではない、か」 「市川とか佐々木とか吉田とかなぁ……恐ろしいこと言わんでくれ」 いつも賑やかにしている三人娘を思い出す。吉田はいい乳をしてたんで目で追ってたが、あのキャピキャピした雰囲気はどうも苦手だ……いや、悪い娘らじゃないんだが。 可愛いもの好きっぽいあいつらに絡まれたら、撫でられすぎた猫のようにノイローゼを起こしてしまいそうだ。 「俺としてはいいんだけどな、高1女子の集団の中で一人揉みくちゃされてる幼女の図……うん、実にイイっ。  そして俺は、座してただそれを鑑賞するのみ。割って入るなどと無粋なことはしないから、安心して愛でられてくれ」 「いや助けろよ!?そこは割って入ろうって!!」 「だが断る。こんな美味しい絵を逃す手はないだろうがっ!」 「美味しいとかっ、お前んなこと言うキャラと違うだろっ!」 「バレちまったからにはこれ以上隠すこともないからな、ようやっと腹を割って話せる仲になったわけだ親友よ……  っと、もっともお前は本日をもって俺の中で親友から天使へとクラスチェンジを果たしてしまったわけだが」 「んなっ!?」 「天使がいやなら姫でもいいぞ?となれば差し詰め俺はナイトってわけだ。  お前に下心向けるような野郎は寄せ付けないし、万が一にも苛めに遭うようなことがありゃあ守ってやるから安心しろって」 そう言って、やつは俺の手を取り……そして 「~~~~~っ!?」 「ま、報酬代わり兼誓いの接吻ってことで……ごちっす。フヒヒ、思った通りスベスベなのなwwwwww」 「~~~っ、は……恥ずっ!!ってか、さっきから言ってることがキザ通り越して寒いんだよっ!!」 「顔真っ赤にして言っても怖くないってか、激しく萌えるんだが……もしかして感じた?」 「ねーよっ!手だけで感じるとかどんだけだよっ!?むしろサブイボたってきそうだわっ」 「いや、世の中にはにょたロリビッチという言葉もあってだな……にょたっ娘の感度が高いのはデフォだろ常考  んで、どうなん?その体で“そういう”ことはしたんすか?」 「してねぇっ!こんな無乳に興奮なんざしないし、下は……その、やっぱ怖いし……さ」 「ヘタレめ……だがお前がおっぱい星人でよかった。その清らかな身体が知らずに失われてしまっては、目も当てられんからな」 「ちょっ……お前何言って」 「いや、いつだったかの話を思い出してさ……なんだっけ?『万が一女になっちまったら、親友のよしみでお前の女体化予防してやろうか?』だったっk(ry」 「おまっ……調子乗んなこらっ、もう出てけぇぇぇえええっ!!!」 両手を突き出して全力でトシを追い出しにかかる。……重っ!?向こうは全然力を入れてる様子がないのにっ 「HAHAHA、幼女が涙目で頑張っている姿はイイものですなぁ……具体的には庇護欲に訴えかけてくる反面、こう、嗜虐心が刺激されるわけで」 45度前傾姿勢でやつを押している俺の視線の先、学生服のズボン部分に妙な膨らみが……~~~っ!? 「お、おまっ何おっ勃ててやがる!これ以上荒ぶるようなら母さんに警察呼んでもらうかんなっ!?」 「おお、こわいこわいwwそいじゃあ退散するとしますか……明日から登校だよな、いつもの時間に出んのか?」 「いんや、明日は母さんと一緒に山センと用語の土屋さんに挨拶すっから早い。 ……ってか、まさか一緒に行くとか言い出す気だったんじゃないだろうな?お前ん家からじゃ遠回りになんだろうが」 「幼馴染のロリっ娘と仲良く登下校なんてシチュを逃す手があるかっ、何時起きだろうとドンと来いだ!……ってなわけで、明後日から送り迎えは任せろ~(バリバリ)」 「やめてっ!……って言いたいとこだが、正直助かる。明日は車だからいいけど、こんなナリじゃあしばらくは目立ってしょうがないだろうからさ。  せいぜい人目除けにこき使ってやるから……よろしく、ね?」 「お、おぅ…………」 これから世話になるんだし、ちょっとだけサービスとばかりに上目づかいで微笑みかけると、とたんに赤くなって口ごもるトシ。 分っかりやす……ちょっと女の子らしく振舞っただけで、さっきまでの余裕が消え去っている。 なんか可愛いかも……って、いやいや待て待て待て!これはあれだっ、こいつがこれだけモジモジデレデレしてんのが滑稽なだけでだな、決してアッーな意味はなくっ 「おい……和史ぃ?どうしt(ry」 「なっ、なんでもないっての!いいからお前もう帰れよっ!!」 再び全力でタックルをぶちかます。今度は抵抗はなかった ったく、まるで嵐が去ったみたいだ……階下であいつが母さんに何事か喋っているようだが、耳をそばだてる気力もない。 気疲れからか若干ふらつく足取りで、俺はそのままベッドに伏せるのであった……  ----------------------------------------------夕飯時------------------------------------------------- 「ねえ、あんた森野君となんかあったの?