~きょうしつっ!~────────────────────────────────────────────────────── 「なあトシぃ、これ見てみろよっ!」 「ちょっ、和史!教室でんなもん広げんなっ……」 「んだよ、せっかくのレアモノなのに……あっ、この娘とかどうよ?」 「だから広げんなと……あと俺はおっぱい星人じゃないんで」 「大きいことはいいことだろうが。お前ホントにこういうのに食いつき悪いよなぁ、ひんぬー派ですか?それともロリk」 「別にっ、エロに興味がないだけだっての」 「草食も大概にしないと女体化しても知らねぇぞ?」 「童貞が言えた口か。ったく、お前のが誕生日近いんだからエロ本にかまけてないでさぁ……」 「まっ、実際に性転換すんのは全体の数%って話だろ?なんとかなるなる。 万が一女になっちまったら、親友のよしみでお前の女体化予防してやろうか?守備範囲に入ってりゃあの話だけどwwwwww」 「はじめての相手が和史とか……ねーよww想像して萎えたわwwwwww」 (いつだったか、そんなことも話したっけなぁ……あぁ~、まさかホントに女体化するとは。) 根拠のない自信に任せて童貞を貫いた俺は、誕生日の朝、布団の中で毎日元気に自己主張していたマイサンが何処ぞへと旅立ってしまったことに気付いたのだった。 (まぁ……なっちまったもんは仕方ない、か。っし、ポジティブシンキン!そいじゃあ早速ボディチェックを……と、うひひwwwwww) つるん……♪ (うわ、やっぱりないんだ……実際触ると喪失感ががが。ってかこの感触、まさかパイ○ン?wwwwww女体化したてだからか? これ以上は後のお楽しみとしておいて、次は俺的メインディッシュのおぱーいをばwwwwww) ぺたっ……♪ (何・・・だと・・・?) 弧を描いて胸に延ばされた両の手はむなしく空を掴み、ただ指先だけが微妙な柔らかさを伝えている。俺の期待していたモノ(少なくともD以上のきょぬー)がそこには存在していなかった。 「ちょっ、女体化した挙句ひんぬーとかマジ勘弁っ!」 この目で自分の体を確認しようと布団から飛び起きる。 と、途端に亜麻色をした髪が体に纏わりついてきた。どうやら毛質も長さも変わってしまったらしい…… それを払う手も小さく華奢なものとなっており、指も腕も細っこく、それでいてプニプニ柔らかだ。 さらに視線を下に辿り、ダブダブになった寝間着の襟ぐりから覗いたのは 「なんということだ!紛ことなきひんぬー、いや無乳ではないか……ってか、これは」 辺りを見回すと、見慣れたはずの部屋に違和感を覚える。全体的に広く、大きくなってる? 女体化したんだから身長は減って当然なのだが、減り方が半端じゃない。これじゃあ、まるで子供に戻ったみたいな…… 「あ……っ」 ガラス窓の向こうに知らない女の子の姿が、かろうじて肩から上だけ映っていた。 小さな顔に、これまた小さな鼻がちょこんとのっている。両の目は逆に大きくクリックリのパッチリ二重。ちょっぴりプクっとした唇は瑞々しく綺麗なピンク色だ。 うん、可愛い。ちょいとそこらじゃお目にかかれないほどの大変に可愛らしい女の子なのだが……なぁ 「はは……っ、おはようじょ」 女の子もとい幼女に呼びかけると、彼女も俺が浮かべたのとまったく同じ、困ったような笑みを浮かべた。 そうなのだ、幼女。どう見ても小学生にしか見えない。身長もどんなに大きく見積もったって140に届いていない、道理で部屋が広いはずだ。 「……、orz」 生の女体を心行くまで探索できる、と少なからず高翌揚していた気分が急に萎え、思わず膝をついてしまう。 すると細く・小さくなり過ぎた下半身では支えきれなくなったのか、ズボンがずり落ちる。パンツも脱げた……やっぱりパイ○ンか、そらそうか。 ---- そこから先のことは正直思い出したくない…… リビングに降りてきた一人息子改め一人娘を目にした両親は、 「ずいぶんとまぁ、可愛くなっちゃって!」 「バカ息子が愛娘になる日が来ようとは……ちょっとパパって呼んでくれないか?」 などと言って、俺の女体化を寧ろ祝ってくれた。どうやら俺が童貞なのはバレバレだったようで、とっくに覚悟は出来ていたとのこと。 挙句の果てには、 「見た目の歳に合わせて小学校通い直してみる?このご時世ならすんなり認めてくれるかもよ?」 「そりゃあいいなっ、お嬢様学校に入れてやるからネジ曲がった性格直してお淑やかになって来い!」 とのたまいやがった。 正直“女子校でゆりゆり~な関係”には惹かれるものがあったが、大和撫子になる気などさらさら無いし、これまでの自分の過去を隠して生きる気もなかったので丁重にお断りしておいた。 母さんはけっこう本気で残念がっていたみたいで、 「せめて制服だけでも着てみてよ!」 などと言って、お隣の涼子ちゃん(中一)のお古(しかも中学年仕様……)を着せられて写真撮影が行われたのは秘密だ。 まぁ、私服その他諸々もついでにごっそり頂いたのは助かったんだが……年下の女の子のお下がりを着ていると思うと、やはり鬱屈した気分にもなる。 おまけにそんな服を着た姿を涼子ちゃんに 「私が着るより全然似合ってるよっ、カズさん可愛い~♪」 などと評され、頭をナデナデされました……タヒにたひ。 ----------------------------------------- 翌日 ----------------------------------------------- 朝(?)の十時、普段ならとっくに授業を受けてなければならない時間だが、今日の俺はまどろみの中。二度寝の気持ちよさは異常~ 役所その他への手続き、制服の採寸・手配にと、諸々の準備のために今日は学校の配慮で公休にしてもらえるのだ。 クラスの連中は今頃数学の小テスト真っ最中……ぐへへ、せいぜい頑張るがいいさwwwwww 「いつまで寝てんのよっ、いい加減起きなさいっ!!」(バサッ) 「ふみゅうっ!?」 三度寝とシャレ込もうと思ったら、無理やり母さんに布団をはぎ取られた。むぅ……寝足りん。 「落ち込んでるかも知れないと思ってゆっくり休ませてたけど、全然元気そうじゃないの。 お父さんのが『娘の見送りがない』って落ち込んでたよ」 「…………娘バカ乙」 「甘えてあげればいいじゃない、お小遣い上げてくれるかもよ?その分はもちろんお父さんの分から引くけど…… それとあんた今日は役所まで行くからね、恥ずかしくない格好してきなさいよ。そこに出してあるワンピースなんかおススメ」 「強制ですね、分かります。大人しく着替えるから出てってくんろ~」 「はいはい……ブラのつけ方まだ分からなかったなら呼んで頂戴ねwwwwww」 「詰め込む肉がないので苦労しません……orz」 そんなこんなで特に手間取ることもなく着替えが終わる。 ちなみに下着関係だけは新品だ。お古をとっておくようなものでもないし、貰えたとしても断固拒否していたことだろう。 ショーツなんかちっさいブリーフと思ってしまえばなんてことはないし、正直つける必要皆無に思えるこのスポブラも、支えるモノがないので被って位置調整するだけのまさに「大胸筋サポーター」だ。 昨日体験した「はじめてのぶらじゃあ」体験にはときめかないでもなかったが、どう頑張っても谷間どころか布地分以上の盛り上がりも作れない現実(AAA)に、装着後は涙目だった。 こんなちっぱいもとい無乳では弄る楽しみもないので風呂でも「女体探索」をする気になれなかった。 下半身は脱衣所で母さんの手鏡拝借して覗いてみたんだが……なんだか裂けそうで怖かったので自重……チキンちがう。 「よぅし、今日も可愛いおはようじょ!」 鏡に映った姿を確認する。うん、黒のワンピがよく似合ってる……なんか仔猫っぽい雰囲気?こんなロリぃのは俺の趣味じゃないけど。 しっかし、見事に歳不相応な外見だことで……うちで一番ちっこいのが148の渡辺だっけか? それでも10センチ差とか、うぅ……いぢめられなきゃいいけどなぁ。今の俺じゃあ女子にも力で敵わないわけだし (ブブブブルルッ、ブブブブルルッ) 「ひぅっ!?」 ネガティブな方向に飛んでいた思考が携帯のバイブ音で引き戻されると、何やら自分でも意図せず可愛らしい悲鳴が上がってしまった。 母さんに聞かれちゃいないだろうな、と赤くなりつつ画面を確認すると、トシのやつからメールが来ていた。時計を見るに、向こうは休み時間中か…… (昨日今日とどうした?体調不良とだけしか連絡来なかったんだが、もしかしてお前……) ありゃりゃ、そういや連絡してなかったっけ?どう返したもんか…… (いやいやww腹出して寝てたらおなかの風を貰っちまって……昨日は便器が友達でしたwwwwww) (汚ぇ!見舞いにでも行こうと思ってたけど、自粛するわ) (ちょww今日はもう大丈夫だって!正直半分ズル休み……小テスト乙wwwwww) (赤ギリギリの俺に謝れ!ほんとに行かんぞ?) (寂しいこと言うなよぅ、暇なんだよぅ……この前言ってたゲーム貸すからさ、来てくんろ~) (分かった分かった、それじゃあ五時ごろな) (見舞いの手土産希望) あ、返信途絶えた。