あれから部屋から出てこなかったじゃない」 「なっ、なんもないっす!俺が部屋に籠んのなんていつものことだろっ」 「そう?お母さん森野君に『和史のことは任せてください、と言いますか、俺に和史を下さいっ!』 って言われちゃったから、てっきりあぁん♪なことやこぉん♪なことがあったかと……ww」 「んなっ!?」 「おいっ和花、どういうことだ!?父さんはまだそんな事認めてはおらんぞっ!!」 おいいいいいいい、あのバカなに言ってやがんのぉぉぉおおお!? てか父さん、鬼の形相なんだがっ…………これはあいつタヒんだんじゃねぇの? 冗談でも「(手の甲とはいえ)キスさりました……グスン」などとは言えない怒気が俺に向けられている。コワイコワイコワイ! 「お父さんっ、和花が怯えてるじゃないのっ」 「ん、あぁすまん……しかしだな、こんなに小さいのに恋愛なんて」 「………………」 「それこそちょっと前までは『パパのお嫁さんになるっ』って言ってくれたのに……」 「お父さん、和花も女の子なんだから。知らず知らずに成長していくものなのよ……」 二人してイイ雰囲気なところ申し訳ないけど、俺の過去がナチュラルに捻じ曲げられてるのはなんだろう?機関の工作か? いずれにせよ、俺が野郎と恋愛なんて無いから……ない、よな?いくら相手があいつだとしたって…… だ~っ、もうこれ以上考えんのはやめっ!今日はさっさと寝ちまうに限るっ!!  ----------------------------------朝だあっさっだ~よ~---------------------------------- 「……そう言うわけですので、どうかうちの娘を宜しくお願いいたします」 いつもは肝っ玉カーチャンで通る母さんが、珍しく深々と頭を下げている。 つられてペコリとお辞儀する俺が身に纏っているのは、学校指定の制服(在庫一点限りだったsssサイズ:ただしこれでも随分と大きい)だ。 今日から女生徒として復帰ということで、母さんと一緒に担任に挨拶に来たわけである。 御年53歳の山田先生はこういったケースを何度か経験していたようで、落ち着き払っていたのが好印象だった。 母と別れ、教室に向かう間にいくつかの連絡事項を伝えられる。 一つは今日から俺の席が最前列真ん中に移動となること(身長的に当然の配慮なのだが、正直ありがた迷惑……) 二つ目に、それを提案したのがトシのやつだったってことと、あいつが俺の後ろに移ったってこと(ってか、最前列真ん中って吉田の隣……あいつ謀ったな!?) 三つ目に、これからトイレや更衣室は女子のものを使うようにとのこと(さすがに元男とはいえ、諸手を挙げて喜べるようなことではない……いざとなったら晶を頼るか) その他諸注意を聞いているうちに、気づけば教室の前。山センに指示され、俺は廊下で待機する。 「あ~……休んでいた藤本だが、今日から復帰することになった。ただ、君らも知っているように(云々かんぬん……) 「……と、そういうわけだ。藤本、入っていいぞ」 うわっ、ついに来たか……緊張で震えそうになる足をなんとか制して中に踏み込む。できるだけ顔は伏せて、俯きながら…… 「え……?あれ、藤本君?」 「ちょっ……全然別人なんだけど!?」 「髪キレー、頭小っさ!やっぱ女体化すると美少女になるって本当だったんだ……」 「ってか、背ぇ低っ!俺の小5の妹より小さいかも……」 「(フヒヒ……制服姿もまた良しっ。セーラー服でないのが残念だが、袖から手の出ないブレザーもそれはそれでwwww)」 ~~っ!俺が入る前から落ち着きを無くしていた教室の、いたる所からザワザワと声が上がり、無数の視線を向けられて俺はすっかり縮こまってしまっていた。 っつうか、いま小さいって言ったのは長谷川だな?覚えとけよっ、だれが小学生じゃいっ! そして最後のは安定のトシ……視線だけでも言わんとしていることが充分分かってしまうのがキモい! 「っと、こんな姿になっちまったけど……藤本和史、です。これからは藤本和花として、まあ仲良くしてやって下さい」 それだけの簡潔な挨拶をすませてとっとと席に着く。もともと友人も多くない俺だし、変に愛想を振りまく必要もあるまい。 …………って、なんだ?あれだけザワついてた教室が急に静かに? ちら、と隣の吉田を見る…………何すかそのキュンキュンと擬音のつきそうなオーラは!? あ……目があった、男の頃だったら彼女の巨乳もあいまってデレデレしていたに違いない極上の笑みを向けられる。 だが、今の俺にはそれがご馳走や新しいオモチャを目の前にした子供のような顔にしか見えなかった。 …………こりゃあ休み時間はお約束の質問タイムってやつですかぃ?できればご遠慮願いたいなぁ~、なんて 「これがあの藤本君!?うそっ、ちっさぁ~っ……ねぇねぇ、身長いくつ?」 「昨日測ったら137っした……体重は3(ry」 (予想通りこうして例の三人娘に囲まれてるわけで……ってか、一番冷静な市川まで目を輝かせてやがるっ!?) 