まぁ、あいつなら来てくれるだろう…… それで俺の部屋に入ったら見知らぬ幼女が出迎えるわけだww奴の驚く顔が目に浮かぶwwwwww まぁ、ドッキリは別としてトシにはやっぱり先に知らせておきたいもんな。明日からの学校生活でも、フォローをお願いしたいし。 っし、そうと決まれば腹は決まった!用事が済んだらとびっきりのおめかしをして、あいつを吃驚させてやろう……ぐへへwwwwww -----------------------------------------------夕方------------------------------------------ なぜか部屋の中央に正座している今の俺は、リボンとツインテールとで亜麻色の髪を可愛らしく飾り、(イタズラ計画に悪乗りした母によって引かれた)リップが瑞々しい唇の色を引き立てている。可愛さ当社比60%増しだ。 だのにその眉間には、愛らしい顔に似つかわしくない皺が見て取れる。 (遅い……) 時刻は午後五時半、自室で待機中の俺は我慢の限界にあったのだった。 (トシのやつ……せっかく俺が気合い入れたってのに、バカみたいじゃないか) これはあいつにも恥をかいてもらわねば割に合わない。初めは親戚の女の子の振りでもして、ちょっとでもデレデレしたところを見せたら正体ばらして 「ロリコン乙♪」 と笑ってやるのだ。うんそれがいい、そうしよう! そんな計画を練っていると、やっと玄関のチャイムが鳴る。これは…… 「お邪魔します、和史のお見舞いに来たんですけど……」 トシきたああああああああ!!おい、母さんの相手なんてせんでもいいから上がって来いって!! よしっ、「俺が部屋にいると」はいなかったな……母さんgj さあバッチこい!今の俺は「和花(のどか)」、役所で変更した新しい名前だけど今は俺の従妹って設定で……っ (ガララッ) 「う~す、和史ぃ腹の具合はいかがなもんか……ね……?」 「(びくぅっ)ひ……ひぁっ!?」 なんか分からんうちにトシ乱入。早く来いとは言ったけどさっ、ノックくらいはしてくれ!仮にも女の子の部屋に……って、おかしいおかしい。 こちらもこちらで混乱しているが、向こうも相当驚いているらしい。口をぽかんとあけたまま、こっちをガン見で見下ろしてくる。 まあ狙い通りっちゃ狙い通りなんだが、この空気はなんか気まずい……ここは俺から話しかけるべき、だよね? 「あ、あの…っ、私、従妹の和花って……いいマス。和史…お兄、ちゃんは今…トイレで、その……」 「………………」 おいぃ、なんで無言?ってか、こっち見んな!なんでガン見っ、目がこえぇよっ声震えんだろうがっ! 暫らく無言で見詰め合った俺たちだが、硬直から解けたトシの開口一番がこれ↓ 「スカート……もうちょっとで……見え(ry」 「へ……へぁっ!?」 待機中のイライラでそわそわ動いていたからか、綺麗にしてあったはずの黒ワンピの裾が捲れあがってあられもないことにっ!? 頭の中は男でも、いやだからこそパンチラなんて恥ずかしすぎる!キッ、とやつを睨み上げてやる……涙目なんかじゃないんだからねっ! 「あ……ご、ごめん!俺、和史の親友で同級生の森野俊彦っす!」 親友……ねぇ? 「いや、ホントにゴメンっ!初対面の娘相手に何言ってんだか……」 そう言いながら視線が俺の顔と下腹部とを往復してるわけだが…… 「ぶつぶつ……(和史ぃ、こんなに可愛い従妹《いもうと》がいるなら紹介しろと)」 なんか俺が呪われてる気が……ってか可愛いって聞こえた!?俺が!? 「隣いいかな?手土産に桃ゼリー買ってきたんだ、和史は食えないだろうから、一緒に食べちゃおうか?」 お、桃ゼリーとは気が利くじゃん♪……ってちょっと待て!今座りがてら胸元覗きこんだだろっ、見てたからなっ! 「しっかし、あいつは従妹ほっぽって便所籠りとか……それでも待ってあげてるなんて、和花ちゃんは優しいねぇ」 (わしわし……) 頭を撫でるなっ、ってか距離が近ぇよ!なんかいつもと雰囲気違うぞ……正直、キモい!! 「……コン…つ……」 「(わしわし……)ん?」 「ロリコン乙って言ったんだよ!!道理で乳に反応しないわけだよこのド変態っ!!」 「(ドスドスッ)~~っ!?ぐ……ぐはっ!!」 やはり図星かっ、幼女姿の俺に罵られたせいかトシのやつ真っ白に燃え尽きてやがる。 ……でもなんか気持ち良さそうにも見えるな、キモいので今のうちに距離を開けておこう。 ----
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