「言わんでいい、言わんで!その身長考慮してもこっちが太って思えてきちゃうから……顔も小っちゃいし手足も長いし、うらやましいわ」 「…………(このツルペタボディのどこがうらやましいと、佐々木よ?)」 「涼ちゃんってば、藤本君も女の子になったばかりでそんなこと言われても困っちゃうよ ところで藤本くん改め和花ちゃん……ギュッってしてもいいかな?いいよね♪」 「うぎゅっ、吉田さん!?なにして……っ!?」 ちょ、肩に柔らかな感触ガガガっ!流石は吉田、なんかこう「のっかってる」感がハンパねぇ……てか 「いいのかよ、ほんのつい最近まで男だった俺にこんなことして……っ?」 「えっ、今の和花ちゃんだったら全然気にならないよ?細いけど柔らかいし、いい匂いだし?」 「いや、そういう意味じゃあなくてだな……」 「まあ、茉莉がそうしてるんだからアンタは無害ってことなんでしょ。エロい奴かと思ってたけど、案外ヘタレ草食男子なのねww  うぎゅっ、とか言っちゃってww可愛い反応だったけど?」 「だっ、だれがヘタレ男子だっ!誰がっ!」 「そうだよ涼ちゃんっ。和花ちゃんはもう可愛い女の子なんだから、ヘタレ男子よばわりは良くないよ?」 「いや、そう言う意味でもなく……」  ---------------------------------きゃっきゃ、きゃっきゃ♪-------------------------------- 「でも朝急に席替え提案したってことは、やっぱり森野君には先に知らせてたんだ?」 「ん、まぁ幼馴染だし……」 俺と三人組の視線が後ろのトシに集まる。……なんだその“いいぞもっとやれ”みたいな表情は? 背後に視線は感じていたがこの野郎、ホントに質問攻めに遭った俺を見てニヤニヤしてやがったのかよ。 「俺も知ったのは昨日だったけどな、しかもこいつときたら下手なドッキリまで仕組んでくれてさ(わしわし)」 「んなっ、頭撫でんなっての!」 「まあ、戸惑う所もあるかもしれないけど、俺からも宜しく頼むよ。  こいつも俺とばっかりつるんでるわけにはいかないだろうしさ、ひとつ女子の付き合いってやつを教えてやってほしい。」 「トシ……」 「おぉ~、男の友情ってやつ?」 突然の真面目な声と表情に、さっきまでの怒気が萎んでしまう。なんだ、あいつもあいつで俺を気遣って見守ってくれてただけなのか…… 「それと、だ」 ……あ゛? 「俺と和花との関係は男の友情から男女の恋慕へと変化したので、そのあたりも宜しくお願いしたい」 「んなっ!?」 「「「……へ?」」」 あくまで学校でのいつもの冷静な態度を崩すことなく、高らかに宣言した我が親友。表情もさっきの真面目な表情のまま。 対して三人組は皆揃って口をポカンと開けて目を見開いている。当然の反応だろう、俺だってきっと同じ表情をしているはずだ って……このバカ今、何……言って……~~~~っ!!! 「ねぇ藤本君、今のって……」 「ちっ、違うぞ市川!今のはこいつの妄言で……おいトシっ、お前教室のド真ん中でいきなりなにをっ」 「二人っきりならいいんだ……」 「それもちがうっ、佐々木!とにかく俺とこいつの間にそんな感情はないからっ、俺はいたってノーマルだ!」 「だからいたってノーマルな男女の仲だろう?お義母様には挨拶を済ませたし、前から俺の女体化はお前が防いでくれると約束を……(ry」 「お前もう黙れよっ!?」 (ざわ……ざわざわ……) 俺があまりに興奮して大声上げてしまったせいか、気づけば教室中の注目を集めてしまっていたようだ。あちこちでひそひそ声が聞こえてくる。 「ねぇっ、森野君と藤本君が……」 「女体化防ぐって……それも前からって、つまり……!?」 「キャーッ!!」 「森野君、ちょっといいなぁって思ってたのに……でもあの可愛さじゃ仕方ないかぁ」 「や、どう見たってロリコンでしょ……類は友を呼ぶってわけね」 「ちっくしょっ、森野の奴抜け駆けしやがってぇぇぇえええ!!」 「幼馴染でロリな彼女とかっ、どんだけ勝ち組だよっ!!」 「(……こいつら、好き勝手言いやがってぇ!)」 「だっ、大丈夫だよ和花ちゃんもう女の子だし!男の子が好きになっても全然問題ないって……私、応援するよっ!」 「吉田ァ…………」 こうして初日からトンデモない誤解をクラス中に植え付けられてしまった俺は、ただでさえ先行き不安な高校生活の今後を憂いて机に突っ伏すのであった…… と、ここで終わっておけばまだ良かったんだ。 隣のクラスにまで届いたこの噂が、まさかあんな事態を引き起こすなんて……俺には想像もできないわけで。 今はただ、このバカにどんな制裁を与えてやるかという思考に没頭することで周囲のざわめきを頭から押し出すのに精いっぱいな俺であった。 ----

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